ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
フラッシュマン爆発四散までRTAパートは出来ていますのでケツ◯ンおっぴろげて神妙に待て!
さて、このままトンズラしようとした矢先不審な歌声がかすかに聞こえてきます。
で、それに気付いたメイルが噂話を口にします。
大胆な噂話は女の子の特権、はっきりわかんだね。
内容はどうもこの学校には怪談があるらしく、キョンシーやら汽車男、人間白鳥やらが深夜の学校に現れると専らの噂みたいです。
そして音楽室から通りゃんせが聴こえてくるだの中々やべー話を聞いたところで今回のホモくんはその手のホラー耐性が皆無みたいなので、学校からとんずらしましょう。
いざぁ……(レ)
廊下を歩くと残業していたまりこ先生と出くわします。
ここで初見だと騙されて隠れますが、今のまりこ先生は正気じゃないので堂々と前を通れます。
なぁにこれぇ? (AIBO)
しかも両手を前に出して、フラフラゾンビみたいに歩いて。まるでキョンシーみたいだぁ……(直喩)。
声をかけたり、肩を叩いても反応しません。
一種の夢遊病か催眠状態です。
今のまりこ先生に何をしても何も起きません。
ここでよからぬことを考えたホモたちは窓際行って……やっぱええわ(寛大)。
ほならね、まりこ先生を攻略してからかったりからかわれたりするチャートを走ってって話でしょ? 私はそう言いたい(デンサン勃起土竜)。
走って(本音)。私もやったんだからさ(同調圧力)。
ごめんなさい、調子に乗り過ぎました。
校長室の窓から僅かに光が漏れ出ているので、校長室に向かいましょう。
その都度、屈強な警備員が遊んでいるようにしか見えない汽車男や白鳥人間とすれ違いますが……話しかけても
──────────────────────ー
▶︎見なかったことにしよう
うわぁ……
………….
──────────────────────ー
(ネタ選択肢しかないので話しても意味は)ないです。
校長室に進むと、入り口前で差出人不明のメールが。
内容は「これ以上先に行っては、ダメ」
うーん、スパムですかねぇ……? (すっとぼけ)。
いったん、メイルとデカオ、やいと、みゆきは校長室前で待機させてホモくんと熱斗くんだけで突貫します。
すると、怪しい男が何やら校長のノートパソコンを弄っています。
明らかに校長じゃありません。校長が怪しい動画を見ているとかそんなのでもありません。
ここで、乱入してきたデカオたちが取り押さえにかかりますが案の定やられます。
パソコン画面とネットナビを使用した催眠術。ヒプノシスフラッシュ。
これで校門の守衛ナビや教員やら警備員やらを催眠状態にしたという訳ですね。
悪用次第でエロゲー待ったなしですが、これで助けに入ったメイル、やいと、デカオが犠牲になり催眠状態で襲いかかってきます。
このまま撤退なのですが、どうもスキルの問題なのかホモくんにまた選択肢が与えられましたね。
──────────────────────ー
立ち向かう
▶︎……ダメだ!
──────────────────────ー
ここで時間短縮できても確率の低いオリチャーを発動してもしょうがないので、安定をとってチャート通り回避に専念します。
小学生相手に高校生がリアルファイトなんてやっちゃあダメだろ! (マジメ君)。
ここでホモくん、熱斗くんとみゆき姉貴を連れて一時退散します。
ここからはゾンビ映画みたいになるので、安全な所まで逃げましょう。
逃げる先は視聴覚室か、保健室、防災室。
選択肢としては保健室は論外です。見つかってエクストリーム鬼ごっこもといチェイスイベントが再開してロスです。
一方防災室は小学校内のセキュリティ状況が分かるので一石二鳥なので防災室を取ります。
今回はここまで。ご視聴、ありがとうございました!
◆◆◆◆◆◆◆◆
さて、ようやく目当てのブツが見つかったところで長居は無用だ。
こんなところでチンタラしていれば警備員にいつ見つかるか分かりはしない。
「見つかったか。おーし、けーるぞ」
九十九はドアを半開きにして警備員の姿がないか確認をしていく。
これではまるでスパイ映画だ。
そんな中で──
かすかに、歌声がした。
「え」
こんな夜中に?
慌てて九十九は自分のPETを確認する。もしかしたらテキトーに入れた音楽フォルダが暴発したに違いない。
いや待て。
──俺はPETに通りゃんせなんて入れてないぞ!?
その辺の若造がよく聞くような最近の邦楽やらは入っていても童歌は購入した覚えなどない。
ふっ、と周囲の熱斗たちの顔を見るものの彼らも身に覚えがないと首を横に振った。
何故通りゃんせが微かに聴こえてくるのか。
まさかこんな時間にまで合唱部でも残って練習でもしていたのか。
いやいやいやいやそんな馬鹿な話があるか。
こんな時間にまで残している小学校があるものか。
「うーん、これって」
ふと、メイルが迷い気味な声を出す。
それに九十九は一旦ドアを閉めて問い掛ける。
「知っているのか……!?」
「秋原小学校にはいくつかヘンな話があって、その中に七不思議ーっなんてものがあるんですけど……深夜の学校の音楽室で通りゃんせが聴こえてくるって。そう、教員も学生も皆学校から出ないといけないそんな時間に……」
「は?」
そんな馬鹿な話があるか。
疲れているんだ。そうに違いない。
今この瞬間聞こえているそれを幻聴なんだと必死に九十九は己に言い聞かせながら、半笑いでPETに向かって口を開く。
「もーやめろよゼロ〜。そんなこっそり買ってきた音楽データを流すなんて性格悪いぞ! も〜」
『俺は流してないぞ。そしてこの音は他の部屋から発せられているものだ。このPETの集音マイクがそう拾っている』
「あっはい」
ゼロの
だったら音楽室の先生が一人練習している。そうに違いない。きっとそうだ。
知らないうちに歯と歯がぶつかり合い、寒気がそこそこ厚着なはずの全身を苛んでいる。
男とも女とも取れないおどろおどろしい歌声が徐々九十九の精神を削いでいく。
そんな中で耳元で囁くように、すぐ後ろに回り込んでいたみゆきが九十九を呼ぶ。
「星方くん」
「んだよ、黒井さん」
本来ならこんな背後まで来ていたみゆきに驚いて腰を抜かしていたのだろうが、今のこの状況がおかしなお陰で逆に安心してしまっていた。
「知っているかしら?」
「何を」
「通りゃんせ……そう、江戸時代から伝わる童歌のこと。天神さまって単語があるのだけれども、この天神さまというものは菅原道真のこととされているわ。何故彼が天神さまと呼ばれているのかというと……」
黒井みゆきという女は、妙にミステリアスな雰囲気をもとより持っていたこともあり、そしてその囁くような声色で九十九の恐怖心が煽られる。
菅原道真は学校の教科書で多少は知っている。
貴族らに謀られ謀反の疑いをかけられ左遷。
その後亡くなった直後、権力者の死や、疫病の流行、災害と。不幸が続き怨霊扱いされたことも。
その辺の学校教師がどうでも良さそうor歴史オタ故に妙に熱っぽく語られる程度なら何も思わないしなんならどうでもいいまであるのだ。
それをオカルトが服を着たような女に掠れ気味の声で囁かれるのが問題なのだ。
妙な説得力を持たされたそれは、九十九の背筋を凍てつかせ──
「……星方さんが白目剥いて泡吹いてる」
熱斗が、膝を折り恐怖のあまり気絶した九十九の頬をぺしぺし叩く。
ハッと我に返った九十九は起き上がると、デカオがなんとも言えないような表情で
「下手な怪談よか、暗いところで白目剥いてるこっちの方が怖いぜ」
と、溢していた。
兎にも角にもこの時間帯に生徒や教員がいるのもおかしいし、加えて警備員が仕事サボって通りゃんせを歌っているというのも中々おかしな話だ。
最悪バレたらこっちが責任を取るしかあるまい。それに何を言ってもこの小学生組はついてくるのだ。もし泥棒だったらとっちめてやると言わんばかりに。
故に止めるのは諦めた。
帰途、ちょっと寄り道さえすれば音のする場所……正確に言えば音楽室にたどり着くようになっている。
震えが収まりかけた所で、九十九は小学生組とみゆきに見張りを頼んだ上で音楽室の扉を音を立てず僅かに開く。
「…………?」
暗さに慣れた目でも中身を把握するのには少しばかり時間がかかった。
見えたもの。それは教員らしき人間の姿が壇上にぽつぽつと。中には警備員まで混ざっている。そしてよく目を凝らすと小学生ぐらいの小さな子供の姿までいる。
……見なかったことにした。
「どうしたんだ? オフィシャルさんよ」
「……何でもない。少なくとも泥棒じゃない」
九十九の言葉をにわかに信じきれない小学生組が次々と音楽室を覗き込む。すると各々言葉を失ったのか口を閉ざす。
そして、小学生組と入れ替わりにみゆきが音楽室の中を覗き込むと、「何なの……」と彼らの想いを代弁するかのようにつぶやいた。
これ以上見ていてもしょうがない。
九十九は僅かに開いた扉をそのままにして音楽室を後にした。
そして、1階へと向かって音を抑えて降り始めた。
いつもならきっと高校と同じくらいの短い階段だったろうが妙に、あの通りゃんせに後ろ髪でも引っ張られているのか長く感じた。
「教師が表向きの規定無視し残業してまで警備員と合唱……真面目に考えるなら意味が分からん。こんな時間に学生まで」
「そういう行事があった……とか?」
熱斗の指摘はある意味では真っ当な発想だろうが、同時に真っ当な流れとしてはあり得ない話でもあった。
「警備員と教員、それと学生が集まって合唱なんて普通あり得ないし聞いたこともないわよ」
やいとの返しに「それもそうか」と熱斗は引き下がる。
それに便乗するように九十九はメイルとデカオに確認を取るものの二人とも「聞いたことがない」の一点張り。
どちらにしても異常な光景なのには違いなかった。
長い階段だった。
疲れた足を引きずりながら、曲がり角の死角を恐る恐る覗き込む。ここで出会い頭に見つかったら終わりだ。
そんな緊張感を持って……
「ほわっ!?」
悲鳴が上がった。
覗き込んだ先に顔がひんやりとした細い何かとぶつかったのだ。九十九は慌てて頭を抑えながら、ぶつかったものの前に立つ。
──まずった
ここまで来ておいて見つかるとは情けない。
九十九は己の迂闊さを呪わずにはいられなかった。しかし……
目をしっかりと開けた先には見覚えのある顔があった。
長い髪を左右ロールケーキのように巻いた女教師……
「大園先生?」
大園まりこ。熱斗たちの担任だった。
まずい。慌てて九十九は見つかった時の言い訳を考える。
この先生は打ち合わせの時にある程度話をしていたが結構真面目なタイプだ。下手な嘘や冗談では取り合ってはくれやしない。
しかし、そのまりこ先生は両腕を突き出し、ゆらゆらとまるで幽鬼のように真っ直ぐ向かっていく。
慌てて九十九は横に飛び退いて避けるものの、そんな彼に取り合うことなく通り過ぎていった。
──は?
普通いるはずのないオフィシャルが居たら声をかけるだろう。
それをガン無視して、なおも見えているはずの小学生組とみゆきすらも無視して素通りしていく彼女に九十九の開いた口はそのまま開きっぱなしだ。
「ばっ……ばんなそかな」
『ツクモ、言葉がおかしくなっているぞ』
思考が必死に今の状況を論理的な理由付けをしようとしているが思いっきり空回りしているのは、焦り切った九十九自身の思考でも自覚できるほどだった。
なんせ、ゼロのツッコミを「ごもっとも」と冷静に思えるのだから。
そしてとどめを刺すように──
「俺は白鳥! パタパタパター!」
九十九を一撃で捻り潰せそうなくらいの色黒で屈強な警備員が、低い声で羽ばたき音を口ずさみバレリーナかベイ◯レードのごとくクルクルと回転しながら九十九のすぐ横を通り過ぎていく。
その木の根のように太い脚を軸にしてクルクルと回転していくその姿に、最早突っ込む気力すら根こそぎ奪われていた。
「うぇぇ……何やってんだあのおっさん。それになんでまりこ先生まで」
熱斗のツッコミが、九十九を正気に連れ戻す。
あまりにも現実離れした光景を見せられては、流石に原因の一つや二つくらい知っておきたくもなるというもの。
「あっ、あれは……秋原小学校七不思議の一つ、人間白鳥……! もしかしたら汽車男もキョンシーも……!」
メイルの言葉に九十九は白目を剥きそうだった。冗談にしてはキツすぎる。
人間白鳥ってなんだ。キョンシーってなんだ。
さっきのまりこ先生か。
理解が到底及ばない悪い夢でも見せられているような光景に九十九の脳内は限界を来していた。
「……まるで抜け殻ね」
そんな中でみゆきが彼らを冷静にそう評した。
流石オカルトに強い女である。藁にもすがる思いで九十九は疑問符を浮かべた。
「──ぬ、抜け殻?」
「えぇ。まるでたましいが眠らされているよう。抜け殻がただ、踊らされている」
「眠らされて、踊らされているってことはつまり……操られているってことか」
「そう」
まるで催眠術のように。
催眠術なるものは少しばかりオカルトじみたもののように思われるが実のところ、催眠療法やら何やらちゃんとしたロジックの上で成り立っているものもちょこちょこある。
当然、インチキもあるのだが眼前で起きているものはインチキのそれではない。
試しに恐る恐る熱斗がまりこ先生の肩を叩いたり声をかけたりしても反応していない辺り本当に意識が無いみたいだ。
オフィシャルとして、この状況は知る必要がある。
何故このようなことをしたのか。こんなことをしたのは一体誰なのか。
幽鬼のように練り歩くまりこ先生と、回転する警備員。去っていく2名を一瞥してから九十九は口を開いた。
「取り敢えずお前らは先帰ってろ。異論は聞かねーぞ」
返事を聞くつもりはなかった。
反駁するのは何となく分かっていたし、そうされるより先に突き放した方が早いのは確かだった。
ここで何かしら侵入者が本当に悪さをしているのなら応援を呼んで叩き潰すだけのことだ。
犯人を見つけるのは案外容易だった。
何せ外の窓を見ると、僅かな光が窓越しの別の部屋から漏れ出ているのが分かる。
催眠術などという大それたものを使っておいて良くもまぁ詰めの甘いことをしてくれたものだ。
光源は、校長室から。
そこまで至るまでやはり同じように催眠術でも食らったのか一人で汽車ごっこをしている警備員とすれ違った。
メイルの言っていた汽車男はあれなのだろう。
大の大人が汽車男ごっこやら白鳥ごっこやら。
中々側から見てきついものがあった。その点ある意味ではホラーだったがその程度では九十九の恐怖心に触れやしない。
校長室に行くには、職員室棟まで進み体育館倉庫やらトイレをやり過ごすと突き当たりの扉を通り、それから扉から真っ直ぐ進んで突き当たり右。
つまるところ、職員室の奥に校長室があるということだ。
このままドアノブを捻れば、犯人を突き止めることが出来るかもしれない。そんな矢先で九十九はその手を止めた。
そう。それより先に言いたいことが一つだけある。
「……なんで来てるんだよ」
全くもってメンツが誰一人とて減っていない。
その現状に九十九は頭を抱えた。返事を待たずに逃亡したら戻ってくるしでどうすればよかったんだ。
「そりゃあもう、一人で催眠術食らったら終わりじゃん!」
確かに熱斗の言うことは尤もだ。
けれども、それで納得してしまうならオフィシャルは要らない。
「あのなぁ……言うぞお前。不法侵入かましたこと」
「いいよ。でも、まりこ先生がどうしてああなったのかを知ってからだよ」
その意志は熱斗個人の意志ではなく、メイル、デカオ、やいとの意志でもあった。
止めても無駄だ。と、みゆきは目を閉じて首を横に振っていたのを前に九十九は大きくため息をついた。
「オレも行くよ。星方さん」
「……わかった。黒井さん、あとの3人は頼む」
これ以上は譲れない。
熱斗と共に九十九はドアノブに手を掛ける。その次の瞬間だった。
『ツクモ、メールだ』
「……ゼロ、後にしてくれるか」
変なタイミングでPETから着信音が鳴り、更に放たれたゼロの言葉で冷や水をかけられた気分になった。
イライラ気味に返すと、そうはいかないとゼロが言葉を紡いだ。
『これ以上先に行っては、ダメ。そう書いてある』
「誰だよその差出人」
『NO NAME……だ』
スパムメールか。
なんでそんなタイミングで飛んでくるのか。とは言えスパムメール如きにびびってここで引き下がるわけには行かない。
「行くか」
ここで単なる心霊現象だけなのなら怖いだけで済むし、みゆきのコネでお祓い師でも呼んで終わりにしてしまえばいい。
「突入……ッ!」
もう今度こそ何が来ても止まるつもりはない。
九十九はやや乱暴にドアを開け放つ──すると。
校長室は変わらず消灯されたままだった。
しかし奥の席に置いてあるノートパソコンの画面からは煌々と光が溢れ出ている。
誰が操作しているのか。
その答えは校長室の椅子に座った男が答えだった。
「……誰だ、お前」
アジーナ系の服装と、スキンヘッドの上にアジーナ風の帽子を被っている。
学校の職員。……には到底見えない。
そして、警備員でも当然ないのは明らかだった。
明らかに様子のおかしい出立ちを見て警戒しない九十九ではない。
「ほう、あらかた邪魔者は排除したつもりだったのだがな」
「さっきから何してやがったか聞いてんだコラ。学校関係者じゃないだろ」
九十九のドスの効かせた(つもり)の言葉に物怖じせず男は、鼻で笑う。
その様相に普通じゃない。そんな確信があった。
「我々の目撃者は例え子供だろうとも始末する。それが我が組織の掟……」
カタギの物言いからかけ離れたそれを、九十九は警戒して構えをとる。
まさか銃でも持っているんじゃあるまいな。
「始末って……こいつらヤバいな」
熱斗も今の状況に察しがついたのか、いつでも動けるように脚をじりじりと動きやすい姿勢に運んでいく。
張り詰めた空気が九十九の呼吸を奪い、ごくりと空気混じりの固い唾を飲み込ませる。
そんな空気感を一番先に壊したのは──
「させるかってんだ!」
デカオ、やいと、メイルだった。
みゆきはそれを止めようと手を伸ばしながら追うものの、動き回って遊ぶのが日常であろう現役小学生と運動関係の成績が完全に死んでしまっているみゆきとでは勝負にならなかった。
ぞろぞろと挙って九十九と熱斗の前に立つ3人に、ごめんなさいと3人を止められなかったことを謝るみゆきにどうこう言えなかった。
それに加えて──
「よせ! こいつらもしかしたらゴスペル残党かもしれないんだぞ!」
「ごちゃごちゃと煩い連中だ。やれ!」
侵入者はパチン、と指を鳴らす。
するとパタパタと足音が近づいて来て……先程まで見かけて来た警備員や小学生が校長室めがけて殺到してきた。
「!? このっ!」
連中はまるで人形だった。
飛びかかる彼らをいなしながら、熱斗やみゆきの安全も確保する。
けれども出来たのはそれだけだ。
やいととメイル。そしてデカオまでは九十九ひとりで守り切ることは到底不可能だった。
催眠術にかかった警備員の力は圧倒的だ。小学生の力程度あっという間に抑えて羽交締めにしてしまう。
事実高校生の九十九でも警備員の攻撃をいなすだけでも精一杯だった。
メイルたちを力づくで捕まえた警備員はゆっくりと校長室のパソコンの画面の前に連れて行く。それを止めようにも九十九たちの前に先程すれ違ったまりこ先生が邪魔をして進めない。
「いやっ! 離して!」
「くそっ! このぉっ! 離しやがれ!」
「このっ、レディに向かって随分乱暴な扱いね!」
メイル、デカオ、やいとも抵抗するものの力の差は歴然。そんな中で得意げに侵入者は笑う。
「フフフ……ここでお見せしよう。我々脅威の催眠術を! やれ! フラッシュマン!」
『ウラララララララ……ヒプノシス・フラッシュ!』
PC内に潜伏していたらしいフラッシュマンは、画面から赤にも緑にも青にも見える光を放つ。
直撃でなくても眩暈がしそうな輝きに、九十九も、熱斗も。そしてみゆきも目をつぶる。
当然、直撃をもらった3人がただで済むはずがなかった。
「おい! 大丈夫か!? デカオ!」
「……オレは機関車だ!! シュ──ーッポッポー!!」
熱斗の声も虚しく、警備員の拘束から解かれたデカオは両腕をまるで汽車の車輪についた連結棒のように振いながら部屋中を駆け始める。
一方でやいとも、先程の警備員のように片足を軸にしてバレリーナの如く回り始める。
「あたしは白鳥よ! ぱたぱたぱた〜」
最悪だ。
当然同じように直撃を貰ったメイルに至ってはキョンシーの如く両腕を前に突き出し幽鬼の如くふらふらと彷徨を始める。催眠状態の警備員や教員連中共々百鬼夜行の地獄絵図が繰り広げるその光景に眩暈がしそうだった。
あぁやってやられたのか。皆は。
「さて。次は監視対象Z-9に光熱斗、そしておまけの女だ。奴らを抑えろ!」
侵入者の合図に応えるようにメイルが、やいとが、そしてデカオが熱斗たちを抑えるために襲い掛かる。
催眠状態で汽車の気分になったデカオは猪突猛進で突撃をかけて行く。
やいとは白鳥のように不規則な動きで回転しながら逃げ場を奪い、メイルが小学5年生女子とは思えないような力で熱斗の腕を掴む。
こうなればメイルを投げ飛ばすか。
いや、流石にそんな派手にやれば彼女もただでは済まない。力を込めかけた手から力を抜きメイルにつかまれた熱斗の手をバレルに教わった合気道もどきの要領で拘束から引き剥がす。
このままデンサン埋立地の時のように力を使って全員叩きのめす選択肢は……ナシだ。
そんなことすれば小学生連中がどうなるかわかったものじゃないし、反動で動けなくなってしまえば本末転倒だ。
「一旦逃げるぞ!」
流石にこの状況は分が悪すぎる。
それを理解したのか、熱斗もコクリと頷く。そして咄嗟に九十九はみゆきの手を掴み一目散で出口目掛けて駆け出した。
そこからは無我夢中だった。
催眠状態の大人たちを火事場の馬鹿力で跳ね飛ばし、熱斗の逃げ場を作りつつみゆきの手が千切れるんじゃないかというぐらいの勢いで引っ張っていく。
外につながる靴箱に出てもドアに電子ロックが掛けられている。
割るより前にゾンビのようにわらわらと集ってくる催眠状態の教員や警備員、そして学生やメイルたち。
まさに絶望的な状況下において、雪崩れ込んだ先は警備員の待機室だった。
熱斗が飛び込み、みゆきを押し入れ、最後にドアを閉めた九十九は慌ててドアを閉じて鍵を閉める。
幸いこの部屋は電子ロックではないように出来ていた。
一応外の様子は見えるがそのせいで下手に電気を点けるとバレるようになっている。
カーテンを閉め切り、各々逃避行で疲れ切った体を休ませる。
肺が必死に酸素を求めていた。酸欠に喘ぐ声を必死に抑えながら張り裂けそうな胸を宥める。
「はぁっ……はぁっ……はぁぅっ」
ようやく落ち着いた所で机に全体重を預けて力なくへたり込むと、ガタン、と音を立てて何かが落ちた。
電子日記帳だ。しかも不用心にもロックがかかっていないときた。
何か出来るわけでもないだろうが、九十九は取り敢えず開いてみた。
何かいい情報でもあるんじゃないか。なんて、そんなありもしない希望に縋るように。
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20×× 年 9月A日
今日も今日とて巡回だ。
去年なら待機所で一人雑誌を読んでいればよかったのだが、最近は学校中を回れとうるさい。
回ってなければ増員した他の奴にチクられて減給されちまうし散々だ。
増員といい、春頃に起きたWWWのスクールジャック事件から妙に上が神経質になっている気がする。気のせいか?
たかだかこんな学校に何の価値があるって言うんだ。今時校門の電子ロックと塀のセンサーで侵入者は入って来れないだろうに……
20×× 年 9月B日
今日の巡回は3人で行った。どいつもこいつもクソ真面目で、仕事熱心なことだ。
仕事熱心と言えば、ここの女教師。
最近一人居残って職員室で問題を作ったりしているらしい。
ちょっと雑談したがテストや宿題のプラン、提出物の管理などやることは沢山あるようだ。
美人だしお近づきになりたいので手伝ってやりたいが、学のない俺ごときにできることはない。
となれば女教師の安全のために今日も夜廻りをしけ込むこととしよう。
20××年 9月C日
足音やドアの開け閉めをする不審な音がする。
他の警備員の巡回ルートではないし、音のした方に向かっても誰もいない。おかしな話だ。
疲れているのだろう。
今日も残業して頑張っている女教師の姿でも見て気合を入れ直すことにしよう。
20××年 10月D日
最近夜が明けるのが早い気がする。
楽なので別にかまいはしないが、ぼんやりとしていたらいつのまにか陽が昇っていることもある。
それに巡回していた時の記憶がまるでない。
どういうことだ?
ちょっとした出来心であの女教師に声をかけてみようかなと思ったがタイミングを逃してしまうのも考えものだ。
20××年 10月E日
今日もきっとすぐ陽が明けるだろう。それにしてもあのみょうなあしおとはどうんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん
【ここから先はずっと同じ文字だ】
Q:まりこ先生ってあのシナリオでいたっけ?
A:いません。本作オリジナルです。まりこ先生がやられたとなると小学生組も黙ってはいられませんのでその動機付けのためにですね。まりこ先生は犠牲となったのだ……
Q:警備員くん、あの学校でいたっけ?
A:私にもわからん(鬼畜博士)。ゲームだと多分守衛ナビに丸投げしてると思われる。
Q:女に遠慮して投げ飛ばさないなんてホモとして恥ずかしくないの?
A:そうだよ(便乗)
Q:MYK姉貴あんなにSだっけ?
A:あの人アニメでもゲームでも結構……な所あるから……(白目)