ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA 作:ヌオー来訪者
あーもう滅茶苦茶だよ。
今回はレ淫棒同盟回
なので初投稿です。
脳細胞がトップギアなRTAはーじまーるよー!
さて、電脳レ○プ! 暴走ナビと化したノーマルナビ! を撃破した後はもう用がないのでプラグアウト。
ホモくんがあの少年が中央公園の人間なことに気付きます。ここであの格安チップを疑うか疑わないかで分岐が発生しますが、ここは疑ってかかりましょう。
【ちょっと、お話聞かせて貰ってもいいかな?】
ホモくんと日暮、少年をジョーモン電気裏の応接室まで連れて行きます。これは事案ですね……たまげたなぁ……
さてここで少年を部屋に閉じ込めていきます。おじさんやみちくり~(挑発)。
冗談はさておいて、今に至るまでの流れを聴取していきます。
どうやらこうしたナビの暴走はこれが初めて。少し前に例のポイズンアヌビスをゲットして使ったようですね……入手経路は掲示板に書いている内容に近い。
何度か発動した形跡もある……と。
もちろん鑑定マッスィーンの結果は無視できません。
うーん、この。
ここから選択肢はいくつかあります。
オフィシャル権限で、例の商人と直接売買のタイミングで任意同行して貰う選択肢。これはかなりの運ゲーになるのがやや難点ですがこれが一番早いと思います(なおガバ率)。
もしくはもうちょっと時間をかけて捜査をすること。こちらは確実性としては上なのですが、やってる間に犠牲者が増えることと予約できる所の場所探しがやたら面倒になるであろうことを考えると……両方の美味しい所を摘まんで、一つのスケジュールを作ってやる必要が出てきます。
あー、めんどくせマジで(走者の屑)。
やめたくなりますよ~オフィシャル。
今日のチップ購入については予約だけで済ませて、日程調整を頼むこと。
間隔が離れすぎても駄目ですし、近すぎても解析が間に合わず強行ルートになってしまいます。
そしてその間に少年の暴走ナビの入ったPETとチップを共々科学省に提出しましょう。あのファイターソードだけなら無駄足になったり後回しにされる可能性もありますが、先に暴走したという騒ぎがある以上科学省も放ってはおけません。
まず先に日暮と少年には科学省に行って貰うようにお願いしておきましょう。
それが終わったら予約に行きましょう。
但し、変に目立つのはまずいのでバレたらジョーモン電気で電脳変装グッズを買って、どうぞ。
最近の家電量販店ってなんでもあるんすねぇ……(今なんでもって)
【九十九はパーティーグッズをゲットした!】
にしたってアフロにする必要はあったんですかねぇ……?
電脳大声大会に出るわけでもないのに逆に目立つのでは……(困惑)
まま、えぇわ(妥協)。
用意を済ませたら後は、例の場所を探しましょう。
【キカイの街、音響かせるモノで待つ】
正解は電波塔の電脳です。
電気街の広場にありますがそこからではプラグインできません。当たり前だよなぁ?
なので裏から入って行きましょう。ルートは1丁目の牛丼屋前の金網で塞がれている所から入ります。
本来は工事関係者しか入れないのですが扉を調べると……
【工事関係者が金網の中に入る為の扉だ……よく見ると扉の鍵がかかっていない……軽く押すと扉が開いた!】
おっ、開いてんじゃーん(震え声)。
どうしてこんなガバセキュリティなんですかね……後々エグゼ4でも熱斗くんにそのガバ扉で侵入されたり、デンサントーナメントの予選にも通り道に利用されたりして、(セキュリティーが)あーもう滅茶苦茶だよ。
一応目立たないようにあとで鍵を開けたまま扉は閉めておきましょう。ここで工事関係者にバレて施錠+とづまりされたら、エグゼ4シナリオでここにさらわれたロールがシェードマンに美味しくいただかれた挙句気に入られてダークロイドとして出て来るのでロスです。
シェードマンにダークチップ♂打ち込まれて快楽墜ちする姿も正直見てみたいですが今回のRTAではやりません。
アニメ無印のスーパー・グレート・ホワイト・エンジェルチップをキメた女王様ロールで我慢して、どうぞ。
やりません(鋼の意志)
いやだからやりませんって(念押し)
でんぱとうの電脳、エグゼ4をやっていた兄貴たちはもうご存知かもしれませんが、進むためにはエリア内を飛び回る電脳バットを捕獲しなければなりません。そうしないと次のエリアまで行くためのゲートが開かない仕組みになっています。
しかも何度もトライできるとはいえ、10秒間機能するソナーが動いている間じゃないと電脳バット*1 を見つけることも捕獲することも出来ないという、結構厄介な仕様でしたが。
今 回 も そ の 仕 様 は 健 在 で す 。
なんかしょっちゅう壊れるたびに電脳バットが湧いて悪さをするみたいですね。
乱数で近くに来るパターンを引ければ簡単に捕獲できるのですが……
駄目みたいですね(絶望)。
仕方がないので、全力疾走で電脳バットを捕まえます。これしか道はない!(みそカネ)
ソナーを起動してもエンカウント喰らうので気を付けて進みましょう。
エンカウントはハンディース、メットールEX、ビリー、キャノーダム、プルメロと簡素なものになっています。ハンディースは前パネルで時限爆弾を置いてきますが、ゼットセイバー1発で壊れるので簡単に切り刻めます。
止まるんじゃない! 犬のように駆け巡るんだ!!
じゃ、倍速行きますよ^~行く行く。
ヌッ!(ギミッククリア)
エリア2分やらなくちゃいけませんが、取り敢えず見所さんがなかったので倍速で済ませました。やっと電脳バット捕まえておしまいですが、なんでそんな面倒な奥地で待っているんですかねぇ……?
後は話しかけて予約権を取りましょう。ここでメールアドレスを教える形になりますが、メインのアドレスは教えずにサブ用のアドレスにしておきます。このアドレスは他オフィシャルの人間でも見られるタイプのものです。
取り敢えず日程調整して貰って、一旦この予約を取るタスクはなんとか……
工事完了です……(満身創痍)。
まだ日が暮れないうちに少年と日暮を追って新・科学省にイクゾー!(カーン
間違えて官庁街の科学省に行ってもイベントが発生しませんのでキヲツケロォ(越前)
新・科学省の受付に行くと要件を伝えると、指定した部屋まで行くように促されます。
すると待っているのが日暮さんと少年。そして金髪ドリル(?)な研究者こと城金アリアです。金髪ドリル気味の研究者というのも中々変な感じですが、一応アメロッパ人とニホン人のハーフなので仕方ないね(レ)
一応この人がアタリの研究者です。なぜ女なんだ……(ホモの鑑)
今日を逃すとこの人以外の研究者が出てくるのですが、(モブなのと良い事はぶっちゃけ何も)ないです。
この人に依頼すると好感度が上がる利点と今後世話になるので顔を合わせて置いて損はないでしょう。
で、ここからクソ長説明パートに入るのですが端的に言うと
あのノーマルナビはもう助からないゾ♡ 33-4
だからデリートした方がいいゾ♡ 66-8
しかもあのドッペルゲンガーはナイトメアウイルスと呼ぶゾ♡ 99-12
救いはないね。救いはないんですか!?(レ)
ナイトメアウィルスとか、X6でレスキューの邪魔しまくるトラウマが蘇るからやめてくれよ……(絶望)
流石に自分のデリートに納得がいかないのか少年がPETを持って逃亡しました。やっぱりな♂
おっ、おい待てい(江戸っ子)
待てコラァ!(迫真)
捕まえましょう。捕まえなければロスです。
Bボタンを押してダッシュ。地味にあのクソガキさんの足が速い上に最短距離で走るので頑張りましょう。取り敢えず倍速しとくか……(雑)
頑張れ頑張れできるできる絶対できる頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張る北京だって頑張ってるんだから!
ん?
ど う し て 等 速 に す る 必 要 が あ る ん で す か ?
【廊下で……走らないでください!】
一般通過研究員に邪魔されました。見事に引っかかって進めません。ここでボタン連打すれば振り切れますが、余計な邪魔ですねクォレハ……
ふざけんなよアントニォ!?
一応振り切れましたけど、これは追いつけるんですかねぇ……
デデドン!(絶望)
間に合ってないじゃないか……
少年、エレベーターに乗って逃走しました。他のエレベーターに乗ろうにもどこも全く違う階で動いてます。
階段も災害用ですし……駄目みたいですね(絶望)。
逃 げ ら れ ま し た 。
今回はここまで。ご視聴、ありがとうございました!。
Z
落ち着いたとはいえ、このシミュレーターはもう使い物にならないだろう。
と、ボロボロのシミュレーターマシンを九十九は見下ろしながらぼやいた。隙間からはプスプスと煙が出ており、電脳世界にプラグインはできても、もう本来の役割を持って動くような気もしなかった。
倒したナビのオペレーターは中央公園で見たあの少年だ。
世の中狭いものである。もう二度と会うことはないであろうヤツともこんな風に再会してしまうのだから。
九十九はもう一度、茫然と立ち尽くしている少年の前で腰を落として視線を合わせる。涙ぐんだ顔を背け隠そうとする姿に文句なんて言えやしなかった。
見た感じまだ伊集院炎山より年下のように見える。
まさか自分のナビがあんな風になってしまうなんて。あんな醜悪な姿を見せて無差別に暴れまわるなんて思いもすまい。
もし自分があんな立場に置かれてしまったら、きっとどうすれば良いのか分からず同じように茫然としていただろう。だからこそ……下手に励ますことなんてできやしなかった。
九十九は一旦立ち上がって近くであたふたしているジョーモン電気店員に声を掛けた。
「……あの、すんません。自分こういう者なんですけど。何でも良いので空き部屋、借りれませんか?」
対応は早かった。一目散に店長のもとへと行くや否や、店長がペコペコ頭を下げてからジョーモン電気のバックヤードに向かって歩きはじめる。
店長の後を九十九と日暮、少年は歩く。そんな中で少年はひどく落ち着かない顔をしていた。きっと自分が逮捕されるに違いない――そんな顔だ。
「大丈夫だ。大丈夫」
ただ、今はそうしか言えなかった。
突き当りのコーナーまで行くと関係者以外立ち入り禁止の扉が待っていた。そこを開き、道なりに従業員通路を歩くと【応接室】と書かれた部屋の前まで行き着いた。
「どうぞこちらへ」
ソファと机、薄型テレビの置かれた棚……よくある絵にかいたような応接室だった。ジョーモン電気特有の騒がしさから離された静かな空間が逆に落ち着かないのか、少年はキョロキョロしている。
万引き犯の事情聴取じみたシチュエーションだな、と九十九は苦笑いしながら少年をソファに座らせた。
で、所在なく部屋の中をぐるぐるしている日暮を置いておいて九十九はその向かいの席に腰掛けると、口を開いた。
「結構爆発あったけど……平気だった?」
「…………大丈夫です」
その語調は硬かった。当然と言えば当然だ。尋問じみているのはどう考えても否定しようがないのだ。
「あー……大丈夫。君がわざとやったわけじゃないのは……分かってるんだ。自分のナビを好きで暴走させてそんな顔をするヤツは見たことないから」
「……本当に?」
もしかしたらごくまれにいるかも知れないがそんなものは例外中の例外だ。
顔を上げる少年に九十九は首を縦に振った。
「うん、ほんと。だから……疑ってるわけじゃない、逆に君が悪くないことを証明してみたいんだけど……駄目か?」
「…………うん。駄目じゃない」
頷いてから少年はぽつりと語り始めた。少しまとまりのない喋りだったが、それを九十九が脳内で整理しながら耳を傾ける。
ポイズンアヌビスの入手経路はあの中央公園で言っていた内容と例の掲示板とでほぼ相違はなかった。
ウイルスバスティングの授業。
それは、少年にとって苦手な分野だった。メットール一体倒すことだって一苦労で、それが複数体現れようなら退却せざるを得ないくらいには。
その度に少年は笑われる。お前のナビは外見だけかよ、と。
少年だって努力くらいはしている。毎月貰えるなけなしの小遣いを使って簡単な強化パーツを導入したりもした。けれども上手くはいかなかった。
特殊な許可がない限り禁止されているネットバトルもやったけれども、勝てなかった。
どいつもこいつも強くて、偶然チップトレーダーで引き当てたハイキャノンでさえ理不尽なアンティルールを持ちかけられて巻き上げられた。
こんな自分に何ができるのか。
嘲笑の中で少年は必死に模索しながらジョーモン電気をふらつく。そんな中で耳にしてしまったのだ。
そう――レアチップが格安で手に入るという噂を。
予約してから現実世界で購入するという面倒な手順ながらも、一人で散歩することが多い少年にとってこのデンサンタウンは庭のようなもの。謎はすぐに解けた。
やや人相の悪い男から予約を取り、デンサンタウンの裏通りで取引をした。
たった500ゼニーを払って、ポイズンアヌビスを――
ポイズンアヌビス。名前は有名でも、簡単に手に入るようなシロモノでは無かった。
自分の周囲の大人や先生だって持っちゃいない。そんな夢のようなチップが今この瞬間手元に納まったことへの歓喜は筆舌にも屈し難いものだった。
生まれて初めて……というと少し大げさだが、誰かの上に立つことができた。
ネットバトルで物陰にポイズンアヌビスを置いて、あとは逃げ回りながら攻撃するだけ。何時の間にか倒れていく対戦相手からの賞賛の呪詛を聞くのはひどく――心地よかった。
自分はもっと強くなれる。
もっと練習してこのチップを上手く使いたい。ただその思いと共にいつもいく電気街に足を運び、シミュレーターでウイルス相手に大立ち回りを演じる。そして――
「突如ナビが機能を停止、ドッペルゲンガー紛いのものが現れて無差別破壊をしでかした……か」
九十九が付け加えると、少年が肯定した。
これまでそのような暴走現象が起こらなかったあたり、原因はやっぱりそのチップか。
だが即発動しなかったのはどういうことだろうか?
――考え得るのは……遅行性の毒?
思考する九十九を他所に日暮が口を挟む。
「本来ポイズンアヌビスは、アッシのお店でも仕入れることが困難なモノでマス。万が一取引できたとしても万単位のお金が動くようなそんなシロモノ……500ゼニーで手に入るなんてまずありえないでマス」
少年もある程度原因は察していたのか、瞳が揺らぐ。騙されたという実感が実体を伴って来たからだろうか。
PETの中のナビは依然として眠ったまま。オフィシャルの人間とチップに詳しい大人が双方がとも原因について考え込むという現実は、少年にとってもきっと重すぎるものだ。
これ以上無駄に時間をかけて負担をかけさせるわけにはいかない。九十九はソファから腰を持ち上げた。
「何となく推測は立てられた。繋がったらあとはトップギアでやるだけだ……!」
「……?」
きょとんとする日暮に九十九は自分のPETの操作を始め電話アプリを起動させる。
連絡先は――新設された科学省だ。
材料はあらかた揃った。これで科学省も優先順位を変えて動いてくれるはずだ。
科学省職員とて暇ではない。あのファイターソードだけでは対応してくれるのに時間がかかる。ただでさえ、官庁街にある旧科学省からの職場移動やらでバタついている現状猶更だ。
思い立ったが吉日とも言う。それに……
「もしもし、すみませんお疲れ様ですオフィシャルの星方九十九です。えぇちょっと調査……といいますかね。ん? オレの職員番号ですか? えっと…………です。そうです。はい、担当者……開いてますかねちょっと急を要する案件でして……はい、お願いします」
担当者はギリギリ開いていたらしい。とはいえ、残された時間はあまりない。その現状が九十九を焦らせる。可及的速やかに売人の逮捕とその証拠集め。そこに至るまでの作業を効率よく行うためにはどうすれば良いのか。必死に頭の中で思考する。一人でやれることには限りがある。
……ふと日暮の方をみる。仕方ない、お願いするか。
九十九は電話を切った所で日暮に向き直り口を開いた。
「日暮さん、お願いがあるんですけど……今日、丸々開いてます?」
「大丈夫でマスが……」
「先にこの子と一緒に新しい科学省行ってくれませんか? 星方九十九に言われてって言ってくれれば分かってくれるはずなので……俺ちょっとこの街でやることがあって……」
「……やること?」
要領を得ず聞き返す日暮に九十九は少し悪い顔をした。
「犯人逮捕の下準備ってヤツです」
◆◆◆◆◆◆
「案外簡単に出来たな」
九十九はPET片手に、電車から降りながら肩をすくめながら呟く。
PETの画面には予約票と書かれたデータが表示されていた。
あのなぞかけの正解は、電波塔のスピーカーの制御システム前だった。どうも作られたのが大分昔の電脳であることもあって、しょっちゅう壊れているらしい、そのリペアもしつつ難なく奥地まで辿り着くとそこにはガラの悪いネットナビが待ち構えていた。
とはいえど、ガラが悪いのがガワだけで物言いはとても丸く、良くも悪くも営業マンめいたものを感じる喋りだった。
「とはいえ、予約するのにオレがこのような恰好をする必要があったか」
予約票データを押しのけながらゼロはどこか不満気だった。
今のゼロの恰好はアフロとミラーボールの下で踊ってそうな服を着ている。あの寡黙で少し威圧感すら感じるようなナビが着るとそれはもう酷くシュールだ。
「……我慢しろ。こういう時警戒されないようにする必要があったのだ」
『……逆に警戒されないか』
「……問題ない。素の状態で潜入するよりはマシだ。多分、おそらく、きっと」
どうであれ予約と日程調整は出来た。3日後だ。
3日後までに解析が終わってクロだという証明ができればこちらの勝ちだ。九十九は早足で科学省駅の改札を通り抜ける。
新設された科学省の構造は特殊だ。非常口並びに職員以外の出入口が地下鉄から入る形となる。駅内を暫く歩くと階段があるためそこを登って行くと受付口まで辿り着く。
こうしてここに訪れるのはこれが初めてではないが、中々綺麗だ。旧科学省が長らく使われていたこともあって少しばかり古臭さめいたものがあったが今回の科学省は汚れのない壁や電灯を白く反射する床がそれを一切感じさせない。
「あのすんません、こう言う者なんですが」
受付にPETのオフィシャルライセンスを見せると「星方さんですね」と手慣れた動きでパソコンを叩く。10秒も待たないうちに受付が言葉を続けた。
「確認できました。お連れの方は8階のA-5号室にいらっしゃいますのでどうぞ」
後は広場の奥まで進んでエレベーターに乗れば8階まで辿り着くというわけだ。
忙しなく行きかう職員と擦れ違いながらエレベーターに乗ると、間もなくして8階まで辿り着く。間違えないように「A-5、A-5、A5和牛……」と謎の唱え方をしながらその部屋のドアにノックした。
「どうぞー」
飛んできた女性職員の了承の声を貰いドアを恐る恐る開けると、日暮とあの少年の姿があった。そしてもう一人――白衣を着た金髪の女科学者が待っていた。
光を吸い込んだまま反射しない金色の、先端がドリルのように渦巻いた髪質と、まるで日の下に立ったことのないような白い肌はニホンの科学省らしからぬその出で立ちは何となくこの国の人間ではないように感じられる。ややつり上がった目が九十九を捉えると、大きく溜息を吐いた。
「なに出入口で突っ立てるの、ほら、早く入りなさい」
「あぁ、すみません。失礼します」
促されるがままに空いた席に腰掛けると、女性科学者は口を開いた。
「アナタが例のゼロを請け負ったオフィシャルネットバトラーね。噂は聞いているわ……第三ウイルス研究室室長――城金アリアよ」
「どうも、星方九十九です」
「知ってるわ」
「……はい」
――なんか性格キツいなぁ……
その吊り目で鋭くなった視線は九十九の心を突き刺すようだった。
発せられる雰囲気がみゆきとは真反対だ。……まぁ、彼女も人に向かって「あなたは抜け殻?」とか言ったりして大概言動が辛辣だが。
けれども今はどうでもいいことだ。気にするべきは例のチップについてだ。
「確認してみた所、特にチップそのものには異常はなかったわ。とは言っても……その辺はアナタたちも確認しているでしょうけど。今この瞬間問題になっているのはこの子のネットナビの状態よ」
「ネットナビ?」
城金は部屋の奥に置かれたモニターを、コンソールを叩いて操作する。
そのコンソールには少年のPETが繋げられていた。
モニターが切り替わると、ノーマルナビが床に仰向けに倒れたままピクリとも動かない映像が現れた。周囲のプログラムくんが色々刺激を与えているようだがまるで反応はない。
再び、城金が操作するとその映像の上からグラフめいたものが出て来た。
左から見ると最初は微弱な動きしか見られなかったのが徐々に、上方向に上がって行っているのが見て取れる。
「……数値が上がり続けている、これ……なんすか」
「このナビの内部データよ。擬似人格プログラムが怒ったり悲しんだり笑ったりすると、少し揺らいだりする。それはネットナビによって数値の基準が違う。熱血だったりクールだったり与えられた人格によって安定値が違う。でも普通の感情の動き程度なら基準値からの変動は微弱――なのだけど」
城金が一呼吸置く。プログラミングについて明るい訳ではない九十九も何となくこれがおかしいと察せられた。
「不自然な書き換わり方をしているの。……その子の言う問題のチップを買ったあたりのタイミングで」
「……やっぱり。遅行性の毒って感じか」
「言い得て妙ね。チップに異常が感じられないのはおそらく内部に何か細工をしていると見た方がいいわ」
城金の手の中にはファイターソードとポイズンアヌビスが握られている。このチップ一つでナビを知らず知らずのうちに狂わせていくのか。
その得体の知れない恐怖感が九十九の背筋を苛む。
一見まともに見えるチップがもし――もしもゼロを狂わせるものだとしたら?
もし誰かを傷付けるものになるのだとしたら?
オレ自身のチップは――信じられるのか?
そんな九十九の心境をお構いなしに城金は続ける。
「それと最後に。……もうこのナビは諦めた方がいいわ」
「……ッ!」
淡々と語る城金の口調は冷酷にも見えた。
けれども、同時に嘘偽りのない現実のようにも、九十九には聴こえた。
「かなり深刻な所まで侵食が進んでいる。ログを見たけれどあのドッペルゲンガーは寄生虫と大差ないわ……宿主のエネルギーやデータを喰らい全く同じかそれ以上の姿と力を得て分身体として誰かを傷付ける
城金の投げかけた言葉に、少年は言葉に詰まる。その様子だとどうも心当たりがあるようだった。九十九の食いしばる歯に力がこもる。
徐々に書き換わるナビの人格、その果ての暴走――もし仕組んだヤツがいるのだとしたらソイツはきっと性格が激烈に悪いに違いない。
「仮に目を覚ましたとしてあなたの知るナビではないわ。そして一定時間が経てばナビの擬似人格プログラムは別のモノ――ウイルスとして完全に書き換わり再び宿主から抜け出して再び暴れはじめるわよ。先に飛び出てゼロを襲ったのは汚染された擬似人格プログラムそのものでもあるの。倒せば確かに宿主は残るけれどもナビにおける魂がなくなったに等しいから……抜け殻だけが残る。それはもうデリートされたのと一緒よ。……特効薬は現状ないに等しいわね」
そんなことをこの少年が納得すると思うのか。そんな疑問に対しての答えは――間もなくして出た。
少年が突如立ち上がり、ひったくるように机に置かれた自分のPETを手に取り繋がれたコードを引きちぎる。するとモニターに映っていたナビはプラグアウトされ瞬時にPETに戻って行く。
ナビがPETに戻ると脱兎のように部屋のドアを蹴り開けて、エレベーターに向かって走り出した。
――ほら言わんこっちゃない!!!
「待て!!」
逃げ出す少年を追って九十九は走る。するとすれ違う研究員に取り押さえられた。……九十九の方が。
「廊下で……走らないでください!」
「非常事態なんです! ……どいてくだ……さいっ!」
もみ合いをしている内に少年の姿が遠のいていく。邪魔をする研究員を押しのけ再びエレベーターに向かって九十九は走り出す。既に少年の姿は見えない。このまま真っ直ぐ進んで手前の曲がり角を曲がってすぐエレベーターがあるのだ。既に少年は曲がってしまっている。とはいっても――
流石にエレベーター前で止まるだろう――そう思っていた時期が九十九にもあった。
エレベーター前まで来た時には既に閉じる寸前で覗かせる少年の姿しか見えなかった。
ボタンを連打して開けようとするものの、もう遅い。
降りていくエレベーターの階層を示すランプが無情にも下に向かって点灯しているのを、歯噛みして観ていることしかできなかった。他のエレベーターもこの階に来る兆しはまるでない。
なにせここの階段は火災など災害発生時にしか利用不可となっている。
最早手詰まりだった。
「くそっ……!」
悪態をついても戻るものはない。少年はあのままメトロに乗って逃げるつもりか。住所や電話番号やらはこんなこともあろうかと控えたが……どうしたものか。
ただただエレベーターのランプが8階まで戻って来るのを九十九は呆然と見上げていた。
誰もが、メットールを倒せる訳ではない。
熱斗の周囲がスゴいだけなのだ。……多分。世の中には授業以外でバスティングしていない人もいれば、最大火力がハイキャノンの奴もいるし
・城金アリア
出典:白金ルナ(SS)+エイリア(X)
アメロッパ人とニホン人のハーフの女性研究者。25歳。
先端がドリルがかった癖のある金髪がトレードマークである。
第三ウイルス研究室室長。若干癖のある性格をしているが、腕は確か。ゼロについて強い関心を持っている。大体室長呼び。