目覚めたら相棒と最強装備と宇宙船持ちだったけど、やることもないし付き合ってやるかな   作:楠葉

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一章~ターメーン戦役~
プロローグ


目の前に広がる先の見えない闇、そこに混ざる壮大な星々。

 

そして、ところどころに漂う何かの残骸。

 

別にどこかを見ているわけでもなく、考え事をしているわけではないこの瞬間が好きだ。

 

近い感覚はプールで浮かび、ただただ空を眺めている時のようなものだ。

 

 

「おーいカオル、そろそろ回収を手伝ってくれよ。クエが終わっちまうぞ。」

 

 

声を掛けられて、意識が現実へと引き戻される。

 

 

『Stella Online』《ステラオンライン》

 

シンプルな名前のSFテイストのオンラインゲームで、非常に自由度の高いゲームで、広大な宇宙を股にかけて冒険をするもよし、傭兵として戦場を渡り歩くもよし、コンテナ船のオーナーになって交易をするもよし、という感じでプレイヤーの数だけプレイスタイルがあるというのが売りのゲーム。

 

 

俺達はスタンダードに傭兵プレイをしている。別にそれだけをしているわけではないが、資金を貯めて、宇宙船を乗り換え、カスタマイズして今の宇宙船を手に入れてからはこんな感じだ。

 

 

声をかけてくれた彼は、同時期にこのゲームを始めた会社の同僚だ。

面白いやつで、こうして一緒にゲームをするような仲ではあるが、出会いは最悪に近いものだったと記載しておこうか。

 

 

「悪い。すぐにやる。」

 

 

意識が覚醒して、先程の戦闘した宇宙船の残骸からアイテムを回収する。

拾うものを拾い終わると、残骸が消えていく。

どうやら本当にギリギリだったらしい。

 

 

目の前の光景がリザルト画面へと変わる。

ボタンを適当に押して映る内容を処理していく。

 

 

「お疲れさんっと。クエスト付き合ってくれて、ありがとな。相棒がいると戦闘が楽で助かるわ。」

 

 

「俺の船だと入れない場所もあるから、ヒロがいるとこちらも助かる。これで予定のクエスト終わったが、まだ何かやるか?」

 

 

「うーん、どうす・・・、いや、今日はここまでにして続きはまた今度。いい時間だな。」

 

 

続けて、何かやるか聞くとそう返事が返ってくる。時計を見ると日付を跨いでいる。

向こうから気が抜けてか、欠伸をしているのが伝わってくる。

 

 

「んじゃ、お疲れさんっと。明日?も仕事頑張ってくれ。」

 

 

「ヒロもな。おやすみ。」

 

 

適当に挨拶をしてチャットを終了して、ゲーミングチェアーから立ち上がり伸びを行う。デスクを片付けてベットへと横になる。

 

 

普通に生活して、仕事して、遊んでどこにでもいる平凡な人生を送っている今の生活。

 

 

「俺は本当に転生したのか、それとも幼い頃の妄想だったのか。いやでも。」

 

 

つい口に出てしまうが、別に今更何かが変わるわけでもない。やめやめと思考を振り払い、睡魔へと身を委ねて、眠りにつく。

 

 

 

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