目覚めたら相棒と最強装備と宇宙船持ちだったけど、やることもないし付き合ってやるかな 作:楠葉
パンパンパン
そんな音と共に色とりどりの紙吹雪が頭の上に落ちてくる。
かなりの量が落ちてきたのか、かなり痛いのだが。
「おめでとうございます。椎名 薫さん、貴方は私が担当する初めての転生者に選ばれました。どうです?嬉しいですか?」
頭の上のゴミを払い落としていると、後ろから声をかけられる。
振り向くと、そこには頭の悪そうな女とスーツを着た如何にも私は秘書ですといった格好の女がクラッカーを持って立っている。
その横に、少し顔色の悪そうな男もいるが彼はどうやら犯人ではなさそうだ。
「あれ?どうしました?もしかして嬉しすぎて声も出ませんか?」
「クラッカーからのくす玉と流れるような動き。流石神様です。」
はい。犯人確定。この頭の悪そうな女で間違いはなさそうだな。直ちに犯人確保へと動く。
無言で、しかし笑顔で彼女の顔を見る。
「まぁ。やはり嬉しくt‼︎い〝ばい〝、い〝ばい〝
でずわ〝‼︎」
女だろうと神だろうと関係ない、2人の顔面にアイアン・クローを。必死に振り解こうとしているので、更に力を込めておく。
秘書ぽい女はまだ抵抗を続けている。頭の悪そうな女はすぐに沈黙して抵抗をしなくて楽だというのに。
いつまでもこうしているわけにもいかないので、男に話しかける。
「いきなり何?痛かったんだけど。この量を頭の上に落として馬鹿だろ、こいつら。」
頭の上に落ちてきた紙の量は一般的なコピー用紙A4の500枚の束と同じくらい。量が多くて割った時に散らばらずにそのままといった感じか。
「申し訳ない、彼女達は本当に貴方を歓迎しようしただけなのだ。ただ、やりすぎただけで。」
こちらに頭を下げて謝罪してからことの発端を説明してくれる。
いつまでも掴んでるのも面倒臭いので、その辺に投げておくか。
そんな様子に文句等を言うことなく、苦笑いを浮かべた彼の話によれば、
彼女らは転生を司る女神と神見習いで昨日ようやく仕事を与えられて張り切っていたのだかが、それが空回りしてしまったらしい。
で、それだけなら良かったものの自分が転生させる人の資料を確認していたところ、勢い余って破いてしまったらしい。そこからは、最近流行りの神様転生の件だな。破いた人の資料ってのが俺で、殺されてしまったと。
こいつ選ばれたとか言ってたが全然違うじゃないかよ。
説明してくれた男も神で、この駄女神の前任者?前任神らしく仕事の引き継ぎ中に起こったことなので、謝罪するためいたらしい。
人通りの説明を聞いていると、ようやく駄女神が目を覚したのか起き上がってくる。
「いたたた。酷い目に遭ったわ。貴方何してくれますの!」
起きてからの一言目がこれである。反省をしているカケラも感じられない。
今度は額を思いっきり小突く。
「痛い痛い。もう、やめてくださいまし。」
「痛いじゃないだろ、俺を殺しておいて。」
小突きながらそう言うと、駄女神は涙を目に浮かべて、神の方を振り向く。
無言で首を縦に振られるのを見て状況を察したのか、今度は額を打ち付けるかのように土下座をかます女神。
「この度は申し訳ありませんでした。」
駄女神の土下座と静かな空間が出来上がる。
その姿を見て、
「で、俺はこれからどうなるなの?」
ため息をついて、一言こぼす。
「怒らないのですか?」
チラチラとこちらを伺いなが聞いてくる駄女神。
「どうせ転生させられるなら死んでしまったことに対して文句垂れても仕方ないだろ。そっちの神が言うには特典をくれるらしいし、そっちを詰めたいんだけど。」
そう言うと、びっくりしたよような顔を向けてくるが、
死んだことに対してうだうだ言ってても仕方ないなら次の事を考えるしかない。
「そうして頂けると。出来るだけ要望には応えますから何でも言って下さい。」
秘書娘を起こしてから、前任の神はもう一度謝罪して何処へと行ってしまう。次の仕事かな。
ようやく転生の手続きになるが、
「名前と性別は今のままにしてくれ。魔法が使ってみたい≪ブブー≫、アイテムボックスは欲しいかな≪ブブー≫
おい、要望聞いてくれるんじゃないのかよ。」
要望を伝えると、不正解音≪ブブー≫が鳴る。
「おかしいですね、ちょっと待って下さい。」
駄女神と秘書が何やら確認しているが、すぐにこちらに向き
「どうやら転生先の世界に不釣り合いなものに反応するようです。どんな世界かは言えませんが、宇宙が舞台な感じで、人型兵器みたいなものはないみたいですね。」
剣や魔法の世界ではないから先にあげたものは駄目ってことらしい。
「なら、健康的な身体と、交渉スキルと物を作る能力とスキルを頼む。それとこれまでの記憶は残しておいてくれ。絶対女にはしないでくれよ。今更女になっても困るからな。」
今度は鳴らないので大丈夫なようだ。
「これだけでいいのですか?後からあれもこれもはできませんよ。それじゃ、清書してしまいますから。」
要望を伝えると、そう返してくるが宇宙を舞台な世界と言われて人型兵器がない世界なんて俺はほとんど知らないだから仕方ない。
清書すると言っても大したこと言ってないし、秘書娘がさっき言ったことはメモしていたから大丈夫だろ。
「それでは手続きが終わりました。後ろのドアを潜れば転生できます。」
秘書娘が書き上げた用紙に印鑑のようなものを押すと、俺の後ろを指差す。
いつの間にか、ドアがありこれを潜ればいいらしい。
ドアノブに手をつけると、駄女神があのと声をかけてくる。
「貴方の次の人生に幸多からんことを。」
なんだか最後にそれらしい事を言っているので、手だけ振ってドアを潜る。
清書された物を確認しなかったことになるとはこんな時は思いもせずに。
こいつらがしでかしたことなど忘れて。
ある秘書のメモ書きから抜粋
○/○ 転生時の要望事項聞き取りメモ
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名前:椎名 薫
性別:男の娘
要望事項:異能 アイテムボックス、健康的な身体、
物を作る能力
才能 魔力、交渉術、物作り、センス
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