ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA   作:ヌオー来訪者

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 お待たせしました(憔悴)


Part16 完璧な手札だ……

 7人の勇気で戦え! (3人足りない)のRTAはーじまーるよー! 

 

 

 

 イベントを済ませると、後は最後の稼ぎどころさんとなります。

 何故か深夜なのに店にいるサブチップ商人に、ジュークボックスの電脳からインターネットにアクセス出来るようになっています。

 が、RTAなのでやりません。

 

 出発前にディンゴとホイップに話しかけると好感度が上がりますので話しかけておいて、終えたらDアッシュの出口前で待っている浮浪者のおっさ……バレルさんに話しかけると【準備は出来たか?】と質問されるのでAボタン連打で【はい】を押しましょう。

 

 ごれがるがホンバナだっ! (変態禿隊長)

 

 はい、ここからゼロとナイトマンが作り上げたマップに従って進みます。

 メタルギアの要領で、建物や車などを利用して物陰に隠れつつハーバーブリッジまで進む必要があります。

 

 ノンストップで走って突っ切ることも出来るのですが、かなり判定がシビアなのと見つかったらゲームオーバーなので安定をとって何度か隠れていきます。

 つい最近は岩に隠れとったのか? (レ)

 

 エリア1は直進で止まらなければ通過出来ますが、エリア2はやや面倒です。

 通路をぐるぐる(変態糞土方)しているので定期的に物陰に隠れなければ見つかってアウトです。その癖入り組んだ地形をしているので頭の中にマップを叩き込んでおきましょう。

 

 ついでに通路にHPメモリが転がっているので拾っておきます。

 

 

 エリア3に至ってはランダムで動くのでずっと同じ所で隠れていないといけないことまであります。

 誰だよ(ピネガキ)こんな行動ルーチン組んだ奴は……

 狂いそう……(静かなる怒り)

 

 案の定屑運発動しているので……

 

 

 甥の木村、加速します(再翻訳智将)

 

 

 

 

 

 

 

 

 やったぜ。投稿者:変態糞元アメロッパ司令官 (8月16日(水)07時14分22秒)

 

 スニーキングミッションもどきをするエリア3を抜けた先でオフィシャルや警備員が民間人を追い払って閉鎖区画を作っていますので、そこに侵入出来れば後はメタルギアもどきをやらずに直行するだけです。

 

 移動中、会話イベントが始まりますのでこれはスキップ。

 奥まで進むと、車の形をした爆弾が置いてあるので起爆装置の電脳に強制プラグインします。

 

 

 イクゾー! デッデッデデデデ! (カーン)デデデデ! 

 

 

 プラグインするとダンジョン……なのですが。

 チームオブカーネルフラグが立っているので、リベレートミッションを弄ったPXZかスパロボもどきのSRPGをやらされます。

 

 

 ルールは簡単。

 自軍、敵軍とターンが回り、自分のターンでユニットを移動させて、敵ユニットとバトルして倒したり、ギミックを動かして目的地まで向かい奥地で待つボスを倒すだけです。

 

 ね、簡単でしょ? (BBRS)

 

 ウイルスやボスとの戦闘は3ターンで、エグゼ5のリベレートミッションと同じく制限時間内に倒せなかった場合は戦闘は強制終了です。

 そのためクイックゲージはかなり邪魔なのでフォルダから一旦外します。

 

 

 ゼロ、カーネル、トマホークマン、ナイトマン。

 戦闘時の動きの癖やアビリティに差異があるので癖のあるメンツをいかに動かしていくかが腕の見せ所さんになります。

 特にナイトマンは機動力を犠牲に、HPが最も高く敵ウイルスの攻撃を防いだり広範囲を攻撃するMAP兵器紛いのものを無効化出来るので強力です。

 

 トマホークマンもHPが高い上にアタッカーとして優秀で、MAP兵器紛いのものも有しているので何も考えずに動かしてもいつのまにか敵ユニットを殲滅していることも多々あります。

 

 カーネルは援護射撃やアーミー召喚などのアビリティでチクチク削る役目。

 

 ゼロは……今のところ無改造状態なのでアビリティもないのですが、初期状態の分際で移動力が他と比べてやたら高いので真っ当に敵ユニットを確実に一体ずつ潰させることがやりやすい。

 

 ……と、各々使い所さんを間違えると酷い目に遭いますので丁寧、丁寧、丁寧に動かしていきます。

 

 

 このエリアはバリアが二つあり、バリアを解除して奥に進んでいきます。

 解除方法は防衛プログラムと称した敵ユニット軍団の中に1体だけ鍵を持っているヤツがいるのでソイツをデリートすることです。

 

 

 大量にウイルス型の防衛プログラムと称した敵ユニットが現れますのでその中から1体探すことになりますが……

 まともに対処しては何ターンも費やしかねないので、ピンポイントで潰しに行きます。

 

 この中ではスウォーディンやエビロンと小型ユニットがいますが、バリア手前にデカいストーンマンもどきと、デカいフロシェルが待ち構えています。

 

 デカいフロシェルがキーを持っていますので邪魔なユニットを排除しつつ進んでいきましょう。

 

 HPは400とウイルスの分際でクソほど高いですが、ただ邪魔くさい盾があって硬いだけで攻撃方法も爆弾を投げてくるだけなので投擲系や貫通技を叩き込めばすぐに死にます。

 ここで役に立つのがゼロのブライスティンガーやトマホークマンのトマホークスイングという訳ですね。

 

 ただのカカシですな(BNTT)

 

 じゃ、死のうか……

 

 まずはゼロを先行させてこのデカいフロシェルを始末します。

 初手の配牌が事故らなければまずHP400だろうが単独キル圏内で……

 

 

 バリアブルソード D

 ショットガン J

 ミニボム B

 ワイドソード S

 ソード S

 

 

 

 ……完璧な手札だ(震え声)

 なぁにこれぇ(本音)

 

 ろくに繋がらねえじゃねぇかお前よぉ! (半ギレ)

 チップフォルダがガバガバなのはそもそも素材回収に時間取られることを忌避した結果なのですが、ここまで酷い事故を起こしたのは久しぶりです。

 

 取り敢えずバリアブルソードを選んでボコりましょう。

 デカいフロシェル自体シールドを持っているせいでこの時私は練習がてらドリームソード用のコマンドを使っていますが、失敗したらどうするつもりだったんでしょうね……

 

 変なところで新世代型オ◯ニー見せなくてもいいから(良心)

 

 安定を狙うならロングソードかファイターソードで我慢しましょう。

 このGフロシェル自体攻撃が数発の爆弾を自マスに投げつけることしかしないので、回避は容易です。

 

 その間におし、じゃあ(ラーニング技のブライスティンガーを)ぶち込んでやるぜ。

 

 

 うーん、この。

 バリアブルソードが消えて入れ替わりに入ったのが貫通しない飛び道具のエアシュート1。全然ダメージが入りませんね。

 取り敢えずミニボムとエアシュート1を選んで手札を回していきましょう。

 

 

 これでロングソードが出れば結果オーライですよ! 

 HAHAHAHA! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ん? 

 

 

 

 

 

 あれれぇ、おかしいぞぉ? 

 

 

 

 

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ゛! ゛! ゛! ゛(33-4)

 

 

 ど う し て ト ラ ッ シ ュ し た チ ッ プ と 同 じ や つ が 返 っ て き て る ん で す か ? (66-8)

 

 

 どうして……どうして……(99-12)

 

 

 よりにもよって次に出てきたのがエアシュート3とパネルアウト。これは酷いガバですね……

 とは言ってもこの流れでショックウェーブガン積みしたら違う戦闘でえらい目に遭うしそれはそれでロスになるし……(小声)

 大人しく2ターン目で攻撃捨ててADD使えばよかったのになぁ……

 

 仕方がないのでブライスティンガーを連発して削るだけ削ってトマホークマンに後を任せます。

 

 

 まぁこれでもリガバリは出来るから……

 取り敢えずトマホークマンの能力について説明します。

 

 チャージ攻撃は6準拠で縦2横3マスとドリームソードと同等の範囲を持つ【トマホークスイング】

 固有チップは外周マスを廻る【トマホークブーメラン】

 カウンターを取ることで前方横一直線に貫通、対ユカシタ性能を持つ必殺技【イーグルトマホーク】が使えるようになっています。

 

 本作はカウンターからココロウィンドウがフルシンクロ状態になるのはロックマンと、PETのカスタムパーツ【シンクロトリガー】を適応させたナビのみとなっています。

 そのため大半のナビは流星のロックマンのように【必殺技】がカウンター時に得られるようになっています。

 

 で、そんなことはさておいてトマホークスイングでワンパン出来るので取り敢えずチャージして倒しておきましょう

 

 なんせ

 

 

 ま た 手 札 事 故 し て い る の で (132-16)

 

 

 なんでエアシュートとパネルアウトしかないんですかねぇ……

 

 安定をとる場合は専用のフォルダを組む為のチャートをちゃーんと書いておきましょう。

 いやそれにしたってこれは酷すぎませんかね……(憤怒)。

 

 

 あーもう滅茶苦茶だよ(半ギレ)。

 2度あることは3度あると言いますが、3度目の正直という言葉もあります(二律相反)。

 

 

 流石これ以上の地獄はないでしょう(楽観)。

 ナイトマンのコマを調整します。ナイトマンのスキルは敵ユニットのMAP兵器を受け付けず近くに味方がいる場合防いでしまいます。

 カーネルの位置どりはナイトマンの近くに置いておきましょう。

 

 ダメージを極力減らしておかないと事故った時本当に取り返しがつかなくなりますからね。

 

 で、ゴッドストーン発動時に出てくるストーンマンみたいな奴が行く道を塞ぎやがったので、初手ゼロでシバいてしまいましょう。

 HP300ストーンマンもどきのやることというと、パンチと落石、ストーンキューブ生成くらいです。

 

 適切に攻撃を避けつつ、ゼットセイバー3連撃でチクチクやればフロシェルよりは簡単に処理できます。

 流石に今回の配牌は安定しているのと、デカいフロシェルよりHPはないのですぐに死にます。

 

 エリアスチールで距離を詰めてゼットセイバーで殴り、攻撃前にサンダーボールで動きを封じて再度ゼットセイバー。

 カスタムゲージが溜まりかけたタイミングでエアシュートで硬直させて、フミコミザン。

 

 やったぜ。

 ここで倒しきれなかった場合走者が発狂しているところでした。

 流石にこれ以上ガバで失点を重ねるわけには行きません。  

 

 雑魚は適度に処理しつつ、ユニット4体を奥のマスに進めていきます。

 

 ん? 

 

 画面が暗転しましたね……

 この流れはもしかして……もしかするかもしれませんよ? (ONDISK)

 

 

 いつもなら居るはずのバリアキーを守っているフロシェルが消えてますね? 

 

 あれれ〜おかしいぞぉ(ゲイ探偵コカン)。

 その代わりにいるのはカットマン……ですかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 ん? カットマン?

 カットマン!? デリートされたはず……(ムエタイX)。

 

 

 

 

 今日はここまで。ご視聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 Z

 

 

 

 

 

 

 外を出ると、灯りは一つ点かず皆眠っているのか、チンピラ連中に目をつけられるのを嫌ったのか。

 薄暗い街がまるで巨人の亡骸のように見えた。

 

 そんな巨人が横たわる街を九十九とホイップ、ディンゴ、バレルが早足で潜るように歩く。

 本来、ホイップは留守番させるつもりだったが同行。バレルもそれを許した。

 

 恐らく、バレルも彼もとい彼女の正体を知っているのだろう。

 正体であるプライドのオペレート技術は本物だ。それにリアルファイトが起ころうなら九十九とバレルが迎え撃てばいいだけのことなのだ。

 

 当然不審な影は極力避けるように動いた。

 特にゼロやナイトマンが幾重にもシミュレートしたので鉢合わせすることはほぼない。

 

 しかしながら人間という生き物は気まぐれでいい加減だ。

 時としてその予測は裏切り腐ることもある。

 運に突き放されて、見つかりそうになるとその度に物陰に隠れたりするのはまるでスパイ映画かどこぞの伝説の英雄か傭兵の気分だった。

 

「なぁ、これどうにかなんねぇのか? こそこそ隠れまくってよ。あいつらブッ倒した方が早くねぇか?」

 

「こちらの行動を予測されないためだ。本格的な爆弾除去を始めるには現実世界を走るしかない。……この状況で暴れようなら下手に追い詰めかねん。オフィシャルが仕切っている閉鎖区画までの辛抱だ」

 

「へいへい……こういうの苦手なんだけどな……っと」

 

 このようなエクストリーム隠れんぼはゲームくらいにしたいところだ。

 ボヤくディンゴを横目に九十九は、視界から消えていく輩の姿を見送ってから表へと躍り出る。

 

 そんなこんなでハーバーブリッジまで行きついたのは約1時間ほどのことだった。

 オフィシャル並びに警備員が閉鎖している区画まで侵入仕切ると輩らしき姿はまるでない。輩も爆発に巻き込まれたくはないのだろう。

 

 ブリッジにも当然、誰もいなかった。

 まだ日昇時間ではないからか、左右見渡しても真っ暗だ。暗闇に慣れた目が辛うじて周囲にいる味方と地面だけを捉えている。

 

 かつかつと靴が地面を叩く音と遮るものなく好き放題飛び交い橋をいじめる風の音だけが聞こえるのが妙に薄気味が悪かった。

 車のエンジン音や喧騒が恋しいくらいだ。

 

「……そういえばもう秋なんだっけな」

 

 静寂が痛くて九十九はつぶやく。

 あと数ヶ月過ぎれば冬になり、年を越す。この風の冷たさが雄弁に物語っている。

 ディンゴも「さみー」とボヤいているのに対しバレルとホイップは平然としていた。

 

 流石元軍人と、北国のお姫様である。

 

 しばらく痛い沈黙に耐えながら、とぼとぼと歩いていると道のど真ん中にぽつんと黒い影が見えた。

 距離を詰めれば詰めるほど姿がはっきりとしていく。

 

 この殺風景な光景に見合わないくらいにポップな黄色の車体。

 

「アレが件の爆弾ってヤツか」

 

 ぱっと見ただの何処にでもあるような、一般家庭が乗るような軽自動車だ。

 九十九と共に車体を観察していたホイップが怪訝な表情で言葉を継ぎ足す。

 

「確かに車のカタチをしている……数年前テロ対策関係で見た資料とは車体が違うようだけど」

 

 一国の王女となればその手の情報も持っているらしい。身近なものに偽装した爆弾なんて知らずに外を出歩くなんて自殺行為もいいところなのでそれもそうかと九十九は己を納得させた。

 

「あの爆弾の特筆すべきものは国によって車体を変えられる点だ。……ただ偽装できる形状に限りがあるため、そこまで種類がある訳ではないが。今回の場合確認できたのはほぼ同一の車体だから判別は容易だった」

 

 バレルは解説してから先行して、車体にトラップが仕掛けられていないか確認した後ドアを開ける。

 恐らく今この瞬間爆発すればバレルはただでは済まないだろう。

 合図を受けて九十九たちは車両へと距離を詰めてPETを取り出した。

 

 車の中に入ってフロント中心に設置されたセンタークラスターのカバーを取り外す。

 中にはプラグイン用の穴が顔を出した。

 

「……気をつけろ。監視カメラを欺いているとはいえ、いつ爆発するか予断を許さない状況にある」

 

 バレルがいつも以上に神妙な表情で注意を促す。するとディンゴが鼻を鳴らした。

 

「シンプルな話だぜ。爆発する前に起爆システムをぶっ壊しちまえばいいんだ」

 

 そこまで単純化されても困るが、そもそも爆破されたら終わりだ。爆風でバラバラになった挙句魚の餌になってジ・エンドだ。

 ホイップは止めようにも止まらないので諦めたが、ディンゴはまだ引き返しが効く。

 九十九は再確認するようにディンゴに問いかけた。

 

「……よかったのか?」

 

「何がだ」

 

「こんな所まで来たことだ。事前承諾は貰っているとはいえまだ時間ならある。起爆されれば終わるぞ」

 

「ヘッ、あんな好き勝手やられて黙っていられるかってんだ。こんな爆弾ごときでビビってられるか」

 

「…………ビビれよ多少は」

 

 勇猛果敢と言えば聞こえはいいが命知らずもいい所だ。生きて帰れたら全力で全員分の危険手当をせしめてやる。

 内心腕を捲っていると、ディンゴが挑戦的な顔をしていた。

 

「そーいうお前はビビってんのか?」

 

「当たり前だ。下手すれば木っ端微塵で魚の餌だ」

 

「じゃあ帰んな。あとはオレたちがやるぜ」

 

 ディンゴが手をヒラヒラさせてそんなことをのたまうと九十九は「じゃかぁしい」と吐き捨てた。

 

「誰が逃げるか。それ以前にこっちはオフィシャルやってんだ。本来なら俺たちオフィシャルだけでカタを付けなくちゃいけないものだ。現状力を借りていて……市民ネットバトラーが頑張っていて逃げる道理なんざない」

 

 市民が全て解決するのであれば、オフィシャルが存在する意味がない。ネットワーク社会を悪用し、人の生活を脅かすような連中は何としてでも潰す。そのためにオフィシャルはここにいる。

 痛いほど辛酸を舐めさせられたゴスペルを僭称する亡霊が現れたならば、尚更。

 

 面子も理念も潰されておいて黙ってやられるような組織では決してない。

 

「ホイップ、ディンゴ、星方、準備はいいな?」

 

 バレルは3人を順に一瞥すると、各々は黙って頷いた。

 全員見ているものは違う。それはディンゴやホイップもといプライドの言動を見れば明らかだ。

 オフィシャルのメンツとは無関係な位置にいる。

 バレルに至っては何を考えているのか分からない。何なら他2人より付き合いは長いはずなのに人間性も掴めてはいない始末だ。

 

 けれども今この瞬間の行き先は間違いなく同じではあった。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 4人がプラグインした起爆装置の電脳世界は、かつて奥デン谷の爆破テロ未遂事件で使用されたものと比べて非常にシンプルに出来ていた。

 なんせ、あの電脳世界はかなり入り組んだ地形だったのに対し、こちらは広場がいくつもあり一部一部地形が欠損しているだけなのだ。

 

 ただ、広場と広場を繋げる通路に巨大なバリアが貼られておりそう簡単に制御装置までたどり着けないようになっていた。

 

『見慣れない電脳世界だ。──バリアが張られている……解除は出来るのか?』

 

 ゼロがバリアを見て疑問符を浮かべる。

 自身で作っておいて自身で止められない兵器なぞナンセンスだ。向こう側もいざという時に備えて解除できるようにはしていると見るのが自然だ。

 

 バリアの影に隠れていたウイルスたちが姿を表した。

 通常の数倍もあるサイズの盾を持ったウイルス、フロシェルや、かのWWWが保有していたストーンマンの出来損ないみたいなウイルスもいる。

 

「──ちっ、中々どうして豪勢なお出迎えだな。祭りでもやるつもりか」

 

 画面の向こうで繰り広げられる地獄絵図に九十九が悪態を吐く。

 それに対してバレル当人はいたって冷静であった。

 

「侵入者の魔の手を払い除ける盾と、侵入者を叩き出す矛。この電脳が通常と比べてややシンプルなのは、防衛システムにリソースを割いているからだ」

 

 無駄に迷路にするより、確実に侵入者を排除してしまったほうが効率がいい。身も蓋もないが真理だった。とはいえこの手法にも問題がある。

 ……力技でねじ伏せられるからだ。防衛システムを破壊してバリアを解除して進む。ただそれだけだ。

 

「今回の戦闘は連携が重要になってくる。防衛プログラムも単独で排除するのも困難を極め、連携し連続で攻撃を叩き込んだ方が確実だ。その最たるモノが……アレだ」

 

 バレルとカーネルが示したのは、奥地で待ち構えるロボットのようなナニカだった。

 大きさでいえば人型ナビとしては高身長であるゼロとカーネルの3倍ほど。高所から落ちても決して折れそうにない巨木のような脚と、パンチ1発でナビを遥か彼方まで吹っ飛ばしそうな剛腕を持っていた。

 

 まるで兵器のような出立ちに九十九は眉を顰めた。

 

「これはまさか」

 

「アメロッパ軍が使用している戦術プログラムだ」

 

「なんでそんなモノがこんな!」

 

 訳がわからない。

 アメロッパ軍の兵器が何故こんなニホンでかつテロ組織の爆弾を守っているのか。

 バレルに疑問を投げかけても答えない代わりに、何か考え込んでいるのか眉間にかなり皺が寄るほどの表情を見せていた。

 

『ワタシ以上のサイズ……パワーは間違いなくありますな』

 

 巨人を見たナイトマンが冷静に分析する。

 ナイトマンのウリである堅牢な装甲。それすらも深傷を負いかけないそれに、ホイップも苦い顔をしていた。

 

「あの機体を今後はライデンと呼称する。近づく際は警戒しろ。奴のパワーは未改造のノーマルナビなら一撃で破壊出来る」

 

 そう淡々とバレルは言うが、そもそもそこまで至るのにバリアが行く手を塞いでいる。

 ライデンを破壊する前にバリアも消さなければ話が始まらないのだ。

 バレルが付け加える。

 

「まずはこの電脳世界攻略にあたって……バリアが行く手を塞いでいる。そのバリアを司っている防衛プログラムがいるはずだ。見つけ次第これを排除しろ」

 

 

「つまり、片っ端からブッ倒せばいいんだな!?」

『いや、それっぽいのくらい選べよ……』

 

 ディンゴのあまりにも脳筋戦術に持ちナビのトマホークマンがツッコミを入れる。

 とはいえ、それっぽいのを見つけ出すのも一苦労いりそうだ。

 まずはそう易々と倒されるような雑魚プログラムに持たせるはずがないので大物に絞れはするだろう。

 

 となれば……一つ目の大型バリア付近でじっとしている巨大フロシェルがそれか。

 

「わたく……僕の勘ですけど……あの盾付きのウイルス。フロシェルがバリア司ってるんじゃないかと」

 

 ホイップも同じ意見だったらしい。

 防御力は申し分ないし、もし自分たちが犯人側ならばバリアの護衛をさせるならあの盾付きを選ぶと言うものだ。

 

「いいだろう。各員、あの大型フロシェル。Gフロシェルを最優先にデリートしろ」

 

 いざ、ミッション開始だ。

 合図のように、電脳世界で先頭で駆け出したカーネルに応えるようにゼロ、トマホークマン、ナイトマンが追いかける。

 狙うは一点、Gフロシェルだ。

 

 

 

 

 

 

 先手を取ったのはゼロだった。

 単純に機動力だけで言うならこの4体のナビの中で最も速いナビだ。

 

 それもブライスティンガーの特性上直線上の短距離に限定するなら走るより速いまである。

 突進を利用して接触するや否や、Gフロシェルに一撃入れていた。

 

 弾丸と化したゼロが放ったセイバーそのものは当然シールドに阻まれた。

 当然だ。フロシェルのシールドは生半可な攻撃で破壊出来やしない。

 が、衝撃まで無力化することは出来ない。

 衝撃がシールドを走りフロシェル本体の装甲に傷つける。

 

『な、なんだよアイツ……速ぇ』

 

 圧倒されるトマホークマンを他所に、バリアブルソードの刀身を限界まで巨大化させ、横一文字にして邪魔してきたウイルスごと薙ぎ払う。

 

 巻き添えで破壊されていくエビロンを他所に、ゼロはバリアブルソードのエネルギーが切れた所でゼットセイバーに切り替えてシールドを斬りつけ続ける。

 しかしGフロシェルも黙ってはいない。装甲内にマウントされた爆弾をゼロの居場所めがけて投げつける。

 

 弾数は3つ。

 

「ゼロ! 深追いはするな!」

 

『……ムッ!』

 

 咄嗟にゼロは九十九の指示にバックステップで応える。着弾と同時に爆発するそれを前にゼロは再びブライスティンガーの構えを取った。

 

 ブライスティンガー、バックステップ回避、ブライスティンガー、バックステップ回避

 

 まるでターン制のRPGじみた攻撃だ。

 当然周囲のウイルスはこれを放置しやしない。スウォーディン3体がそんなゼロの攻撃を阻害しようと迫り来る。

 

 ここで攻撃パターンがおかしくなれば反撃する隙を与えてしまう。

 そんなスウォーディンを黒い影が横切った。

 

『ふんっ!』

 

 一刀両断。

 黒い影の正体はカーネルだ。

 カーネルがライトアームの義手から生成したサーベルで叩き切ってしまった。

 

『そのまま続けろ』

 

『……わかった』

 

 とはいえ、Gフロシェルの耐久性は生半可な攻撃ではデリートし切れない。

 ショックウェーブなど盾を貫通する攻撃でも限界はある。

 そんな中で現れたのがトマホークマンだった。

 

 執拗にGフロシェルの装甲に衝撃を叩き込み続けていたゼロのすぐ横を通り過ぎて、そのまま一直線に走り続ける。

 飛来する爆弾を恐れぬ猪突猛進ぶりは九十九もホイップも唖然としていた。

 

『そこの赤いの……ゼロって言ったな! このデカブツはオレに任せろ!』

 

 ドタドタと走りGフロシェルのすぐ前まで近寄ったと思えばそのライトアームのトマホークを大きく振りかぶった。

 

『トマホォぉぉク……スイィぃングッッッ!』

 

 それは、圧倒的暴力だった。

 一振りのトマホークマンのトマホーク形のライトアームは一撃の名の下に、シールド諸共Gフロシェルを一刀両断。

 

 バリアブルソードやショックウェーブの連打でシールドも本体もそこそこ弱っていたとはいえ、メタルシールドごと紙ペラのようにぶった斬るとは誰が予想するものか。

 馬鹿力もいい所だ。

 

「嘘だろ……」

 

 一連の光景を見ていた九十九は持っていたPETを落としそうになった。

 しかし──これで全てが終わったわけではない。

 

 付近にいたストーンマンモドキが左右に臼と腕を足して2で割ったようなもので地面を3回叩く。

 

 すると電脳世界の上空から大量の瓦礫が現れ、ゼロとトマホークマン、カーネル目掛けて落下した。

 まずい。

 

 避けろ、と誰かが叫んだ気がした。

 九十九も慌ててエリアスチールをホルダーから引っこ抜こうとするものの、間に合わない。

 

 だめだ。

 このままでは3人とも下敷きでジ・エンドだ。

 が、その時だった。

 

『キングダムクラッシャーッ!』

 

 まるで瓦礫を水流で押し流すように。

 棘のついた巨大な鉄球が、瓦礫を洗い流す。

 ナイトマンのメインウェポンである鉄球によるものであった。

 

「なんてパワーだ……」

 

 これだけパワーを持ったナイトマンを先の事件で光熱斗とロックマンは倒したと言うのか。

 敵に回せば厄介極まりないその活躍ぶりに驚くのはほどほどに、ゼロはストーンマンもどきに向かって走り出した。

 ストーンマンもどきは次々と岩を落とす。しかしゼロと九十九の対処は至って冷静だった。

 

 回避を繰り返し、危険を察知したところでエリアスチールを発動。

 高速移動で詰め切った所で、ゼットセイバーを振るう。

 その傍らで反撃をしようとその剛腕を地面ではなくゼロに向け始める。が、反撃を許す九十九とゼロではなかった。

 

「サンダーボールでも喰らえッ!」

 

 1秒にも満たない動きでPETにスロットインされ、ゼロの腕がゼットセイバーからゼットバスターに切り替わりそこからスパークしながら光の弾が生成。

 光の弾が剛腕に当たるや否やストーンマンもどきの動きが停止した。

 

 その隙にゼロは再び離脱、ストーンマンもどきの剛腕が飛ばない真横からゼットセイバーを振るう。

 相手の装甲はGフロシェルに似たり寄ったりの超装甲。だがしかし、そんな相手には耐えられないほどの手数を浴びせるのみだ。

 

 次に使うバトルチップはエアシュートだ。

 ストーンキューブすら吹き飛ばすほどの空気弾は剛腕をあらぬ方向まで吹き飛ばし、反撃の隙を奪う。

 そして──

 

 トドメにスロットインしたバトルチップ。

 ストーンマンもどきからやや離れた位置でエアシュートを撃っていたゼロの姿が掻き消え、瞬時にしてストーンマンもどきの目と鼻の先に現れた。

 

 

 フミコミザン。

 

 

 エリアスチールとワイドソード系の性質を融合させたチップだ。

 出現したゼロがゼットセイバーを大きく振りかぶり、横薙ぎに一閃。

 

 その岩のような堅牢な装甲すらもいとも簡単に紙ペラのように切り裂いた光景にトマホークマンが唸る。

 

『へぇ、あの紅いのもやるじゃねぇか』

 

 爆発四散していくストーンマンを背に、ゼロはバリアの消えた通路に向かっていく。それを追うようにナイトマンとカーネル、トマホークマンも進んで行く。

 

 この調子で行けばあのライデンを破壊して起爆装置を止めてしまえば終了だ。

 自爆前提なこともあり、守りはあまり強くないように思えた。それもそうだ。

 ナビをここに置いたとして、自爆してしまえば物理的に消滅してしまうのであまり割りに合わない。

 

 バックアップそのものを取るにしてもそれまで培ってきたデータがバックアップされたナビに完全に反映されるとは限らない。

 例えネットナビがただの道具として断じる悪党でも仕事道具が弱体化してしまうことだけは避けたいのだろう。

 

 

 それにしても何なんだ、この落ち着かなさは。

 胸騒ぎがした。膨らんでいく違和感に九十九は耐えきれず言葉にする。

 

「……気をつけろ、何か様子がおかしい」

 

『どうした、ツクモ』

 

 九十九の声にゼロが足を止める。

 止めなくてもいいだろうに、と思えどもゼロの声は真剣そのもので余計に罪悪感が湧いた。

 

「いや。確証も何もない。悪い、足を止めさせて」

 

 オペレーターとしてどうなんだと言いたいくらいだ。

 下手すれば鼻で笑われるレベルの話である。再びゼロが歩き出した矢先、カーネルが口を開いた。

 

『……星方九十九。そうでもないかもしれん』

 

「へ?」

 

『俺たちの前にいる奴を見てみろ』

 

 促されるがままにPETのカメラをゼロの視界とリンクさせる。すると──

 見たくもない影が立ちはだかっていた。

 

「カットマン……!」

 

『奴はデリートされたはずだ、オレの手で……!』

 

 それは紛れもない現実。

 となれば、バックアップによる復元体か。それとも……

 その答えはカットマン自身が一番よく知っているはずだ。

 

『やぁ、ゼロ。ボクの兄が世話になったね。ボクは二十五男のカットマンさ!』

 

「あー」

 

 そう言えば108兄弟*1だったことを忘れていた。九十九の喉から気の抜けた声が出た。

 108って煩悩かこいつら。

 

 とはいえ、こんなタイミングで邪魔されるのは迷惑千万にも程があるというものだ。

 

「悪いが今相手をしている暇はない。そこをどけ!」

 

『誰がどくというんだい? そうだね、キミがデリートされるのであれば、どいてあげないこともないけれども』

 

『後で相手ならいくらでもしてやる……このままだと全員消し飛ぶぞ……!』

 

 反駁するゼロだったが、カットマンは頑なに引き下がらない。

 

『全員? それも悪くないね。兄貴たちじゃないからゴスペルの作戦とやらには興味はないけれども……フフフ』

 

 その狂気の籠った笑みに九十九は背筋を凍りつかせた。ネットナビは確かにプログラムの構成次第で自身の命を惜しまない人格に仕立て上げることは出来る。

 しかし人間という生き物は、概ね追い込まれていなければ生きていたいと思う生き物だ。

 故にカットマンが未知の生物のようにも見えた。

 

 相手にしていられるか。九十九はこのままカットマンとの交戦を回避しろと指示を投げた矢先だった。

 何処からか鍵型のプログラムを取り出した。

 

『この鍵型のプログラム。これが欲しいんだろう? 元々フロシェルタイプが持っていたものさ。これがなければ先には進めないのは知っているよ』

 

 この様子だとこの個体はゴスペルとは関係ないらしい。どいつもこいつも同じ顔をしてるものだからどれが誰だか分かりやしない。

 全員が全員ネオゴスペルの構成員ではないとはいえ敵討ちのためにここまで動かれては非常に厄介だ。

 これで否応にも戦わざるを得ないという状況に持ち込まれた以上、応戦するしかない。

 

 九十九は咄嗟にバトルチップをホルダーから引き抜く。

 

「このナビは俺たちがなんとかします。バレル教官たちは先行してて。バリアキーをぶん取り次第そっちに転送します!」

 

 少なくともゼロとロックマンにしか興味がないような素振りを見せられれば、関係のない彼らをスルーするであろうことは想像できていた。

 ゼロがゼットセイバーを構えると、カットマンもまたファイティングポーズを取る。

 

『覚悟は決まったようだね。ならば、ここで死んでもらうよ! ゼロォォォォォ!』

 

 吠えるカットマンがゼロ目掛けて飛びかかり頭突きを放つ。同時に頭に付いた大鋏が餌を見つけた肉食獣の如く大きく口を開く。無改造のナビなら1発でも貰えば致命傷待ったなし。

 それにゼロはゼットセイバーをカウンター気味に大きく振りかぶった。

*1
うちロックマンがEXE2本編で1体(バックアップ込み)。ゼロが本RTAで別個体の1体を倒している




アーカイブ
・バリアブルソード
出典:EXE2〜6
 前方1マスに高威力のソードを振るう。
 これだけならただの微妙なチップだが、このチップの真価はコマンド入力にある。
 ワイドソードや、ロングソード、ファイターソード。果ては衝撃波をぶっ放したり、ドリームソード並みの広範囲を薙ぎ払ったりと無法な性能を誇ってい「た」。

 2では衝撃波をプリズムにぶち込むとフォレストボムで発生した現象が起こり、ダメージを与えて威力を上げるバルーン系統に当てると一瞬で威力が999にカンストする怪現象が起こる。

 流石に3でプリズムもお仕置き(ナーフ)され、バルーンも消えたことで死んだことだろうと思われたが何故か新しい技を提げて戻ってきた。なんでや。

 3ではエレメントソニックとか言うのけぞり判定の属性付き衝撃波を4発、最大威力640〜800を叩き出すスタンダードチップの定義が壊れる火力を叩き出した。
 4以降エレメントソニックも没収、普通の衝撃波も1発に落とされた。残当。
なおネオバリアブルという別の危険物を生み出すことになるがそれはまた別のお話。



手札事故(かんぺきなてふだ)
 TCGの宿命。
 初手の手札が酷過ぎて何も出来ないことを指す。
 エグゼの場合要因としては使い道が限られるチップを多く入れたり、コードがバラけていると頻発する。
 極力アスタリスクなどを投入してしまうことで回転率をあげるのが手だが、それはそれで火力不足という問題が出る時が稀にある。
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