「あっ、ばばばばばばば」
私の視界が歪む。
ぐにゃぐにゃ、ぐにゃぐにゃ、と視界が歪む。
「くぁwせdrftgyふじこlp」
私は音にならない悲鳴を上げ続け、頭を抱えて地面を転げまわった。
それでも妖精の体だからか、その身も服にも一切の汚れは付着しなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
数時間ほど頑張って、サニーの体へと意識を戻した。
汗は掻いていないが、全身が気持ち悪いと感じた。
今いる樹洞の外に目を向けると、日が暮れてきていた。
そろそろ夜になることが分かる。
「あー、もう無理」
ドサッ
指一つ動かせない。
本当にしんどい、きつい、無理。過去の転生直前の私をぶん殴りたい気分だ。
「うっぷ、吐きそう」
とっても吐きたい気分なのだが、吐く為の内容物は体内に存在していない。
そのため、吐いて楽になるという方法をとることができない。
「はぁ・・はぁ・・・」
土の地面に寝転がって、そのまま寝てしまった。
そして気がつけば、数時間と言う時間が、経過していた。その時にはもう、身体が動かせる位には回復していた。
そんでもって樹洞内部は、暗くなっている。どうやら今日は新月の夜だったらしい、屈折可能な光の総量が少なすぎる、ような気がした。新月以外での夜をまだ知らないのにそう思ったって事は、順調にこの身体に馴染んでいると言う事だろうか?
まぁ、そうであろうと、なかろうと私は私だからどうでもいいか。
「はぁ、どうしよう」
この場所に来てから、1日が経過しようとしているが、判断に困る。
全くと言っていいほど、判断材料が無い。
この世界が『東方project』の世界、つまり『幻想郷』が存在する。もしくは存在する事になる世界なのか?それとも全く無関係の異世界なのか?
これからの行動を決める為に、せめてどんな世界なのか知っておきたい所だ。
「よっと・・・ん?あっ」
ここが地球じゃない事が確定しました。
え?何故かって、いやだって、目の前に腕四本の熊夫婦が、仲睦まじそうに寝ているからだ。
・・・良かった、ルナとスターの体は無事だ。
一先ず、ルナとスターを熊夫婦と離れた位置の壁に座らせ、サニーはその中央に座る。
そしてルナの体に意識を切り替える。
「・・・なるほど?サニーの能力を無意識に使っていたのか」
隣を見てみると、サニーとスターの姿が消えていた。
これはおそらくサニーの能力によるものだ。
熊夫婦には私の体は、見えていなかったのだろう。
それでも匂いで分かったりしそうだけど、そこはどうなんだろう。
妖精だから、そもそも匂いなんてしないのかな?
「何かあってばれるのは嫌だから、音も消しておきましょ」
こうしてこの樹洞内部の音が全て消えて、私は眠りについた。