ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA   作:ヌオー来訪者

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 X6のOPの最期らへんで最後の「そして……ある男の……」と低い声でナレーションを切る所はシリーズ屈指ですきなので初投稿です。


 あとXDiveのバレンタインイベントでの面倒なシスコンムーヴ……見損なったぞカーネル!(風評被害)


Part8 特殊ネットバトラー課

 ここからは城金姉貴のナイトメアソウル解説と上司登場パートになります。

 城金姉貴から説明を聞いてから、オフィシャルセンターで報告書の作成をするだけなので通行人に引っ掛からないように歩けば特にロスはないです。

 ガバは基本発生しないし話すこともあまりないので倍速でお送りいたしますが話す事もぶっちゃけないので――

 

 

 

 み な さ ま の た め に ィ ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こ ん な 裏 パ - ト を 用 意 し ま し た 。

 

 

 

 

 

 

 

                    Z

 

 

 

 

 

 

「寄生虫?」

 

 新科学省の研究室で、少年のPETとナビを引き渡した九十九は城金と顔を見合わせながら言葉を復唱した。

 寄生虫と言えば友人がよくやっているゾンビゲーの世界か何かを思い浮かべる。

 

――あれグロかったなぁ……プラーガとか言って口から出てたよな……

 

 などとしみじみ思っている九十九を他所に城金はコンソールを弄ると、画面は実験室の電脳空間へと切り替わる。……見た所先日深夜の映像のようだ。空間のど真ん中にはデータ構成だけはナビに近い実験用プログラムが配置されていた。人格は与えられていないのか、何も言わず動かずポツンと立っていた。

 そして画面の隅にはあの擬似人格プログラムの振れ幅を示す例のグラフが表示されている。

 

 

「そう、寄生虫。先日光研究所の協力もあって確認が取れたわ。繰り返すようだけど擬似人格プログラムの正しい動作はこれよ。この後検証用の擬似人格プログラムをインストールし、喜び、悲しみ、怒りを10秒ごとに起動させるわ」

 

 するとプログラムの外見には変化こそ無かったが、画面グラフが微弱だが上下に動き変動した。

 

「……本来なら余程のショッキングなことが起こったりとかしなければ倍率を縮小した状態のグラフは概ねこういった振れ幅になる。変化はほぼなし。次に件のチップを発動するわ」

 

 ファイターソードとポイズンアヌビスをスロットインさせると、直後にナビの右腕はオレンジ色のソードに、切り替わる。そして次にアヌビス像が空から降って来てその空洞のような双眸が赤く輝いた。

 

「動作としては全く問題ないし、簡易なウイルスチェックでは何のエラーも発生しなかった。けれどそれから定期的な発動と経過時間に加速を掛けた後、定期的に喜び、怒り、悲しみのプログラムを試験起動させると……」

 

 擬似人格プログラムの安定度を示すグラフが大きく上下する。確かあの少年のナビが見せた感情の振れ幅がこんな感じだったか。

 地面の凸凹が、加速した時間の中で山か谷かのレベルで上下するその様はまるで感情のタガが外れて理性を失っていくようにも見えた。

 それから間もなくして、擬似人格プログラムのグラフがエラーを起こし閲覧不能となりナビ型体躯が黒い火花を散らし始める。そして蛹から成虫が出てくるようにナビ型の体躯から黒いモノ――ナイトメアソウルが抜け出て……来なかった。

 

 

 代わりに出て来たのは――目玉。

 そこからよくテレビとかで見る赤と青のDNAのイメージ図のようなものが、首から下に(と言えるかどうか怪しいが)生えており、不完全な形で手足のカタチを作ろうとしていた。

 

「きっっっっっっっしょ!!」

 

 気付けば喉奥から嫌悪感が湧き出てそのまま言葉として吐き出していた。というか少年のノーマルナビからはそんな気持ち悪いものは出てこなかった。

 どうしたらそんな気持ち悪い物体が出てくるのか理解できずに思いっきり頬を引き攣らせていると城金が答えを出した。

 

「実験用じゃあんまり餌として美味しくなかったみたいね。コイツが寄生虫、あの格安チップの正体よ。本来は小さいのだけれども、これはただ栄養だけを食べて巨大化しただけ。……コイツは素体なの。寄生先によって巨大化に加えて変化(スタイルチェンジ)するってこと」

 

「……え?」

 

 正式な擬似人格プログラムはもっと複雑な作りだという。城金がインストールしたものは必要最低限のものしか与えられていない紛い物であり、餌足りえなかったようでただ大きくしかならなかった。

 

「そしてこの寄生虫を便宜上ナイトメアウイルスと呼ぶけれども、そいつが出て来た瞬間、インストールした検証用のプログラムはロスト。おそらく内部で吸収したものとみられるわ。そして――」

 

 出て来たナイトメアウイルスは次の苗床でも探しているのか、近くにいたスタッフのナビに向かって飛来。そのまま腕と思しき箇所でナビのボディに突き刺しそのまま吸い込まれるように入り込んだ。

 尤も、そこからナビの形状が変化したり色が変わったりすることはない。先ほどの事態を見ていた別のナビやプログラムくんが心配でもしたか駆け寄ると、ゆらりとその寄生されたナビが立ち上がりそして――突如として何かに怯え始めた。

 

『や、やめろぉ……来るなぁ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!』

 

 その怯えようは尋常ではなかった。近くにいたナビが差し出した手を払い除けて標準装備のバスターを何もない虚空で撃ちまくり、電脳世界を破壊し始める。

 その様はまるで見えない敵に怯えているようで――

 

「幻覚でも見ている……?」

 

「正解。その後寄生されたナビは暴走。辛うじて居合わせた無精髭の男とマントを着た義手のネットナビによって鎮圧された」

 

 無精髭の男とマントを着た義手のネットナビ。

 カーネルか。九十九の脳裏の連想ゲームが一瞬で終わる。そもそもそんな特徴的な外見をした実力持ちのナビがそうそう存在するはずがない。

 あのカーネルならば倒せるのも頷けた。あんなウイルスの群れをキャノン砲や空間を裂くような斬撃で一掃してしまうだけのパワーならば今の自分とゼロより容易にケリを付けることができただろう。

 

 ……まぁ彼が何故科学省にいたのかは解せないが今は気にするべきことじゃない。

 城金の話に再び九十九は耳を傾けた。

 

「その後流石の騒ぎもありネットナビ研究の権威こと光研究所*1に緊急搬送……まだ正式な回答は来ていないのだけれど、噂だと擬似人格プログラムに侵食を続けているようね……」

 

「……そっちで元に戻す方法は。ゼロのようにはならないんですか」

 

 特に光研究所はネットナビ研究の最前線で、かなりの予算や人員も与えられているはずだ。ゼロを簡単にウイルスからネットナビに作り替えられたようにきっと一撃必殺で解決……なんて都合のいい答えが出ることもなく城金は淡々と無情な現実を叩きつけた。

 

「回答待ちだけれども期待しない方がいいわ。感染力はゼロウイルスに匹敵する癖に色々違うのよ、コイツは」

 

 ゼロウイルスもナビに感染し、対象を暴走させる性質を持っていた。

 言われてみればゼロウイルスとナイトメアウイルスの類似性に思う事はあるが、ゼロは既にゼロウイルスの生成能力は封印されている。そして問題のゼロウイルスもネットワークの大規模アップデートで殲滅されたはずだ。

 

「そしてゼロウイルスとの類似性が浮かび上がっている現状。今でも科学省内部ではネットナビになったゼロに嫌悪感からくる疑いの目を向け続けデリートするべきと叫ぶ科学者もいる。かの光主任を引きずりおろす為の口実にもなるのだからナイトメアウイルスの詳細を知られればゼロを攻撃する恰好の材料になりかねない。……念のために、そして無実の証明を作るために貴方のゼロも一度調べさせてちょうだい」

 

 拒否する理由は特になかった。

 下手に断れば無駄にゼロへの嫌疑を深めるだけだ。九十九はPETを取り出しゼロに訊く。

 

「……いいか、ゼロ」

 

『問題はない。もしオレのかつての力が悪用されることがあるのならば――そのケリはオレがつけなければならない』

 

 やはりゼロ自身にも思うところがあったのだろう。

 上層部からの監視命令も兼ねてとはいえ、それ以前にこちとらゼロのオペレーターをやっているのだ。一人で背負わせるつもりなど毛頭ない。

 九十九はPETを城金に渡し、引き換えに城金はミニPET *2を九十九に渡した。

 

「……実験のために貴方が持ってきた2枚のチップからデータ抽出しようとしたのだけれどもデータ化した瞬間近くにいたナビに先ほど見せたウイルスの小さいヤツが付近にいたプログラムくんの中に入り込んでしまっている。もし仮にまた同種のチップと思しきものが見つかったら決してデータ化だけはしないでちょうだい」

 

 案の定、と言うべきか。

 そもそも予約をかませた上で隠れて実物販売という手法はデータ化そのものに危険があることと同義でもあった。売り手が感染して暴走なんて間抜けな真似などするような相手ならもうとっくに解決しているはずだ。……自滅という形で。

 

「了解。ちなみに時間はどれだけかかります?」

 

「5時間ほど貰うわ。貴方もオフィシャルに報告することもあるでしょう」

 

「……頼みます。一旦マリンハーバー行ってます」

 

 オフィシャルで本件について事細やかに報告し資料も作る必要があった。特にナイトメアウイルスについてはネットワーク全体を巻き込みかねない危険性もあるからだ。

 ゼロがコピーしたメインPETのデータをミニPETに送信し、九十九は腕を回しながら「失礼します」と言い残して研究室を出た。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 新科学省駅からマリンハーバー駅まで大雑把に片道20分ほど。

 オフィシャルセンターに入り、エレベーターに直行。事務室に入るや否や、報告書を可能な限りまとめ上げ始める。

 九十九にとってはこの手の事務作業は苦手分野でしかないが、今気力が残っている内にやっておかないと上にガタガタ言われかねない。

 管理官ならまだしも局長や副局長、課長の中年トリオが厄介だ。

 現状オフィシャル全体が立て直しを図っているタイミングで事件を持ち込む行為自体高確率で睨まれるようなことを今しでかしているのだからこれ以上無駄につけ入る隙を作る訳にはいかない。

 

 現状ゼロを預けている手前、あまり派手には動けないのもある。とはいえ何もせずにボーっとしているのも落ち着かない。

 一心不乱にキーボードを叩き続けていると、誰かの低い声が九十九の耳朶を打った。

 

「どうだ、その後の様子は。随分と大事になりかけているようだが」

 

「……史隈(しずみ)管理官」

 

 噂をすればハゲ……ではないがスキンヘッド。

 九十九より一回り大きな30代の男が九十九のデスクを見下ろしていた。一応このマリンハーバーのオフィシャルセンターのネットバトラーを仕切っている人間の一人である。

 九十九は慌ててデスクから立ち上がり一礼をすると「まぁそうかしこまるな」と九十九を椅子に座らせた。そして史隈管理官も近くに空いていた椅子に腰をかける。

 

 この大雑把な空気感は良くも悪くもオフィシャルだ。

 

「一応、進展はあったっぽいです。例のチップ、やっぱクロだったらしいです」

 

「ほう……」

 

「随分と高い隠匿性を持っているとかなんとか。しかもネットナビに寄生するタイプのウイルスとのことで、かなり厄介だそうです。現状後日に売人が取引で出てくるのでソイツを確保……吐かせるだけです」

 

 おそらくあれだけのウイルスを作るとなれば相当の技術と資金を持った組織的犯行と見た方がいい。

 最悪単独行動では抑えきれなくなる日が近い内に来るのは明白だった。

 

「……単独で行けるのか」

 

「建て直しでバタついている時に他の人員に余計な負担は掛けさせられない。と……カッコつけたいのは山々なんですが」

 

 ぶっちゃけると不安でもある。一応これでも大の大人一人と揉み合いになってもそれなりに持つとはいえど、だ。

 ここまで単独と一部協力者で回してきてはいるが、物理的拘束となればそれなりに用心する必要はある、有名なので伊集院炎山も小学生でありながら護身術の有段者だ。

 前線を走るタイプのオフィシャルネットバトラーはリアルファイトもそこそこ強くなくてはならないのだ。そうでなければ自分の身を守れやしない。

 九十九も別に喧嘩ができない訳ではないが、念には念を入れておきたかった。

 

「それならば数名適任な応援を用意しておこう」

 

「……適任?」

 

「あぁ。実力のあるネットバトラーだ。加えてそれなりに物理的な戦闘力もそこそこある。それを3名」

 

「それを3名」

 

 3人も居れば充分だ。

 自分併せて4人。得物を持っていたとしてもまぁこれで充分だ。……というかこれ以上人員は割けまい。自身の立場なら寧ろ充分過ぎるほどだ。最悪の場合の備えもして置けばリカバリも効く。

 

「……誰ですか?」

 

 あのマザーコンピューター襲撃事件で大暴れしたエース級3名だったらそれはもう五体投地で喜びはする。とはいえ、彼らは今のところ別任務に赴いているはずだ。

 しかし返って来た返答は予測からかけ離れたものだった。

 

「最近設立された特殊ネットバトラー課の匿名ネットバトラーでな。なに、実力は我が局のエース3名に匹敵するものだ。まぁ期待して待つといい」

 

「はぁ……」

 

 匿名ネットバトラーなんて信用できるのか。というか特殊ネットバトラー課ってなんだよ。

 とはいえ史隈管理官のことだ。何か考えがあるに違いないと喉から出そうになった言葉を呑み込む。というかこの男がいなければオフィシャルネットバトラーへの道は拓かれていない。……のであまり文句は言えない。

 

「ふむ、信用出来ないという顔をしているな? 無理もない。私も初めて見た時は自分の目を疑ったのだからな」

 

「……疑ったんすか」

 

「とはいえ、実力は確かだ。それにここだけの話旧知なのでな……信用は出来る」

 

 旧知とは。

 この男の人脈は一体どうなっているのやら。

 自分もある意味では旧知からの引き抜きか。と己を納得させながら、ふと作りかけの報告書を見る。

 

 おそらく今回確保できる売人は下っ端だ。一気にリーチがかかるとは思えない。

 あとはどれだけその口から吐き出させるかだ。初動が良ければ良い程黒幕に近づくことができるという奴だ。強力な味方はいれば心強い。

 

 

 

 

 

 それでも拭い切れない嫌な予感。

 

 その予感は日に日に大きくなっている。史隈管理官の手配した応援がどうこうではない。

 つついたヤブから蛇どころかアナコンダが出てきたら、なんて無駄なことを思いながら史隈管理官に事の経緯を話してから再び資料造りを再開した。

 

「星方。あのバレル教官の件なのだが――」

 

「なんすか」

 

「裏で何かをやっている素振りが見られる。あの教官としての参入が局長判断での人事とはいえ……気を付けろ」

 

「……」

 

 科学省にいた理由もそれか。一体何のためにそこにいたのか分からないままだ。

 不穏な事を言い残して去る史隈管理官に九十九の不安を無駄に増幅させた。

*1
熱斗の父親である光祐一郎やネットバトルインストラクターの名人が所属するネットナビ研究所

*2
ネットナビを格納できないタイプの安価な簡易型PET。メール機能など最低限の装備だけは取り揃えている




・史隈管理官
 マリンハーバーのネットバトラーの指揮を執り行っている人物であり、九十九をオフィシャルに勧誘した男。
 スキンヘッドでニホン人でありながらアメロッパ人男性に匹敵する高身長がトレードマーク。バレルを警戒しているようだ。
 何故スキンヘッドになったのか、体質の結果なのかファッションなのか。本人のみぞ知る……

 読み方を変えてはいけない。プリケツでもない。いいね?





:ナイトメア事件メモ
 200×年暑中、ゴスペル事件の傷跡も癒えぬ中、格安でレアチップに類するものを販売され、それを購入したナビが暴走するという事件が発生した。
 原因はチップの中に仕込まれたウイルスにあると判明。そのウイルスがナビに寄生したものと推測される。
 以後便宜上このウイルスをプラーガナイトメアウイルスと呼称する。
 このウイルスの特徴は、ネットナビやプログラムに寄生して侵食。幻覚を見せて暴走させたり完全にその人格プログラムを乗っ取ることができる性質を持つ。最終的には宿主のボディから抜け出してナイトメアソウルとして十全な力を持って本能のままに活動する。
 無論プログラムくんなど簡易型のAIにも侵食できるが、ナビほどの収穫は得られないのか、素体をそのまま巨大化させた姿として出現する。
 素体単体でも光弾射出や自ら対象に寄生などそれなりの戦闘力もあると推測され、充分脅威となり得る。

 被害に遭ったナビの戦闘力はノーマルナビであることもあって大きなものではなかったが、これが上級の市民ネットバトラークラスに感染した場合本件の非にはならないほどの被害が予測される。
 寄生手段は主に2つ。

 1つはバトルチップを転送し知らぬうちに寄生させるという方法。
 これはスロットイン→使用ナビに一度データをインストール→発動
 という一般的なバトルチップ発動の一連のアクションを悪用したものであり、武装系並びに召喚系のチップいずれも例外は存在しない。
 ただ遅行性のため発覚まで時間を要するが隠匿性はあり、科学省のそれ相応の設備でなければ検出はされないほどとのこと。


 2つは前述の物理的な寄生である。
 近くに居たネットナビに憑りつき、一気に侵食させる。
 大型化したタイプだと即効性があるのか一瞬で被害にあったナビが幻覚を見て暴走している。こちらは即効性こそあるが、対策は可能であり隠匿性がないのが弱点か。
 敵味方の識別機能がないと推測される。

 記:星方九十九
 協力:城金アリア

「と、これでいいスか城金さん?」
「駄目、やり直し」
「そんなァ!?」
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