ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
不法侵入は基本。なRTAはーじまーるよー!
社会見学イベントが終了すると、ここからメトロラインで皆ご存知秋原町が解禁されます。
作中、地形が何故か変わりつつも皆勤賞*1の町にヒグレヤがあります。
ヒグレヤの奥には日暮さんが待っているので積み上げられまくったダンボールを掻い潜って話しかけましょう。
ダンボールに引っかかりやすいので気をつけましょう。ガバも積もればロスとなる(至言)。
日暮さんの依頼はチップデータの輸送をしているプログラムくんの護衛と、電脳世界内の在庫整理、必要なチップの仕入れとなります。
プログラムくんの回収はまず秋原エリア3に向かえばすぐです。
経路は日暮のパソコンからプラグイン。
ヒグレヤPCの電脳→秋原エリア1→秋原エリア2→秋原エリア3のルートを通ります。
同然ここでシノビダッシュを使い戦闘は極力スキップしていきますが、ランミスから多めのゼニーを回収する為にリセマラを繰り返します。
HPメモリと一部の強力なチップを手に入れるためにはこのチャートだとリセマラ前提となっています。
とはいえ粘り過ぎるのもアレなので3000ゼニー以上出たらそこで妥協する精神も大事です。
確率1%の10000ゼニーなんて期待してはいけない(戒め)
さて、秋原エリア3に行くと3体のヒールナビがプログラムくんに絡んでいます。
Q:3人はどういう集まりなんだっけ?
A:カツアゲぇ……(正直)
止めても当然反抗してくるので力づくで殴り倒しましょう。
その為の右手。その為の──
金! 暴力! セッ(以下略)
何事も暴力で解決するのが一番ですね(ゴリラ並感)
今回のヒールナビは
Q:3人に勝てるわけないだろ!
A:馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!
HPは均一で単に数がいるだけです。
そのため、淫夢之一太刀で死ぬので気にせず死んでいただきます。
配牌は……
ソード S
ロングソード S
バリアブルソード D
ワイドソード S
ショックウェーブ J
勝ったな(確信)
バリアブルでシメた方がタイム的には早いですがここは安定をとって、ソード、ワイドソード、ロングソード選んで……
パパパッとトリプルデリートして……終わりっ!!
D O U B L E D E L E T E !
は? (威圧)
外してんじゃねぇよバーカ! (全ギレ)
どうしてトリプルデリートできてないんですか?
どうして……どうして……ドウシテ……(現場猫)
動くと……当たらない……だろ……?
動くと、当たらないだろ?
動くと当たらないだルルォ!? (責任転嫁)
さて、1体だけ残りましたが取り敢えず次のターンで死んでもらいましょう。
外れないようにバリアブルソニックで確実に殺りましょう。
ああ狂いそう……! (静かなる怒り)。
はー、ほんまつっかえ!
やめたら? このRTA(自傷行為)
E N E M Y D E L E T E D
ヒールナビを爆☆殺! したらプログラムくんを護衛仕切ってから日暮さんに報告。
軽作業の手伝いが始まります。この作業自体ミニゲームになっており、結果次第で追加報酬が貰えます。
ルールは簡単、要求されたボタンを押すだけ。
エグゼ3にあったミニゲームと基本システムは丸々同じです。
一定時間内に規定回数をクリアするとオマケでゼニーがもらえます。
5000ゼニー。うん、美味しい!
これが終わると休憩時間に入ります……が!
ここで気をつけなければならないのはとある人物の誘いです。
そう、砂山ノボルです。
エグゼ3を遊んだことのある人なら分かりますが、DNNのディレクターである彼はこの時期N1グランプリ予選の呼び込みをやっています。
原作だと熱斗やデカオたちに予選に参加するように呼びかけますがホモくんも便乗するかしないかで未来が変わってきます。
WWW編に本格的に入ってしまうと、今やっているルートから逸れてしまうので参加しません。
あとバレルさんの好感度も落ちます。どうしてでしょうねぇ? (すっとぼけ)
そのため某アナウンサーさんとの好感度は別のところで稼ぎます。
なのでヒグレヤの仕事に大人しく戻りましょう。
ここから先はイベント消化なので、スキップです。
ここからですが、原作エグゼ3の第一話の出来事が起こります。
このイベントの特徴は本編組の好感度上げの効率がいいのです。イベントには熱斗、メイル、やいと、デカオたちの好感度が上がるのと一応熱斗くんとはある程度仲良くしておくと美味しいという事情もあります。
関わったら関わったで面倒だけど、全く関わらないとまた面倒とか束縛の強い彼氏かな?
全く関わらないルートは少し面倒なのです。特に
話を戻しましょう。
アルバイトイベントである程度ちゃんと仕事をしていると日暮さんがギブアンドテイクとのことで追加報酬が貰えます。
その額はまたまた5000ゼニー。つまり合計1万ゼニーが寄り道なしで手に入る訳です。
RTA上5分くらいしか経っていないことを考えると30分で5万のホモビ出演より効率がいいってどういうことなの……
このルートで進んでいくと、エグゼ3のフラッシュマンステージに向かう形となります。
報酬を貰った後はフィールドが夜の秋原町に切り替わります。
そこからはエグゼ3編用にちゃーんと作っておいたチャート通りに、熱斗くんたちにストーカーしていきます。
そう、ストーカーです。
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ストーカー
忍び寄る、後をつけると言う
意味のストーク(STALK)
から、しつこくつきまとってく
る人、つきまとうと言っても
尋常なレベルではなく、待
ち伏せ、尾行、夜昼構わず
電話する、ゴミをあさるなど
自分が関心を抱いた相手を
一方的、病的執拗さで追い
かけ回し、殺人にまで至る
ケースもある。
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(尾行ミッションが)もう始まってる!
このストーキングは、熱斗くんに気付かれるとやり直しになるので物陰に隠れながら進みましょう。
地味にこいつら後ろを向いてきたりするので厄介です。
彼らの向かう先は秋原小学校。
侵入理由はクラスメイトのデカオの忘れ物の回収ですね。閉じているはずの校門が開いて入っていきます。
でもこれ不法侵入ですよ! 不法侵入! (ホリ・トオル)
引き続きストーキングしていき、教室に入ったところで確保しましょう。
何が目的だ! モノ♂か!? 金か!?
ここで連行するか、仏心でデカオの忘れ物探しに手伝うかの選択肢が出ます。
連行すると熱斗とデカオからの好感度がマイナス。オフィシャルルートだとかなり貴重なWWWポイントが上昇します。
手伝うと熱斗、デカオ、メイル、やいとからの好感度が少し上がります。
なので……
仕方ないね♂(レ)
という許容の心を持って手伝ってやりましょう。
ホモとして妖精哲学の三信を忘れてはいけない(戒め)
場所はわかっていますが、デカオ本人からヒントを貰わないと正解の場所を調べても見つかりません。
探し物は社会見学の感想文を書き込むためのUSBメモリです。
原典のエグゼ3だとUSBじゃなくてフロッピーディスク*2だったのに時代と乳首、感じるんでしたよね?
デカオに今日の行動を思い出してもらいます。
そんな中でホモくんの後ろに何かがいます。
そのまま無視しているとケツを掘られる(大嘘)ので振り向きましょう。
振り向くとホモくんの首がずるりと落ちることはないのでへーきへーき。
すると……しばらく出番が無かったみゆき姉貴が何故かいます。
話によると挙動不審なホモくんをつけてきたみたいですね。
ホモくんは対魔忍の潜入捜査並みのチョロさでミイラ取りがミイラになるオフィシャルの屑。はっきりわかんだね
どうせなら対魔忍状態になるみゆき姉貴なら見たいゾ。
ホモくんの迫真の命乞いでみゆき姉貴も黙ってくれているので引き続き探しましょう。
USBを置いてある場所は飼育箱の置いてあるロッカーの下です。恐らくポケットの中に入れていた所落としてしまったのでしょう。
パパパッと見つけて終わりっ!
閉廷! 以上解散!
今回はここまで。ご視聴、ありがとうございました!
Z
日暮に課された仕事。
それはヒグレヤの開店準備だ。内容は単純な荷物の仕分けや移送などの軽作業から始まって、防犯システムの立ち上げやヒグレヤ名物のトレーダーの起動テスト。そしてチップデータの輸送をするプログラムくんの護衛まで。
日暮自身その針のような身体から見てわかる通り非力であり、商品を大量に詰め込んだダンボールでフラつくぐらいだ。
その手の業者を雇えばいいだろう。九十九はその時日暮にツッコミはした。
だが、
「コスト上の都合でそれはナシでマス」
と無慈悲にもバッサリカットされてしまった。
ドケチめ。
と、詰りそうになったがそもそも行商の旅は色々得られるモノはそこそこあった一方で、金銭的な稼ぎは交通費やら荷物の維持費やらで相殺されて素寒貧なのだとか。
だから実質タダ働きで九十九を使うという訳だ。
もちろん、先にタダ働きさせたのはオフィシャル側だ。日暮はその分を返せと言うのだ。
その辺ギブアンドテイクを信条とする日暮だ。抜かりはない。
ここでサボろうとすると余計に仕事が増えるのは目に見えていた。なので一応文句は言わず黙って仕事をするのみである。
「終わった……」
額の汗を拭う。
作業の過程は酷く面倒なものばかりだった。特にプログラムくんの護衛に至ってはサイバーカツアゲを生業とする半グレナビの襲撃に遭ったので、その連中を掻っ捌いたり。
一応品物の棚卸しそのものは高い処理能力を持つナンバーマンがほとんどやったとはいえ、これらをたった1日で済ませた自分を自分で褒めたい所だ。
──いや、これはナルシスト入ってるからやめるか。
気付けば、窓の向こうは星空が瞬いており九十九はようやく今の時間を自覚した。
作業を始めたのは昼間だ。それを考えるとかなり長い時間作業していたことになる。
「お疲れでマス。あとはアッシだけで大丈夫でマス」
流石にもう遅い。
日暮はやや疲れ気味の声で冷え切ったオロナミンC *3とチップを九十九に差し出した。
「あ、どもす。なんスか? これ」
「バイト代でマス」
タダ働きのつもりだったのだが。
九十九は目を丸くした。先の事件では日暮とナンバーマンが居なければ詰んでいたのでその分は働かなければならないのだ。
これでは何のためのバイトか分からなくなる。
そんな九十九の思考を先読みしたか、日暮は続けた。
「アッシの予想以上に働いて通常の3倍ほど準備が早く進んだでマス。その分でマスな」
「いいんですか? これ」
「世の中ギブアンドテイク。それは知っているでマシょ?」
つまるところ九十九が過剰に働いた部分はプラスで返す。と言うことだ。
良くも悪くもこの男は本当に律儀と言うかシビアというかなんというか。
チップの中に入っていたのはゼニーだった。それもたかだか数時間程度のバイト代にしてはやや高額と言える。
……友達相手にもシビアなこともあるのでその辺は下手なオフィシャルのザルな給与システムより信用は出来なくもない。
半グレナビをしばいた分だと思おう。
チップをしまい、オロナミンCをひと呷り。
この瞬間のためだけに生きていると言うと、大袈裟だが五臓六腑に染み渡る。
そろそろ帰るとしよう。まだ時間に余裕があるが、メトロの終電もある。
「また頼むでマス」
「りょーかい。そん時は依頼でも投げておいてください」
どちらにしてもこれで最低限の依頼は完遂したという認識でいいのだろうか。
日暮に挨拶してから、店から外に出ると冷たい夜風が九十九の肌を撫ぜ、鈴虫の慟哭が耳朶を打つ。
秋、それは。夏の残滓と別れを告げる季節。
終われば寒さ厳しい冬が待っている。
取り敢えずヒーターと炬燵さえ準備して見せればなんとでもなるはずだ。
典型的な住宅街とされる秋原町の夜道を独り歩き、メトロの秋原駅を目指す。
そんな中で──
「ん?」
ふと、見覚えのある面々が目先のT字路を横切った。
今のは──光熱斗、桜井メイル。大山デカオ。そして綾小路やいとか。
もう時間も子供が出歩いていい時間でもあるまい。
……人のこと言えないけれども。
今日はもうやることは残っていない。
取り敢えずつけてみることにした。特に何もなければそのまま退散すればいいだけのこと。
まるでストーカーだ。
夜道、小学生をつけ回すなんて字面にすれば犯罪の臭いしかしないというものだ。
客観的に見ても様子のおかしい状況に、ちょっとした自己嫌悪を覚えながら、九十九は彼らが突き当たりで足を止めた所で夜に慣れ切った目を凝らした。
「……小学校?」
『秋原小学校だな。デンサンシティの中では比較的新しい学校だ』
こういう時ナビがいると、知らないことを補填してくれるので有難い話だ。ゼロの声をPETに繋いだイヤホンで聴きながら思う。
深夜に行く必要のない学校となると思いつくパターンは一つ。
「肝試しのつもりかよ……」
よくある話だ。
デンサンタウンの廃ビルなんてよくある話で、同年代が肝試ししている話なんて夏から秋にかけてよく聞く。
まだそれに比べれば学校な分健全と言えば健全なのだろうが。
ゼロは言葉を続けた。
『しかし……秋原小学校は校門自体は新型の電子ロック式だ。仮に解除しようにも電脳世界で守衛ナビの目を掻い潜って解除する必要がある』
人間が管理するよりは確実とされたのだろう。
学校に不法侵入かます不届きものは学生だけじゃない。
部外者、泥棒、度し難い変態エトセトラエトセトラ。
それから守るには強力な見張りが必要だ。その結果今の形になったのだろう。
それに大事なことがある。ナビならば戸締りを忘れることはない。
「それって実質無理なんじゃあ。……おろっ?」
がらり。
光熱斗たちが引っ張った校門は意図も容易く小さく開いた。
『え』
「あの……開いたんスけど」
九十九がひどく困惑し切った表情でPETの中のゼロを見る。
しかし、当のゼロも同じくうわ言のように信じられない旨を呟いていた。
「守衛ナビ、居眠りでもしてんのか……」
『あ、あり得ない……ナビが居眠りなど……エネルギー切れか? そんな馬鹿な、特に深夜が仕事の守衛ナビが居眠りだと……』
だが、現実。
今目の前であっさり開いてしまった。綾小路やいとが妙に怪訝な顔をしていたが、結局皆入っていく。
それを見た九十九も彼らが学校の暗闇に飲まれたのを見計らって校門前まで躍り出た。
申し訳程度にちゃんと閉じられた校門に手をかける。
得体の知れない不安が過ぎる。経験則ながらこの辺のイヤな予感は大体当たるのだ。
今回もきっとどうせ当たるに違いない。
◆◆◆◆◆◆
消灯された学校というのはワクワクするという理屈は割と理解できないことはない。
非日常感や背徳感がそうさせるのかは知らないが。
不思議なことに警備員っぽい人間の姿もなかった。
だというのに
実際の所黒井みゆきとかいうオカルトが服を着て歩いている奴が身近にいるせいで、「くだらんくだらんくだらん! 非ィ科学的だ!」などと一蹴できずにいる。
さて。行き着いた先は突き当たりの教室だ。
熱斗たちの所属を考えるとここが恐らく5年A組だろう。
ドアに入っていくのを観てから、九十九は腕を捲った。
流石に殴り合いにはならんだろうから、これは単なる気合いを入れるためだけだ。それからドアに僅かに開いた隙間から中を覗き込むと、一つの席を囲むように立ち、その中で大山デカオが机の中のものをガサゴソと漁り始めた。
小学生の机の中はピンキリで本当に綺麗な机もあれば、置き勉しまくってちょっとしたゴミ屋敷になっている席もある。
今この瞬間、大山デカオが漁っている机の中は後者だった。そんな中で痺れを切らした光熱斗が急かす。
「デカオ、早くしろよ」
「ちょっと待ってくれよ……ない、宿題の……社会見学のレポート用のメモリがない! ヤバい、このままじゃあトイレ掃除だぁぁぁぁぁ!」
頭をむしゃくしゃして嘆く大山デカオ。それを前に九十九の口はあんぐりと開ききっていた。
まさか。とは思っていた。
というかここまでくればある程度は察しはついていた。
けれども、こんな夜更けに侵入してまでやってきた目的は学校の忘れ物の回収だとはあまり思いたくはなかった。
まぁ、好意的に捉えるならちゃんと宿題を取りに行くあたり真面目なんだろう。真面目なら忘れ物はするなと言われたらもう何も言えないが。
九十九が大山デカオと同じ立場になれば諦めてサボっている所だ。
あまりにも拍子抜けしてしまったせいで全身から力が抜けると、壁について体を支えていた手が滑った。
「あっ……」
ばたん。
勢いよく開かれたドアは、びくりと光熱斗たち少年少女の肩を跳ね上げた。
そして間抜けにも前のめりに床と口づけをかました九十九を見た光熱斗は「げっ!?」と短い悲鳴をあげた。
ひどく、気まずかった。
綾小路やいとの体は3cm跳ね、桜井メイルはあたふたし、大山デカオはこの世の終わりみたいな顔をし、光熱斗は額のバンダナに掌を当てる。
そんな光景に九十九は、
オフィシャルだ! この場を動くな!
だなんてオフィシャルらしいことも言えず、
「……おっす」
出たのは気の抜けた炭酸のような会釈だった。
◆◆◆◆◆◆
「あー、うん。肝試しじゃないことだけは分かった」
かくかくしかじか。幸い光熱斗たちは逃げたりしなかったので事情聴取はその場で行った。
事情は至ってシンプル。
今日の宿題は今日の社会見学の感想文をメモリに打ち込んで提出することだ。
で、大山デカオがその肝心のメモリを忘れてしまいそれを取りに今に至ると言うわけだ。
だがしかし、こんな夜更けに小学生が出歩くわ、不法侵入かますわでその辺は文句の一つや二つ言わないとまずい。
それに……
「校門のロックとかどうしたんだ」
小学生がピッキングなんて出来るはずがない。
それにここは電子ロック式だ。もしや守衛ナビをデリートしたのではあるまいな。
ちょっと殺気立ちかけたものの、光熱斗が少し不審げな顔持ちで口を開いた。
「それが……ロックを管理していた守衛ナビ。居眠りしてたんだ。だからこっそり……」
「……寝ていた?」
確かに九十九の推測通り守衛ナビをデリートなんてしてしまえば大騒ぎになっているはずだ。
だからこの推測そのものが誤りと言えるので理屈としては正しいのだろう。
が、ここで別の疑問が浮かんでしまう。
「ゼロ、お前もびっくりしていたがナビが居眠りって……あるか?」
『ナビのエネルギーも無限ではない。シフト前にエネルギーチャージを忘れたか、誤ってオペレーターがスリープモードにしてしまったのだろう。だが……』
ゼロの説明はたしかに可能性としては十二分にあり得る話だった。
だがいくらなんでも間抜け過ぎやしないか。ゼロも同じ気持ちなのか、凄まじく澱んだ声で「だが……」と漏らす。
釈然としないまま、頭を掻いていると光熱斗が慌てて九十九に指を差した。
「ほ、星方さん!」
「どうした、人に指差しおって。ったくもー……」
厳密に言えば九十九からややズレた所に「志村後ろぉ!」と言わんばかりに指されていた。それに気づいた九十九は疲れた頭で何も考えずに振り向いた。
それはまるで、頭が大きな化け物だった。
典型的な宇宙人像であるグレイのようなシルエットに、2本の触手。
これだけで表すなら最早正真正銘の化け物だった。
「……ぃっ」
名状し難き存在を前にすると悲鳴も思うように出せないらしい。奥歯に引っかかった魚の骨ようにつっかえた悲鳴。
砕けそうな腰を無理矢理保たせながら徐々につっかえた悲鳴が顔を出した。
「ぁ……うわぁぁぁぁぁぁっっっわっぷ!?」
漏れ出た悲鳴は即座に黒い異形の影に飛びかかられてひんやりとした何かで抑え込まれる。
まずい、このままでは殺られる。背筋がざわつく。これまでにない生命の危機めいたそれは先日マリンハーバーでやり合った半グレと対峙した感覚以上のものだった。
理解のできない、恐怖。
バレルから教わったCQなんとかを使うしかない。巴投げ出来る様に足を動かそうとしたその矢先──
「静かにして。…………大丈夫よ」
聴き慣れた体温の低く、それに加えて子供でもあやすような優しく宥める声にハッと我に返った。それと宇宙人とは思えないような柔らかい感触と、骨董品屋特有の古ぼけた匂い。そして口元を抑えるひんやりとしたーーその彼女の手をどけた。
「え。黒井さん?」
そのデカい頭に見えたシルエットは彼女のーー黒井みゆきのトレードマークである帽子だった。
「みゆきさんまでどうして……」
光熱斗としてもみゆきの登場は意外だったようで。目を丸くしていた。
というか知り合いだったのか。この二人。
世界は案外狭いらしい。
もしかしたら自分の周囲にいる人間……例えばサロマや、バレル。魚屋のマサとも知り合いな気がしてきた。
まぁそもそもサロマもマサも官庁街で店を開いていたのだから面識あってもおかしくないのだが。
どうしてこんな所にみゆきがいるのか理由は明快。
ただ単に──
「
「そりゃないだろう黒井さんや」
「尾行していた時のあなたはまるで不審者だったわ。わたしじゃなければ通報していたわ」
「あっはい」
いくらなんでも辛辣過ぎやしないか。
不満をぶち撒けた瞬間、即みゆきに完封された九十九は黙らざるを得なかった。
不審者呼ばわりされることには忸怩たる思いはあったが、あーだこーだ言った所でどうしようもないしみゆきにはバレているわけで。
気付けば九十九の口は3の字になっていた。
それに気付いたみゆきが畳み掛ける。
「……不満そうね。じゃぁ……する?」
「何を?」
「通報」
「やめろぉ!」
無表情でPETを操作するふりをするみゆき。どこまでが本気なのか分かりはしない。
慌てて止めに入る九十九を呆然と見ていた熱斗が口を開いた。
「星方さんとみゆきさん。知り合いだったんだ……」
「ん? あぁ……あの街……
九十九がデンサンタウンに居着いたのは数年前だ。あんまり記憶にはないが、才葉シティに暮らしていた……はずだ。
どうしてデンサンシティまで引っ越したのか。
さて。
そんな身の上話はどうでもいい。それよりも今気にしないといけないのは──
「課題提出用のメモリ、探してるんだろ? なんか思い当たるのないか?」
「アンタ、手伝ってくれるのか?」
大山デカオが意外そうに目を丸くした。
これでも気持ちはわからない訳ではない。数年前は小学生だったのだ。一応は。
「お前さんだってここで来ておいて家に帰されたかないだろ……ほら、無くしものだってんなら今日の行動を辿ってみようぜ。な?」
マリンハーバー周辺は落とし物の依頼や問い合わせがそこそこある。
オフィシャルセンターは当然のこと、電脳世界でもウイルスとの戦闘で発生した所有物の紛失はよくある話だ。
で、その探し物の王道としてはその落とした本人の行動を洗って貰って探すエリアを絞るのが基本中の基本だ。
「うーん、確か……メイルの席かやいとの席の近くで遊んでいたような」
とはいえど。
人間の記憶というものはいい加減なもので。あやふやな証言から総当たりするしかないのが現実だった。
綾小路やいと曰く、窓際に置いてある飼育箱を弄っていた。
桜井メイル曰く、ブラックボードにイタズラをしていた。
光熱斗曰く、ロッカーの上の本を見ていた。
「うおーっ! 余計ごちゃごちゃしてきたぁぁぁぁぁ!」
大山デカオ。
お手上げにつき大いに発狂する。
頭を掻きむしりながらパニくる彼と反比例するようにみゆきが一番落ち着き払っていた。
「……まずは皆の言っていた場所を当たっていく必要がありそうね」
「総当たりか……じゃあオレ、飼育箱探してみる」
早速と言わんばかりに光熱斗は窓際に足を向ける。
桜井メイルは本棚を、綾小路やいとは教壇周辺を。
そして大山デカオ本人は自分の机を引き続き探し始める。
残されたみゆきもまた
「わたしも教壇周辺をあたってみるわ。他より広過ぎるわ」
と言い残して、綾小路やいとの手伝いに向かっていく。
その理屈なら次点は光熱斗がやっている飼育箱周辺を手伝った方が良いだろう。
まさか飼育箱の土の中に埋まってる訳じゃあるまいな、なんてあるはずもない可能性に思いを馳せながら、窓際のロッカーの上に置かれた飼育箱の中身を覗き込む。
……じめっとした土の中で、得体の知れない生物がうぞうぞと蠢いていた。
流石に土をほじくって調べようという気にはなれなかった。それに流石に飼育箱の土の中に埋まってるなんてこと、いくらなんでもあり得る話ではないだろう。
そんなことすればいくら耐水性能を持つメモリでも端子が駄目になるというものだ。
視点を移して、周囲のロッカーの上。
こういう時、明かりがあればいいのだが明かりをつけたらつけたで巡回にバレる可能性もある。なので月明かりと、暗闇に慣れた自分の目を信じるしかない。
ロッカーの上に指先を滑らせる。
案外掃除が行き届いているらしい。指に埃はつかず、躊躇いなく総当たりで探ることができた。
「無いなぁ。光熱斗君、何やってんだ?」
脚元を見ると、光熱斗がその身を床に臥せてロッカー周辺の床を見ていた。
「床にないかなって。そう言えばその……フルネーム呼び。なんか凄くむず痒いんだけど」
「あ、ごめん。じゃあ光くんでいいか」
こちら側からすれば光と言うと父親の祐一朗の方が出てくる。しかしながらそっちの方がしっくり来るのか、熱斗は頷いた。
「うん。そっちの方がいいよ。……ん?」
「どした?」
熱斗が手を伸ばした先には黒光りするナニカ。
──もしや、イニシャルGか!?
などと九十九は身構えたが、実際は件のメモリだった。立ち上がった熱斗が九十九に拾ったメモリを見せる。
「……これじゃないかな」
「これだろうな」
こんな所で落としている奴なんてそうそういまい。
やっとこさ見つかったことで九十九と熱斗はホッと胸を撫で下ろした。
あとはさっさと退散して帰るだけだ。
ホモくん、一国の王女の裸体を見るだけに飽き足らず不審者属性まで獲得。
あーもう滅茶苦茶だよ。
Q:お前これまで何してたの?
A:某アイドル探偵の淫夢実況と、カボチャ頭のキレッキレのダンスでゲラゲラ笑ってたらうっかりドロスにハマったり、公式配信のアニメエグゼを観たり、某氏のダブルポイントダークバルカン動画でエグゼ4をまたやり出したりしてました。ユルシテ……ナンデモシマスンカラ……
Q:探し物ならMYK姉貴の特殊能力使えないんですかね?
A:探し物がそこまではっきりしてない上に、実物が目の前にない以上はその……
Q:MYK姉貴ルートかな?
A:なんでそんなにホモくんをノンケにしたがるんですかねぇ……?(棒読み)
次回、ちょっとしたバイオハザード回。