ロダンから見た人物評、あるいは皮肉という体です。
「アレクシス・ロダン」
神聖詩人。
その者が紡ぐは闇に非ず。地獄の門に勝利の意味を問え。
その者が抱くは海に非ず。月に狂い、愛を綴れ。汝が末路は詩人なり。
その者が灯すは光に非ず。破滅の暁を撃ち落とすその刹那に、神の詩篇を完結せよ。
「エリス・ルナハイム」
無垢、あるいは機械のようだと時に人間は彼女を例える。
神という者がいたとしたのなら、きっと幾千もの月光の欠片をかき集めて彼女を創ったのだろう。
人が理解するのはエリスという少女ではなく、「美しい」という現象だ。
古来、月は人を狂わせるという。ならば、俺は恐らくエリスに狂っているのかもしれない。
「ハル・キリガクレ」
血の繋がっていないけれど、姉同然の人。知性と慈愛を持ちながら、決して必要以上に甘やかすことはない。
けれど困った人間を見捨てることは到底出来ないお人よし。
エリスにとって、例え束の間であっても良き友人となっては欲しいのだが。
「マリアンナ・グランドベル」
鉄血の聖女。
聖女の微笑みはきっと万民を癒し、その槍の冴えはあらゆる悪を砕く。
その身が砕ける瞬間まで、聖女は無辜の民を護る一振りの槍であり続ける。誰に望まれなくても、誰に拒絶されても――例え、それが昨日敵であった者であっても。
彼女の善性にこそ、人は普遍的な聖女像を見出すのだろう。
「ユダ」
ユダ座の座長。
芸術への反逆を標榜に掲げ、その体現者としてエリスを見出した。
月の繭を破る時、少女は如何なる新生を遂げるのか――その瞬間を、彼もまた楽しみにしている。
「ファウスト・キリングフィールド」
火の星、第五の天体。
天国の旅路にて、第五の蒼穹で邂逅する者。
月光の残照、その欠片を宿す者。
彼もまた、銀の運命を司る者である。
「ランスロット・リヒター」
第六軍団団長。
俺に目をかけてくれた、生涯最大の恩人の一人。
変幻自在の柔なる剣。その冴を学びながら、俺は彼と言う男を何も学ばなかった。
今でも、心底から悔やんでいる。
「ジェームズ・ガンドルフ」
誰よりも、俺が詫びなければならない人。
もっと、俺は教えを請いたかった。そしてそれは、もう出来ない。
俺が、そのようにしてしまったのだから。
「ウェルギリウス」
許すべからざる者。
愛すべからざる者。
解すべからざる者。
あらゆる事象、その根源に坐す存在。
「ルシファー」
力を求める者。
知を求める者。
光を求める者。
至高の天、その頂に坐す存在。
――「少女」
騎士を詩人に変えた、たった一人の人間。
今はもう、声を届ける事が出来ない女の子。