ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA   作:ヌオー来訪者

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 お待たせしました。
 お待たせしすぎたかもしれません。


Part32 ゼロシフト

 SSロックマンをエグゼ準拠で動かすのはいくらなんでも無法だろ! なRTAはーじまーるよー! 

 

 

 

 

 

 

 アドバンストリガーイベントについては流れで進んでいくのですが、門戸くんがホモくんにひたすら絡んできます。

 ホモかな? 

 

 ハッキングパp……じゃなかった祐一朗パッパから話を聞くと、彼はどうもちょっと前に科学省に城金姉貴と同期でいたらしく諸事情で去ったとかなんとか。

 パッパ的には評価点高かったようですが、どうも科学省の上層部とウマが合わなかったのでしょうね……

 

 そんな昔話をしていると、ネオゴスペルのナビの出現の報が流れてきます。

 場所は……コトブキエリア。

 

 そう、ヘ・イ・ワ! ヘ・イ・ワ! で有名な例のエリアです。金爆か何か? (すっとぼけ)

 

 城金姉貴のPCにプラグインしてコトブキエリアまでゼロを送り込んでやりましょう。

 サブチップ商人からシノビダッシュを限界値まで購入。落ちている固定ミステリーデータからセンシャホウ2 Vを回収。

 

 ここでチップフォルダを組み直します。

 手札事故要因だったシャッガン(ショットガン)を外し、入手したストーンキューブと、バルカン2を導入。

 パネルアウト1もワイドブレードに切り替えます。

 先ほど手に入れたセンシャホウ2もソード1枚を抜いて入れます。

 

 

 

 コトブキエリアに入ると、クラフトに殺られた大量のナビの死骸が転がっていますが取り敢えず必須な会話イベント以外は無視します。

 このシナリオに至るまで何体オフィシャルナビがやられているのかあまり考えたくはありませんが、どうせバックアップで復活するのでさほどのダメージではないのでしょう。

 

 モブナビの死骸は歩行時引っ掛かったりするとロスです、気をつけましょう(69敗)

 倒れたモブの接触判定原作からして鬱陶しいんだよなぁ……エグゼ6のアンダーグラウンド1のモブの死体とかよぉ! (短気)

 

 ムカつくぜテメェら!! 俺のスリップランナーをことごとく邪魔しやがって! 

 何で俺に気持ち良くスリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【都合により、番組を変更してお送りしています】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 失礼しました。

 さて、そこにいるのはアイリス。

 現在コトブキエリアはオフィシャルの大規模なガサ入れもあり、ゴスペル関係の出入り口も潰され、ウラインターネットの接続も遮断とかなり安全なエリアとなっています。

 そこに潜伏していたところを、ネオゴスペルに襲撃されたようですね。

 

 ここで出現するナビは乱数で増えたり減ったりしますが、クラフトの出現は確定です。

 極力VAVAとかは出ないで欲しい所ですが……

 

 

 は? (ピネガキ)

 

 

 VAVAもいました。フザケンナヤメロバカ! 

 クラフトとVAVA。

 ネオゴスペルの幹部クラスが一気に現れた運びとなります。

 ここでカスな乱数を引くと、VAVAを倒してからクラフト戦に入るとかいうタイムロスが起きるのでノーサンキューだ(半ギレ)

 

 今戦いたいのはクラフトです。

 VAVAはお呼びじゃないです。

 

【お前はあのナビ(アイリス)を引き続き追え、お前ではあのゼロウイルスを止められん】

 

 あああああああもうやだああああああ!! (デスボイス)

 これでクラフトはゼロを付け狙うようになったので流れで戦えますが、この時点でVAVAを無視すればアイリスが拉致られて面倒なことになります。

 

 一番避けたいのはネオゴスペルに拉致られて、ネオゴスペル側の戦力が残っているままナイトメアカーチャンと新型ドリ淫夢ウイルスの苗どk……生贄にされて6に繋がるフラグを破壊されることです。

 それだけは防がなくてはなりません。

 

 なにぶんこのRTAのレギュレーションは終了条件:ゴスペル残党、ネビュラ、WWW壊滅時点でカーネルとアイリスの生存(主人公の生死は問わない)。なのですから。

 

 

 待ちなさーい! 

 

 こいつら、RTA再走オチにさせようとしてるわよ! 

 

 そんなの許さないわ! 

 

 

 とは言ってもクラフトが邪魔をするせいで引き続きアイリスを追うVAVAを殴ることができません。

 狂いそう……! (静かなる怒り)

 

 RTA開始からそれなりに時間が経っているのにも関わらずここで再走というのはやめてください……アイアンマン! 

 

 ん? 

 

 VAVAの進行を邪魔する誰かが居ますねえ……誰だよ(ピネガキ)。

 

 

 

 

 

 

 

【き、貴様は! カーネル!】

 

 出てきたのはカーネルです。ブルースでもよかったのですがこれは当たりです。カーネルでもVAVAに負けることはありません。

 

 見直したぞカーネル!!!!!!! 

 

 これで改めてクラフト戦となります。VAVAはカーネルに任せます。

 HPは1000。強敵なのでガバには気をつけて慌てず騒がず落ち着いて……

 

 

 

 

 

 

.WARNING

 

.WARNING

 

 

 

 

 とは言っても1戦目はイベント戦なので、クイックゲージを走らせて申し訳程度にバルカンとセイバーでちくちくしながら3ターン経過を待ちましょう。

 ここで勝ったとしてもイベントは固定です。

 

 クラフトの攻撃は一直線にバルカンを連射するレーザーバルカン。

 手榴弾を十時に爆発するものと×字に爆発するものを分けて投げつけてきます。

 近づいたら近づいたらでワイドソードの射程で振るわれるコンバットブレードで切られるのでかなり痛い。

 

 威力も70超えが基本なので、立ち回りをミスるとレーザーバルカンからコンバットブレードでHPがえらい勢いで解けます。ヒェッ……

 

 挙句、たまに『間合いが甘い!』と島田兵の如く理不尽回避してくるのでこっちの攻撃が避けられます。

 何だこのおっさん!? (驚愕)

 

 

 とは言ってもこの1戦では無理してダメージを与える必要もないです。

 3ターン経過で戦闘が強制終了。イベントが始まります。

 

 城金姉貴が完成したアドバンストリガーを投げつけてくるのでありがたくいただきましょう。

 使い方を説明してくれますが、早い話がエグゼの改造カードなので予め使うものを決めたもので、キャパシティ80mbの許す限り使って行きます。

 

 使用するカードはブルースのカード。

 効果はフミコミロック。SSロックマンのロックオンシステムに限りなく近いもので対象をロックオンさせた状態でバトルチップを使うと自動でフミコミをして攻撃をすることができます。

 ランクが低いとフミコミザンと同じ射程までしか踏み込めない形になりますが、上げれば射程距離の問題は解決します。

 門戸くんがこの技をカッコつけてゼロシフト*1とか名乗ってますが無視しましょう。

 

 

 消費キャパシティは40mb

 

 高いですがランクアップすればキャパシティ消費が落ちてかつ効果も増えるのでどんどん強化していきましょう。

 

 

 

 

 次にスウォーディン。

 こちらはバスター+1、チャージ+1 HP+50の効果。

 これでゼットセイバー3連撃威力が1発40に上がるなどの恩恵が得られます。

 こちらは16mb

 

 そして3枚目はキオルシン

 こちらはチャージ+1

 そして突進攻撃の威力の上昇。つまりブライスティンガーの威力が30から60に上がります。

 こっちは12mb

 

 

 見ての通り効果が消費容量に対して若干ショボいですが、ミッションをクリアすることで上がるラボラトリーレベルの上昇内容によって効果が増えたり必要容量が減っていくので我慢しましょう。

 

 ゼロがパワーアップした所で再バトルとなりますので今度は確実に勝ちに行きます。

 イクゾー! (デッデッデデデデ! (カーン)デデデデ! デッデッデデデデ! (カーン)デデデデ! 

 

 

 ここでクラフトと再戦です。HPは同じく1000。

 クラフトのHPは回復しているので、先程のバトルで与えたダメージは無駄となっています。

 だから無理する必要がなかったんですね。

 

 クラフトの攻撃そのものは厄介ですが、ちゃんと動きを見てやれば勝てます。

 というか一定の体力まで削り切ったら発動するギガアタックぶち込んだら終わりますのでパパパッとやって……終わりっ! 

 

 さて初手は……

 

 クイックゲージ✳︎

 ワイドブレードS

 サンダーボール1 ✳︎

 エアホッケー1 V

 エアシュート1 ✳︎

 

 

 クイックゲージでターン経過を加速させ、サンダーボールで麻痺らせてからワイドブレードで斬りつけてやりましょう。

 エアシュー……は保留。ストーンキューブ引いた時のために使いません。

 

 クラフトは短時間で派手に動き回るので

 ホーミングミサイルをぶっ放しながらレーザーバルカン撒き散らしてくる場合、回避が困難になるのでお祈りするしかありません。

 

 って言ってる側からホーミングミサイル飛ばして来ましたね。

 ゼロの位置を狙って降り注ぐミサイルなので上手く当たらないように立ち回……

 

 あっ

 

 

 痛い! 痛い! 痛い! や゛だ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! (大迫真)

 流行らせコラ! 

 HA☆NA☆SE! 

 

 

 やめろやめろやめろやめろ

 

 ホーミングミサイルで逃げ道塞いでからのレーザーバルカンはやめろ!! 

 レーザーバルカンは即刻中止せよ! 

 

 8ダメージ×16はいくらなんでもおかしいだろォン!? 

 ただのレーザーカノンよりダメージでかいってなんだよ! 

 しかも1発1発か当たれば怯み判定あるせいで16発全て撃ち切るまで身動き取れないとか拘束時間も長いしなんなんだよコイツ! 

 エグゼにおける多段ヒットはバ火力*2だって法則を敵NPCに適応させるのおかしいダルルォ!? 

 

 

 

 あったまきた……(冷静)

 

 

 サンダーボール1を吐きます。

 クラフトは移動頻度が高いので、自分から当たってくれます。そこからワイドブレードを確実にねじ込みます。

 YO!!!!! (フミコミワイドブレード斬りつけ)

 威力130の一撃をぶち込んでから、合計170ダメージです。

 

 HP830。

 

 クイゲを予め走らせておいたのでここで次のターンです。

 

 

 エアホッケー1 V

 エアシュート1 ✳︎

 エリアスチールS

 ワイドソードS

 ストーンキューブ✳︎

 

 ここで選ぶのは

 エアホッケー1→ストーンキューブ→エアシュート1

 

 

 エアホッケーとは言えど威力は50しかない上にランク1のものなので6マスしか動かないのであまり威力は期待しないようにしましょう。

 往復で最大100ダメージです。

 

 あっ……1発しか当たらなかった……

 外してんじゃねえよバーカ! (半ギレ)

 

 

 残りHP780

 微妙な所ですが、ストーンキューブを発動してエアシュートを撃ちましょう。

 狙い目はホーミングミサイルを撃つ瞬間。前方でストーンキューブを配置してからエアシュート1の押し出し効果でストーンキューブを吹き飛ばしで直 接(某社長並感)ぶち当てます。

 ヌッ! 

 

 直撃入りました。

 ストーンキューブとの接触ダメージは200。うん、美味しい! 

 HP580になったところで、チャージ技をぶつけてやります。

 

 チャージ速度も上がっているので敢えて前に出てコンバットブレード発動を誘発させます。

 そして最前列まで出てクラフトが振りかぶったところでゼットセイバー3連撃をぶち込んでやるぜぇ! 

 

 セイハットウ! してやるとHPが120削れて460。

 

 

 次のターンです。

 

 ──────────ー

 エリアスチールS

 ワイドソードS

 アタック+10 ✳︎

 ショックウェーブJ

 キングダムクラッシャーK

 ──────────ー

 

 

 配牌がきついです。いい加減ショックウェーブ抜かないとノイズですね……

 とは言ってもギガアタック入手までHPもほとんど残ってないので、ショックウェーブとアタック+10を選んで戦闘再開です。

 

 

 ヴェイ(雑に放たれるショックウェーブ)(命中して怯むクラフト)

 

 HP300まで削ると、クラフトが強制的に麻痺になりEXTRA CHIP GETと表示が出ます。

 するとゼロの頭に謎のバトルチップアイコンが出てくるのでそのまま使いましょう。

 

【ギガアタック】

 

 ここでチュートリアル画面が入りますが概要は飛ばします。

 敵が攻撃しようとしたタイミングにバトルチップで攻撃する行為であるカウンターをぶち込むと相手が麻痺し、ロックマン.EXEなら次に使うチップの威力が倍化するフルシンクロ。

 SSロックマンなら追加チップが手に入ったり必殺技が使えたりします。

 ゼロの場合これまで相手が麻痺しかしなかったですが、必殺技が使えるようになります。

 

 それがギガアタック。

 ゼロの場合、いくつかありますが初手で手に入るものは決まっています。

 

 

 今使えるのは制限時間内にコマンド入力で連撃を叩き込む、コマンドアーツとなります。

 

 

 

 

 

 READY? 

 

 

 

 GO! 

 

 

 

 

 ・フラッシュエッジ:タイプゼロ

 ↓→A

 ・センプウザン:タイプゼロ

 ↓↙︎←A

 ・ショウリュウザン:タイプゼロ

 →↓↘︎A

 ・ハドウザン:タイプゼロ

 ←↙︎↓↘︎→A

 

 

 このコマンドアーツのルールは制限時間内に成立させる技が多ければ多いほど火力が上昇しますが、同じ技を連打すると威力が落ちます。

 特定の組み合わせのコマンド技をすれば追加技が出ますがあまり効率が良くないので無視です。

 

 

 現時点での制限時間と威力の兼ね合いで最大火力は300が限界なのでこれで手打ちです。

 クラフトのHPをゼロにしてやると戦闘終了です。

 

 

 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございます! 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 レトロめいた起動音と共に、城金は無造作にスウォーディンとブルースのカードをスラッシュさせる。

 

「はいおまけ!」

 

 そしてやけくそ気味に机の上に置かれていた別のカードを読み込ませると、九十九のすぐ前まで詰め寄る。ぶん殴られそうな勢いで詰められたが故に九十九は半歩程度後ずさった。

 

「引っこ抜きなさい」

 

「何を!?」

 

 その時想像していたものは色とりどりの植物のような二足歩行生物が宇宙服を着た宇宙人に引っこ抜かれる光景だった。運んだり戦ったり増えたり食べられるアレの方である。

 そんなクソみたいなオタクの連想ゲームなど他所に城金はちょんちょん、と九十九の手元のPETを指さした。

 

「PETのグリップよ。起動にはそいつは邪魔なのよ」

 

「あはい」

 

 グリップを抜くと、入れ替わりに城金がアドバンストリガーをPETに差し込む。当然と言えば当然だが違和感の一つもなくカチリと音を立てて綺麗に差し込まれたそれに九十九は驚愕のあまり口が半開きになっていた。

 

「そして引き金を引く!」

 

 言われるがままにアドバンストリガーをグリップ代わりにしてトリガーを引く。するとPETの画面から【Card Enhanced System】と新ウインドウが現れてから、1秒も経たずインストールゲージが満タンになりクラフトの攻撃を最低限の動きで回避し続けていたゼロに変化が起きた。

 

 

『逃がさん!』

 

 クラフトのメイン兵装であるコンバインアームの左右から小型ミサイルポッドが現れ、次々と夥しい数のホーミングミサイルが飛び出す。

 一つ一つが意志を持ってゼロを跡形もなく消し飛ばそうとしているように見える殺意の塊が空中から降り注ぐ。

 

「ゼロ!」

 

 もう一度エリアスチールを装填しようと九十九が慌ててチップホルダーに手を伸ばしかけた矢先、城金が手で制した。

 

「その必要はないわ」

 

「あ!?」

 

 一体何を言っている。

 訳が分からずバトルチップを探す手が鈍ったその時だった。無情にもミサイルの雨が地上に突き刺さりスピーカーからノイズがかった爆発音が吐き出される。

 しまった、そう口走るより先に見せつけられるオペレーションミスとしか言いようがない光景に九十九は内心頭を抱えた。

 ここでゼロがやられるタマではない。それはゼロのカタログスペックが証明しているが──ふとゼロの耐久値(ヒットポイント)に視線を移すと減りもしていないどころか増えているそれが映し出されていた。

 

『消えた──だと』

 

 爆煙が晴れた先にはゼロの姿はなかった。

 まさかミサイル如きでデリートされたなんて馬鹿な話はない。それはクラフト自身も理解していた。

 プラグアウトか、いやここはプラグアウトが出来る場所は限られている。そしてここはそれが出来る場所ではない。じゃあ──インビジブルでも使ったか。

 クラフトの目は軍事用のものだ。光学迷彩如きすぐ分かる。なら──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『消えたんじゃない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()、ただそれだけだ』

 

『何ッ!』

 

 振り向きざまにコンバインアームのコンバットブレードを振るうクラフトにその背後に回っていたそれはゼットセイバーで一閃した。

 

『馬鹿……なッ』

 

 ゼットセイバーで深々と一撃を叩き込まれたクラフトは剣圧に押し流されるように吹っ飛びながらただその目を見開かせて、無機質に一撃を叩き込んだゼロを睨みつけていた。

 当然ゼロが異常なまでの機動力を見せたことはオペレーターである九十九自身が一番驚いていた。話によればゼロはウイルス時代に比べれば性能がダウングレードしてしまっているようで、九十九がオペレートしてきたものは本来の力を発揮していない状態であった。

 

 それが今、リミッターが切られた状態でクラフトを圧倒していた。

 

「ブルースのカード効果を使用した亜高速移動だ。ゼロシフト……とでも言っておこうか」

 

 滔々と門戸が解説を始める。ブルースも確かに高速移動による剣戟を得意としている。目で追う事すら困難な機動力で冷酷かつ正確無比な斬撃はネットワーク社会の犯罪者たちを戦慄、恐怖させているのは有名な話だ。

 それがゼロに備わったと考えれば恐るべき話だが問題はそこではない。

 

「ん? 今ゼロシフトって……」

 

 太陽少年ジャンゴの主要人物が使用していた技の名前だ。つまるところ、お堅い系の職についた人間が吐き出す単語ではないそれを耳にした途端九十九は目を丸くした。

 そんなことなどどこ吹く風と言わんばかりに門戸は言葉を返した。

 

「なに、ファンの一人だよ」

 

「いやこれただのフミコミ……」

 

 城金のツッコミからして門戸がふざけて付けた名前であることは明白だが。

 そんなことは九十九にとってはどうだってよかった。

 ゼロの向上した機動力にクラフトの反応は遅れていた。当然だ、ちょっと性能のいいナビがブルース並みの機動力を得たとなればそれに混乱しないはずがない。

 しかし相手はプロフェッショナル、混乱したまま終わるような相手ではなく徐々にゼロの剣戟を躱し、命中スレスレまで射撃を放ち始める。

 

 ミサイルで逃げ道を奪い、レーザーバルカンの射線上に誘導。

 そしてそのまま弾丸の嵐をゼロに叩き込む。アドバンストリガーで強化されたとはいえ非常識な強化が成されたわけではない。

 ここでゼロの性能に胡坐をかけば負けるのは明白だった。

 どんなに強いシステムでも結局は使うものの──知恵と勇気という訳だ。

 

「させるか──」

 

 レーザーバルカンを叩き込まれているゼロの正面にバトルチップ・ストーンキューブを発生させる。一発一発の威力は低いそれは当然ストーンキューブを破壊するのにはレーザーバルカンでは相応の時間が要求される。

 

『盾を作った所で!』

 

 レーザーバルカンの連射力が上がる。

 このままではキューブが穴開きチーズにされ、背後に隠れたゼロも同じ運命をたどる事になる。ゼロシフトで避けた所で移動先を読まれては意味がない。ならばやるべきことは一つ──

 

「誰が盾つった──」

 

 次に九十九が装填したチップはエアシュート。

 空気砲であるそれは、対象のウイルスやネットナビを吹き飛ばす力がある。それはキューブ系の障害物も例外なんかじゃなく──

 

「こいつも武器だッ!」

 

 エアシュートに押し出された、巨大なキューブ状の物体はレーザーバルカンを浴びながらクラフトに突っ込んでくる。ネットナビの身長程度の大きさのそれが地面を滑って飛来するという恐怖としか言いようがないそれを、クラフトはコンバットブレードで両断。

 縦に分かたれたそれは左右に滑り、壁にぶつかって砕け散る。

 時を同じくしてストーンキューブの真後ろに隠れていたゼロがワイドブレードとゼットセイバーの二刀流で斬りかかり、コンバインアームを盾にしてそれを防いでみせた。

 

『かつて社会を混乱させた最悪のウイルス──なるほど……強い!』

 

『元が付くがな』

 

『ウイルスがネットナビになったつもりか……! 確かに貴様の形式上はネットナビだ。だが世界がそれを許すかな……お前の生存を許したのは一部の人間だ……世界の意識が変わったなんてことはあり得はしない!』

 

『何……!』

 

 揺さぶりでもかけるつもりか。事実ゼロの剣先がややブレ始めたので確かに効果はあるのだろう。ゼロも望んでウイルスとして生まれたわけではないのだから。

 バレルの戦友のネットナビでも随分と姑息な真似をするものだと九十九は鼻で笑う。

 そうだ、ゼロが元ウイルスだろうが知ったことではない。その意志が現実世界より言葉を挟む。

 

「で──俺と一緒に世直しでもしましょうってか。寝言は寝て言えよコラ。……ゼロ、お前がどういう存在かどうかには正直興味もなければ俺に寄越した裏の思惑などもどうでもいい。あぁ、心底どうでもいい」

 

 何か敬遠するような事でもあればゼロの受領なぞ拒否している。

 何分いわくつきのネットナビだ。特に世間のネットナビに適応できたはずのスタイルチェンジやナビカスタマイザーも使えないハンデ付きだ。恐らくノーマルナビをあれこれ改造した方が九十九の好みに仕上がるのでそちらの方が相性がいいのは確かだ。

 

 それに人のことをどうこう言えたタチじゃない。

 あの事件──数年前のバス失踪事件の記憶がすっからかんだ。同じ被害者の家族には()()()()()()()()()()()()()()()。そんな事故物件を押し付けられた今の両親を思えばまだ何でもない。

 今のゼロは自分がどうあろうとしているのか軸が出来上がっているのだから。負い目からオフィシャルになることを選んだ九十九に対してゼロは、過去はどうあれ前向きに未来を見ていた。そんな彼だからこそ引き受けることを選んだ。

 

「興味があるのはお前のこれからだ。それにな、管理官の受け売りだけどネットナビとオペレーターは一心同体。つまり俺にはお前を預かった責任がある。預かったからには信じるってオペレーターとしての責任があるんだ」

 

 それが信条。

 管理官の受け売りだが。思えば管理官にオフィシャルとして、ネットバトラーとしての心得を叩き込まれたようなものだ。

 

「つーかマリンハーバーを混乱させ寄生型のウイルスばら撒くわ銃火器ぶん回して女の子(アイリス)追いかけ回すような連中が何を世間サマの総意ぶってんだコラ。それが仮に事実だろうがなんだろうが──テメェらだけには絶対に言われたくねえ」

 

『星方九十九……それをお前が言うとはな』

 

「あ?」

 

 クラフトがふと液晶越しに現実世界から見下ろす九十九を見上げる。

 それに輩モードでガンを飛ばすと、クラフトが鼻で笑う。

 己を小馬鹿にされて面白いと思う人間などいる訳もない。それを理解した上で九十九が気炎を上げらより先にクラフトは言葉を続けた。

 

『あの事件で他人を見捨てて逃げた男が何を言う』

 

 

 

 

 

 

「見捨てて……逃げた?」

 

 そのクラフトの吐き捨てるような返しは城金、祐一朗、門戸の耳にも確かに入った。

 要領を得ない城金の声を横目に、九十九の表情は深く皺が寄る。

 九十九にとってはあまり触れられたくも、聴かれたくもないはない話でもあった。同時に思い出したくはないあの声が九十九の脳裏を殴りつけるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【なんでうちの子供があんな風にされてあんたは無事なのよ! あんたなんて……あんたなんて人殺しよ……この、人殺しが! ◼️◼️を……私の◼️◼️を返せ! 返しなさいよ!】

 

 あの事件から生きて帰ることができたあの日、薬品の香りがするその白い床と壁、天井はよくそのヒステリックが声が反響していた。

 平手打ちなんかじゃなかった。力いっぱいに振りかざされた拳は幼い九十九の顔にめり込む勢いで叩き込まれ床に倒れ込む。そのままマウントを取ろうとする、誰かの母親とその暴挙を羽交い締めにして止めようとするその父親。

 

 あの事件で起きたことは覚えてはいない。バスに乗っていたら次に気が付いた時には病院のベッドの上だったというだけのこと。

 けれども事実なのは、1人で抜け出して逃げた()()()と言うことだけ。故に九十九には彼女を咎める口など持ち合わせてはいない。

 独り逃げ出す形で記憶が消し飛ぶ程度で済んだ九十九が軽傷で済んだということだけだ。

 

 

 

 

 

「さーて、大詰めだ。ここで決着を付けようか。アドバンストリガーの引き金を2回連続で引くんだ」

 

 遮るように、塗りつぶすように。過去の幻影に足を引きずり込まれかけた九十九を現実に引き戻したのは門戸だった。

 空気のくの字も読まない門戸の物言いが今の九十九にはありがたかった。言われるがままにトリガーを二度押しすると、PETの画面端に新たなコマンド用のUIが出力される。

 

『ゼロには専用の攻撃プログラムを組み込ませてもらった。コマンドアーツ──いわゆる必殺技だ。リアルタイムで攻撃モーションを発動させるコマンドを一定時間内に入力、それを一気に攻撃として開放させる。上手く行けばみじん切り、下手をすればショットガンにも劣るクソのような技だ。つまり──君が愛用しているバリアブルソードのは・っ・て・ん・け・い。という奴だ』

 

 表示されたUIには複数のゼロが発動できる技の名前とコマンド表が現れる。

 コマンド入力なら門戸の言う通りバリアブルソードの感覚を連発すればいいだけのことだ。

 

『ツクモ、大丈夫なのか』

 

 一度クラフトから距離を取ったゼロが九十九に問いかける。

 ゼロには九十九が多少動揺していたことが分かっていたようだった。その察しの良さは今の九十九にとってはオペレーターとしては嬉しくも、同時に少し煩わしくも思える。

 

 

 

 

 

「ヤツが何故俺のことを知っているのかは分からんが……まぁなんとかする」

 

 あの事件に何かしらの関わりがあるにしてもないにしても尚更彼を捕縛する必要性が出てきたのは確かだ。

 それに逃げても邪魔をされてもあの事件がついて回ると言うのならばもうこちらから首を突っ込むしかない。

 

「スタンバれ、ゼロ!」

 

『む……っ!』

 

 九十九の指示通り、ゼロが構えをとる。

 それを逃さずクラフトが得物の照準を動きを止めたゼロに合わせてミサイルとレーザーバルカンを撒き散らす。その刹那、九十九の手が閃く。

 コマンドアーツ。それはバリアブルソード並びにガッツストレートを多用する九十九にはあまりにも造作もないものだった。最後の入力を終えた瞬間、爆発炎上、そして眩い光の雨が爆煙に覆われた世界を引き裂く。

 引き裂かれた先には既にゼロの姿はなく避けられたと悟ったクラフトが足を動かそうとした、その時だった。

 

「俺の──ッ、いや」

 

「『俺たちの、勝ちだ!』」

 

 クラフトの目と鼻の先。

 中割りが欠如したアニメーションの如くその姿を表し、ゼットセイバーの光る切っ先が10方向から軌跡(アーク)を描く。

 10連撃。再び消え背後で得物を振り終えたゼロの姿を振り返りながらクラフトが吐血する代わりにデータ片を吐き出した。

 

『チィッ! Dr.ワイリーめ、面倒な遺産をっ!』

 

 毒づくクラフトに追い討ちを掛けんとばかりにゼットセイバーを振り向きざまに放つ。

 このまま当たればダウンだ。──そうは問屋が卸さずクラフトがレフトアームを短いソードに変えてその一撃を寸前で防いでみせた。

 

『……まだ動けるのか』

 

『テロリストのウイルス如きに負けるわけにはいかんのだッ!』

 

 クラフトにはクラフトなりの矜持がある。

 それは軍用として、戦う存在として生まれた存在であるという事実。それに誇りを持ち、ウイルスの存在を許しはしないのだ、と。

 ゼロにも当然ゼロの矜持がある。

 今この手にあるものはただ、破壊するためだけのものじゃない。

 

 ゼットセイバーとナイフが押し合い、擦れ合い金属特有の短い金切り声と共に火花を散らす。

 ダメ押しだ、と九十九がバトルチップを引き抜きPETに差し込もうとしたその時だった。

 

『がぁぁぁああぁあああああああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!』

 

 それは、電脳世界に似つかわしくない音、否悲鳴だった。

 人が発するいかなるそれにも似ず、それでいてネットナビやプログラムがおおよそ出せるものではない生々しい『痛み』だ。

 PETのカメラの向きを鍔迫り合いをしているゼロとクラフトからカーネルとVAVAの方へと移す。そこには得物を振った後のカーネルと、二の腕から先を失い慟哭する存在のそばにはゴトリと音を立てて紫色の無機質な腕が転がっていた。

 

『い、いたぃ……イだい……いタィっ!』

 

 体の一部の欠損。

 人間からすれば致命的なダメージは、ネットナビからすればデータさえ維持出来ればさしたる問題ではない。

 腕ひとつ落ちた所で時間さえかければ修復されるのだから。──故にネットナビには必要最低限の痛みしかない。痛みがあるのは当然、知らないうちにデリートまで追い込まれるのを防ぐためだ。

 とにかくVAVAのそれは明らかに常軌を逸していた。

 

 カーネルの動きが止まり、どこかでオペレートしているバレルも心なしか動揺しているように見える。

 当然九十九すらも、だ。

 そんな隙を逃さずここぞとばかりにVAVAは這うようにカーネルから背を向けて走り出す。その足取りはおぼつかず、まるで肉食動物に追い回される草食動物のそれだった。死にたくない、悲鳴をあげる背中はそう雄弁に語るのだ。

 

 彼の走る先には蒼いネットナビがいた。

 民間のナビか、と九十九が警告するよりも先にその姿に言葉を失った。

 何故ならば──

 

『少女型ナビすらも取り逃がしカーネルに叩き切られて無様に泣き喚く。……みっともないなぁ。所詮は()()()()()()だね』

 

『お、お前……イ……ぎゅぶっ』

 

 その蒼いナビはまるでゴミを拾うようにVAVAの首を掴み上げ、片手だけの彼は必死にもがく。

 本来ならばこの行為をするにあたって自分のやる事に恐怖するか酔いしれるかのどちらかのはずだ。しかし蒼いナビはなんの感慨もなく地面に投げ捨てた。

 九十九の知る『彼』ならばこんなことはしないだろう。けれども『彼』に酷似した蒼いナビは現実そうしている。

 故に言葉を失うのだ。

 

 

 

 

 

「どうして……何故、アレがこんな所に!?」

 

 

 一連のやり取りを見ていた光祐一朗がまるで押しのけるように九十九のPETの画面を覗き込む。

 九十九は自身の目がおかしくないことを再確認してから九十九と何かを知っているような祐一朗は各々口を開いた。

 

 

 

 

 

「ロックマン……」   「エックス……」

*1
早い話がものすごい高速移動。CAPCOMネタではなくエグゼ4〜6のコラボ先だったボクらの太陽の主人公ジャンゴ、その兄サバタの持ち技である。もっと言うとさらに元ネタや他に使い手が存在するがキリがないし無関係なので割愛する。

*2
エアホッケーは言わずもがな、カーネルフォースも良い例ではある




 光と闇の遺産。その邂逅。


 クラフトの例の発言、テロリストが元テロリストをテロリストだと蔑視しているブーメランになっているのはどうか密に、密に
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