ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA   作:ヌオー来訪者

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 遅くなって申し訳ございません!






 (オサレ要素は)ないです。


エリア4 学校の怪談
Part19 その光は星の向こう側にて


 光と闇の遺産が交錯するRTAはーじまーるよー! 

 

 

 さて前回のイベントでプライド姫からメールが送られてきているのでこれは読んでおきます。

 読むと専用チップ【キングダムクラッシャー】が手に入ります。

 

 特定の人物の該当するイベントを消化すると、ナビの固有チップが手に入ります。

 例えばブルースならトランスムーブ。

 カーネルならスクリーンディバイド。

 

 

 威力は好感度依存のため、高ければ高いほど威力が上昇。

 他のチップとコードが噛み合えばかなり強力なチップとなります。その上好感度が一定値まで上がるとコードが消滅して✳︎に切り替わるため、通常プレイで目的のナビがいれば好感度を限界まで上げてあげるのもいいでしょう。

 

 ただ、それ以上行くと独自のルートに引き込まれるリスクが非常に高いのでほどほどにしておきましょう(4敗)。

 プライドルートだとホモくんが某ヒイロ・ユイと化して姫様専用SEC◯Mになった挙句クリームランド行きが確定してニホンに中々戻れませんし、熱斗ルートに至っては生存ルートに時間がかかり過ぎて最短で行こうとすると原作準拠でアイリスとカーネルが犠牲になる可能性がかなり高いです。

 

 アイリスルートかバレルルートのどちらかが確実と言えるでしょう。

 

 さて、話を戻します。

 

 

 シナリオ開始からまずホモくんのやることが決まっているので朝06:00時に起きて、即家を出てメトロラインへ。

 

 

 甥の木村、加速します(再翻訳MUR)。

 

【810倍速】

 

 

 行き先は新科学省です。旧科学省だとイベントが起こらないのでただ無意味にロスするだけです。

 

 新科学省に入り、城金のいる研究室に向かうとしばらく会話イベントに入るのでスキップ。

 基本的にこの辺はこっちの操作は必要ないので取り敢えずストーリーを進めていくだけです。

 

 

 時間が経つと、秋原小学校の5年生たちがやってくるので第一ウイルス研究室に城金さんと一緒に誘導していきます。

 取り敢えず地下にある新科学省駅で待っていればやってくるはずですが……

 

 あれ? ホモくん? 

 小学生軍団の中凝視して何やってるんですかねぇ……? 

 その視線、我らが原作主人公の光ねっとり……じゃなかった熱斗くんに向いてますが。

 

 うわぁ、これはどう見てもショタコンですね。間違いない……

 なんだこれは、たまげたなぁ(白目)

 

【ん? その青いバンダナ……】

 

【【あーっ!?】】

 

 

 

 

 

 

 

 

 あー、はい。割と薄々勘づいてはいたんです。

 元々引率役だの、オフィシャル上層部や広報に面倒な仕事を押し付けられまくってるので面識ある扱いになってるというのは。

 

 いやまぁアイリスとカーネル生存のため好感度値ちょい高めにするのも手段の一つなのでガバではないんですが……うん。

 

 

 こ い つ と 関 わ る と 本 編 の 事 件 に 巻 き 込 ま れ や す い ん だ よ な ぁ ? 

 

 

 この辺は原作主人公の宿命というかコナンくん並みの巻き込まれ体質なので彼自身に非はないんですがまぁ面倒です。

 事件の渦中にいるせいでフラグ管理はしやすい上に勝利フラグが味方にいるのが利点ですが、運が悪いとWWW(EXE3)やネビュラとの因縁が無駄に生まれるため、ロスの原因。

 つまりRTAの天敵とも言えます。と、同時に味方でもあります。

 どっちだよ(半ギレ)。

 

 面倒な事件に巻き込んでくるのですが上手い回避方法、コレガワカラナイ。

 いかんせんこの辺の情報がろくすっぽ出ていないので要調査です。

 

 あくまで推測ですが、N1グランプリに参戦するかしないかで変わってくるんじゃないかと思いますが……

 

 

 話を戻しましょう。

 何故かホモくんのシナリオ開幕前にオフィシャルセンターの社会見学の際に案内していたとかいう過去が明らかになります。

 余計な遭遇シナリオがカットされるのでまぁ、この出会い方は悪くはありませんから結果オーライですね。

 

 取り敢えず無駄に不穏なフラグが立っているので可能な限りロスは抑えていきたいところ。

 

 さてここからはエグゼ3冒頭のイベント再現になります。

 自由時間に入ります。

 ここで枕デカオ、メイル、やいと、光ねっとりくん、まりこ先生のいずれかと話をすると時間が進むようになっています。

 

 

 今回調教する少年は……まもるっ

 ……じゃなかった。

 熱斗くんに話しかけます。今回タイムと好感度稼ぎの兼ね合いでほんへもある程度巻き込まないといけません。そのためそこそこ好感度上げておかないとまずいですからね。

 

 RTAでルート縛りがなければ真っ先にまり子先生を選んでそのまま先生ルートに行ってましたが少しぐらい我慢しろよ。お前そんなんじゃ走者になれねぇぞ?(自戒)

 

 

 

 時間が進むと実習が始まります。

 第一研究室のコンピューターにプラグインして科学省スクエアにアクセス。

 

 

 ロックマン、ロール、ガッツマン、グライドのいつもの4人と、その辺のモブたちが見守る中ウイルスバスティング。5連戦です。

 ここで3戦目まででバスティングレベルが平均7以上であれば熱斗くんや枕デカオくんが対抗意識を燃やして同レベルの模擬戦に参加し始めると因縁値が上がるので極力ヘマはしないようにしましょう。

 イクゾー! (チーン)

 

 模擬戦なのでここで負けてもゲームオーバーにはなりませんが、実績【ぶったるんどる!】が解放され城金さんからの好感度が落ちる上にやり直しです。

 いいことは何一つないのでサラッと終わらせてやりましょう。

 

 

 さて、ウイルス戦ですがメットール2EX×3とかいう面倒を投げつけてきます。

 攻撃力が一発70とかなり痛いのですが基本的にどう足掻いてもクソザコメットールなのでそのまま始末してやりましょう。フンザコカ。

 

 取り敢えず選んだチップで殴りつつ、VAVA戦でラーニングしたバーストショットか、ブライスティンガーを使ってゴリゴリ削っていけばなんとかなります。

 ゼットセイバー3連撃やっていると攻撃している隙にソニックウェーブぶち込まれて致命傷になりかねません。

 ナビカスが入ればまだマシになるのですが……

 

 

 

 次はキャノーダム2 EX×3

 こいつもまた、威力80と高めで一発貰うとえらい目に遭います。

 奥のマスに並んでるので立ち回りをミスると死ねます。

 ただ、初手でショックウェーブ2枚引いているので真っ先に1体処理してしまいましょう。あとはゆっくり料理をしてやるだけです。

 

 

 

 

 

 

 最終戦まで見所さんはないので甥の木村、加速します(再翻訳)。

 

 最後はナタリコ×2です。

 以前戦った時のようにスウォーディンがいないので、ドリームソードで掻っ捌くか、ガンデルソルで上手に焼いてやるか、キングダムクラッシャーでマスクごと破壊してやりましょう。

 

 キングダムクラッシャーで丸裸になったところでバーストショットを叩き込んでやれば20+5×3のダメージ計算式が40+10×3に切り替わるので70ダメージに変貌します。

 

 

 

 ハッ……ハッ……アッー! アーツィ! アーツ! アーツェ! アツゥイ! ヒュゥー、アッツ! アツウィー、アツーウィ! アツー、アツーェ! 

 スイマセヘェェ~ン! アッアッアッ、アツェ! アツェ! アッー、アツイッス! アツイッス! ーアッ! アツイッス! アツイッス! アツェ! アツイ! アツイ! アツイ! アツイ! アツイ! アー……アツイ! 

 

 

 ナタリコの悲鳴を聞きながらバーストショットで焼き、マスクが再生したら室内でも威力が倍化状態のガンデルソルで焼いて差し上げましょう。

 

 焼 け た か な ? 

 

 すっげぇ燃えてる。はっきりわかんだね(HP0)

 

 本作は妙にバジリコ系の出番が多いのでガンデルソルやキングダムクラッシャーはかなり有用です。

 加えて好感度システムで威力が上がるのでピン挿しでもそこそこ仕事をしてくれます。

 ……長らくフォルダに居座っていたパネルアウトよりは。

 

 

 ただ問題としてはコードがバラけるので、手札事故を起こしたら目も当てられないことになるということです。

 これまで散々手札事故してえらい目に遭ってるとはいえやはりこの辺になってからやや相手がインフレし始めるので難しいところです。

 

 

 これでウイルスを始末し切った所で後はホモくんがバトルシステムについて講釈たれるだけで割と退屈なので……

 

 

 み な さ ま の た め に ィ 〜

 

 

 

 甥の木村、加速します。

 

 

 

 

 連戦が終われば解散。

 終わりっ! 閉廷! ……以上! みんな解散! 

 城金姉貴から報酬のチップを貰って終了です。貰えるのはフレイムブレード✳︎

 

 エグゼ2ではナタリコ戦前のオフィシャルから貰える奴ですね。

 

 P.Aに必要な属性ソードの1本です。

 特に✳︎(アスタリスク)はその見た目通りKBTITのア◯ルみたいにガバガバなのでどんなチップだろうが受け入れます。

 そのため不要なら別のチップと一緒にまとめてトラッシュできる優れものですし、ダメージソースとして有用です。

 

 何故か城金姉貴のツンデレ発動してきますが、スルーしましょう。

 言ってる事は「かっ、勘違いしないでよね! 別にあなたの為に用意したんじゃないんだからね!」としか言っていません。メスのあざといツンデレがホモに効くわけないだろ! いい加減にしろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ^〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これが終わると日暮さんからメールが来ます。

 要約すると「すいまっせへぇ~ん! 日↑暮↓ですけどぉ、まぁ~だ時間かかりそうですかね^〜」

 とかいう催促状です。

 しょうがねぇなぁ(悟空)

 さっさと向かってやりましょう。

 

 

 ホモはせっかち(確信)

 はっきりわかんだね。

 

 

 

 

 

 

 今回はここまで。

 ご視聴、ありがとうございました! 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 平穏だと時間が経つのが早いものだ。

 デンサン埋立地での大規模テロから何事もないと時間が経つのが速く感じる。

 

 ずらりと並ぶ秋原小学校の5年生たちを一瞥してから九十九は大きく深呼吸をする。

 第一ウイルス研究室での社会見学が終わったらウイルスバスティングの実演をすることとなる。

 

 しくじったら……わかるな? 

 と言わんばかりに同行した城金に圧力をかけられつつやる羽目になったのでプレッシャーはある。

 

 それにしたってメットールの上位クラスはさておいて、バジリコ系まで模擬戦に用意するのは小学生相手にやり過ぎなんじゃないかと思うが、これは政治的な背景もあると城金は渋々語る。

 

 小学生といち教師に見せつけてどうするんだよと文句の一つや二つ出ないことはなかったが、逆らってもいいことはないのでお互い黙ってバジリコの処理方法を予め考えておいた。

 

 マスクを被っている上に背後をカバーできるだけの機動力を持ち合わせているため防御力は相当だが、無敵ではないのだ。

 

 

 内心腕を捲っていると、5年生たちが手慣れた動きで整列する。

 あまり個性のない姿から、他に比べると育ち盛りの5年生らしからぬ身長のデコ出しの女の子やら、その真逆を行くような相撲取り行けるんじゃないかと言われそうなくらいにデカい体型をした男の子。そして──

 

「ん? その青いバンダナ……」

 

 青いバンダナを巻いた少年。

 見覚えがあった。それは九十九が新人オフィシャルだった頃の──

 ふと、目が合う。そして少年もまた一瞬だけ九十九同様考え込んだのかフリーズして……

 

「「あーっ!?」」

 

 九十九と少年が互いを指さし、声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 光熱斗。

 もう散々言ってきたがオフィシャルの間ではプチ有名人だ。

 当初こそはオフィシャルの捜査線上を掻き乱すイレギュラー。悪く言えば邪魔者という認識だった。

 特にWWW事件においてそう言った認識が顕著であり、その認識を改めるきっかけとなったのは科学省の停電事件が大きい。

 ゴスペル事件からは最早ヒーローみたいな扱いだ。

 

 まぁ、こんな反応をしたのはそんなことが理由なんかじゃない。

 それより前に遡る。

 

 

 それは九十九がゼロを受領するより前。

 もっと言えば熱斗がWWWと戦い始めるよりも前のことだ。

 

 

 マリンハーバーへの社会見学に現れた秋原小学校生徒たちを九十九は案内させられていた。

 実際問題オフィシャルに入りたての新人にさせるような仕事ではないのだが安請け合いをしてしまったのが運の尽きか。

 多分この辺あたりから自分を体のいい便利屋みたいに取り扱いだしたのだろう。

 

 自由時間の終わりに点呼を取ったところで、二人ほど生徒がいなかった。

 名前は確か……そうだ。

 光熱斗と桜井メイル。

 

 

 本来ならPETを使って電話してやればよかったのだが、タイミング悪くキャリアが通信障害を起こしていたのだ。

 どうしたものかと、慌てて九十九は担任共々走り回って探し回ったものだが。

 

 ちなみに何処に居たかというと、光熱斗はウイルスにやられて暴走していた交通整備ロボをプラグインして止めていた。

 それに幼馴染らしい桜井メイルは厄介ごとに首を突っ込んでしまったことを何度も何度も首を下げていた。

 

 

 厄介ごとに首を突っ込む性質は多分、根っこからそんなのだろう。WWW事件から始まった話ではない。

 

 で、その後なのだが。

 光熱斗と桜井メイルを確保したのは良かったもののマリンハーバーで半遭難気味になり、ぐだつきながら他の生徒たちと合流できたのは苦い思い出だ。

 

 彼を叱責することはできなかった。

 なんせ通信障害起こしてる所でオフィシャルに通報しろというのは無理な話で。

 ありがとうな。だけどあんま無茶すんじゃねぇぞ、と。やんわりと言うしかなかった。

 

 

 話を戻そう。

 光熱斗が声を上げる。

 

「あんた確かマリンハーバーの!」

 

「あぁ、そうだ。ったく……元気にヘンなことに頭突っ込んでるそうじゃないか」

 

 後頭部を掻きながら、九十九はボヤく。

 マリンハーバーの件はだいぶ前の話だ。だからあの噂の光熱斗とマリンハーバー見学にしきていたあの少年がイコールだった実感がほぼなかったけど今この瞬間、実体を伴って現実にのしかかる。

 

 返しきれない借りを作っている以上、オフィシャルとしちゃ面白くはない。

 だからって無碍にするのもおかしな話ではあるが。

 

「なぁメイル、ヘンか?」

 

「ヘンでしょ」

 

 光熱斗が近くにいた桜井メイルに問い掛けると容赦なく肯定して見せた。

 そんな姿に九十九の横にいた城金は興味深そうに見ていた。

 

「……どうした城金さん」

 

「いや、あれが光研究所の光主任のご子息さんなのかって。その辺にいるような元気少年に見えるけど」

 

 その辺にいる猿顔の一般生徒よりは目立つ気がするが一見した程度では判りはしない。

 口が悪いがまだ伊集院炎山の方が気迫というものがあるというものだ。

 

「人間見た目9割と言うが、1割の見えない潜在能力でテロ組織2組潰されてる訳で。人間何があるか分かったもんじゃない」

 

 冷静に考えなかろうが、異常なのだ。これは。

 無論オフィシャルや市民ネットバトラー、各研究者や協力者などのお膳立てもあったから単独でなんとかしたと言う訳ではないのだが。

 ここまで表に出ていないのはやはり報道規制やら何やらあるのだろう。

 

「ちょっと興味が湧いて来たわ」

 

「……え、何を?」

 

 城金の口端が持ち上がる。

 ……嫌な予感がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、そんな微妙なもやもやを抱えながら第一研究室で各々がスタッフに質問をしたりしているのを九十九は部屋の片隅から眺めていた。

 ウイルスバスティングの講習以外ぶっちゃけ出番はあるまい。

 

 そうタカを括っていた所で噂の光熱斗がやってきた。

 

「あのー、えっと……誰だっけ」

 

 数年前だしそこまで話していた訳ではない。改めて九十九は名乗る。

 

「星方九十九。しがないその辺に生えてるオフィシャルだ」

 

「生えてるって……星方さん。ゼロは元気?」

 

「そうだった」

 

 ゼロを救ったのは光親子だ。

 彼をデリートするのを躊躇い、ゼロに生きる未来を切り開いた。いわば命の恩人だ。

 九十九はおもむろにPETを取り出して光熱斗に見せる。

 

『……光熱斗。そしてロックマンか。久しぶりだな』

 

『ゼロ! また会えて嬉しいよ!』

 

 ゼロとロックマンの再会を横目に、光熱斗が頭の後ろで手を組みながら「それにしても……」と言葉を紡いだ。

 

「なんか意外だな。旅に出てそんな時間経たずにまさかオフィシャルのネットナビになるなんて」

 

 確かに元々ウイルス。それもワイリーがネットワーク社会への悪意として作ったものの未完成のまま封印。これを無理矢理シンパの『教授*1』が完成させたウイルスだ。

 そしてデータ収集により心を持って紆余曲折あってネットナビに作り直され、人間社会を理解するために旅に出たと思ったら今やオフィシャルのナビとして刑事ドラマまがいのことをやらされている。

 

 これだけの出来事が3ヶ月くらいに集約されているのが恐ろしい話だ。こういうのは1年かけて起こるべきじゃないのか。

 

()()()()()()()であり、本人の希望でもあったんだ」

 

 そんな控えめに言わなくても狂っている経緯に九十九はぽつりと語る。別段聞いている他の小学生の姿はない。話してもいいだろう。

 そんな中でゼロが付け加える。

 

『こうしてネットナビをやることでオペレーターからも得られるものもあると思ってな。それに……オフィシャルが戦力を欲しがっていたという事情もある』

 

『オフィシャルもゴスペルの一件でかなりのダメージを受けたからね……』

 

『お前たちが動くにしても邪魔者が少なく動きやすい方がいいだろう。一つでも多く負担が減らせるのならば、オレもオフィシャルとして戦うつもりだ』

 

 ゼロにはゼロなりに思うところがあるらしい。

 本来オフィシャルが一般市民(光熱斗が一般市民の範疇に入るかどうかはさておいて)の介入の前に片付けなくてはならないものだ。

 その点は九十九は心底頷く。

 

 それに、だ。

 

 オフィシャルの目がゼロには必要なのだ。

 いずれゼロの前に再び現れるであろう「奴」の為に。

 

「奴」とは一体何者なのか。それを知る為にはゼロが電脳の海に旅立ってひと月ほど経ってからまで遡る必要がある。

 ウラインターネットの近くに位置するスカイエリアで……

 

 

「はーい! 皆集まってー!」

 

 ふと、史隅管理官に聞いた話を振り返ろうとした矢先若手の女教師の声が研究室に響いた。

 あぁもうそんな時間か。PETの時計を一瞥すると既に時間を回っており城金は何を考えているのかモニターの方をぼーっと観ていた。

 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 まりこ先生の呼び声で小慣れたように社会見学に訪れた少年少女たちが整列する。

 早いものだ。場所によってピンキリだが、酷いところはとことん酷い。その辺はオフィシャルセンターの社会見学で嫌というほど思い知らされている。

 

 城金と九十九は彼らを前にして、まりこ先生の話を黙って聞く。自分たちの出番はそろそろだ。

 

「みんなこれから、こちらのオフィシャルネットバトラーさんと研究室の職員さんにウイルスバスティングの指導をしてもらいます」

 

 さて。

 城金とはある程度打ち合わせはしている。九十九は生徒たちの前に出て口を開いた。

 

「こんにちは。今回の講習はオフィシャルの星方九十九と、こちらウイルス研究員の城金アリアが基本講習をしていく。まー、皆知ってるんだろうけど基本が一番大事だ。だからきっちり学んでいってほしいな」

 

 

 バリアブルソードのコマンドシステムを使いこなせだの、相手を凍結させてブレイク性能を叩き込んでウイルスを木っ端微塵にするだのそんな応用など求めちゃいない。

 自衛能力があれば未然に防げる事故もある。民間に丸投げするのは良くないとは言うが、自宅の家電製品のバグを取り除けるだけの力くらいは持って欲しい所だ。

 

 時々いるのだ。

 大の大人がメットール1体で大騒ぎしてオフィシャルに通報するのが。

 キャノン一発で終わるじゃねえかとかよくボヤいていた同僚の顔を幻視しながら、九十九はコンピュータのケーブルポートのカバーを一気に外した。

 

 授業開始だ。

 

 

 

 全員がプラグインを済ませた所でアクセス先の科学省スクエアではゼロと城金のノーマルナビの前に、そしてずらりと並ぶカスタムタイプやノーマルナビが混在する生徒たちが整列していた。

 

「ウイルスバスティングをする上で何が必要か。それは武器だ。さてここで問題だ、ウイルスバスティングをする上での主武装となるものを答えよ。さてここでそこの……えーっと、そこの……!」

 

 ふと視界に入った一人の生徒たちのナビ。そんな中で一際異彩を放つ黄色いナビがいた。

 確か……ガッツマンだ。オペレーターは大山デカオ。

 完全に戦闘タイプにカスタマイズされたガッツマン、現実世界の動物で例えるならゴリラそのものだ。

 その剛腕で殴り飛ばされればウイルスも一溜まりもないだろう。

 

「そう! 大山デカオくん!」

 

「そりゃぁ……拳だぜ!」

 

「拳……うん、ある意味間違ってないな君の場合は!」

 

 シンプルかつ明快な答えである。

 腕を捲りガッツポーズで語る『漢なら拳一つで戦え』と言わんばかりの回答をうんうんと肯定する九十九に城金が思いっきり不満げに「こほん」と咳払いしてみせた。

 

「まずネットナビというものは基本的に『バスター』と呼ばれる攻撃手段を持ち合わせているの。そして人によってはカスタマイズしていき専用の武器に変更していたりする。例えばそこにいる大山くんのナビが『拳』であるように」

 

 軌道修正を試みた城金は白衣の内ポケットから何枚かバトルチップを取り出す。

 科学省が無料配布しているキャノン、ソード、ショットガンだ。

 

「もちろん、それだけじゃあ心許ない。だから科学省はバトルチップという攻撃手段を構築。無料配布しているから忘れていない限りは持っているはず」

 

 流石にこれ以上脇道に逸れるのもおかしな話だ。九十九は打ち合わせ通りに言葉を紡いだ。

 

「今回重視するのはバトルチップの使い方だ。単に雑にスロットインしておけば勝てるって言う訳でもない。カスタムゲージを消費する兼ね合いで最低限の消費で強力な一撃を叩き込むかが大事になってくる」

 

 カスタムゲージは有限だ。使えば減るし使い切れば再チャージまで待たなくてはならない。

 チップごとに刻印されているコードが同じだったり、同じ名前のものであれば連続使用してもあまり減らないようにできている。

 コードがアスタリスクならば最高だ。

 

 科学省スクエアの一角で、城金のノーマルナビがゼロ目掛けてカプセル状の物体を投げつけるとメットールの群れが飛び出した。

 それを九十九は無造作に選んだチップで次々と処理していく。

 選択内容は同じコードやPETのへの負荷の少ないアスタリスク系統だ。仕留め損ねたらゼットセイバーで掻っ捌く。

 

「思ったよりやるじゃねぇか……」

 

 一連の戦闘をモニターで見ていた大山デカオが不敵な笑みを浮かべ、隣にいたデコを出した小柄な少女が咎めるように肘で小突く。

 

 それを他所に九十九は続けた。

 

「ソード1発より、3発のキャノン。1発のキャノンより2発のショットガンだ。目先の攻撃力に囚われず、バトルチップのつながりを重視するんだ。皆もやってみようか」

 

 九十九の合図と共に城金とノーマルナビが模擬戦の準備をしていく。

 先程相手したのは上位ランクのウイルスだ。生徒たちには同系統のワンランク下のウイルスを相手にさせる。

 だからここでやられることはないだろう。……なんて思っていた矢先だった。

 

「なんかバカにされてる気分だよなぁ……」

 

 ふと、大山デカオのボヤきが聞こえた。

 声に出さなくても光熱斗も正直退屈そうでもある。キャノンやエリアスチール+ワイドソードを駆使して他の生徒たちよりも手際よく処理していくのが見える。

 

 小学生のウイルスバスティングの技能はピンキリだ。

 メットール1体に手こずる奴も居れば、オフィシャルネットバトラーを一蹴してしまえるくらいの技能を持つ者もいる。

 特に光熱斗と大山デカオはズバ抜けていた。事実、ゴスペルの本拠地に乗り込むだけの力はあるのでそんじょそこらの小学生とは一線を画しているのは当たり前だ。

 

 

 ネットバトルも基本に始まって基本に終わるものだ。それを忘れようなら足元を掬われる。

 ……なんて言っても他人に説教できるほど人間は出来ちゃいない。

 

 どうしたものか。

 なんてことを九十九は思いつつ隣で生徒たちのウイルスバスティングを見守っていた城金の方を向くと、彼女の口端が釣り上がった気がした。

 

 ──嫌な予感がする。

 

 

 

 

 そしてその予感は──的中した。

 

 

 

 

 

 

「どうやら一部生徒は物足りないようなので、ここで特別メニューを用意しておきました」

 

 突然の城金が行った切り出しに九十九は目を丸くした。

 

「城金さん? え? 聞いてないんスけど」

 

「ええ。話さなかったもの」

 

 なんの悪びれもなくしれっと放たれる至極当然かつ滅茶苦茶な返しに九十九は唖然とした。そんなのありなのか。

 そして城金の合図で出現したウイルスたちは九十九が処理したウイルスと同等の通称2ndクラスの凶暴なものが顔を出した。

 

 

 今回の実習は学生のウイルスバスティングスキルがピンキリであるからこそ、誰でもできるように作られたメニューでもある。

 必ずしも光熱斗や大山デカオ並の力を求めているわけではない。

 

 なので、まるで彼らを狙ったようなメニューに九十九はなんとなく察してしまった。

 そして城金から九十九に向けられる、試すような視線。

 

 ──まさか小学生の上級者組と俺とで競わせるつもりか。

 

 なんて大人気ない女だ。

 九十九が頬を引き攣らせていると、特別メニューに光熱斗と大山デカオは臨むところだと言わんばかりに挑み始めた。

 

「さて、どこまで行けるかしらね?」

 

 この小学生向けに行われる科学省の社会見学とは程遠い試練に、他生徒たちは光熱斗と大山デカオの暴れっぷりを見物している。

 

 ──上等だ。

 

 小学生に負けていられるか。

 大人気ないのは人のことは言えないだろう、けれども彼らに負けては意味がないのだ。オフィシャルとしてのメンツもあるし、先の事件へのリベンジとしての意味合いもある。

 

 ゆえに九十九は腕をまくり城金がけしかけた上級ウイルスの処理をゼロに始めさせる。

 

「ゼロ、やれるところまでやるぞ。本職パワーの見せ所だこん畜生が」

 

『ん。問題ない』

 

 

 大人気ない科学者が課す試練に、小学生2名とオフィシャル1名が競うように挑む。

 あまりにもあんまりな光景に、綾小路やいとも、完全に呆れたのか「どっちもどっちね」と匙を投げ、担任のまりこ先生に至っては頭を抱えていた。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆

 

 上級者のウイルスバスティングは状況次第で1分を切ることがある。

 当事者にとっては永遠とも取れる時間だが、第三者からすればきっと一瞬の出来事なのだ。

 

 その戦いは、5分で決着した。

 

「これで弾切れよ。まさかここまでやるとはね」

 

 城金が両手を上げて降参したことで、この大人気ないバトルは終わりを告げた。

 

 城金が課した小学生にやらせるものとは到底思えない凶暴なウイルスのバスティング。

 大山デカオとナビのガッツマンは持ち前のパワーと見た目に見合わぬ機動力でウイルスを圧殺し、光熱斗とロックマンはこれまでの激戦を潜り抜けたその実力とバトルチップでいとも簡単に倒し切ってしまった。

 

 

 その一方で九十九もバレルに鍛えられた腕は伊達ではない。ナタリコやらスウォードラやらバドラフトの群れをガンデルソルやプライドから貰ったキングダムクラッシャーを使い倒してみせたものの……

 

「引き分け、かぁ」

 

 本職パワーを見せてやると意気込んだのはいいとして結局打ち止めになった以上決着がつくことはなかった。

 PETを仕舞った九十九は連戦で疲れ切った手をヒラヒラさせながら、大きくため息を吐く。

 

 ウラインターネットに出没するような真に危険なウイルスが出てこなかった辺り、城金も場を弁えてはいるらしい。

 ナタリコは微妙な所だが、オフィシャルスクエアに大損害を与えたオモテのインターネットでもかなり有名な種なのでご愛嬌だ。

 それにオフィシャルにとってもかなり危険な部類である3rdクラス以上は来なかったので文句は言わないでおく。

 

『熱斗くん! おつかれ! 星方さんとゼロ、見てたけどすごく強かったね』

 

 実習を終えてプラグアウトした、光熱斗の持ちナビであるロックマンがそう感想を漏らすものの、どの口が言うのかと九十九は心の中で突っ込んだ。

 

 ガッツマンほどの馬鹿力もなければ武器はバスターを改良したロックバスターで、特殊能力もない。

 のにも関わらず、光熱斗の的確な指示とそれを120%生かすだけの判断力(AI)を持ち合わせ扱いが難しいカスタムソードを振るってバジリコを処理してみせた。

 

 ネットワークの生みの親である光正博士が祖父で、ネットナビの育ての親である光裕一朗主任が父親である光熱斗。

 そんな血筋もあるのだろうが、血筋だけじゃない何かがある。

 信頼関係とかもっとそういった、本来不確かなはずの概念を強固にした何かだ。

 

 大山デカオも光熱斗に比べると荒削りで総合的に一歩足りない所だが、光家やらの補正抜きにすると本当に小学生かと疑いたくもなる。

 あのガッツマンの力こそパワー! と言わんばかりのピーキーなカスタマイズにやや振り回され気味だが、その辺を乗りこなせばおそらく下手なオフィシャルを上回るであろうことは確かで。

 

 

「いや、酔狂じゃねぇな……こいつは」

 

 ロックマンの感想に九十九は率直な感想を投げかける。

 かつてマリンハーバーで出会った少年がこれほど恐ろしい存在だとはあの頃新人だった己には想像もつかなかった。

 こんなウイルスよりずっと強力で危険なモノを倒してみせたものを子供と吐き捨てるにはあまりにも……

 

「星方さん?」

 

 先の発言の意味が拾えず、どうしたんだろうと思ったのだろう光熱斗が九十九に声をかける。

 意味なんてわからなくたって良い。これはただの独り言だ。

 

「いや、なんでもない。ほら、解散の挨拶だ。行った行った」

 

 九十九は光熱斗の背中を押して、城金の解散の挨拶に参加させた。

 

 

 

 

 

 それからと言うもの。

 他の科学者たちによる質問コーナーやらウイルスの生態やらについてのお話やらを終えて学校に帰っていく子供たちの背中を前にして、九十九と城金は大きく肩から力を抜いた。

 案外、お仕事モードというものは疲れるものだ。

 

「お疲れ様」

 

 刺々しい。それが九十九の城金に対しての初対面での印象だったのだが、労ってくれるまで軟化したのを喜ぶべきなのか、そのせいでおかしなアドリブに付き合わされるのを嘆くべきなのか。

 

「にしたって打ち合わせなしにあんなものよく投入しましたね」

 

「WWW並びにゴスペルを壊滅させたオペレーターとそのナビがどれ程力を持っているか。何かしらの形で試そうか試すまいか悩んでいたところで、あの大きい子が生意気言うものだから投入させて貰ったわ」

 

「小学生相手になんて大人気ない……!」

 

「まぁ、光熱斗君ならまだしもあの子にも突破されるとは思いもしなかったけれども」

 

 軽く眩暈がしたものの、その大山デカオにもけしかけたウイルスを叩き潰されて面目丸潰れな訳だが。

 

「機会あっても3rdとかSPは用意しないで下さいよ」

 

 流石に今回2ndに留めているのでやる事はないだろうが一応釘は刺しておく。

 なお刺された釘は──

 

「……考えておくわ」

 

 わざとらしく置かれた間のせいでうまく刺さっていない気がした。

 

「考えるまでもなくやめてくださいマジで」

 

 ウラ奥地に生息するような危険物を小学生に処理させるんじゃない。

 そんな中身のないやり取りをしている間に子供たちの姿が見えなくなった。

 

「──面白いものね」

 

「光熱斗くんが、ですか?」

 

「えぇ。そしてロックマンも。あんな子供たちが二度も犯罪組織を壊滅して見せているのだから」

 

 まったくだ。心底同意している傍ら、アリアは懐から何かを取り出してその握りしめた拳を九十九の胸元に突き出した。

 恐る恐る九十九はその拳の下に掌を置くと、ぱらりと何か軽いものが落ちてきた。

 

 バトルチップだ。種類がわかるよう刻印されているアイコンを見てみると赤い細身のブレードが写っていた。

 

「……フレイムブレード」

 

「協力の礼よ」

 

「でも報酬は上の方に」

 

 そもそもこの仕事そのものは課そのものに投げられた依頼だ。それを課長などが下請けのごとく九十九に丸投げしているだけで、報酬は課長側に来るはずだ。

 そんな九十九の言葉の意図を先読みしたか、腕を組みながらまとわり付いたものでも振り払うように首を横に振った。

 

「勘違いしないで。今後仕事してもらう上で効率が良くなると踏んでのことよ」

 

 ライトノベルだか何かで見るような「かっ、勘違いしないでよね!」とは違ってそこそこ冷淡な言い方だ。

 

 渡されたフレイムブレードそのものはよく見る、中級ネットバトラーなら持っていてもおかしくは無い代物だ。

 その実、よく見ると刻印されているコードがアスタリスクだ。

 素材を集めてドリームソードの上位クラスを撃て。そう言いたいのか。

 あと単体で使っても美味しいしナタリコやらバジリコにも有効だ。

 

「ん、ありがたく使わせてもらいます」

 

「よろしい」

 

 何がよろしいのかよく分からないが、突っ込まないでおこう。九十九も城金の手伝いとして社会見学の後始末を始めようとした矢先だった。

 

 

「……ん?」

 

 聴き慣れた電子音。

 元はPETからだ。続けてゼロの声もした。

 

『ツクモ、メールが来たぞ』

 

「……誰から」

 

『む、日暮闇太郎からだ。お勤めご苦労さまでマス。今日のバイトは何時ごろに来られるでマスかねぇ? だ、そうだ』

 

 今日の九十九の仕事は社会見学だけではない。先の事件で日暮に依頼した報酬代わりに労働力を提供する(と金や物品を出し渋る上層部に勝手に決められた)……つまりアルバイトもしなければならないのだ。

 内容はバトルチップショップ『ヒグレヤ』の開店準備だ。

 

 今日はいつになったらゆっくり休めるのやら。

 考えたら考えただけ遠のいていく未来に九十九は酷くため息をついた。

 

「誰だこんなスケジュールにしたやつは……」

 

 考えたやつはきっとろくでなしに違いない。

 

『お前だな』

 

「……おう、そうだな」

 

 なお、自業自得の模様である。

*1
ゼロウイルス事件(時系列は1から2の間)の黒幕。元WWW幹部でもあり、ワイリーが封印していたゼロを目覚めさせそこから発生するゼロウイルスを利用しサイバーテロを起こし、ネット社会の壊滅を目論んだ。最終的に離反したゼロに、ゼロウイルスの発生源を逆探知された挙句切り札であるドリームウイルスRすらも光熱斗とロックマンにより破壊(デリート)され、逮捕される。現在も獄中で恨み節を吐き続けている

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