ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA   作:ヌオー来訪者

29 / 39
 お待たせしました。
 停止している間に、エグゼシリーズ関係で新展開があったので初投稿です。


 移植版くん、オン対あるし、6のBGM問題も解決しているし、クイズくんの歌ボイスありとか……うせやろ?


エリア5 the day of『0』
Part24 アドバンストリガー


 ホモくんとゼロの過去に迫るRTAはーじまーるよー! 

 

 今回フラッシュマンをデリートしたので家で寝ると次のシナリオに入ります。ここからの行動でWWW編かネオゴスペル編かで選べるのですが、今回はWWW編を時々掠めつつネオゴスペルをメインで処理していきます。

 ほっといても熱斗くんがWWWを処理してくれますからね。

 

 欲しいのは必要な分だけ。

 今回フラッシュマンを処したのはそこが大きいです。

 

 今回のラーニングでタイムストッパーが手に入ります。こいつの効果はゼットセイバーを発光させ、前方2マスの敵の動きを封じる効果を持ち、動きの遅いチップと組み合わせることによって確実に当てていくこともできるわけです。

 例えばハンマー系とか。

 

 

 時間停止系のA〇の9割はやらせなのは皆さんも十分にご存じだと思いますがこの技は本物です。

 地味に大抵の攻撃も止められますので有能です。

 

 カーネルやロックマンきゅんにあんなことやこんなことし放題だ! 

 やったぜ。

 

 え? アイリスやロールにしないのかって? 

 お前ノンケかよ……(驚愕)

 メスにそんなことするわけないだろ! いい加減にしろ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 城金姉貴のところでゼロのメンテナンスをお願いしにイクゾー! (カーン!)

 この時点で分岐があるのですが、アイリスに事前に遭遇しているかしていないのか。

 

 1話での行動が後々尾を引いてくるというわけですね。

 遭遇していた場合、事前にゼロのバグは修復された状態で事なきを得ます。

 逆にしていなかった場合バトルチップ使用不能プラグアウト不能縛りを強制されます。ふざけるな! (声だけ迫真)

 

 前者だとホモくんの過去に迫る回になりますが、後者だとゼロのPETを作った男の話になります。

 両方も遊べなくもないですが、今回の後者のシナリオはタイムの都合上でキャンセルだ! 

 

 ただ、本来のチャートの通りならホモくんの過去はどこかのパンチングゴリラの如く普通の人生を歩んでいるはずなのですが、今回レアなルートを辿っているので未知数です。

 やだこわい……(恐怖)

 

 

 城金姉貴の居場所は相変わらず科学省です。

 科学省にただいま着床ォ! じゃなかった、到着してもただすぐに現れたりはしないので光パッパに話しかけましょう。事件後遭遇したアイリスのことを話すと、ゼロがどうしてホモくんの持ちナビになったのかが判明します。

 

 時間経過で城金姉貴が現れるので話しかけたらイベント進行です。

 アイリスに会っているため、ゼロに異常はありませんのでタイムロスイベントはスキップです。

 やりましたわ(変態糞お嬢様)。

 しばらくやることがないので時間を潰すことになりますが、その前に机の上に置いてあるPETパーツを調べておきましょう。

 

 

 このパーツの名前はアドバンストリガー。

 ホモくんのPET(アナル)を拡張するクッソ汚いグリップですが昔の改造カードに相当する強化ができるようになっています。きたないなさすが改造カードきたない(BRNT)。

 もろちん初期ではカスタム+1やチャージ+1程度の強化ですが、条件を満たすとBボタンで使用する武器がバスターからソード、ミニボムになったりと容量の許す限りナビカスタマイザーなしでゼロを強化できます。

 

 本ルートはアイリスに親でも殺されたのかというレベルで開発サイドの悪意がかなり強く、ラスボスがフォルテXX級に出鱈目に強いので時間の許す限りの強化はしていきたいところ。

 気になる条件はラボラトリーレベルを上げる必要があります。あげる条件は城金姉貴の依頼を受けるのと、ゼロの戦闘データを提供すること。

 ゲームシステム的に言えばミッションがあらかじめ用意されていてそれらを達成することでラボラトリーレベルを上げるための経験値がもらえる訳ですね。

 具体的に言えばゼットセイバーでトリプルデリートしたり、弱点を突かずにボスナビを倒したりすることです。

 

 今回フラッシュマンを木属性なしでデリートしているのでラボラトリーレベルが一気に上昇するわけですね。うん、おいしい! 

 まぁ──この瞬間使えるわけではないんだけどな! 

 ヌルゲーになると思った? そんなんじゃ甘いよ(棒読み)

 

 

 まだ未完成なのですが、ここで調べておくと城金姉貴がケツカッチン(砂山並感)になるので若干前倒しになります。

 もう待ちきれないよ! 早く出してくれ! (我修院炎山)

 

 

 

 

 アドバンストリガーのフラグを立てたら後は暫く自由時間です。科学省から出てしまうと時間が進行してしまうので、科学省内にいる知り合いに話しかけて好感度稼いだ方が効率がいいんですね。

 

 本日はここまで! ご視聴、ありがとうございました! 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

『次は──科学省前、科学省前』

 

 マリンハーバーのオフィシャルセンター前からメトロラインに揺られ十数分。爆睡していたところ、アナウンスに叩き起こされた。

 

『起きたかツクモ』

 

 PETにいるゼロがいつものように無機質な声色で目を開けた九十九を呼ぶ。呼ばれた当人は目を擦りながら呑気に大きくあくびをした。

 貴重な睡眠時間を妨げられたような気分だが、ここで降り過ごしたら面倒なことになる。重い瞼をこじ開けるように見開かせながらふらりと立ち上がり、ドア前までゆらりと歩み寄る。

 

「秋原小学校の侵入者事件の後処理で缶詰させられてたんだからしょうがないだろ……あーよく寝た……気がする」

 

『侵入者の西古レイ……奴は一体何のために秋原小学校などという所で催眠術を発動していたのかいまだに分からないままだ』

 

 睡眠不足の原因である先日の不法侵入事件については西古レイの逮捕によって終息を迎えた。催眠術を受けた被害者たちはそれぞれ家に帰ったというが、やはり校内で徘徊していた記憶は消し飛んでいるようだ。

 出来ることならこっちの無駄に増えた仕事についての記憶も消し飛ばしてほしい所だ。

 

「あー、うん。目的は達成したとフラッシュマンがほざいていたがその目的ってヤツ吐く前にデリっちまったからな。西古レイがゲロ吐くのを待つしかない」

 

 事件から1日程度も経っていない現状、取り調べの内容が史隈管理官から情報が下りてくるまでと考えるとまぁそれなりに時間がかかる。

 この辺はオフィシャルネットバトラーとしてのランクを上げていけばいいが、昇格試験日まで待つ必要がある以上今この瞬間において現実的ではない。

 

「現地の捜査によると、校長のPCから何か巨大なデータが送信されたというログデータの残骸が検出されたというけど……」

 

『だがそれは送信先が海外のサーバーをいくつも経由してるという話だ。あまり期待は出来んな』

 

 ネオゴスペルと断定しようにも情報が少なすぎる。その上に秋原小学校くんだりまでやってでも何をしようというのか。

 ……と普通の人間なら思うだろう。九十九だって思う。だがしかしこれを看過出来るほど秋原小学校は犯罪から程遠い存在では決してない。

 

「ま……あの学校キナ臭い話がちょくちょくあるがその系統の話かもしれん」

 

 WWWのアジトに繋がるメトロラインが学校地下にあったという話は無視できない事実だ。現在アジトが自爆したこともあり封鎖状態にあるが。

 よく廃校にならなかったものである。

 

 ──というかどうやってあんなデカい小学校にバレずにメトロ引いたんだ? 

 

 これ以上突っ込んではいけない気がした。

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 新・科学省の8階のA-5号室に足を運ぶとそこにはいつもの城金の姿はなかった。いつもならば開けた瞬間彼女の声がするのだが。だがしかし、鍵はかけられていない。

 代わりに居たのは──

 

「あれ……光主任?」

 

 光祐一朗、先日共闘した光熱斗の父親であると同時にネットナビをはじめとした疑似人格プログラムの生みの親と言っても過言ではない。

 彼と会うのはゼロを受領して以来だ。多忙につきまず連絡を取ることは無いし、基本的なことについては城金がなんとかしていたのでまず会うことはない。

 

「星方君か。久しぶりだね。城金君なら今は席を外している、どうやら急な呼び出しらしい。……ゼロは元気かい?」

 

 フラッシュマンが道連れに放ったシャイニングブラウザクラッシャーの件が気掛かりではあるが、あの謎のネットナビ……アイリスによって何事もなかったかのように元に戻っていた。

 これまでの状況から察するに彼女が治したと思うのが正解だろうが、念のためだ。

 

「それが……ちょっと診てもらっていいですか?」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「特にデータに欠損はないようだ。ダメージもなし、簡単なリカバリーで何とかなっているようだね」

 

 九十九がPETを渡してからというもの、祐一朗は手慣れた操作でゼロのステータスを確認しつつ、素人には関係者以外の理解を拒むほどの複雑怪奇な言語で彩られた内部データを可視化。それもまた一瞥し始める。

 天才というものはこういうものか。いや、実際に天才なのだろう。噂によると光熱斗のロックマンも特別製で、ゼロ以上の独自のプログラムで構成されているのだとか。

 当然ゼロのネットナビ化というものも造作もない話だったのだろう。

 

「だが……PETのトランスミッションプログラムに一時的に過負荷がかかっていたようだ。ネットバトルで受ける通常の負荷とはまた別の、言うなればシステムそのものに干渉する負荷だね。……君が急に診断を頼んだのはそれ絡みかい?」

 

 その察しの速さに当てられ九十九は食い気味に首を縦に頷く。そんな九十九の反応に祐一朗は苦笑しながら呼び出し前に城金が出したのだろうコーヒーを呷る。

 

「あはい。交戦中に特殊な攻撃を受けまして」

 

 おそらく先日アイリスが言っていた『呪い』の正体がその過負荷だ。

 ゼロの特攻がなければロックマンとスカルマンが受けていただろうそれは、確かにPETの動作に異常が起きていた。

 そのままならオペレーションはおろか普段使いにも影響がでていたであろうそれは──

 

「だが2時間後どういう訳かリカバリーされていた。以降は負荷も消滅し元通りとなっている。……通常ならばあり得ないことだ。何せこのPETは見てくれこそはゼロワンそのものだが、トランスミッションプログラムを修復するにはそれ相応の設備が必要だからね」

 

 ゼロのPETは特別製だ。

 見てくれは伊集院PETカンパニー。略してIPCが誇るロングセラー、型式番号IP-PL01通称ゼロワンだが、市販のPETとは比べ物にならないほどの独自の構成をしており、IPCのカスタマーに掛け合っても対応は出来ないようになっている。

 当然アマチュアが本格的なメンテナンスに挑もうならば3分で挫折する代物である。

 

 そんなものの不具合をそのまま治せる人間がその辺に転がっているかと言われたらNOだ。特にゼロの総責任者でもある祐一朗としても看過出来た話ではないのは間違いない。

 

「それが……先日PCに侵入した謎のネットナビがリカバリーしてきたんです」

 

「謎のネットナビ?」

 

『あぁ。そのナビはオペレーターも不明、野良ナビにしてはカスタマイズされ過ぎている。奴はアイリスと名乗っていたが……』

 

 検査を終えたPETからゼロが言の葉を紡ぐ。確かに野良ナビというにはアイリスはかなり外見が弄られている。諸事情でオペレーターを失ったか、それともオペレーターが顔を見せられないような人物なのか。兎にも角にもゼロにまつわる問題はまた増えたことになる。

 

「以前発生したゼロがデリート寸前まで追い込まれた事件といい、不穏だな」

 

 祐一朗の表情がやや深刻となる。ネットナビの権威が不安になれば当然素人である九十九もまた不安になるというもの。だがしかし、情報が無さすぎるのだ。

 既にゼロはウイルスとしての力は封印されているため、ウイルス絡みの問題はなくなったに等しい。だが、問題はそれだけではなかった。それは──

 

「俺がゼロと出会う前に起きた正体不明のネットナビに襲撃されたあの事件、ですか」

 

 ゼロは元々オフィシャル監視下のもと電脳世界を漂流していた。

 それが何故、こうして九十九の持ちナビとして活動しているのか。それにはワケがある。

 

『あぁ。あの襲撃事件でも似たことがあったな。オレがネットワークを旅していた時だ。忘れもしない、あの夜──ヤツは突然現れた』

 

「そういえば俺も詳細はあまり聞けてないんだ。教えてくれるか?」

 

 その辺の話についてはゼロを受領するより前にある程度聞かされていたが妙に上層部連中の歯切れが悪かったのは記憶に残っている。

 誰に襲撃されたのか、都市伝説レベルで存在する理不尽に強いナビに襲われた程度の情報しかない。あまり深入りしない方がいいと思って先延ばしにしてきたが……いい加減はっきりさせるべきかもしれない。

 祐一朗からPETを返してもらいながら九十九はゼロの話に耳を傾けた。

 

『市民のナビはほとんど居ない中俺はネットワーク奥深くを漂流していた。そんな中でヤツは現れた……戦おう、強者の波動を放つ者よ。そう言って現れたそのナビは異様は気迫を放ち問答無用で攻撃を仕掛けてきた』

 

「よほどの戦闘狂なのかそいつは」

 

 辻斬りめいたナビの物言いに九十九が顔を引きつらせる。

 世紀末系ヒャッハーが跳梁跋扈する魔境ことウラインターネットでは日常茶飯事な上に、オモテの方でも時々マナーの悪いナビやら何やらが襲撃するようなことは時々起こっている。

 ゼロが襲撃されるのは何もおかしな話ではない。問題は襲撃者の常軌を逸した強さにあった。

 

『当然このような荒事には監視のオフィシャルは介入するようになっている筈だ。しかし、介入したナビたちを瞬時にデリートしてしまった。俺も応戦しようとしたが、敗北した。偶然居合わせたウイルスすらも跳ね除け、オフィシャルのナビすらも寄せ付けないその力は異常としか言いようがなかった。……すまないがその後の意識は残っていない』

 

 これだけならばゼロは問答無用でデリートされて終わりと思うのが自然だ。事実としてオフィシャルのナビたちは全滅させるほどの凶暴性を持つ襲撃者がゼロを放置する筈がないのだ。

 

「ダメージ過多によるシステムダウン状態まで追い込まれたとなるとデリート1歩手前の危険な状態だ。生半可なリカバリーチップですぐに修復することは困難だ。……しかしどういう訳か1時間も経たずにゼロの傷は何事もなかったかのように消え去った状態で応援のオフィシャルに発見された」

 

 ──まさか。

 

 祐一朗の付け加えた情報が九十九の脳裏で先日記憶として刻まれた出来事たちを線と線で繋げていく。

 それがアイリスなるネットナビがやったことなのならば。助けられたのは3度目だ。1度目は謎のナビ襲撃事件。2度目はカットマンの不意打ち、3度目はシャイニングブラウザクラッシャーによるダメージのリカバリー。

 

「襲撃事件によるゼロの謎の回復と先日現れたアイリスなるナビによるリカバリーが同一のものだと考えるのが自然だろう。ゼロのプログラム構成は複雑だ、そう簡単に修復出来るナビが複数存在するとは思えない」

 

 そんなことができるナビを作ることができるとしたらそれこそ、ワイリーや祐一朗クラスの技術力を持った人間くらいだと考えが至った瞬間、九十九は咄嗟に振り払った。

 Dr.ワイリーの影がちらつく。ドリームウイルスがデリートされた衝撃でミサイルが暴発しアジトごと吹き飛ばされて死亡判定食らった人間がそう生きていてたまるかという思いと、ワイリーがゼロを利用しようとしている可能性に対する嫌悪感だった。

 

 同時にアイリスという存在がそれを否定する。

 ワイリーの手によるものならばいくらでもゼロを攫うチャンスはいくらでもあった筈だ。それに彼女がワイリーの手によるものだとは思いたくない私情のようなものも悔しいことに、ある。

 

「僕も独自に調べてみることにしよう。アイリスなるネットナビが何者なのか、興味がある」

 

「お願いします」

 

 光祐一朗が居るのならばそれは心強い話だ。もしも、彼女にまた会えた時には礼を言おう。

 ゼロを、友を助けてくれてありがとう、と。

 

 謎のナビに襲われたゼロがこれから先同じ事が起きることは否定できないことと、そのままオフィシャルに拘束されるのを嫌ったことにより最終的に現オフィシャルの九十九の手にゼロが渡って今に至る。だからこそゼロはオペレーターとして守らねばならない。

 そして叶うことならば、いずれその強者の波動やら何やらほざく戦闘狂のクソッタレに目に物を見せてやる。

 

 

 そう心の底で決意をしながらもふと行き着いた思考が一つ。

 どうしてオフィシャルナビがデリートされるような出来事が大事にならずに終わっているのか、という事だった。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

「随分と話が盛り上がっているようね」

 

「ウェッ!?」

 

 アイリスの行為にしんみりしていたその時、背後からの急な女の声に九十九の肩は跳ね上がった。

 まさかこのタイミングで戻ってくるとは思いもしなかったせいで明らかに失礼な声が喉奥から飛び出た。ついでに朝食べてきたカップ麺も戻りかけたが流石に押しとどめた。

 そんな九十九に呆れながらも祐一朗を見るや否や、これまで見たことのないような丁寧さで頭を下げた。

 

「何よその反応。……申し訳ございません光主任、留守番させるようなことをさせてしまって」

 

「構わないさ。彼とこうして貴重な話が出来たからね」

 

 祐一朗がにこやかに返すものの城金は九十九の腕を掴みくわっ、と物凄い形相を見せ九十九は震え上がった。

 ひぃっ、怖いよ姐さんと言うほどの余裕は彼女の気迫で押し流される。

 

「失礼な事言ってないでしょうね……」

 

 言ったら殺すからな、と言わんばかりのそれはよくよく考えればかなりの大物と話していた事を思い出す。

 科学省の大物と言うべき存在は下手すれば城金の今後に関わりかねない存在でもある。彼が狭量な人物とは到底九十九には思えないが、知らない間に知り合いが失礼なことをしていたら当然彼女も焦る。

 

「言ってない! 言ってない! ……多分」

 

 ちょっと自信がなく最後の声が尻すぼみになる。

 今先ほど無遠慮にPETの診断を頼んでしまったのは失礼にあたるのだろうか。よくよく考えたらなかなか失礼だ。忙しい中やっとこさ休息していた所を邪魔したに等しいではないか。

 

「多分じゃ駄目でしょーが! 多分じゃぁぁぁぁぁっ」

 

 青ざめた顔で九十九の襟首を掴み、ぶんぶんと前後左右にシェイク、シェイク、シェイク。

 九十九は白目を剥き泡を噴き、城金はパニック気味に一頻りに振った後で祐一朗に頭を下げる。

 

「本っっっ当に申し訳ございません!」

 

「僕もそこまで畏まるほど大それた人間でもないさ。それに失礼はしていないよ」

 

 謙遜する祐一朗だが、実際問題功績が大き過ぎるが故に謙遜が無駄となっている。

 城金に思いっきりシェイクされ、思いっきり手放された九十九はフラフラと千鳥足で部屋中をフラフラしていた矢先だった。台の上に置かれた何かがゴトリと手の甲に当たった。

 

「……ん?」

 

 それは銃から砲身を外し、グリップとトリガー、トリガーガード部分だけを切り取ったような形をしたデバイスであった。すぐそばにはバーコードが端っこに刻まれた白の(ブランク)カードが数枚が置かれている。

 上部は明らかにPETに繋がる為のコネクタが付いておりそれが強化パーツであることに九十九はすぐ気がついた。

 

 この手のものには少しばかり興味がある九十九には惹かれるものがある。当然だ、デバイスの性能アップさせるような強化パーツは男の子の浪漫というもの。格好いいじゃあないか。

 そんな彼の様子に祐一朗は答えた。

 

「あぁ、それは君のPETの拡張パーツ。アドバンストリガーだ。……今度あの事件と同じことが起こらないとは限らない。そんな状況にある程度対処できるように製作していたんだ」

 

 通常ナビカスタマイザーが配備されて使えるようになる筈が、フォーマットそのものが別物であるゼロには対応しなかった。その代替品のようなものだろう。

 実際問題件のナビが襲撃してきた場合ある程度抵抗出来なければ今度こそゼロがデリートされてしまうのは目に見えている。

 

 九十九の視線が完全にアドバンストリガーの方に向いていたところで城金は続けた。

 

「そのデバイスはPETのバッテリーグリップと差し替えて使うものよ。勿論差し替えただけでは何の意味も無いのだけれども、カードを読み込ませることによってその真価を発揮するの。弾丸が無くては銃は撃てないのだから。……まぁ、まだトリガーそのものも調整中だけれども」

 

「その強化カードを製作するには更なるゼロの戦闘データが必要だ。定期的に城金君に報告をしてくれればそれを元にカードを作成、ゼロの更なる強化に繋がるんだ。強化だけじゃない、君たちのオフィシャルとしての活動を円滑にする道具も作ることができるはずだ」

 

 祐一朗が自前のPET……明らかに新型であるプラグインPETを取り出して、軽く操作をすると九十九のPETの受信音が鳴り響いた。

 咄嗟に九十九は自らのPETに視線を移すと、ゼロが即座に受信したメールBOXを起動する。ゼロの対応の速さに感激しながらも九十九はゼロの報告に耳を傾けた。

 

『む、光祐一朗からのメールだ。どうやらアプリがメールの中に封入されているようだ。……どうやらこれは一種のto doリストのようだな。インストールするか?』

 

「頼む」

 

 そう言いつつも何だそのto doリストはと九十九は疑問符を浮かべる。

 俺たちに何をさせようと言うんだ、インストールされたそれを起動すると大量のリストが表示された。

 

「ウイルスを3体同時にデリートする、バトルチップを使用せずにデリートする、10秒以内にウイルスを全滅させる……?」

 

 リストを読み上げていると徐々に求められているものの全貌がなんとなく見えてきた気がした。

 どうやらこれは科学省サイドが欲している戦闘データを可視化したものだ。読み上げる九十九を他所に祐一朗は口を開いた。

 

「必要な戦闘データを可視化し、自動でゼロが達成した内容を数値化してカウント出来る様になっているんだ。これらと引き換えに新しいカードを開発出来るという寸法だ」

 

「へぇ……」

 

 つまりそれ程考えなくても戦闘データは溜まるし意識すればもっと貯まると言うわけだ。タスク管理が面倒ではあるが、機械が勝手に処理してくれるのならば楽な話である。

 アドバンストリガーを持ち上げるとずっしりとした重みが手から伝わる。重さはPETの通常グリップよりやや重い程度か。

 

「このto doリストを作ったのは城金君だ」

 

「えっ」

 

 九十九がサッと城金の方を向くと、ふん、と彼女は鼻を鳴らす。

 自慢げというよりは何故か不機嫌そうに。

 意外と面倒な作りらしい。よくよく見ればソート機能や達成難易度まで割り振られており余程の凝り性でなけれは作りようがないそれは少しばかり申し訳なく思えた。

 

「なんか……すみません」

 

「だったら私の苦労に見合うだけの活用くらいはしなさい」

 

 不機嫌けに言うそれに九十九は至極真剣に頷くも、そこに祐一朗が口を挟んだ。

 

「アドバンストリガーの開発に当たってリストを作ると提案したのは彼女だ。分かりやすい方が彼にとってやりやすいだろうとね。星方君、君が思っているより彼女は口こそ良くないが意外と気にかけた他人に気を遣うタイ……」

 

「コホン!」

 

 なお、城金の咳払いにより身の危険を感じた祐一朗は口を瞬時に噤む。

 それを見つつも九十九にとって嬉しい話ではあった。期待を受けているからにはそれ相応の成果は出す必要がある。それにアドバンストリガーが完成すれば今後やりあうであろうネオゴスペルとも渡り合える。

 そんな予感が確かにあった。




 ゼロの経歴まとめ

 時系列:EXE1(4月~6月ごろ)
 ①ワイリーが設計を開始。
 ②開発中であったものの諸事情によりゼロ凍結。設計データはウラインターネット付近のデータ墓場まで「謎のソース」として漂流。

 時系列:トランスミッション(実質EXE1.5)
 ③教授がWWW壊滅時に凍結した未完成のゼロを解凍し完成させる。その後ゼロウイルス事件勃発。ゼロの影響によりネットナビや電子機器のエラーによる誤作動が頻発する。
 ④光熱斗とロックマン、データ墓場にてゼロの設計データを発見。父の祐一朗に提出する。
 ⑤ゼロの離反によりゼロウイルス事件終息。祐一朗の手によりウイルスの生産力や感染力を封印しネットナビとして生まれ変わる。

 時系列:EXE2(7月~8月ごろ)
 ⑥オフィシャルの監視ありとはいえ、ネットワークを独自に旅を始める。その最中、マントを覆った謎のネットナビに襲撃を受ける。これに介入、迎撃しようとした監視のオフィシャルのナビ、ガルマ隊は全滅。ゼロも善戦するもののデリート寸前まで追い込まれ意識を失うものの、何故か生還。
 ⑦監視サイドが事件性があるものとしたものの、握りつぶされる。
 ⑧上層部の判断により、オフィシャルの人間の持ちナビとして行動することとなる。以降みそカネRTA本編開始。

 時系列:EXE3(9月~11月ごろ)
 ⑨カーネル、並びにアイリスと遭遇。


 エグゼ版ゼロもワイリー(ナンバーズ)だったりします。
 ナビとして再構築を行ったのは光家の人間であり、ある意味ではワイリーと光一族の合作とも言える存在でもあります。スゴイ!(小並感)
 





・この世界におけるPET事情その2
 基本的にこの作品においてPETの機種が複数存在し、格安だと1万もいかないような低価格機種も存在する(エグゼ3の依頼:おカネをなくしました……より)。
 現実でも一括1円機種のスマホが存在するため意外と現実的だったりする。

 それはさておいて、PETに型式番号について特に原作において設定はありませんが、デバイスというか家電製品というものは得てしてガ〇ダムのように型番が割り振られています。
 例えば最近某茸で発売されたXp〇ria5ⅣはSO-54Cという型番が振られているわけですね。SOというのはまぁ言わずもがなS〇NYなのでその頭文字から出ているわけですね。
 その為1と2で使用されたPETの型式番号はIP-PL01。愛称ゼロワン。
 IP-PL02がエグゼ3で熱斗が使うプラグインペット。愛称ゼロツー。

 あの黄色い飛蝗の社長さんとは関係ない。多分。




 今回登場したアドバンストリガーはそのゼロワンに接続するアイテムです。
 元々あの初代PETはグリップが予備バッテリー代わりになっているのですが(鷹岬版)、この予備バッテリー部分を今回アドバンストリガーに差し替える訳です。
 モチーフはカードeリーダーと改造カード。某ヤベーイトリガーを想像した特オタ兄貴たちはステイ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。