ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
でもプライドがいい身体しているのは間違いないと思います(ゲス顔)
エグゼサントラのサブスクで227番目の曲のミスの修正をいまだに待ち続けているので初投稿です。
クリームランド。
世界地図を見ると北にあり、大国であるシャーロの近くにぽつんとある小国であり、おそらく今のニホンの子供にクリームランドって知っているかと言われたら微妙な返答が返って来ること間違いナシだ。
事実、お世辞にも豊かな国とは言えず、土地も豊かではないために農作物も弱く、原生物の種類もたかが知れていたがゆえに現代の外交において不利な立ち位置にいた。
しかしシャーロと領土問題で多少揉める程度まで持ち込めたのは、後ろ盾にアメロッパの影があったからだ。
国家に真の友人は存在しないと誰が言ったか。かつてシャーロと敵対していたアメロッパ側が弱きを助け強きを挫くという自らのイメージをアップさせ民意を得るアピールのために、クリームランド側についたからでクリームランドそのものに価値を見出したわけではない。
時代に翻弄されるがままの小国──10数年前に至っては不況もあって路頭に迷う国民の姿も珍しくない惨状だった。
しかし、十数年前からその流れは変わった。
ネットワーク。今では当たり前のものとして享受しているそれが世に現れてからクリームランドにとって転機を迎えることとなる。
インターネットは元からあるような農作物も土地も関係なく作り上げる事が出来る広大な
特にインターネットの黎明期、先陣を切っていたのは同じく領土が狭い小国のニホンだった。しかしながら直近で発生した『とある大規模バグ』により蓄積した技術は振り出しとなっている。
それ故にニホンに出来てクリームランドに出来ないことはない──そう考えたのか国民や技術者たちの士気は非常に高く、その熱量の高い時期に生を受けたプライドは幼い頃からプログラミングやネットワーク技術についての基礎を叩き込まれた。
最初こそプライドも乗り気ではなかった。
ネットワーク技術の有用性は分かるが、それは技術者のやることじゃないのか、と。
しかし──父親に見せられた現実がそのプライドの想いを覆した。
路頭に迷い、ゴミを漁って飢えを凌ぐ子供を、諸外国に出稼ぎにいく国民の増加で廃れていく街を──見てしまった。
プライドにとってそれが命を賭けるべき命題なのだと理解した。
このネットワーク技術の発展一つで民の生活が少しでもマシになるのならば。自分が民や臣下たちの負担を肩代わりできるのならば、寝る時間だって惜しくない、と。
幼いころから技術面を叩き込まれたプライドはアンチウイルスプログラム《ナイト》を自力で作り上げ、一方でクリームランド全体でも独自のファイヤーウォールや国独自のネットワークエリアであるクリームエリアを完成させた。
インターネットの歴史の話になるが、かつて旧式のインターネットにはエリアという概念がほぼなかった。
故に独自にエリアを形成したクリームランドの動きは画期的なものだった。特にエリア分けは広大なインターネットで発生した凶悪なウイルスを隔離し、逆に外部から発生したウイルスを防ぐことが出来る。
国防面でもネットワーク管理された兵器やインフラが諸外国からのハッキングを受け、破壊されるリスクを減らすことが出来る点では、大国からすれば喉から手が出るほど欲しいものだっただろう。
瞬く間にクリームランドは先進国の仲間入りを果たした。
出て行った国民たちが帰り、諸外国から技術を取り込むためにやって来る技師たち。これまでの悲惨としか言いようがなかった不況も解決し、かつて父親に見せられた国の惨状は見る影もなくなった。
それでも、プライドは常々新たに現れる技術を取り込む事を忘れなかった。
この手のものは堪えず変化している。
これまでの常識が、一転して非常識に変わる世界においてプライドを休ませることを許さなかった。
誰が? 当然──プライド自身がだ。
気付けば目元にクマがあるのはいつものこと、化粧をしようが隠しきれないものにまでなっていた。誰が言ったかスーパークマというものだ。
それをプライドは恥とは思わなかった。国民が豊かになるが故の代価がこれならば逆にこれは勲章と言うべきものだ。
積み重なる眠気との付き合い方も覚えた彼女にはもう怖いモノは何もなかった。
そう、何も──
三日天下。
ニホンにはそんな言葉がある。
先進国の仲間入りをしてしばらくしてクリームランドの発展に対して諸外国は血眼になってその持ち前の国力でこれまで培ってきた技術をいともたやすく真似し再現してみせた。
不自然な勢いだった。何なら公表していない国家機密の防衛システムすら真似されている始末だ。
当然──内通者の嫌疑がかかった者はいたが、気付けば行方を晦まし裁くことも叶わず。
防衛システムの秘密が露呈してしまった以上、国のファイヤーウォールなぞ紙ペラ同然だ。マザーコンピューターは襲撃も受け、辛うじて破壊までは免れたもののマザーコンピューターの攻撃を許したネットワーク先進国などとんだお笑い種だ。
諸外国からの信用は当然消え失せた。
そして追い打ちをかけるように自分たちがやってきたことを嘲笑うかのようにこれまで培ってきた技術を諸外国はコピーし圧倒的に上回るものを創り上げていく。
それに対してクリームランドもプライドも必死に流れに抗い続けるものの、もう止められなかった。
時代遅れのネットワーク技術と揶揄され、アンチウイルスプログラム《ナイト》を屑鉄と吐き捨てられる始末。再び徐々に廃れていく国を前にただプライドは立ち尽くす他なかった。
こっちが追い付けば、前にいた国家は更にその先を行く。
大国と小国の差を嫌というほど思い知らされた。
何故多くの人々が血と汗を流して創って来たものを世界は踏みにじるのか。報復をしようにもこの国にはそんな力は残されていなかった。
細々と対ウイルス技術を発展させていくくらいしか出来ることはなく、世界の片隅で息を殺して生きていくだけ──
が──そんな彼女に天啓が訪れた。
ゲイトと名乗る匿名の科学者がプライド個人にコンタクトを取ったのだ。
「やぁ、初めまして。プライド王女殿。貴女と話がしたいのだけれども、いいかい?」
最初こそ警戒はした。ただ、疲弊したプライドにはゲイトの提案はあまりにも脳髄に染みこみやすかった。自分たちの苦労を肯定して間違っているのはこの世界の馬鹿どもなのだと、煽り立てる。
一頻り煽り立てた所で提案をしてきた。
ゲイトの提案──それはネットマフィアゴスペルへの協力と情報流出させたものへの報復だった。ゴスペルはこれまで社会に虐げられてきた者達によって造り上げられてきたものであり、かのガウス・コンツェルン代表が参加していた事実もあり彼女にはまたとないチャンスに思えたのだ。
無論、その対価としてクリームランドの持つ防衛システムの一部の提供と、こちらの所有する対ウイルスプログラム《ナイト》をベースに作り上げたネットナビ《ナイトマン》とプライド自身の作戦参加を承服することを求めた。
プライドはそれを──縦に頷くことで許可してしまった。
報復は瞬く間に成し遂げられてしまった。
情報流出させた者はアメロッパで豪邸を建て悠々としていたところをこれまでの悪事を暴かれ、最早表の世界にも裏の世界にも生きられないほどに惨めなことになった。
不思議と、達成感はなかった。まだ足りない、そう思っていたのだろうか。
己の内に秘められた憎悪はそれで止まることはなかった。
そして余計にゲイトは煽り立てるのだ。
「キミがここで満足すればおそらく第二の彼が現れるだろうね。ネットワーク社会の発展はこれからも続くことだろう、それと共に黒く醜い欲望も増えていく。キミの願いを叶えただけで根本的解決になっていないんだよ。わかるかい?」
そうだ、何もかも壊れてしまえば良い。滅べ、滅んでしまえ。
今思えば酷い自棄を起こしていたのだろう。ゲイトがリークした究極のナビはこれまで積み上げてきたネットワーク社会を完全に崩壊させられるだけのポテンシャルを秘めていた。
シミュレーションでゲイトが見せた究極のナビは再現されたオフィシャルのナビであるブルースを瞬時に数体消しとばし、仮想エリアを焦土に変えてしまったのだ。
この時点で究極のナビの大半は完成しているのだという。
最早もう止められやしない。諦観と復讐心が綯い交ぜになった思いで、ゴスペルのリーダーである者の命令に従いとある作戦に出た。
それは──世界各地から集ったオフィシャルネットバトラーを会場に閉じ込め根絶やしにするという恐るべき作戦だった。
◆◆◆◆◆◆
目が覚めた時にはすべてが終わった後だった。
ゴスペルの出資者として、幹部として。
王女であるプライドはオフィシャルネットバトラーの国際会議に出席し、会場であるアメロッパ城のトラップをハッキングし、集ったエース級をそれで一網打尽にする──そんな目論見はたった一人の少年とネットナビの手によって阻まれた。
最初こそは順調だった。何名かは暴走したトラップで重傷を負わせ自分も被害者を装い、果ては最大の障害である伊集院炎山と光熱斗を同士討ちさせる。
最終的に疲弊したところをこちらがトドメを刺し、唯一の生存者として世間の同情を誘う。
それがリーダーの提示した作戦だった。……が。
光熱斗とロックマンが極め付けのイレギュラーであったのだ。
──わたくしは負けたのね……
トラップを使って少年を道連れにしてやろうと思ったものの、世の中巧くはいかず。
誤作動でプライドのいる場所に落とし穴が起動。数メートルほどある高所から叩き落とされる憂き目に遭った。
病室のベッドから身を起こすと、オフィシャルの人間が睨みつけるようにこちらを見ていた。
当然だ、あのトラップは下手すれば死人が出るレベルのものだ。流石はオフィシャルと言ったところか、一人も死なずに病院送りで済んでいる。
落下で骨までやられておらず打撲で済んでいるのは奇跡だ、と医師は言っていた。
長い時間眠っていたらしい。オフィシャルを貶めてから3日ほど経っていた。
無罪では終わるまい。
このまま牢の中で半生を過ごし、国も何もかもが終わった後外の世界に帰るか。
これまで体験する事はあるまいと思っていた未来を前に、ただ淡々とベッドの上でオフィシャルの取り調べに応じていた。
そして退院した時には既に究極のナビの欠陥が露呈、そのままゴスペルは壊滅していた。
失脚は覚悟していた。しかし現実はそれを許しはしなかった。
「クリームランドの存続に関わることもあり、収監はしない運びとなった。国に感謝するのだな」
嫌味たっぷりにオフィシャルの人間にそう言われた。
噂だと、光熱斗並びに被害に遭ったオフィシャルの嘆願もあったのだという。
国に戻った時には酷く両親に叱られ、抱きしめられた。
せっかく戻った事だし、クリームランドのファイヤーウォールの見直しでもしようかと考えたものの、臣下たちはそれを許しはしない。
「王女殿下は暫く休まれた方が宜しいかと。何年も常々働かれておられたのですからその分の休暇は貰って然るべきなのです」
ごく一部の王家の人間以外にはプライドが暫く姿を見せなかったのは過労が祟って倒れてしまったからだということになっていた。ここで本当のことを言ったとしても恐らく彼らは信じることはないのだろう。
それからろくすっぽ仕事は出来なかった。幼少期にネットワーク技術を教えさせようとした父なりに思うことがあったのだろう。
けれども何も出来ないというのも落ち着かない話だった。
勿論、オフィシャルからの定期的な取り調べやゴスペルについての情報提供やらもあり完全に暇を持て余していたわけではないのだが。
取り調べの時は極力護衛が付かないようにお忍びで出国を繰り返す。
今でも自棄になっていると言われたらそうなのだろう。それから数ヶ月、何事もなく過ごしている中で一つの噂を耳にした。
そう、ゴスペルが再び動いているという。そんな噂だった。
最初こそ耳を疑った。そんな舌の根も乾かぬ内に活動再開するなどあるものか。
しかしその噂は本当だと思い知らされることとなる。
from:no name
to:プライド
subject:決起
マリンハーバーにて殿下の取り調べ後決起する。
志変わらぬなら迎えを寄越す。
新なるゴスペルのために。
ニホンのマリンハーバーでの取り調べの前日、そんな不審なメールが飛んできた。
誰が寄越したメールなのかわかりはしないが、こちらのアドレスを知る人間はごく一部でありこんな内容のものを送れる人間は更に絞れてくる。
ゴスペルの呪縛は消えはしない。そして、逃げる事も許されはしない。そんな予感があった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
マリンハーバーでの取り調べはいつもと違った。
ニホン人の職員がするものかと思っていたが、不思議なことにアメロッパ人の無精髭の男とスキンヘッドのニホン人の大男が待ち受けていた。そして奥には典型的なニホンのサラリーマンを絵に描いたような頭が半分禿げ上がった課長と呼ばれた中年の男。
オフィシャル各国が情報を欲しがっていることもあり、世界各地を廻りながら取り調べに応じさせられているわけだが、今回な2国合同のつもりだろうか。
取り調べのテーブルにつきながらプライドは思考する。
威圧感のある大人たちに威圧されながら取り調べを受けることは慣れている。
下衆な質問や取引を持ちかける人間もいる。そのあしらい方も心得ている。
腹を括りながら始まる質問を待ったものの、その果てに待っていたものは意外と当たり障りのない簡素なものだった。
しかし途中から中々の時事ネタを含んでいた。
「君ももう知っているかも知れないが、ネオゴスペルの件について訊きたいことがある」
史隅管理官の切り出しに、プライドは咄嗟に身構えた。
まさか、例のメールを悟られたか。
「未逮捕幹部のことについてだ」
どうやら違うらしい。
そうだ。ゴスペルは首領が逮捕され解散したものの全員が全員こうして取り調べを受けたわけではない。ゲイト、V、EDF……
ゲイトの人となりはよく知っている。科学者でありながら相手を煽て煽り立てるのが上手い。それでいて究極のナビを完成にまで漕ぎつけたのは彼の助力あってこそだ。
Vは確か対オフィシャル部隊として動いていたという。オフィシャルスクエアを半壊に追いやったのは彼の働きが大きかったと聞いている。
妙にオフィシャルのことについて詳しかったが理由は分からない。ただ、確かな事はVのことについては奥で聞いていた課長が凄まじく苦々しい顔をしていたという事だけ。
……まさか裏切り者か。
話を戻そう。
EDFはオブザーバー、と言っていた。
旧ゴスペルには強力な後ろ盾が存在していたらしいがそれとゴスペルを繋げるパイプのような役割を持っていた。それと特徴的な笑い声がプライドの脳裏に強く焼き付いている。
キョーキョキョキョキョ! と。
話せることは全て話した。
ただ、彼らのその後については分からない。とはいえナイトメアチップの件については恐らくゲイトが一枚噛んでいる気はなんとなくした。
「旧ゴスペルでゲイトはあることを言っていました。ネットワーク社会を陥れる為には幾つか手早い方法がある、と」
「ほう?」
スキンヘッドの男、史隅管理官と言ったか。その男が興味深げに頷く。
隣にいたバレルという男は無言のままプライドの言葉に耳を傾けていた。
「一つはWWWやゴスペルのやっていたネットワーク管理前提で動いている社会の脆弱性を突き、電脳世界を制圧、破壊して暴走させてしまうこと。そしてもう一つは欠かせないものに毒を仕込み内側から壊死させること」
ニホンではナイトメアチップなるものが販売されているという。
そのナイトメアチップの噂が本当ならば恐らく裏で動いているのは──
「ゲイトはまだ手札を残している、そんな気がするのです」
「ゴスペルの名は騙りではない、という事か」
付け加えたバレルの表情に皺が寄る。
残党と鼻で笑うことはできない。
その危機意識はこの2名には少なくともあるようだった。
とはいえど。
ニホンのオフィシャルは一度ゴスペルにいいようにされている。こんな短期間で彼らが学びネオゴスペルを封じられるとは到底思えなかった。
ほぼ、諦めめいたものがあったのかもしれない。
そんな思いを抱えたまま、取り調べは終わりオフィシャルセンターの外を出ると、海特有の生臭い風が頬を撫ぜた。
今の自分は変装をしている。
それゆえに今自分の前を歩くものは誰だろうとも、素通りをしていく。
これからどうしたものか。流れゆく人の波の中でぼんやりとプライドは立ちすくむ。
思ったより早く終わってしまった。
このままクリームランドへ戻るにしても飛行機の本数はたかが知れている。今日残されたものは夕方のもの一本くらいだろう。
それにかのゴスペルを僭称する人間からのメールについても気になるものもあるのでしばらくこのマリンハーバーには残っておいた方が良さそうだ。
……それまでどう時間を潰したものか。
オフィシャルセンターを出る間際に課長から渡されたマリンハーバーの観光ガイドを片手にただ途方に暮れる。
これまでお忍びで出国したことは多々あるが最低限の用事を済ませてすぐ帰ることがほとんどだった。
しかし課長の厚意で、マリンハーバーを回ることを勧められたのもありそれを無碍にするのも少しばかり思うところがある。
とはいえどこうして何の目的もなくこの街を遊び回るなどという無駄の極みのような行為、この人生一度もやったことがない。
とはいえ何もせずにこのままぼんやり突っ立っているのはこれまで散々やってきたことで、おなじことを繰り返すのもまた無駄というものだ。
かれこれ何時間経ったのだろうか。
誰かを待っているわけでもなく、ただ自らの帰る時間を待っているだけ。
そして自分の前に同じくらいのニホン人が何処かに遊びに行こうとしているのを見て一瞬だけ、自分の生まれを呪いかけた。
その時どこか困ったような声が後ろから聞こえてきた。
「──あのォー、すんません」
振り向くとそこには紺色のジャケットを羽織った自分と同じくらいの少年が恐る恐ると言った具合に「ども」と会釈した。
アニメ版設定と原作設定を混ぜ込んだのが本作のナイトマン。
その為元々ナビじゃなかったものをクリームランド脅威のテクノロジーでナビにしたとかいう背景となってます。
カーネルが20年前に出来たという話と照らし合わせるとネットナビそのものを作ったとされる光パパの年齢って40代説が出てしまうんですが到底見えんのですよねぇ。若造りなのかもしれませんが。
炎山パッパの方が余程40らしいっちゃらしいのです。
じゃあパパが炎山ややいとみたいなルートを辿ったのかと言われるとうーん、ってなる。あり得るかも知れませんが。
多分、ロボットとレプリロイドの関係のようにネットナビにもその前身のようなものがあるのではと思ったり。カーネルがXシリーズで言うゼロみたいな立ち位置なんじゃないかと。
そう、表向きレプリロイドだけど厳密にはロボットみたいなアレです。