「ホントウダ、ヨクモエルナ」
私は、メモ用紙を見終えたあと、黙ってサニーの能力を使って着火した。
どうやったかと聞かれたら、虫メガネのアレだ。
太陽光を一点に集めて、紙を燃やす奴だ。
できるかどうかは分からなかったが、やってみれば案外すんなりとできた。
ただまぁ、太陽光でしか、こういうことは出来ないだろうけどね。
「・・・火種にすれば良かったな」
そして燃え尽き灰と化したメモ用紙を見て、そう思って後悔した。
まぁそれにしても、この【光を屈折させる程度の能力】の“光”ってどこまでなんだろうか?
光は確か電磁波の一種だったよな?
細かくは覚えていないけど、確か赤外線や紫外線も“光”だったはずだ。
・・・まぁ、いいか。現状をどうするか、まとめてから本格的に考えるとしよう。
「えっと、スターは論外だから、後はルナか・・・」
『ルナチャイルド』の方に意識を向けると、突然目の前でサニーの体が倒れた。
「うわっ、ととセーフ」
とっさに体を動かして、サニーの体を支えた。
「うーん、意識の移動は当然だな。えっとルナだな」
体の操作変更は、前触れもなく切り替える事ができるようだ。
「頑張れば、同時に動かせるのか?・・・いや、まだ早いか」
ルナの体で、考える人のポーズを宙に浮きながらとる。
妖精の体だから、空を飛べる。
メモ用紙を信用してもいいなら、一回休みを一定時間内で同時に起きない限り、実質的に不死身とある。さらに妖精だから、寿命も長いかそもそも寿命という概念すら当てはまらないだろう。
「うーん、時間は一応無制限にあるし、頑張ってみるか。そのまえにスターの能力に慣れる所から始めないと・・・」
あの辛さは地味にトラウマになっている。
それでも慣れなきゃ進まない。
「まっまぁ、そのまえにルナの能力確認だ」
ルナの能力は【周りの音を消す程度の能力】だ。
文字通り、周りの音を消し去る能力だ。
「・・・・・・・」
能力を発動させると、周りの音が消えた。
どれだけ大声を上げようが、音は一切響かない。無音
「・・・あっ、あー。よかった戻った」
能力の調整は難しいことが分かった。
サニーの能力は調整が簡単だったんだけど、なんでだろうか?
どっちかというと、サニーの能力の方が難しいと思うんだが・・・
アレか?サニーは三妖精のリーダー的な感じの存在だからか?
・・・難しく考えても仕方が無いか、うーん後はスターなんだが、嫌だなぁ。
三妖精の中では一番好きなだけに、ここまで意識を移すのが億劫なのはなぁ・・・はぁ