ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
続きだぜ。
さて、前回ジジイのPETのウイルス除去を行う形となって終わりましたが、ここでディンゴも巻き込んでおきます。
理由としてはジジイのPETがちょっとしたモンスターハウス状態になっているからですね。
トマホークマンがいればあっという間に雑魚は殲滅してくれますので、ホモくんとゼロは大物を狩りつつタイム短縮することが出来るわけですね。
今回狩るべき存在は、クイックマン。
本シナリオだとオペレーターの速見daisuke(唐突なユーロビート)*1は既に収監されており、交戦機会は狙わないと無いのですがこのイベントに巻き込まれたら、半強制的に戦わされます。
ここで倒せば3000ゼニーと戦闘データが手に入りますが、この戦闘データでガード技兼反撃技である【ゼロカウンター】を取得します。
加えてその他諸々をはじめとした戦闘データが揃えば更なる特殊能力が手に入ります。現在進んでるルートは擬似SSロックマンと呼ばれる育成ルートですね。
今回取得したゼロカウンターは貴重なダメージソースなのと、回避困難な技を雑に防げますのでかなり有用と言えます。
SSと言えばガード技と後は……分かるね?
それはそれとして、ウイルス研究室に城金姉貴は居ないようですね。
恐らくアドバンストリガー関係で難航しているのでしょう。
居なくても別に問題はないのでさっさとウイルス駆除用の電脳世界を用意してもらいましょう。
一応この電脳世界にはバトルチップ【エアホッケー1 V】が落ちていますので取り敢えず拾っておいてフォルダを再調整しましょう。
エアホッケーはブレイク性能持ちなのでそこそこ有用です。
さて、ここで実験機の電脳にプラグインをします。
ブスリ♂(レ)
アッ──────────────!
この実験機の電脳にゼロを送り込み、発生しているひずみを調べるとイベント発生です。
ここでのイベントの終了条件は2つ。
終了条件1:ウイルスの
終了条件2:??? の
ここで達成させるのは2です。
1の場合何も考えずウイルス10連戦です。ウイルスばっかじゃねぇかお前ん
2の場合ウイルス2連戦からのクイックマンのデリートなので後者の方が楽なのです。
何せディンゴが送り込むナビのおかげで雑魚ウイルスをあっという間に薙ぎ払ってくれるのですから。
トマホーク(マン)じゃねえかよ……(SIY)
それにプロトイベントをカット出来ます。
あのジジイのPET何故かプロトバグが居るんですよね……あぁん? なんで? (レ)
まぁここでプロトバグとまともに取り合うとWWWルートに行くので回避します。湾岸病院編でどうしてもクロスオーバーせざるを得ないのでここで本編ポイントを貯めたら面倒になります。
さてウイルス2連戦開始です。
行くぞおおおおおおおおおおお! (YTR)
1戦目。
ヌール×3
こいつに見覚えのある人はいるでしょう。
HP自動回復するわ、一定期間ごとにプレイヤーのフィールドにウズシオを発生してくるわ、踏み込んでパンチしてくるわと強敵です。
HP150もあるので、さっさとガンデルソルで焼き払いたいですが配牌は……
エリアスチール✳︎
エアシュート3✳︎
クイックゲージ✳︎
スプレッドガン1✳︎
ショットガンJ
FUCK YOU ♂
配牌がいくらなんでもパッとしない。プラズマボール入れておけばこんなことにはなりませんでしたが、完全に忘れています。お ま ぬ け 。
クイックゲージ→スプレッドガン1→エアシュート3→ショットガン→エリアスチール
これで一体処せればそれでいいとしましょう。
あのさぁ……(呆れ)
半端な形でヌールが死にませんでした。
こいつら一気に処すには威力も足りないしチャージ速度も足りません。
アドバンストリガーで強化出来れば楽なんですが未完成。この辺いやぁ^〜キツいっす(素)
(2ターン目)入るよ、ねえ? 入るよぉ
エアホッケー1 V
アタック+10✳︎
ショックウェーブJ
アタック+10✳︎
ワイドソードS
エアホッケーを使いなさい……早く(ヌールを)殺したいんだろう?
使 い な さ い
よっしゃ、(エアホッケーを)ぶち込んでやるぜ。
アタック+10が2枚なので威力80の危険物が6マスまで縮まったヌールのエリアに斜め方向に激しく前後おおおん♪ するのであっという間にヌールが死んでいく訳ですね。
あぁ^〜たまらねぇぜ。
この瞬間で2回も男汁を出したんや。
今度はヌライム×2と、ビューハークです。
ヌライム×2はジェライム系のスライム型ウイルスの中位ランクです。HPは150。
一定タイミングごとにこちらのエリアを奪ってくるし、奪うエリアにゼロがいたら体当たりまでしてくるクッソ厄介な雑魚なので出来れば早めに処しておきたいです。
ビューハークは毛むくじゃらのウイルスであるスーンハーク系の中位種。
こっちはHP140。吸い込んで来てから自エリアの最前列3マスに竜巻を飛ばしてくるクソ野郎です。
吸い込まれながらヌライムにどつかれて竜巻でやられて死なないように気をつけましょう(1敗)。
配牌は……
フミコミザンS
アタック+10✳︎
ショックウェーブJ
フレイムブレード✳︎
ソードS
じゃあ、まず一歩下がらせて2マス前に瞬間移動してワイドソードで掻っ捌く威力160のフミコミザンで死ねぇ! (鋼鉄ジーグ)
double killゥ……
ビューハーク程度なら後は避けつつ不要なアタック+10とフレイムブレードとソードは空打ちして手札を回します。
次のターンに行くまでバーストショットでチクチク削りつつ、ショックウェーブで始末して終わりっ!! 閉廷!!
ラストでやっとこさクイックマン……じゃなくクイック:ナイトメアとの戦闘に突入します。
HPは500。
通常のクイックマンとV2の真ん中程度のHPですが、クソほど面倒くさいです。
エグゼ2をやった先駆者兄貴たちはご存じかもしれませんがこいつ、静止してるときに攻撃してもすまし顔でブーメランで弾いて来ます。
そのため静止したこいつに一撃叩き込むには、ブレイク性能を持つバトルチップしかありません。
もろちん、静止してなければ攻撃は当たります。攻撃する瞬間にランダムで動き回ってからゼロめがけてブーメランを投げてきたり直接斬りつけてきます。
攻撃する瞬間に一撃を入れるしかありません。
ショットガンJ
クイックゲージ✳︎
パネルアウト1✳︎
エアシュート1✳︎
バリアブルソードD
配牌がカスですが、クイックゲージで加速させ、当たってもカスなチップは空撃ちしつつ高速移動中のクイックマンに威力160のソニックブームをぶち込みます。
HP340ですが、ここで出るチップ次第で勝ちかどうか決まります。
正直クイックマン系とはもう二度と戦いたくないので早急に始末します。
2ターン目イクゾー!
ショットガンJ
ショックウェーブJ
キングダムクラッシャーK
ロングソードS
ガンデルソル1✳︎
エグゼ2既プレイ兄貴は覚えているだろうか。
ほぼノーヒントの謎解きからの、心臓に悪い通路爆発ギミック、挙句こっちの攻撃を防ぐわ避けるわのクイックマンを。
え? ゴスペルで一撃で死ぬ*2って?
うるせぇ! (TKNUC)
ガード無視のガンデルソル、前もって太陽バッテリーを持っていれば常時威力が野外でぶっ放す時と同じになります。
これで240ダメージまで出ますのでHPは100、トドメにキングダムクラッシャーをぶち込んでやれば死ぬ訳ですね。
どっちも対ガード性能があるが故といったところでしょう。
2序盤のボスに3以降に近い環境で殴りつけていることに思わないことはありませんが今までのちかえしをたっぷりとさせてもらいます(20年来の私怨)。
クイック:ナイトメア相手にエアホッケー引けなかったのは心残りですが、前哨戦でヌールを仕留めたので良しとしましょう。
やったぜ。
あとはクイック:ナイトメアから戦闘データを剥ぎ取れば終わりです。
ゴスペルサーバーのコピーだろうが、ナイトメア汚染されようが、腐ってもクイックマンです。ゼロの肥やしになってもらいましょう。
これで新技、ゼロカウンターがラーニングされます。
GCソフトのトランスミッションリスペクトのガード技になりますがジャスガした場合反撃してくれます。
タイミングがややシビアで癖の強い技ですがチップの依存が減る為上手く使っていきましょう。
ジャスガ狙いじゃなくてもSSロックマンのようなガードが出来る為有用と言えるかもしれません。なにぶん通常のリフレクトはクソほどナーフされちゃったからにはもう……ネ……(KMRちゃん)
戦闘終了するとあとは会話イベントです。
イベントで残りの雑魚ウイルスもゼロとトマホークが始末してくれるのでこちらがすることはありません。
なおこの戦闘でウイルスがデータを維持していたので、このイベントはどうあがいてもデータが消し飛びます。
事前にバックアップなんて取ったら取った先の端末がウイルスかナイトメア汚染されるので駄目です。
(救いは)ないです。
画面外で科学省職員をセクハラやらマウント取ったり恫喝していた老人の所に初期化されたPETを持って行きましょう。そしたら物凄い剣幕でぶん殴られますし、報復もチラつかせてきますが、もう会うことはないでしょう(ムエタイX)
その前にデリートされたナビに謝ったらどうだと返しても逆ギレするので反省の余地はありません。
曲がりなりにも警察ポジに向かってよく脅迫が出来るな、と言ったところですが……そのままホモくんに逮捕されてイベント終了です。
本日はここまで。
ご視聴、ありがとうございました!
◆◆◆◆◆
ひずみから現れたもの、それはウイルスなどという生易しいものでは決してなかった。まだバグのかけらを食べて狂暴化したウイルスの方がマシだったかもしれない。現れたそれは紫がかった赤いボディに、ひざや手首に金色の装飾。頭部には金色のブーメランを思わせる形状をしたツノが生えている。
両手首の金色の装飾には肩まで伸びる長い刃物がついており、それは紛れもなくクイックマンの持つ特徴そのものであった。
『知っているのか、ツクモ』
ゼロの問いに九十九はチップをホルダーから引き抜きながら言葉を紡ぐ。
「報告書で見たことがある。旧ゴスペルによる奥デン谷のダムへの爆破未遂事件の実行犯のネットナビだ。ブルースによってデリートされたけれど、ゴスペルサーバーが複製を大量に生産、ネットワーク中にばら撒いて大混乱に陥った。全部消されたものだと思っていたけど……!」
違うナビだが、ゴスペルが作った複製そのものならばゴスペル壊滅直前に見たことがある。大量発生したそれはオフィシャルの総力戦と伊集院炎山とブルースの力もありやっとこさ対処しきったと思っていたが、まだ討ち漏らしがいたらしい。
「相手がなんだって関係ないぜ。このままぶっ倒してもいいんだよな?」
「許可する!」
ディンゴの言う通り、このクイックマンも始末する対象なのには変わらない。まるで瞬間移動でもしているかのような勢いでゼロを無視してトマホークマンに迫る。
『速いッ!?』
ゼロが阻むよりも先にクイックマンがトマホークマンの眼前に迫りそしてその能面のような顔からは想像が出来ないような口を開いた。
口裂け女か獣か。どちらともとれるような獰猛な牙をむき出しにし、トマホークマンの肩に噛みつく。
その行動パターンには覚えがある。これは──ナイトメアだ!
「ちぃッ!」
何故こんな老人のPETに潜んでいるのか分からなかったが、九十九は心底恨んだ。適当にプログラムやチップを突っ込んだのだろう。バグチェックの一つもせずに。
イライラしながら九十九は無造作にチップを転送した。
転送したものは──バリアブルソードだ。
ゼロのゼットセイバーが不定形の光の剣に変わり、それを一振りすると三日月状の刃が音速で、横殴りにトマホークマンにかじりついたままのクイックマン改めクイック:ナイトメアに直撃した。
思わぬ反撃を貰ったクイック:ナイトメアは後退するものの、追い打ちでゼロがバスターを連射するが、それはいともたやすく腕の刃が切り落としてしまった。
コピー体ということもあって人格は無いらしい。無言でゼットバスターを弾き飛ばすその姿は不気味に見えた。
「野郎……ちと、後れを取ったが相手に不足なしだ。腕が鳴るぜ……!」
強敵出現に戦闘民族もかくやの勢いで息巻くディンゴ。
本来ならばトマホークマンと力を合わせて倒すのが筋だろう。だがしかし典型的な『受けて返す』パワータイプのトマホークマンと、スピードも防御も高水準なクイック:ナイトメアとの相性は激烈に悪い。
ウイルスはトマホークマンだけに任せてゼロだけでなんとかする必要がありそうだ。
「いや、ディンゴは一旦ウイルスの群れを頼む」
「おいおい! お前はどうするつもりだ」
「あのクイックマンもどきのナイトメアをなんとかするナイトメア案件と分かった以上オフィシャルが始末する。アレを始末したらウイルス狩りも手伝う」
「……」
あまり納得していない様子だった。しかめっ面が痛い。
一方的に噛みつかれて、反撃の一つも出来ずに終わりなど血の気の多いディンゴとトマホークマンからすれば面白いはずがない。
だが相性の問題もあれば、オフィシャルとしてのプライドというものもある。
「頼む」
あとはもう意地の張り合いだ。
あまりかけられない時間に、ディンゴも察していたか、間もなくしてディンゴは折れた。
「……わーった。こっちが再起動させちまったのもあるしな。いいよな、トマホークマン」
『チッ……あんまり心スッキリしねえが……その分はあのウイルス連中で晴らすとするか……連中も連中で粒ぞろいだしな』
トマホークマンはそう言いながら次々とトマホークでウイルスたちを掻っ捌いていく。ウイルスの攻撃をものともせずに力づくで圧殺していくそのパワーならウラのウイルス程度は目でもない。
九十九とゼロもクイック:ナイトメアの始末も専念出来ると言うわけだ。
「ゼロ、オペレーション再開だ」
『了解』
クイックマンには二つの顔がある。
報告書によれば、彼は二つのモードを使う。
待機モード。こちらはクイックマンは最低限の動きで防御に専念する。攻撃を捨てている代わりに防御力は驚異的だ。先程ゼットバスターを弾いたのがこれだ。
攻撃モード。こちらは先程トマホークマンに仕掛けた時のように超スピードで迫り攻撃を仕掛ける。こちらは防御を捨てている。だから回避困難なバリアブルソードを直撃させられた。
攻守一体な理不尽さを持つそれは事前情報無くしては苦戦は必至。
アレがもし報告書のクイックマンと同じならば、攻撃する瞬間こそがチャンスだ。
静止したクイック:ナイトメアに試しと言わんばかりにゼロに各方向からバスターを撃たせても、やはりと言うべきか驚異的な反応で全て止めてしまう。
追いつくには速さが足りない。
そう、速さが。
ならば相手と同じ土俵に立たないことが肝要だ。
ゼロが反撃をやめたところを見計らったクイック:ナイトメアが駆け回りゼロの横から、背後から。ブーメランを投げつけ、時として腕のブレードで直接切り掛かる。
飛んできたブーメランを余裕を大袈裟な動きで避けさせ、直接の斬撃を最低限の動きでかわさせる。
ガードを無意味にするチップがあれば良いだけのことだ。
九十九はバトルチップを吟味してから2枚のチップを引き抜く。
まずはガンデルソル1。
今のクイック:ナイトメアは防御に専念しているが、ガンデルソルにはそれは関係ない。確実に敵のデータを焼き尽くし崩壊させるだけの力を持つ。
その上今の九十九には太陽バッテリーがある。ここが屋外でなかろうと威力は野外で発動したガンデルソルの倍だ。
「まずはバスターを連射!」
ゼロに動きを指定したデータを送りつけて、クイック:ナイトメアを中心に円を描くように動き回りながら牽制のバスターを撃たせる。
撃って撃って撃ちまくる。
こんなものの直撃を貰われては始まらない。
狙い通りブレードで弾くそれに、ゼロのバスターになっていないアームの方をガンデルソルに切り替えさせ、ガンデルソルを照射させた。
1秒で下手なウイルスの身体が崩壊するような破壊光線だ。原作はそこまでヤバくはないだろうと言われること請け合いなその威力に気づいたクイック:ナイトメアが慌てて超スピードで動き始め、ゼロの周囲をランダムに動き始める。
それで混乱させたつもりだろうが、次の一撃で終わりだ。
「キングダムクラッシャーを使う!」
プライドから貰った件のバトルチップをPETに叩き込み、一頻り動き回ったクイック:ナイトメアがゼロの目と鼻の先まで現れた瞬間、エンターキーを押して強制発動させた。
「『吹き飛べぇッ!!』」
巨大な棘のついた鉄球が、突然間から割って入るように現れクイック:ナイトメアの体が磔にされる。そこから射出された鉄球に押し出され壁際まで飛んでいき、壁に押し潰された時にはすでにペシャンコになったクイック:ナイトメアの亡骸と成り果てていた。
そしてデータ片となり消え失せていくのを背にゼロは踵を返し、無造作に突進してきたウイルスをゼットセイバーで一刀両断にする。
「さてと……」
その間に電脳世界の中にいるウイルスたちはトマホークの錆と化していた。だがその生き残りのウイルスの一体がトマホークで2等分にされかかったアメーバ状のウイルスが蠢いていた。
エリアを跳ね回るジェライム種か。いや、それにしては妙に可愛げがない。電脳世界の地面にマンホール一つ分のサイズの穴が開きそこから伸びるうねうねとしたアメーバ。切り口から徐々に再生しているのが見える。
いや、これは……電脳世界を食って自分の体にしているのか。
得体の知れない存在を前にして怪訝に思う九十九を他所にトマホークマンはどこ吹く風。
『ヘッ、手応えが無かったな。あのゼロがやり合ってたすばしっこい紫ヤローの方がまだ面白そうだったぜ』
完全に萎えてしまったのか、トマホークを振り下ろした衝撃波で残り滓のようなウイルスたち諸共消し飛ぶアメーバ状のウイルス。それになんの感慨も抱かないトマホークマンはぼやく。戦闘民族じみた物言いに九十九は苦笑いしながらウイルスが全て倒された焼け野原をPET越しに一瞥した。
「ウイルスはこれで……全滅か」
あとはPETを返すだけだろう。ひずみのような空間は徐々に小さくなり、雪解けのように消えていく。
同時に老人のPETが『ガピー』と、黒板を引っ掻く音とピープ音を混ぜ合わせたような音を吐き出しながら画面をブラックアウトさせた。
そして懐かしの旧バージョンのOSを起動させ、まっさらになったデータを見せるPETを見下ろしながら九十九はぽつりと率直な感想を述べた。
「データ、吹っ飛んだな」
「吹っ飛んだな……」
九十九の小学生並みの感想に便乗するディンゴにさもりなんと言わんばかりに科学省の職員たちが無言で頷く。
「感染後、ウイルスが寄生先のデータを記憶していただけですね。オリジナル自体はとっくの昔にお亡くなり……よくあることです」
「え、あんの?」
うちロン毛の職員が冷静に述べディンゴがちょっと驚く。
そんな中で、九十九は台に置かれたPETに繋がれたケーブルを引き抜きながら「ありがとうございました」と職員たちに伝え、老人のいる場所まで歩いていく。
恐らくオフィシャルセンターあたりにあることないこと込み込みで苦情を投げつけられるに違いない。そう思うと気が重かったが、無差別にウイルスをばら撒かれたりするよりは何百倍もマシではあった。
なお、その危惧がほぼ当たっていたことは言うまでもない。
「おい、マッサージしろ」
当然、科学省はそんなお店ではない。
「お前、結婚はしているのか」
女性職員に対するセクハラまがいの質問、同様のマッサージの要求。
「お前いくつだ」
代打バッターで対応に現れた男性スタッフに対する年齢マウント。
「俺はな、もともとここの土地の持ち主で光正の知り合いなんだよ。今俺にいい顔をしておけばいいことあるぞ」
などという真偽不明(絶対嘘)の自慢からの塩対応する男性職員に対し気に入った女性職員の再対応要求。
老人被害者の会と化した職員の面々の話に九十九は顔を思いっきり引きつらせていた。
九十九がクイック:ナイトメアの始末を行っていた間に別室で待たされていた老人が好き放題行っていた。だったら職員は離れていればいいじゃないか、という指摘すらも老人が体調不良を訴えて否が応でも職員を呼び出してくるので無視は出来ない。
狼少年じみた案件ではあるが、この世を騒がせる爆破予告と同じく『もしも、万が一にも本当だったら』というナノ単位の可能性を考慮して真に受けざるを得ないのだ。
温厚で仕事の速いある職員は修羅の顔をし、無感情のように見えた職員は感情をさらけ出す。
この短時間で何しでかしてくれているんだ。話によると旧科学省にはよく来ていたらしく再三アップデートの警告はしてきたものの聞く耳は持たなかったのだという。
「なんなんですかあの爺さん、キャラ強くありません……?」
と被害者の会代表の男性職員の感想だが、これでもまだオブラートに包んでいるものだろう。被害者の会の面々に頭を下げ、老人の待つ部屋へと向かう。
そしてデータが消えた旨を説明したその時だった。
九十九の視界に星が瞬いた。
一体何事だ、と脳が理解するよりも先に顔が茹蛸のように真っ赤になった老人の怒声が木霊した。
「なんてことをしてくれた!」
あぁ、殴られたんだ。まるで瞬間湯沸かし器、自分の置かれた立場を忘れて殴ったんだ、あの老人は。そう理解したとき、九十九の中で何かが切れた。
がみがみとまくしたてる老人の言葉を無視して九十九はゆらりと立ち上がる。
「俺がお前にPETを預けたのは全て元通りにすると踏んでのことだ! その期待を無碍にするとは!」
「そんなこと一言も言ってないでしょうが……つーかビビってただけでしょうが。手遅れだったんですよとっくの昔に」
「プロだろうが!」
「プロは神様じゃあないんですよ。人は時間を支配なんてできやしない。便利な生き物じゃあないんです。それに再三科学省や行政から何年も前から警告を受けているはずです。何せPETのバージョンが古すぎたらサービスを受けられないなんてケース腐るほどあるんですから。それに対しての分かりやすい対応も貴方以外にもやってきているんですよ」
世の中には敢えて旧式の端末を使う物好きも当然存在はする。それは思い出や愛着など、人よりけりの事情がある。
だがその手の人間はパーツを刷新する形で(推奨はされないが)改造しててでも使うのだ。その手の業者は一応存在はする。技術力がない人間は業者に依頼をする。
仮に買い替えたとしても現バージョンのOSに対応するPET教室も無料で開催もしている。最悪ナビがサポートだってしてくれる。
改造云々以外の説明は必ずする。説明義務があるのだ。科学省の人間だってクビがかかっているし、ナビだってオペレーターの無知というしょーもない理由でデリートされたくはない。故に、されていないなどという話はまず有り得ない。
「そんなもん知るか馬鹿たれが! 俺に分かるようにしろ! そうやって不親切だからこの社会には思いやりが……!」
「その他人やナビからの思いやりを無碍にしておいて……主語を大きくしないでください。旧科学省職員が散々対処法をレクチャーしたものの無視をしてきたという記録もあります。あとそれにウラインターネットへの侵入、これは散々ッぱら禁止されているのですがナビをそちらに送り込んでデリートにまで追い込んだ、このことにはまったく思うことは無いんですかね」
「あぁ言えばこういう! お前たちが何とかしなかったせいでナビがデリートされたんだろ! ウラインターネットなんて削除しちまえばよかったものを!」
ウラインターネットについては九十九としても正直思うところがない訳ではない。事実として科学省が野放しにしているのはどうなんだと言いたいところだが、アレの存在が逆にならず者の隔離場所として機能している節もある。ここで削除した瞬間、オモテの世界が地獄絵図になることを考えれば下手に手出しも出来ないのは事実だ。
その為PETも今いるエリアを表示する機能が与えられているし、科学省からのウラに侵入するなという警告を繰り返し続けている。それを無視し続けたのはこの老人だ。
「こちとらなぁ元WWWの知り合いがいるんだよ。そいつは今でも組作ってブイブイ言わせてるんだ、謝るなら今の内だぞ……?」
ブイブイっていつの時代の言葉だよ。内心で突っ込む九十九の胸元を老人は手で押し、そのまま壁に押し付ける。
いとも簡単に追い詰められているのは九十九が抵抗していないからだ。それでいて至って冷静だった。
「参考程度に、どこの組です?」
「………………デン仁組だ!」
質問から10秒程度の沈黙がすべてを物語っていた。
そんな知人は存在しない、と。デン仁組なる組織は存在するが、当然オフィシャルにマークされて好きに動けやしない。老人の手首を掴み九十九は真っ直ぐと彼を見据えた。するとオフィシャルとはいえ子供だ、反撃すまいとタカを括っていたのか老人の表情が少し歪んだ。
「オフィシャルの人間相手に、暴力を働いた上に、反社会的組織を盾に脅迫、強気に出られないスタッフにセクハラ、恫喝。アンタの行為は目に余るよ」
むしろよくこれまで捕まらなかったものだ。
もし九十九が20台の筋骨隆々の男だったら、こんな風に出なかったのだろうか。九十九は無造作に懐から手錠を取り出し掴んだ老人の腕に掛けた。
「はい13:23、オフィシャル権限で現行犯逮捕」
「……は?」
「は? じゃないよ。さっき人殴ってしかも脅迫しといて捕まらんと思ってたのか。仮にもオフィシャル相手だと知っておいてさ」
自分の感情を抑えられない人間というのは得てして存在する。加えて最初こそビビったが未成年のオフィシャルは多くはない。故に舐めていたのだろう、(本来意図すべきものだろうが)意図せぬ反撃に老人の顔面が真っ赤な茹蛸から打って変わって蒼白となり果てる。
「すまんかった! ちょ、ちょっとカッとなっただけだ。誰にだって間違いはある! そうだろう!?」
明らかに声が震えあがっており、命乞いめいた言い回しとなっていたが九十九の耳は右から左にすり抜けていく。
「それにしたって限度があるだろ限度。普通の人は反社チラつかせて脅迫なんてしねえよ。職員相手に誠意と言う名の金銭の要求もしねぇよ。女性スタッフにセクハラなんてしねぇよ。つーか俺とか職員に謝るなら先に謝るべき相手がいるんじゃないか? え?」
善意をもって
老人が殺してしまった存在を。バックアップが取れたとしても、その時デリートされたナビは帰ってくるわけじゃない。デリートされたという事実が無かったことになるわけではないのだ。
「だっ、誰に……!」
「お前のナビだよ。PETをウイルス塗れにするわウラインターネット連れ出しといてデリートさせたことに思う事無いのか」
「ご、ごめんなさい!」
「……とってつけたように言うなよ」
「ごめんなさいいいいいいいいっ! だから逮捕は!」
「あぁ!?」
必死の謝罪をしたとしても逮捕することには変わりはない。高圧的な態度とは打って変わって懇願する老人の態度に輩のような声が出る。
この老人の問題はネットワーク社会がどうこう以前の問題だ。ナビに対する謝罪も結局逮捕から逃れたいだけのものと知るや否や九十九の額に青筋が立つ。
「WWWの元幹部とやらとの繋がりとかもよーく聞かせて貰おうか」
「ち、違う、知り合いじゃない! 俺は別に……ああああああああああああ!」
世の中にはこんな言葉がある。口は災いの元、と。
ゼロが内々で通報していたらしく、待合室の前で待ち構えていたオフィシャルの応援に突き出しながら九十九は「ケッ」と吐き捨てた。
待合室の前でオフィシャルと待っていたディンゴは気だるげに連行されていく老人を見送りながら口を開いた。
「捕まったのか。というか顔大丈夫か?」
「おう……いつつ、言われてみれば痛てえ」
頭に血が上っていたのは九十九の方でもあった。それを自覚したとき、鋭い痛みが頬を襲う。
明日は腫れそうだ。
「悪かったな。俺がPETをぶん殴らなかったらこんなことには……」
好戦的なディンゴらしからぬ言葉だった。
その言葉に少しおかしさを覚えながら九十九は笑顔を作る。
「まっ、気にすんな。あのままあれを野放しにして知らん誰かが殴られるよか俺が殴られて済むならそれでいい。それでいいんだ」
その為にオフィシャルになったのだ。
そうでもしなければオフィシャルになった意味がない。そして、
「それにな? 明日は我が身、だ。気づいたらなってるかもよ? あんな超絶極端なことにはならんでも、俺たちも未来の若いヤツから煙たがられるクソみたいなジジイにさ」
「い゛っ゛!? こ、こえーこと言うなよ……」
時代は巡る。
流行が一巡するように、最近の若者はと馬鹿にされた人間が最近の若者はと馬鹿にする。俺たちはお前たちと違う、その無意識下の驕りを免罪符に。
時代は巡っていく。
嫌な未来を幻視したディンゴは震え上がり、九十九は悪びれず「へっ」と笑った。
今日の教訓:人の振り見て我が振り直せ。
冷静を欠いて職員に怒鳴り散らかすモブはエグゼシリーズ初期のお約束感ありますあります。
当然オブ当然ですが、ヤのつく人々とのつながりを匂わせて脅すのは犯罪です。
脅された人にも、お巡りさんにも、モノホンの方にも迷惑をかけるから……
絶対に……やめようね!(役所で怒鳴り散らす人を見ながら)