ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
アップデートは定期的に……しようね!(注意喚起シリーズ)
電化製品は丁寧丁寧丁寧に扱えってそれ一番言われてるから、なRTAはーじまーるよー!
さて、アイリスイベントを消化しましたが、そこからしばらく自由になるので、依頼を遂行していきましょう。
依頼掲示板はオフィシャルセンターと科学省に配置されておりそれぞれ内容が異なっています。
依頼掲示板に書かれた内容はサブシナリオと呼ばれるもので、選ぶとシナリオが開始されます。中身はシリアスなものからボケ倒しの珍妙奇怪なイベントまで多種多様。
クリアすれば、オフィシャル側や街の評判も上がり報酬としてお金とアイテムも貰えます。
依頼をこなさないとオフィシャル内での昇格試験が受けられないのと重要な情報が得られず詰む時があるのでここでちょいちょい受ける必要があるんですね。
依頼掲示板前にディンゴくんがいますが、この辺はちょっと伏線になっているとかなんとか。
何故か金を欲しがっている描写がありますが、言いたがらないのは何ででしょうねぇ……(5での所業から目を背けながら)。
それはさておいて受ける依頼は3つ。
1つ目は『ウイルス駆除』
こちらは単に秋原町の家庭でウイルスバスティングをしてアイテムが貰えます。
報酬は5000ゼニーとバルカン2 ✳︎
あまり美味しくはないですが、フラグ関係でやらざるを得ません。くそが(悪態糞土方)
2つ目は『プログラム配達』
秋原エリアからデンサンタウンの信号機の電脳までアイテムを配達する依頼。一種の騙して悪いが系イベントでタイミングの割にウイルスが強力なのでがめおべら率が高いですが撃退すれば報酬はたんまり貰えます。
報酬は20000ゼニーとストーンキューブ✳︎です。
30分で……5万! (タイムロス)
厳密には3分弱で終わるのとオフィシャルからの評価が爆上がりするのでうまあじです。
3つ目は『嫁の様子がおかしくて』
こちらは信じて送り出した嫁が以下略のNTRもののイベントですが、そんなことはどうだっていいし街の評判数値が上がりやすいのでこちらもうまあじです。
報酬は10000ゼニー。ワイドブレードS
なお余談ですが現在進行形で高騰してるニンテンドーDS最初期のめいさく、エグゼ5ツインリーダーズのお持ちのソフトを確認して貰うと分かるんですが、ソフト型番はNTR-P-A5TJ/A。
NTR……
あぁ^〜脳が破壊される^〜(ナビスカウト)
依頼を受注すると受付前でイベントが発生します。
「だから言っとろうが! 何もしとらんのにペットが壊れた! おかしいだろう! 何もしとらんのに壊れてしまうなんておかしいだろう! しかも! しかもだ! ナビもいなくなっとる!」
うるせぇ! (TKNUC)
老人の怒鳴り声が聞こえてきたのでここで関わるかどうか選べます。
以前のみゆきの依頼然り、掲示板外のイベントもこなしていきます。こっちもこっちで金策が短時間で行えるので……ね。
サンダービデオに出てきそうな爺さんが迫真の声でガチギレしているので、関わるかどうかの選択肢が出ます。
うるさいのでさっさと黙らせるために関わっていきましょう。
流れでディンゴも現れます。
「お前らのせいでペットが壊れて取引先との取引がご破算だ! どう責任を取るつもりだ!」
このお爺さん、自称社長なんですが嘘です。
好きなキノコはドキノキノコ! ……じゃなかった、受付嬢に怒鳴りかかっているのでここで話しかけて割り込みましょう。
「今こっちが話をしているんだ! 横入りをするんじゃない!」
黙れや猿ゥ!
このセリフで唾が飛び散りホモくんの顔に付着します。
うーん、これは顔射ですね……間違いない。
ジジイにぶっかけられるホモくん。
ジジショタ(と言える年齢ではないだろいい加減にしろ!)とはたまげたなぁ……
爺さんの相手をしている間にディンゴくんが受付嬢が事情を説明してくれます。
どうやらこの爺さんの持ち込んだPETが動かない。だから科学省で直せとのこと。
問い合わせ先間違えてない?
カウンターに置かれたPETを調べてみると、ファミコンのように黄ばんでいます。
汚ねえPETだなぁ(TNOK)。
皆もABS樹脂とかプラスチックを直射日光に当たる場所に置くのは……やめようね! (5敗)
するとホモくんが汚ねえPETを見てビクンビクン反応し始めます。やっぱ(ガジェット)好きなんすねぇ^〜。
「うおっ、どうした急に」
「13年前のPETじゃねえか……」
ドン引きするディンゴくんはさておいてホモくん曰くこのPETは旧式です。
今の時代に無理やりズタボロのiPhone4を修復しろと言ってるようなものです。
たまげたなぁ……
IPCに問い合わせをしてみろと言っても無駄です。IPCというか炎山パッパへの熱いヘイトスピーチをかますだけです。
どうすっぺ……?
答えは簡単、デ ィ ン ゴ に 任 せ ま し ょ う 。
「まぁ見てろよ。ブッ壊れた機械ってのはな……」
「叩けば治るんだよぉ!」
はい、ディンゴくん迫真のチョップが爺さんのPETに炸裂しました。
壊れる^〜
追い討ちをかけてホモくんも爺さんのPETにチョップをぶち込んで完全に破壊してやれば依頼完了ですが、報酬とオフィシャルの評価値が下がるのでやりません。
ディンゴくんのチョップで動かなくなっていたPETが再起動かかります。ウッソだろお前wwwwwww
爺さん曰く、
「何もしとらん! 勝手にいなくなった! 何もしとらんのに壊れたのだ馬鹿もん!」
とか言っていますが何もしてないのに壊れたと、行けたら行く、初投稿です、そして自称ノンケは信用するなってそれ一番言われてるから(真理)。
問い詰めるとここでこの爺さんがどこでやらかしたのか教えてくれます。
「知らん! どいつもこいつも感じの悪いナビばかりで最悪のインターネットだったわ! ウラの掟だのなんだの不良ばかり! 若造の分際でよくもまぁ粋がりおって!」
……どう見てもウラインターネットでナビを失ってPETも壊してます、本当にありがとうございました。
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました!
Z
科学省の朝は早い。
特に窓口関係はオフィシャルセンターもそうだが、8:00あたりから営業していることがざらだ。そんなものだから依頼掲示板の受注やらは簡単に出来るようになっている。
依頼掲示板、既に知っている者も多いだろうが市民なら誰でも依頼を出すことができる科学省並びにオフィシャル管理の依頼システムだ。
ネットワーク社会ならではのトラブルからそうではないものまで、オフィシャルが手を出すまでもないものを市民ネットバトラーにやって貰うというものだ。
当然、タダでやれと言われたら誰もやらないだろうし、実際タダ前提だと碌でもない依頼が飛び交う危険性があったためその代わり報酬を依頼主が用意するのが主流である。
と、言った具合に科学省の依頼掲示板は市民ネットバトラーの管轄ではあるがオフィシャルが受けてはならないという規則もないので、市民風を装って受注するオフィシャルもしばしば存在する。覆面オフィシャルという奴だ。
それが許されるのには少しばかり背景もある。
……というのは、「よく来てくれた。残念だが、依頼などはじめからない。だまして悪いが、仕事なんでな。死んでもらおう」
という事が多々あったからに他ならない*1。
アジーナエリアで実際偽りの依頼で釣ってからナビからチップデータを奪い取り売り飛ばすという悪質な行為が一時期横行していた。
じゃあ、さっさとオフィシャルが検挙しろよとは言うが依頼の数が膨大過ぎて手が回らないのが実情である。
で、話を戻すがその依頼掲示板というものに掲載されているものはそんな危険物を除けば多種多様である。
ウイルス駆除代行、配達、人探しなどなど。
まるで便利屋だな、と初めて依頼掲示板を見た時は思った。
上手くやればフリーランスで立ち回ることも出来るだろうが、掲示板通してなら科学省管轄下なので何かしらのトラブルがあった場合はそちら側がケツを持ってくれるようになっているのでその辺は好みだろう。
「さてと……」
そんな掲示板は受付をやり過ごし、中央部の広場の壁に設置されている。確認方法はPETによる接続でネットナビが無数にある依頼データを捌き、そこから条件に合う依頼をピックアップするのが基本的な流れとなる。
掲示板にPETを接続しながら九十九は思案する。ゼロが捌いてもなお流れ込んでくる無数の依頼たち。
当然体は一つしかないし時間は有限だ。自分たちでも解決出来そうな依頼をゼロと一緒に取りまとめていく。
「おん? なんだ、九十九じゃねーか」
そんな最中、隣に人影が差すと物凄いずけずけとした言葉で九十九は顔を上げた。
「そういうお前はディンゴか」
あのマリンハーバーの事件以来だ。
まるで犬の耳のごとくこめかみ左右に伸びる長めの髪を銀色の髪留めで纏め、民族衣装めいたパーカーで頭をすっぽりと覆っている。
褐色の少年は「よっ」と九十九に会釈した。
失礼ながらディンゴが科学省に居るという光景が少しめずらしく思えたが、九十九はこほんと咳払いした。
「あ?」
「あ、いや。何でもない、そういうお前は依頼か」
この依頼掲示板を弄ることが許されるのは市民ネットバトラー以上のライセンス持ちだけだ、ディンゴも市民ネットバトラーのライセンスを持っているという事も意味している。実際問題、ニホンに渡航出来、あの異次元レベルのパワーを持つナビを持ちながらもライセンス取れないなんて話もないので言われてみればそれもそうと言える。
「まーなー。休みの日の合間にってトコだ。金が欲しいからな」
サロマの弁当屋の給料そんなに安かったか?
ディンゴの語りに九十九は考え込む。
ふと、記憶の片隅に置かれた弁当屋什器に貼り付けられた求人票を思い出すが別段平凡を地で行っていた筈だ。
いや……出稼ぎか。
「お金、欲しいよな」
「……ま、そんな所だな」
少し言い淀むディンゴが気になりはした、けれどもこれ以上踏み込めなかった。特に家族のことについてはあまり触れられたくない九十九自身この話題を出すのはアンフェアでもある。
「どんな依頼受けたんだ?」
ディンゴもさっさと話題を切り替えたかったのか、依頼の話に持ち込み始める。それに九十九も便乗して何事もなかったかのように話の矛先を変えた。
「ウイルス駆除とプログラムデータの配達だな。あと多分、浮気調査」
「浮輪調査? もう冬近いのに泳ぐのか?」
「浮気調査だ、浮気調査」
依頼内容の文言こそ、妻の様子が変だから様子を見てくれ、という旨の依頼だ。
しかし実態は浮気調査のそれである。
デンサンタウンに依頼主が待っているとか。
「プログラムデータの配達は?」
「運び屋だ。つまりパシリ」
こちらはタウンエリアからコトブキエリアにデータを運べという旨のものだ。
シノビダッシュでさっさと駆け込もう。こちらはタウンエリアで依頼主が待っている。
最後のウイルス駆除。こちらはオーソドックスに秋原町の家庭に蔓延したウイルスを片っ端から処理してくれとのことだ。
そこはディンゴとしてもイメージはつきやすかったのか言及はしなかった。
依頼の集合時間までまだ時間に余裕はある。飯を食ってデンサンタウンに行くとしよう。そう段取りを立てた九十九は依頼掲示板からPETのプラグを引き抜いた。
「じゃあ俺飯食って依……」
「だから言っとろうが! 何もしとらんのにペットが壊れた! おかしいだろう! 何もしとらんのに壊れてしまうなんておかしいだろう! しかも! しかもだ! ナビもいなくなっとる!」
刹那、怒声が九十九とディンゴの耳朶をめためたに打ち付けた。咄嗟に九十九は肩をヒュッと竦ませ、ディンゴは指を耳栓がわりにしてその場を凌ぐ。
落ち着いたところで九十九は開口一番
「……っせぇぇぇ」
悪態をついた。
普段科学省は静かな場所だ。
靴がリノリウムを叩く音、PETやPCの操作音、ぼそぼそとした職員の話し声が聞こえて来るような、厳粛な雰囲気を持っていた。
けれども今の、受付から聞こえてきた老人の怒声はその空気を一変させるほどのものだった。
通路を通り過ぎる人々は知らぬ顔でそれぞれ、本来の行くべき場所に向かっていく。当然だ、そんな面倒な話に自分から首を突っ込みにいく奴がいるならそれは悪趣味な野次馬か、向こう見ずか。そして突っ込まざるを得ない警備員か役人のどちらかだ。
「おい、どこ行くんだよ」
急に行く先を変えた九十九にディンゴが声を上げる。すると九十九は心底うんざり気味の声色で言葉を返した。
「受付所。声のでかいじーさんを宥めに行ってくる」
機械的な仕事を役所仕事、と揶揄されがちだが、前例を無視した自己判断からの特例なんてものを作ればトラブルの元である。
エスカレートすれば金銭の要求、暴力、違法行為に行き着くことは血と怨嗟で書かれたマニュアルが証明している。
「お前らのせいでペットが壊れて取引先との取引がご破算だ! どう責任を取るつもりだ!」
ペット。
九十九の脳裏で壊れた往年の犬型のペットロボAIBOが浮かぶ。待て待てアレは違うだろう。科学省での問い合わせと言えばPETだ。
眼前では受付嬢にカウンター越しで、唾を飛ばして喚き立てる老人。見た目70代か。
PET関係での問い合わせでよくあるのは操作方法だ。それはまぁ何とかなる。
とはいえ、壊れたとなってはまずメーカー問い合わせした方が早いんじゃないか、とかそんなちっぽけな疑問は怒声により吹き飛ばされた。
「お前らが何かやったんだろう! お前たちはいつもそうだ! 俺の仕事を奪って次は俺の生活を滅茶苦茶にする気か!」
何処からか子供の泣き声が聞こえて来るが、子連れが受付前のベンチで待っていたのだろう。
「お客様、落ち着いてください。ですから、このPETは……」
「えぇい! ごちゃごちゃごちゃごちゃと! これだから役所仕事というのは! 人の心が無いんか! 俺も怒りたくて怒ってるんじゃ無い! これも全てお前たちが……」
──う、うるせぇ!
流石にこんな怒声を延々聞かされれば君が滅入るというもの。周囲にオフィシャルらしき人間がいない事を確認してから九十九は老人に声をかけた。
「すんません、ちょっといいです?」
「今こっちが話をしているんだ! 横入りをするんじゃない!」
これでも1m程距離を空けているつもりなのだが、顔に老人の唾が飛び散る。
唾の臭いに舌打ちしそうになる本心を宥めながら、努めて笑顔を作る。
「いやぁ、ものすごく怒っているものだからこちらの方で力になれないかと思いまして」
「フン……小僧に何が出来ると言うんだ。関係のない子供は黙っていろ!」
ヒートアップし過ぎていて最早話を聞こうという様子は一切ない。
今は覆面オフィシャル面しているが、オフィシャルでなければ売り言葉に買い言葉できっとひどい言葉を出していたに違いない。
「なあ、受付のねーちゃん。何があったんだ?」
ピキピキと、限界値の近い九十九の傍らついてきていたディンゴが受付嬢に問いかけると、どうしたものかと少し考えてから九十九を一瞥してから口を開いた。
「あの……こちらのお客様がお持ちしたPETなのですが。見ての通り動かなくなり、ナビもいなくなったとのことで……」
受付台の上に置かれたPETは本来白いはずのものだった。しかし今は太陽光に当てられたせいか黄色く変色している。さながら親の実家に放置された古びたファ◯コンだ。
「オイオイオイオイオイオイ」
それを見るや否や九十九は声を上げた。
「うおっ、どうした急に」
急な九十九のリアクションにディンゴがビクッと跳ね上がる。
そんな周囲のリアクションなど九十九にはどうでもよかった。大事なのは眼前に置かれている代物の事だ。
「13年前のPET*2じゃねえか……」
ここ数年のPETの恐竜的進化は目を見張るものがあるが、そのIPC製PET黎明期に開発されたシロモノである。
つまるところ最早使っている人間を数えた方が簡単な、そんな産物だ。
技術の進歩と共に凶悪凶暴化するウイルスやバグに対する抵抗力がほぼなく最悪ウイルスやバグをメールを介して撒き散らすレベルのものなので下手すれば無い方がマシだ。
「13年も使えばよく持った方だが……」
九十九は徐に旧式PETを持ち上げ、電源スイッチを入れる。だが画面はブラックアウトしたままで何ら反応を示さない。
──電池切れ、か。
「充電はできています。本体の不具合としか」
九十九の心を読んだのか、受付嬢が口を挟む。
精密機械に対する扱いはこのPETを見ればわかる、かなり雑な扱いだ。メンテナンスもおそらくされていない。
ガワは地面に落としたのか所々擦り切れており、ボタンにあたる部分は陥没、強く押さなければ反応しない。
「電気屋行って買い替えた方が楽ですよ、これ……」
おそらくIPCにメンテナンスを依頼してもサポートはとっくに終わっている、仮に修理ができたとしても修理費が新しいPETを購入した時の料金とどっこいだろう。
すると、老人がキッと九十九を睨みつけた。
「お前もそう言うのか! もういい! さっさと直せ!」
「ですからPETの問題はメーカーに……」
「アイピーシーは駄目だ! 奴らは金儲けのことしか考えとらん! ペットの買い替えをさせるなど親切を大企業になってから捨ててきたらしい! あの伊集院とかいう奴は若造の分際で……!」
金儲けは企業として当たり前のことな上に、そもそもサポートをとっくに打ち切ったものをどうにかしろというのも会社としてもどうしようもない。かなり前の記事だがプレスリリースで、サポート打ち切りを5年前に発表したようなものを今更対応しろと言われても断られるのは当然ではある。
門前払い食らって最悪暴れようなら退去命令食らって終わりだ。その辺はおそらくIPCの方が対応がシビアだろう。
ばんばん、と台を叩き威圧するその姿はまるで餌を催促するチンパンジーの如く。
警備員たちが数名見えてきた所で、九十九は大きくため息をつく。
さっさとご退去してもらった方が職員の胃に優しかろう。
その時、ディンゴが台に置かれた老人の旧型PETを手元に引き寄せた。
「ディンゴ?」
「まぁ見てろよ。ブッ壊れた機械ってのはな……」
その時、少年は大きく手を挙げる。その手刀の型をしたソレは明らかにやろうとしていることは目に見えている。
「オイばかやめっ!」
「叩けば治るんだよぉ!」
ずどん!
慌てて手で制しようとした九十九を振り切ってそのディンゴの渾身の一撃は老人のPETの画面に炸裂した。
「ぉあ──────……」
九十九はあんぐりと空けた口からか細い声を駄々漏らしにしながら、哀れな旧式を見下ろす。
やべぇ、今ので絶対トドメを刺した。
その昔、家電製品は故障したら叩けば治ると言われていたがアレはまだ作りがシンプルでかつ故障の原因が埃や接触不良によるものが多かったからだ。
周囲を見ると、受付嬢は目を丸くしてポカーンとしており老人に至っては怒髪天を衝く勢いだった顔から気力が抜けきっていた。
九十九は油の入っていないブリキ人形のような動きでディンゴに向き直りその暴挙に等しい実力行使を咎める。
「ディンゴぉぉぉぉぉ……ブラウン管テレビじゃあないんだぞぉぉぉぉぉ……13年前とはいえ精密機械なんだぞぉぉぉぉぉ……」
「しゃーないだろ。メーカーも役所も匙投げてんだ。あとはやることひとつだ」
「ソユモンダイジャナーイ」
脳筋とガジェットオタクの見解の相違である。ガジェットオタクの九十九としてはこの実力行使は看過してはおけない。
とはいえ現状維持に対する解決方法があるかと言われたら当然グレーな訳で。
さっさと買い直せ、ジョーモン電気行って出直せコラが最終回答だ(当人が納得するかは別だが)。
その点では今回の老人の意向に寄り添っているのはディンゴの方だ。
──やりおったぞ、この少年!
育ち盛りのチョップはきっとPETを破壊するには十分過ぎるものだ。哀れな犠牲者にただただ九十九は合掌をせずにはいられなかった……
その時、PETからぱちっぱちっ、とまるで手を叩くような音がした。
まるで長い眠りから目を覚ましたかのように低い唸り声のような音を出しながら老人のPETの画面から起動シーケンスが表示される。
「「「あ、直った」」」
『ふむ、壊れたPETは叩けば直る……電脳世界で漂っていた情報はデマではなかったらしい』
「ゼロ、そんな知識ラーニングしない!」
一連の聞いていたゼロのボケに突っ込みを入れ訂正させながら九十九はゆっくりと、今のPETでは想像もつかないほどの長い読み込み時間を見守りながら起動していくそれを見守る。ノイズ混じりだったり本来表示されないデータが剥き出しになるあたり最早バグまみれのようだ。
そして……10分の時が流れホーム画面にたどり着いた。
そこは本来いるべきナビもプログラムもいない、所謂もぬけの殻がそこにあった。
「随分と乱暴な! ナビはどこ行った?」
憤慨する老人だが、流石に一応直りはしたことには変わりはない。次に本来いるべき存在について口にするが、残念ながらPET内のどこにもいなかった。
「なんかしました?」
まず何かをやらかさない限りこのような現象は起こらない。例えばナビと喧嘩した、もしくはデリートされたとか。
「何もしとらん! 勝手にいなくなった! 何もしてないのに壊れたのだ馬鹿もん!」
それでも自身の過失を認めたくないのか、鼻を鳴らし否定を続けるその老人。この性格では喧嘩もデリートもあり得そうな気がしなくもない。
「ナビがいた時、最後に何をしました?」
「ネットサアフィンをしていた! ウイルスが出たから買ったチップを使って倒した! ミステリーデータを調べた! 普通の事だろう!」
──あぁ、絶対ウイルスに襲われたんだろうな
目に見えたオチに九十九は大きくため息をついた。一応ネットナビに襲われた可能性を考慮して場所だけは聞こうと深掘りをしてみる。
「場所は?」
「知らん! どいつもこいつも感じの悪いナビばかりで最悪のインターネットだったわ! ウラの掟だのなんだの不良ばかり! 若造の分際でよくもまぁ粋がりおって!」
「ウラインターネットじゃねーかバカ野郎」
この手に限る(この手しか知らない)
たまには血生臭い話じゃなくてアニメ版とかユーモアセンスみたいなノリの軽い話書きたいなぁ俺もなぁとか考えた結果がこれだよ!
ディンゴが金を稼ぐ理由? まぁ、うん……(目逸らし)