ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
世界を変えるのはこの俺、◯AV◯だぁ! なRTA、はーじまーるよー!
さて、ジャミング装置の居場所はどこなの?
な所で一旦打ち切りましたが、どうもハーバーブリッジの中間付近に浮かぶ電波塔が設置された無人島に仕掛けられているようですね。
想定内の展開なので、落ち着いて行きましょう。
再度同じ道を通ることになりますが、今度も見つからないように。見つかった場合実力で排除してもOKですが、時間がかかるためそれはそれでガバです。
無人島に向かうには海まで向かった後、電波塔を作るために使われたトンネルを利用します。
進むと、何人か鉄パイプ持った輩が待ち構えています。
これは逃げても後々面倒なので実力で排除しましょう。
なんせバレルもいるのでそこまで手こずることはありません。
連中を仕留めた後はトンネルに進みますが、トンネル内のゲートが閉じ始めるのでそのまま突っ走りましょう。
ガバると途中で足止め貰って、ゲートロックを解除するイベントをやらされます。
なので理想としては全て無視して突っ切ります。
そうするとバレルたちがゲートに足止め食らってホモくんだけで妨害電波を止めないといけなくなりますが短縮にはなりますのでイクゾー!
ジャミング装置の電脳のギミックは、床にあるスイッチを押して周波数を合わせ道を作っていくというエグゼ1に登場した信号機の電脳のギミックに近いことをやらされます。
ここで出てくるウイルスは
ゴースラー
ハンディース
ユラ
バキュームファン
フロシェル
とややミリタリーっぽい構成となっています。
特にゴースラーがいる状態でウイルスのHPを中途半端に削るとリカバリーで回復させてくるし、バキュームファンが出た場合に至っては面倒以外何でもありません。
極力逃げておきましょう。
ゴースラーが出た場合出来れば一定時間無敵状態になるチップ、インビジブルをドロップするので回収しておくのもなおよしです。
後は迷路に進むだけなので、チャートにちゃーんと順路を書いておけばガバらずになんとかなります。
奥に進むとボスパネルがありますので一旦念のためにセーブしてからフォルダにも外したクイックゲージを入れ直しておきます。
ボスは乱数で変わりますので……
【……貴様はVAVA!?】
【相変わらずしみったれた正義を振りかざしているようだな、オイ】
うわぁ……
よりにもよって君かぁ(チャートが)、壊れるなぁ……
あったまきた……(冷静)
本来想定していたルートだと別のナビがしゃしゃり出てくるのですが、よりにもよって苦手な奴が出てきました。
コイツはどうも元オフィシャルで暴れ散らかしていた問題児で、ライセンス剥奪寸前だったところを離反。
オフィシャルスクエアを壊滅にまで追い込んだみたいです。
出典は言わずもがな、ロックマンXシリーズに登場したVAVAです。
イレギュラーハンターの裏切り者からオフィシャルの裏切り者に名前が置き換わっただけみたいですね。
戦闘に入るとHP600のVAVA戦となります。
こいつ地味にすばしっこい癖してえげつない動きをするので厄介です。
通常攻撃の【チェリーバルカン】は前方に横一直線に飛ぶバルカンをぶっ放すだけなので特に軸を合わせなければ問題にはなりません。
が、問題はナパーム弾を投げつける【バンピティボム】
キャノン砲♂(レ)をぶっ放す【フロントハンター】
一度曲がるロケットパンチをぶっ放す【ゴーゲッターフィスト】
これらを組み合わせて攻撃してくるので避けにくくなっています。
だからインビジブルをついでに取っておく必要があったんですね。
……取れませんでしたけど(ガバ運)。
ガンデルソル ✳︎
エアシュート3 ✳︎
エリアスチール ✳︎
ガッツストレート S
クイックゲージ ✳︎
配牌は悪くないので、一旦全部選びましょう。
クイックゲージ→エリアスチール→エアシュート3→ガッツストレート→ガンデルソルの順番でいきます。
ガンデルソルはまず当たらないのでアテにしてはいけません。
数発程度の被弾ならまだ問題ありませんが、攻撃中に邪魔されるのだけは避けなくてはなりません。
うっかり爆発前のバンピティボムを踏んだまま攻撃した時は目も当てられません。
チップが不発でダメージを受けるだけ受けるとかいうクソみたいな結末が待っています。
特にガッツストレートはコマンドを使えば300ダメージを狙えますが入力時間中に殴られたら即終了。せっかくの300ダメージが無駄になるので気をつけよう! (注意喚起シリーズ)。
エアシュート3で怯ませたら、(ガッツストレートを)三回だよ三回! (TNOK)。
何とか当たりましたが、直後にナパーム食らってますね……これは痛い。
340ダメージ。
うん! 美味しい!
260残っていますが、ついでにコイツも浴びろ! (ホモビーム)。
ガンデルソルを一応浴びせておきますがやはり、60くらいしか削れませんでしたね……
とはいえHPは1ターンで半分削りました。
ゼロくんのHPも半分? 知らんな(チャーKEN)。
HP200を下回ると【ふざけるなよ、てめぇ!】とセリフが出て発狂モードに入りますが、元々が時間差攻撃やらでめんどくさいのもあってあまり変わりません。
あとはテキトーにチップ選んでゼットセイバー振って終わりっ! 閉廷! 以上! 皆解散!
戦闘画面だとVAVAが爆発四散したかのように見えますが、イベントだとデリートされていません。なんでさ
トドメを刺そうとした矢先に本来のチャートで戦うつもりだった奴が出てきます。
そう、クラフトです。
これ何の作品でしたっけ……(白目)。
出典はゼロ4に出てくるボスキャラですが、本作ではネットナビとしてプレイヤーに立ち塞がるようになっています。
さて、このまま連戦か。それともイベントで撤退か……
【……やはりか。あのアメロッパ製のライドアーマーを寄越せる人間は限られてはいたが……貴様だったとはな。クラフト、そしてオペレーターのウェルナー】
カーネルとブルースの乱入で連戦にはならなさそうですね。
どうやらこの世界ではカーネルとバレルに因縁があるみたいです。
ウェルナーというのはロックマンDASHに登場するバレルの盟友だった男の名前から出ているものと思われます。
これ以上ボスキャラを増やすのはやめてくれよ……(懇願)。
分かる? この罪の重さ(情報過多の)。
【ゼロ、ブルース。そしてカーネル。今回はお前たちの勝ちということにしてやろう。近いうちに時代は新たなる福音の祝福を受けるだろう。Dr.ワイリーがなし得なかったことを今こそ……】
と、言ってからフェードアウト。
第3話は次のパートで終了となります。
今回はここまで、次回事後処理と新章1話【西古レイありがとー! フラーッシュ!(ブラクラ)】でお会いしましょう。
ご視聴。ありがとうございました!
Z
「ジャミングの出元がわかった。先程爆弾除去をしていた際、俺たちがいたハーバーブリッジ中間に浮かぶ無人島だ」
バレルが帰ってきた所で告げられたものは、他チームが少し遅れる形で爆弾除去に成功したこと。
そしてジャミングの出元が判明したことだった。
デンサン湾の地図を机の上に広げながら九十九は毒づく。
「よりにもよってここか」
この無人島周辺は潮流が安定しない。
船で移動しようにも事故ってしまうリスクもある。それを考えると中々気が進まなかった。
この無人島の特徴は本州からの電波を中継し、埋立地に送る電波塔が中心に建てられていることだ。今はもう使われていないが旧世代の電波帯を使用していた際に建てられたという代物だ。
撤去工事にコストがかかるとのことで長らく放置されていたというが……
「船、使うんですか」
九十九の問いにバレルは首を横に振った。
ならばヘリコプターか。まさか水の上を走るとは言うまいな。
「十数年前、電波塔を建てる際潮流が不安定なため船で輸送するのは困難だと判断された。その為典型的なケーソン工法で作られた海底トンネルを使い資材を運んでいた」
「ケーソン工法って?」
聞きなれない単語に九十九は首を傾げる。
少なくとも一般人が知っているような単語ではないのには違いなかった。
「あらかじめ陸で人が通れる箱を作って海に沈めて海底トンネルを作る工法だ。その海底トンネルを使い無人島まで上がれ、という寸法だ」
「あぁそういう。で、多分その様子だと足止め、ありますよね」
向こう側もこちらが突入してくるであろうことは織り込み済みのはずだ。
となれば、あの輩が邪魔をしてくることだって有り得るはずだ。
今度は備え込みで何とかするつもりだが、前回と同じようにできるものか。
「既に先程腕の立つオフィシャルの人員はある程度取りまとめた。あとは──」
「ジャミング装置を止めるだけ、ですか」
あまりプライドやディンゴには聴かせられない話だ。
少し離れた所で一休みしている二人を他所に九十九は一息吐く。
バレないようにこっそり出よう。九十九はそう、決意した。
◆
「ま、案の定いるわけか」
概ね予測通りトンネル入り口前には鉄パイプやらバットを持った男たちがウヨウヨしていた。
九十九とバレルは物陰に隠れたまま、入り口前に陣取る男たちを位置取りを確認する。
あの男たち恐らくは、ヤクザとかその辺ではない。
ヤクザというものはここ最近表立って動けない上に下手に国家権力に目をつけられるような真似は極力避ける傾向にある。
となれば大凡お金に釣られた半グレかホームレスの類だろう。
「ネオゴスペル。やはりナイトメアチップの件を見るに予算は馬鹿みたいにあるんでしょうね……」
「恐らくな。埋立地を所狭しとうろつけるほどの数を雇える以上金には困ってはいないらしい」
トンネル内に入るには隠れていくことは周囲の開けた地形上無理そうだ。多分何処かのダンボール大好きな蛇でも無理だ。
数は大雑把に8人ほど。バレルでも手こずるであろうそれに九十九は軽く舌打ちした。
「正面突破……しかないか」
「騒ぎを聞きつければ余計に邪魔者も増える。あまりダラダラと殴り合っている余裕もあるまい」
思った以上のハードな仕事に九十九は気が重くなりそうだった。
こちら側にも増援があるとはいえ、下手に敵を残しておけばジャミング装置を止める際に横からぶん殴られてジ・エンドなんてこともあり得る。
「オイオイ。随分と楽しそうな事してんじゃねぇか!」
後ろから声がした。
それはバレルや九十九自身の声ではない。若々しく、好戦的な喋りには聴き覚えがある。
「ディンゴ!? ……それにホイップ!」
よりにもよって。
敢えてDアッシュに置いてきた二人がそこにいた。
「殴り合いなら大人の一人や二人ぶちのめせるぜ?」
「僕も、護身術の一つや二つは嗜んでいるんだ、多少は数合わせにもなるはずだ」
「そうは言ってもさぁ……!」
いくらなんでもこればかりは承服しかねるものだ。
半グレ連中の殴り合いに海外に出稼ぎにやってきた奴と王女を巻き込めるものか。
反駁しようとする九十九より先にバレルは口を開いた。
「いいのだな? 眼前の状況はよく理解できているはずだ。それを前にしても戦えると……そう言うのだな」
バレルの問いは重々しくも、半端な覚悟を持つ人間を寄せ付けない厳かさがあった。
それを前にしても尚も、ディンゴもホイップも表情ひとつ変えなかった。
「へっ、九十九の兄貴が身体張ったんだ。これで何もせず知らないふりすんのは男じゃねぇ!」
「……僕は女なんだけどな……オホン! 数は合わせる必要がある。それに僕に敵の意識が行っていれば君は何の気兼ねなくジャミング装置を止めることができるだろう?」
何を言っても無駄だと言う、妙な確信があった。
九十九は大きくため息を吐く。
その辺の裏通りから拝借してきた鉄パイプを申し訳程度にホイップに押し付けてから、指の骨を鳴らした。
「既に味方も到着している。……行くぞ」
バレルがやれ、と言わんばかりにやや離れた位置で潜伏しているオフィシャルにサインを送ると、確かにセンター内ではゴリラ……もとい腕が立つともっぱらの評判である男たち数名が、ゲート前で屯している男たちに雪崩れ込む。
それに便乗する形で、九十九、バレル、ホイップ、ディンゴが飛びかかった。
そこからは酷い乱戦だった。
ホイップは宣言通り、王族の嗜みなのかは知らないが鉄パイプは使わず護身術で飛びかかる男たちを最低限の力で投げ飛ばし、投げ飛ばされたそれをディンゴがサブミッションをキメている。
バレルはオフィシャルのゴリラ軍団に混ざって次々と殴りかかる。
しかし敵もカカシではない。各々バットやら何やら物騒なものを振り回して牽制しつつ、ある者は声を上げた。
「トンネルのゲートを閉鎖しろ!」
「……まずっ!」
このままでは足止めを食らわされる。ロック解除するにしたって向こう側も何か仕掛けているのには違いない。
一人の輩の頭を掴み地面に叩きつけながら九十九は舌打ちした。
「星方ッ! こいつらはオレたちがやる。お前は先へ急げ!」
バレルが片手間に支持を飛ばした輩に関節技を決めながら叫ぶ。
確かにこのまま任せればこの辺の制圧も容易いだろうが。
「ツクモ! これ返すよ!」
ホイップが投げつけた鉄パイプをキャッチするも、そんなことをすればホイップは丸腰だ。
本当にそれでいいのかと思ったものの、先の様子を見るに寧ろ鉄パイプが邪魔な説まで出そうな気がした。
「悪い!」
あとはなるようになるしかない。
車が二つほど潜れるような通り道を潜り、緩やかな坂を駆け降りると淀んだ空気とツンとしたカビ臭い匂いが鼻腔を突く。あまり長居したい空間では決してない。
その上半ばまで5段重ねのゲートが左右からごうんごうんと音を立てて閉まりかけていた。
「まっず!」
ゲートそのものは制御用のコントロールパネルをゼロに操作させれば開けられるが、余計な手間はかけられない。
咄嗟に九十九は埃っぽい床を思い切り蹴った。
息が上がりそうだった。
それでもいち早く到着させないとという焦りと、頭に上りに登りきった血が辛うじて限界寸前で堰き止めていた。
ぶん、ぶん、と徐々に風を切る音が強くなっていく。
最後の1枚。ここで一瞬でも躊躇いを見せたらゲートに挟まって体が2分割だ。
「このっ……ッ!」
歯を食いしばる。
もうなるようにしかなるまい。
九十九はヤケクソ気味に人一人入るかどうかまで狭まった隙間に飛び込んだ。
身投げでもやっているような気分だった。
気付けば埃っぽい床に鉄パイプ諸共一人転がっていた。
──生きている。
──生きているんだ。まだ、ちゃんと。
埃っぽい空間と、疲れ切った自分の身体。
感傷に浸りそうになりかけたが今はそれどころじゃない。懐かしい気分と同時に何故か込み上がる不快感を糧として鉄パイプを杖代わりに無理矢理立ち上がり、作業用エレベーターに乗り地上に登るのを待つ。
電波塔前には男一人が見張りをやっていたらしい。エレベーターの音で気づいた男の顔は完全にギョッと仕切っていた。
まさかここまで突撃してくる馬鹿がいるとは思わなかったのだろう。
慌てて九十九に襲いかかる男の脇腹に鉄パイプで殴り、悶絶しているところを蹴りでトドメをさして無力化する。
そして一人だけになった所で、妙に目立つパラボラアンテナを目にした。
なるほど、アレがジャミング装置という奴か。
コンソールを叩いてもパスワードを要求されるだけで操作すら覚束ない。
ふと、先程無力化した男を横目にしてから大きくため息を吐いた。
吐かせてから潰すべきだったかこれ。
いや、そうそう喋ってはくれないか。
その辺で確保してきた人材となると知っているかどうかすら怪しいものだ。
「仕方ない……ゼロ。電脳世界で直接ジャミング装置を止めるぞ」
『準備は出来ている』
「おし……」
九十九はPETからプラグイン用のケーブルを引き出し、穴に差し込んだ。
「プラグイン、ゼロ.EXE。トランスミッション」
プラグインしてゼロを電脳世界に送り込んでから感じたのは嫌な電脳世界だと言うことだった。
ただ言葉にすれば陳腐だ。
構築そのものはよくある電脳だし、ウイルスもちゃんといる。
だというのに胸騒ぎだけが大きくなるばかり。
その胸騒ぎの正体はメインシステムの場所にあった。
『お前は……ネットナビか』
何も知らないゼロが眼前にいるそれを見て問いかける。
その一方で九十九は言葉を失っていた。何故かと言えば当然ゼロの目と鼻の先にいるネットナビのせいだ。
紫色の装甲に、右肩部に背負われたキャノン砲。
そして無機質なアーマーから覗かせる赤いツインアイ。忘れもしない、コイツは──
「……貴様はVAVA!?」
『その声は、あぁ、あの9番目の間抜け野郎か。まだ……相変わらずしみったれた正義を振りかざしているようだな、オイ』
鼻で笑うような声はただ九十九の神経を逆立たせる。
何も知らないゼロはただ疑問符を浮かべるばかりだ。
『ツクモ、お前は奴を知っているのか』
「あぁ、話してなかったっけ……コイツは、とあるスクエアを腹いせで壊滅に追い込み、そしてオフィシャルスクエア壊滅寸前まで追い込む原因を作った……元オフィシャルのナビ──VAVAだ」
正直会いたくもなかった。コイツには味方時代から辛酸を舐めさせられっぱなしだ。
VというものがVAVAなのではないかと薄々勘づいてはいたが、もうこれで確定だろう。
「まだお前、オペレーターの野郎共々ゴスペルとつるんでんのか」
『ハハッ! オペレーターだぁ? そんなもん知るものかよ!』
「チッ……話にならん。ゼロ、少し怨念返しに付き合ってもらうぞ」
『怨念返し?』
胸の奥から湧き上がる苛立ちを止める気にもなれなかった。もう既に彼はもう様々な罪を犯しすぎた。
腹いせで犠牲にされたナビたち。そして、新人ネットバトラーを精神的にも肉体的にも潰し続けた。スクエアを壊滅させそして……
『くだらないことを気にしているんだな。あいつらは弱かっただけだろう? 雑魚に価値があるかよ!』
「ふざけるな! お前がやってきたのはただの腹いせと破壊衝動に身を任せただけだろうが!」
これ以上問答しても無駄だと、無意識的にホルダーに仕舞われたチップに手が伸びていた。
そして無造作に選ばれた複数枚を矢継ぎ早に装填する。
エリアスチールで瞬間移動したゼロが即座にエアシュート3 を撃ち、ガッツストレートをロケットパンチの要領で飛ばす。
『……ハッ! その程度かよ!』
しかし……VAVAには効いていなかった。
いや、この表現には誤りがある。実際のところVAVAの装甲には傷が入っている。
そこそこダメージが入っているにも関わらずVAVAの赤いツインアイは鋭く光っていた。
カランカラン、と。
ゼロの足元から乾いた金属音が響く。異変に察知した九十九もゼロ自身も自らの足元を見るとそこには──ナパーム弾が転がっていた。
そこから炎が上がったのは言うまでもない。
ゼロの身体は大きく爆風で吹っ飛び、地面を大きく転がる。そんな彼に追撃するようにVAVAは腕をバルカン砲に変換し、ただひたすらに弾を撃ち込む。
あまり時間はかけられない。
総合的な火力は悔しいながらVAVAの方が上だった。まともにダラダラと撃ち合っては恐らくゼロが負ける。
返す刀でガンデルソルを放ち、VAVAの装甲を焼くものの、淡々とバルカン砲の弾がガンデルソルの銃身を打ち砕く。
先手必勝とはいかないか。
倒れたゼロは転がり距離を取ってから、ゼットセイバーを抜き放つ。
ザンッ、と音を立ててVAVAの装甲を抉り砕く。
『ハッ、少しはマシになったみたいだなァ! 9番目ェ! それともゼロウイルスの力かァ!?』
「うるせぇ!」
吠えながら追加のチップを叩き込む。
今度はバリアブルソードだ。スロットインした瞬間、九十九がコンソールを無造作に叩く。
それを待っていたゼロが一振りすると衝撃波がVAVA目掛けて奔った。
その一方でVAVAもまた右肩部に装備されたキャノン砲が火を噴いていた。
その弾丸と衝撃波は間もなくしてすれ違い、双方に直撃──は、入らなかった。
寸前でゼロを九十九がオペレーティングモードに切り替え、その位置を強制的にずらしたのだ。
『くっ……命もクソもねぇウイルスの分際で……ふざけるなよ、てめぇ』
敢えなく衝撃波を貰ったVAVAは装甲片を撒き散らしながら大きくよろめいた。
勝負アリ、だ。既にダメージはVAVAの方が上回っている。
『ハッ……いいのかよ。オレが合図すれば爆弾は……』
もう爆弾は無力化されていることには気づいていないらしい。警告を無視して迫るゼロにVAVAが勝ち誇ったように指を鳴らす。
だが──爆発音らしきものは何一つもなかった。気付いたらVAVAは憎らしげに赤いツインアイを鋭く光らせる。
「残念だったな。全部無力化しておいたんだ」
『何だとぉ!?』
驚愕するVAVAに追い討ちをかけるようにゼットセイバーを振り翳す。
性能差か、それともメンタリティの差か。どちらにしてもVAVAの敗北は濃厚だった。
『降伏するか、このまま続けるか。──選べ』
ダメージ過多で紫電を撒き散らしながら膝をついたVAVAの顔にゼットセイバーを突きつける。ゼロの性能によるところが大きいのだろうが、ここまで追い込むことが出来たのは初めてだった。
無論、力のあるオフィシャルネットバトラーの数々やバレルや市民ネットバトラーの協力あってこそではある。
『テメェ……!』
これでVAVAは終わりだ。
と、そう確信しかけたその時。
ゼロの肩目掛けて赤いレーザーポインターがついていた。
これは──狙撃。
ゼロより先に気づいた九十九は咄嗟に叫ぶ。
「下がれ、ゼロ!」
『何……!?』
それは紙一重だった。指示に従ってバックステップしてみせた矢先。
ドウッ、と音を立てて疾る青白い光芒がVAVAとゼロの間を横切った。
呑まれればいくらゼロでもひとたまりもないそれは九十九を恐怖させる。
誰だ。PETのカメラを光芒が飛んできた先に向けると、そこにはゼロと同じくらいの身長のナビがいた。
緑色の装甲に、無精髭を蓄えた精悍な出立ち。
ライトアームは物々しいカノン砲に姿を変えている。この妙な物騒さは、バレルには悪いがカーネルと似た雰囲気だ。
──なんだこいつは。
本能が警告している。こいつは危険だ、と。
PET越しでも分かる。こいつと戦えばゼロでも危険だ。
『独断専行をするなと入ったはずだ。VAVA』
『クラフトか……余計な真似をするんじゃねぇ!』
VAVAを咎めるあたり、おそらくネオゴスペルの側にいる者なのだろう。
しかし、咎めるクラフトに反駁するVAVAの姿にあまり良い関係ではなさそうには見えた。
そのエリアスチールを利用してVAVAの前に移動した彼に九十九は舌打ちする。
やはり戦うしかないか。予想通りクラフトは腕のランチャーをゼロに向けた。
照準用のレーザーポインターがゼロの頭部のクリスタルを照らす。
『ゼロウイルス……Dr.ワイリーが作った最低最悪のウイルス兵器か。面倒なことになる前に始末する……』
Dr.ワイリーについては九十九もよく知っている。
少し前まで犯罪組織
光主任からゼロを託された時、ゼロは彼によって生み出されたことを教えられた。
だがしかし何だというのだ。
クラフトが九十九の瞳には完全な敵として映る。
「ゼロ、気をつけろ。奴は只者じゃない」
『あぁ。あの男は……かつてオレの耳目だったゼロウイルスが捉えたものが確かならば……!』
ゼロの動きも心なしかこれまで以上に警戒しているように見える。
恐らく動いた瞬間にあのレーザーをぶっ放してくるに違いない。そんな確信から九十九はホルダーからエリアスチールを引き抜く。そして──
『手短に済ませる……ッ!?』
ライトアームのカノン砲から一条の光芒が放たれた。
──ゼロのいる真上を。
空を切った青白いレーザーは徐々に減衰して消えていく。
率直に言えば完全に弾が外れていた。
なぜならば──
赤いナビが乱入し、弾道をソードで逸らしていたのだから。
身長は普通のナビと大差ないだろうが、何処となくゼロに似ていた。
ライトアームには紅いソード。頭部にはヘルメットにサングラスとその素顔は見えない。
その名を九十九は知っていた。
ニホンのオフィシャルきってのエリート。光熱斗に勝るとも劣らないオペレーティング技術とプログラミング技術を持つ少年とそのネットナビ。その名も──
九十九は咄嗟に隣を見ると、そこには白メッシュを入れた黒髪の小学生がまだ発売されていないはずの赤いPETを持って立っていた。
その名も──
「伊集院──炎山」
そして──
『ブルース、見参ッ! 星方九十九、そしてゼロ。ここからはオレたちが状況を預からせていただく』
ニホンオフィシャル最強のコンビがそこにいた。
それだけではない。
「遅れてすまない」
「──バレルさんまで!」
入り口付近でリアルファイトをしていたバレルが、九十九の横、炎山とは反対に立っている。
元アメロッパ軍ネットワーク部隊司令とオフィシャルのエースが左右にいるせいでかなり圧が物凄く居た堪れない気持ちになりかけたが、どうにか抑える。
バレルがいるということはカーネルもいるということだ。
クラフトの砲撃を無効化したブルースはゼロの近くまでバックステップしてクラフトから間合いを取る。
カーネルもまた、同様だ。
こちらはカーネル、ゼロ、ブルース。
相手はVAVAとクラフト。
3対2。
数だけで言うならば、こちらが優勢だ。
そんな中でクラフトは目をにわかに見開いていた。数で逆転されたからだけではないらしい──原因はカーネルにあった。
『……カーネルか。バレルもいるのだろう? どう言う風の吹き回しだ』
『少し故あってな。……やはりか。あのアメロッパ製のライドアーマーを寄越せる人間は限られてはいたが……貴様だったとはな。クラフト、そしてオペレーターのウェルナー。何故貴様たちがゴスペルに寄している』
面識があるのか各々言葉の刃物を交わす。
それぞれの因縁が交錯する中で、クラフトが口を開く。
『……間違っているからだ。この時代そのものが』
間違っている。
その言葉の隅々には憎しみのような、諦観のようなものがあった。
『過ちの元に積み重ねられてきた歴史は一度清算されなければならない。ネットワーク社会が生み出した歪みは計り知れん。──カーネル、オレたちと同じアッフリクの内戦に介入したお前たちなら理解はできるはずだ』
アッフリクの内戦。
あまりテレビでは聞かない単語だ。とはいえアッフリク全体で見ればあまり良い情勢ではないのは確かだ。
アメロッパ軍が何度か介入しているらしいのは聞いたことがあるのでそのことか。
『ワタシには関係のないことだ。お前は今この瞬間テロ行為を働いている。ワタシはただ、任務を遂行するだけのことだ』
即答だった。
クラフトが求めてきた同意を蹴り飛ばし、サーベルの先端をクラフトへと向ける。
その一方でブルースが地面を蹴った。
『これ以上問答するつもりはない。話はナビ刑務所でゆっくり聞かせてもらうッ!』
スピードはゼロに勝るとも劣らない。
瞬時にしてブルースとクラフトの間の距離が詰められた瞬間だった。
クラフトのレフトアームから小型のパイナップル状の物体が現れる。
『下がれ! グレネードだ!』
カーネルの叫びは虚しく、クラフトはそのグレネードと呼ばれた物体を床に思い切り叩きつけた。
『ゼロ、ブルース。そしてカーネル。今回はお前たちの勝ちということにしてやろう。近いうちに時代は新たなる福音の祝福を受けるだろう。Dr.ワイリーがなし得なかったことを今こそ……そして! 今はまだ、捕まるわけにはいかん……カッ!』
眩い──閃光。
弾けたグレネードはナビたちはおろかオペレーターの目を眩まし、白い闇に包まれる。
九十九も、バレルも、炎山も防御しろと叫ぶものの、ちゃんと命令が届いているのか、爆音と閃光が邪魔をして判然としない。
白い闇は、徐々に色彩を取り戻していく。
色彩の戻った世界にはもうクラフトもVAVAもいなかった。
「逃げられたか。ブルース、追うぞ!」
『ハッ!』
対応が速い。炎山の命令から間髪入れずブルースの姿がかき消える。
これでVAVAもクラフトもいない。あとはメインシステムを黙らせて万事解決だ。
残されたゼロとカーネルは急いで守りのないメインシステムのコンソールを触るものの、既にデータが破壊されており電源も切られていた。
恐らくグレネードをぶちまけた直後に破壊し、ジャミングを止めたタイミングでプラグアウトさせたのだろう。
やるだけやって逃げるとは胸糞悪い話だ。
九十九は舌打ちしてから、ゼロに索敵を命じる。
しかしVAVAやクラフトがいたという痕跡は既にこの電脳世界からは消え失せていた。
そんな中でオート電話が鳴った。普段なら散々っぱら聴かされる嫌な音だが、丸一日聞いていなければまた違って聞こえた。
応答すると画面にドアップの日暮が映し出された。
それから少し慌てたように言葉を紡ぐ。
『あ! 星方君! 聴こえるでマスか!?』
「日暮さんか……やったよ。ジャミングも爆弾も全部……」
【やっぱりでマスか! 星方君たちの大勝利でマス!】
日暮の声を聴くや否やぶつり。と何かが千切れるような音がしたような気がした。
何が切れたか。電話──ではない。当然、緊張の糸だ。
アドレナリンで抑え込まれていた眠気、虚脱感、筋肉痛、眩暈が一気に襲いかかる。
「……はぁ」
勝鬨を上げるだけの元気はない。そんなことよりも休みたかった。
カーネルとクラフトの関係もVAVAについても知りたいことはたくさん残ってはいても問い詰めるだけの元気はカケラもない。
力なく地面にへたり込み、それから地面に背中を預ける。ここしばらく動ける気がしなかった。
日暮との通話を切り、ぼんやりと空を見上げる。
太陽はもう水平線上から全身を出し切り朝陽の中に包まれながら、九十九は差してきた一筋の影に少し不機嫌気味な顔をした。
「おーい、生きてるか?」
おちょくって来ているのはディンゴだ。隣にはホイップもいる。
バレルがちゃんと守り切ったからかアレだけの乱戦があっても二人とも傷ひとつなかった。
「死んでる。今の俺はアレだ……アレ。そう、生きた死体だ」
「ゲェーッ! ゾンビかよ!」
ディンゴと頭の悪い会話をしながら、ふと九十九はホイップの方を見る。それから──俺は無事だと言わんばかりにサムズアップしてみせた。
すると、ホイップもまた九十九の真似をするように親指を立てる。少しぎこちないサムズアップだったが、少し嬉しかった。
そしてバレルは、少し遠い海の向こうを眺めてから九十九の方に視線を戻し、手を差し出す。
「星方、立てるか」
自分で立てます。そう言おうにも力が出せず、その差し出された手を掴んだ。