とりあえず頑張った。
目の前に貫禄のあるお爺さんが座ってます。
そうですね、皆様ご存知、ネテロ会長ですね。
「本当におるのか?」
「えぇ、多分いるはずです。この部屋に・・・」
はい、ちゃんといます。
姿を見せる気はないけどね。
「ふむ、見えんし、分からんの」
ヒゲを撫でながら、部屋を見渡している。
おっと円を広げてきた。
「・・・本当におるんか?」
「分かりません・・・」
えっ、ネテロ会長の円でも私を感じ取れないの?まじで!?
「むっ、おぉ?」
「どうしましたか」
「宙に浮く幼子が3人・・・多分こやつらじゃな」
えっ、いきなり見つかった。なんで?
「見えないからと、気をゆるませんたんじゃろ。ほれ、とりあえず姿を見せんか」
仕方がない、幼子の所まで分かっているなら、本当の姿を見せようじゃないか。
『ふぁっくしょん』
『あっ、やば。サニー見えてる。見えてるって』
『もう、遅いと思うよ』
くしゃみしたふりして、光の屈折を止める。
音を消すのはそのままだから、会話が相手に聞こえることはない。
「本当にいた・・・」
「・・・」
私をここまで案内していた職員は、驚いたように私を見つめており、ネテロ会長はそのまま何かを考えるかのように髭を撫でている。
『どうする』
『どうしよ』
『そんな事よりおうどん食べたい』
何も聞こえてないだろうけど、念の為に話し合っているふりしとこ。
「ふむ、人ではなかったか」
『天井に2人、隣に3人、下は無視でいいけど一応、盗聴器は結構あると思うよ』
『よし、やれ』
『はいさー』
「あっ、ネテロ会長、私はこれで失礼しますね」
そそくさと部屋から出ていく職員が、完全にドアの向こうへと消えたその瞬間に、この部屋の音は消えた。
「これは・・・」
驚いている声がした。
声の主はネテロ会長のものだが、その声はもはや私にのみ聞こえる。
「んじゃ、話し合いを始めましょ、私じゃないけど」
「私は集中するからよろしく」
「えぇ・・・私がやるの?交渉役」
「「しょうがないじゃん、集中途切れたら
「はぁ、分かったから・・・それじゃよろしくね。人間さん」
ネテロ会長は、静かにお茶を注いで飲んだ。
「今年は厄日じゃな」
そうしてポツリと呟いた。
あの、しっかりと聞こえておりますよ。ネテロ会長・・・
「わし、ネテロ。よろしくな、あーえーっと」
「私がサニー」
「私はルナ」
「私はスター」
フルネームじゃなくていいでしょ、むしろフルで言って呪念でもやられたら、面倒くさからね。