転生3妖精?   作:蟲鳥獣

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第1話

「ホントウダ、ヨクモエルナ」

 

 私は、メモ用紙を見終えたあと、黙ってサニーの能力を使って着火した。

 どうやったかと聞かれたら、虫メガネのアレだ。

 太陽光を一点に集めて、紙を燃やす奴だ。

 できるかどうかは分からなかったが、やってみれば案外すんなりとできた。

 ただまぁ、太陽光でしか、こういうことは出来ないだろうけどね。

 

「・・・火種にすれば良かったな」

 

 そして燃え尽き灰と化したメモ用紙を見て、そう思って後悔した。

 まぁそれにしても、この【光を屈折させる程度の能力】の“光”ってどこまでなんだろうか?

 光は確か電磁波の一種だったよな?

 細かくは覚えていないけど、確か赤外線や紫外線も“光”だったはずだ。

 

 ・・・まぁ、いいか。現状をどうするか、まとめてから本格的に考えるとしよう。

 

「えっと、スターは論外だから、後はルナか・・・」

 

 『ルナチャイルド』の方に意識を向けると、突然目の前でサニーの体が倒れた。

 

「うわっ、ととセーフ」

 

 とっさに体を動かして、サニーの体を支えた。

 

「うーん、意識の移動は当然だな。えっとルナだな」

 

 体の操作変更は、前触れもなく切り替える事ができるようだ。

 

「頑張れば、同時に動かせるのか?・・・いや、まだ早いか」

 

 ルナの体で、考える人のポーズを宙に浮きながらとる。

 妖精の体だから、空を飛べる。

 メモ用紙を信用してもいいなら、一回休みを一定時間内で同時に起きない限り、実質的に不死身とある。さらに妖精だから、寿命も長いかそもそも寿命という概念すら当てはまらないだろう。

 

「うーん、時間は一応無制限にあるし、頑張ってみるか。そのまえにスターの能力に慣れる所から始めないと・・・」

 

 あの辛さは地味にトラウマになっている。

 それでも慣れなきゃ進まない。

 

「まっまぁ、そのまえにルナの能力確認だ」

 

 ルナの能力は【周りの音を消す程度の能力】だ。

 文字通り、周りの音を消し去る能力だ。

 

「・・・・・・・」

 

 能力を発動させると、周りの音が消えた。

 どれだけ大声を上げようが、音は一切響かない。無音

 

「・・・あっ、あー。よかった戻った」

 

 能力の調整は難しいことが分かった。

 サニーの能力は調整が簡単だったんだけど、なんでだろうか?

 どっちかというと、サニーの能力の方が難しいと思うんだが・・・

 アレか?サニーは三妖精のリーダー的な感じの存在だからか?

 ・・・難しく考えても仕方が無いか、うーん後はスターなんだが、嫌だなぁ。

 三妖精の中では一番好きなだけに、ここまで意識を移すのが億劫なのはなぁ・・・はぁ

 


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