ストライクウィッチーズ Nと行くROAD to BERLIN!   作:Dr.クロ

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超えろ、限界のその先へ…


第13話~200マイルの向こう(後編)~

その夜、ラピッド号に近づく影があった。

 

影がラピッド号に何かをする前に……明かりがつく。

 

何かをしようとした影、ルッキーニはいきなりの事にビックリする中でやっぱりかと言う感じにミセスSが頬をポリポリ掻いて出て来る。

 

ミセスS「やはりシャーリーに無断で改造しようと思ったか。ルッキーニ」

 

ルッキーニ「み、ミセスS?」

 

ビックリするルッキーニは抱えていたのを落としかけて慌てて抱え直す。

 

ルッキーニ「な、なんでわかったの!?」

 

ミセスS「思いついた様な顔をしておったからな~」

 

それで気づけたわいと言いながら近寄る。

 

ミセスS「駄目じゃよ。シャーリーちゃんのお宝を勝手に弄っちゃ」

 

ルッキーニ「速くしてあげたいのになんで?」

 

心底疑問と首を傾げるルッキーニにミセスSは近づいて目線を合わせて優しく言う。

 

ミセスS「例えそれが本人のためじゃとしても、許可もなく勝手に大事なものを弄られたら嫌じゃろ?ルッキーニちゃんだって、自分が頑張って作ったもんを弄られたらいやな気分になるじゃろ?」

 

ルッキーニ「あ……そっか」

 

言われた事で理解してしょんぼりと落ち込むルッキーニの頭をミセスSはポンポンしてから言う。

 

ミセスS「反省してくれたならそれで良い。で、どんな改造しようとしていたんじゃ?」

 

ルッキーニ「プロペラを付ければ200マイルは簡単に超えられると思って……」

 

理由を聞いてあー……と目を泳がせてからミセスSは唸る。

 

ミセスS「ん~逆に難しいと思うぞ?パーツを付けすぎると重くなってスピードが遅くなるってこともあり得るし」

 

特にお主が付けようとしてるのではそうなりそうじゃしな、とミセスSは付け加える。

 

そっかぁ……とルッキーニは落ち込む。

 

ルッキーニ「シャーリーのためになると思ったのになぁ」

 

ミセスS「まぁ、心意気は良いと思うぞい。その人の為と思うのはええが、それがちゃんと相手がホントに良いかも判断せんとな」

 

慰めるミセスSにルッキーニはうんと頷く。

 

ミセスS「じゃから別の物を改造するとしようか」

 

ルッキーニ「……へ?」

 

告げられた事にルッキーニは呆気にとられる。

 

ルッキーニ「別の物って?」

 

ミセスS「こっちこっち」

 

そう言って手招きするミセスSにルッキーニは付いて行く。

 

ミセスS「これを見るんじゃよ」

 

ルッキーニ「こ、これって…!」

 

見せられたのにルッキーニは驚く。

 

 

 

 

翌日

 

シャーリー「んー!良く寝た」

 

ふわわと欠伸するシャーリーにチビシャーリーズも欠伸をする。

 

ルッキーニ「シャーリーっ!」

 

チビルッキーニ「おはよー」

 

抱き着くルッキーニにおおと驚いた後におはよとシャーリーは返す。

 

シャーリー「おう。おはようルッキーニ」

 

ルッキーニ「ねえねえシャーリー。こっち来てこっち」

 

そう言って引っ張るルッキーニにシャーリーはそのまま引っ張られる。

 

ルッキーニ「実はシャーリーに見せたいものがあって」

 

シャーリー「お、なんだなんだ?」

 

また虫か?と聞くシャーリーに違うよと返しながらルッキーニは引っ張る。

 

連れて行かれた先が格納庫なのにシャーリーは訝しむと……

 

ルッキーニ「じゃじゃーん!」

 

シャーリー「」

 

見せられたのに茫然となる。

 

そこにあったのは……プロペラなどを付けられた愛機の姿であった。

 

それにシャーリーはわなわな震えて口を開く……前にミセスSがストップストップと現れる。

 

ミセスS「シャーリーちゃん。よーく見てみるんじゃよ。それは本当にラビット号か?」

 

シャーリー「……え?」

 

告げられた事に一瞬惚けた後にシャーリーは視線を向ける。

 

確かによーく見てみると似てはいるが目の前のバイクは自分の愛機であるラピット号ではない事に気づく。

 

ルッキーニ「これ、ミセスSが作ったラビット号そっくりのバイクなんだよ」

 

ミセスS「びっくりしたじゃろ?」

 

そんなシャーリーへと明かした2人に言われた本人はああと納得してからはぁ~と息を吐いて座り込む。

 

シャーリー「驚かせるなよ~」

 

ミセスS「すまんのう、まぁ、これはわしが事前に止めていたのもあるからな」

 

心底安堵したとぼやくシャーリーにミセスSは苦笑してそう返す。

 

どういう事だ?とミセスSを見るシャーリーに先ほどの彼女を見てからしょんぼりするルッキーニの頭をポンポンしながら答える。

 

ミセスS「最初はな、ルッキーニちゃんはラビット号でこのバイクにした改造をしようとしてたんじゃよ」

 

ルッキーニ「けど、サイエンスに止められたから、それでこのバイクで試しにやってみてシャーリーに見せて反応を見たら分かるって」

 

成程なとシャーリーは納得してからルッキーニの頭を撫でる。

 

シャーリー「どうだった?私の反応見て」

 

ルッキーニ「やめてよかった。シャーリーが凄く怒りそうだったし」

 

ごめんなさいと謝るルッキーニに良いよとシャーリーは笑う。

 

シャーリー「さ、朝飯を食いに行こうか。その後に整備と200マイルにチャレンジだ」

 

ルッキーニ「うん!」

 

歩いて行く2人にミセスSは笑って続く。

 

 

 

 

芳佳「もぐもぐんぐんぐ…」

 

全員が集まった食堂で芳佳が大量に食べていた。

 

音炉「オー。ヨシカ、大食い!」

 

静夏「だ、大丈夫ですか?そんなに食べて」

 

ガツガツと勢い良く食べる様子に音炉は感嘆する隣で静夏が心配して聞く。

 

芳佳「いっぱい食べた方が魔法力も回復するかも…!」

 

切歌「おー、なるほど」

 

調「……魔法力ってそういう仕組みだっけ?」

 

そう言った芳佳のに切歌は感嘆し、調は首を傾げる。

 

ミセスS「あまり無茶すると訓練に響くぞい」

 

坂本「それに焦って食べてると……」

 

んぐんぐと食べていた芳佳は目を見開いて胸をドンドン叩いて慌てて水を飲む。

 

坂本「喉に詰まると言う前にやったか;」

 

リーネ「だ、大丈夫芳香ちゃん!?」

 

芳佳「ぷは~、大丈夫」

 

ふいーと一息を付く芳佳に誰もが苦笑する中でうっしと食べ終えたシャーリーは立ち上がる。

 

シャーリー「行くぞルッキーニ」

 

ルッキーニ「あ、うん!ちょっと待って」

 

そう言って出て行くシャーリーにルッキーニも慌てて食べ終わて続く。

 

ごっそさんと食べ終えたミセスSも手伝う為に行く。

 

エーリカ「シャーリー達、頑張ってるねー」

 

ウルスラ「200マイル達成できると良いですね」

 

それを見ながらエーリカは呟き、隣で食べながらウルスラは呟く。

 

 

 

 

早速ラピット号の整備を始めるシャーリーとミセスSを見ながらルッキーニはチビ達と遊びつつ見ていた。

 

ミセスS「この出力じゃとこのパーツじゃ…」

 

シャーリー「なら、こっちのでどうだ…」

 

話しながら整備を進める2人、特にシャーリーの様子にルッキーニは楽しそうだなと呟く。

 

シャーリー「ん?なんか言ったかルッキーニ?」

 

ルッキーニ「ううん。なんでもないよ♪」

 

顔を向けるシャーリーにルッキーニは笑顔で返す。

 

ミセスS「シャーリーちゃんの幸せそうな顔見てたんじゃろ?」

 

ルッキーニ「う、うん」

 

少し恥ずかしそうにミセスSの問いに頷くルッキーニにシャーリーは笑う。

 

シャーリー「なんだよ。そんなに良かったのか?私の笑顔」

 

ルッキーニ「うん!バイクを弄っているシャーリー、凄く嬉しい感じで」

 

そうかとシャーリーは笑う。

 

シャーリー「バイクで200マイルって無理って言ってただろ?あれはな、本当は正しいんだ」

 

え?と目を丸くするルッキーニにシャーリーはラピット号の外装を撫でる。

 

シャーリー「こいつの排気量は1000cc。これで200マイルは不可能だ。って誰だって聞いたらそう言う筈さ」

 

ルッキーニ「だったらさ…」

 

なんで?と問うルッキーニにシャーリーは懐かしむ様に目を細める。

 

シャーリー「あたしの故郷は何もない田舎でさ。こいつに出会わなかったら今でもそこにいたかもしれない」

 

懐かしむ様にしみじみと言いながらシャーリーはルッキーニを見る。

 

シャーリー「軍にだって入ってなかったし、ルッキーニとだって出会わなかったかもしれない」

 

ミセスS「まさしく人生を変えた出会いじゃったんだな」

 

そう言う事と返してからシャーリーは真剣な顔でラピット号を撫でる。

 

シャーリー「こいつはわたしの原点だ。だからこいつで挑戦したいんだ……不可能だって言われてもな」

 

ルッキーニ「…!夢を追わなくなったらおしまい!」

 

出てきた言葉にシャーリーは目を丸くしてそれってと呟くとルッキーニは頷く。

 

ルッキーニ「シャーリーが前言ってた!」

 

シャーリー「…ああ。夢を追わなくなったらお終いさ」

 

笑って言うシャーリーとルッキーニにミセスSは微笑む。

 

ミセスS「そんじゃあルッキーニちゃんにも手伝って貰って整備をするかのう」

 

ルッキーニ「手伝っていいの?」

 

シャーリー「ああ、もちろん!」

 

分かった!と早速、ルッキーニも入って整備を開始する。

 

ルッキーニは主に道具を手渡したりをメインに手伝っていく。

 

暫くするとここにいたと芳佳が音炉と静夏に、バルクホルンと共に来る。

 

芳佳「皆さん、もうお昼過ぎましたよ」

 

バルクホルン「宮藤がわざわざ持って来てやったぞ」

 

シャーリー「おお、サンキュー!」

 

ミセスS「もうそんな時間か」

 

いやはやとミセスSは困った様に頬をポリポリ掻く。

 

静夏「作業の方は順調なんですか?」

 

音炉「突破デキそう?」

 

気になって聞く2人にまだまだだなとシャーリーはそう返す。

 

ミセスS「高い壁じゃからな。そう簡単にはいかんよ」

 

シャーリー「だからこそやりがいがあるんだけどな」

 

二ッと笑うシャーリーにそのやる気をいつも出してくれると嬉しいんだがなとバルクホルンはぼやく。

 

バルクホルン「1つ気になったが、ミセスSたちがいた世界では速い乗り物は沢山あるのか?」

 

ミセスS「まああるのう。例えば…リニアというもんがある」

 

ふと、そう聞くバルクホルンにミセスSはそう返す。

 

芳佳「リニア?」

 

音炉「未来の機関車みたいなもの!」

 

ミセスS「仕組みは全然違うけどのう」

 

ルッキーニ「どういう感じで動くの?」

 

興味津々に聞くルッキーニにミセスSは空中に画面を展開してある画像を出す。

 

ミセスS「これがリニアじゃ。磁石の力を応用して動く未来の乗り物じゃ」

 

シャーリー「磁石の力を応用?」

 

くっつけたり、反発しあうあれ?と問うシャーリーにミセスSは頷いて別の画像を出す。

 

それは巻いて作り上げたコイルのトンネルと磁石をくっ付けた乾電池ので、乾電池がコイルの中に入ると自動的にコイルのトンネルを通り抜けるのに芳佳達はおおと声を漏らす。

 

ミセスS「こんな感じに動くのがリニアじゃ。速度はだいたい時速500㎞…マイルにすると310マイルになるかのう」

 

シャーリー「さ、310マイル!?」

 

告げられた速度にシャーリーは驚く。

 

ルッキーニ「はっやーい。未来にはそんなのがあるんだ」

 

ミセスS「まあな。ま、この世界の者たちもいずれ作るじゃろうな」

 

目を輝かせるルッキーニにミセスSはそう返す。

 

シャーリーは楽し気に笑った後に芳佳が用意してくれた昼飯のサンドイッチを食べ終えて手をパンとさせる。

 

シャーリー「よし!頑張るか!」

 

ルッキーニ「うん!」

 

早速整備に戻る2人にやれやれとバルクホルンは息を吐き、芳佳と音炉、静夏は楽し気に笑う。

 

ミセスS「(平和でいい時間じゃのう…)」

 

それにミセスSも微笑ましく思いながら同じく整備に戻る。

 

ラピット号の整理は夜まで続いた。

 

シャーリー&ルッキーニ「できたー!」

 

ミセスS「ようやく完成じゃな」

 

キラリと輝くラピット号にシャーリーは満足気に頷く。

 

ルッキーニ「早速挑戦しようよ!」

 

シャーリー「いや、今日はもう遅いし。明日の朝にしよう」

 

ミセスS「そうじゃのう。こんなに暗いと。ブレーキを誤って海に落ちるかもしれんし」

 

ええとなるルッキーニにシャーリーとミセスSは苦笑する。

 

その後にほれとミセスSは布団をどこからともなく取り出す。

 

ルッキーニ「どっから出したの!?」

 

乙女の秘密じゃ♪とルッキーニの驚きをミセスSは笑って返す。

 

ミセスS「さあ、明日に備えて寝ような」

 

ルッキーニ「おやすみー!」

 

そう言って横になって布団を被るとすぐさまスヤぁと寝息が出始める。

 

その様子にシャーリーとミセスSはくすりと笑う。

 

明かりを消した後、シャーリーは綺麗な月を見上げる。

 

ミセスS「綺麗な月じゃのう」

 

シャーリー「ああ……」

 

ミセスSのにシャーリーは頷く。

 

シャーリー「なあ、あんた等の世界には私と同じ様にバイクに乗ってる奴がいるか?」

 

ミセスS「ああ、普通におるぞ。知り合いにもおる」

 

この子じゃなと空中に出した画面に1人の少女を映し出す。

 

ミセスS「風鳴翼。切ちゃんたちの先輩にあたる女性じゃ」

 

シャーリー「切歌たちの先輩か…」

 

映し出された青髪の少女を見て雰囲気がまるで少佐だなと第一印象からシャーリーは思った。

 

シャーリー「かっこいいなあのバイク」

 

ミセスS「じゃろ?翼ちゃんの愛車じゃ」

 

一緒に映し出されたバイクを見て自然に出た言葉にミセスSは笑って返す。

 

彼女の走る姿を想像し、シャーリーは笑みを深くさせる。

 

競ってみたい、どれだけ速く行けるか、それを感じたいと……

 

シャーリー「…なあ、いつかそっちの世界に行ってみてもいいか?」

 

ミセスS「翼ちゃんと勝負するためか?」

 

頼むシャーリーにミセスSは問う。

 

愚問だろとシャーリーは笑う。

 

シャーリー「ああ、どっちが早いか勝負したい!」

 

ミセスS「…良いじゃろう。検討しておこう」

 

ふふと笑うミセスSにサンキューと返してからシャーリーは寝転がる。

 

シャーリー「んじゃおやすみ。サイエンス」

 

ミセスS「ああ、おやすみじゃ」

 

そう言葉を交わした後に少ししてシャーリーは寝息を立てる。

 

ミセスSはそれを見てから夜空に浮かぶ月を見る。

 

ミセスS「明日はいい日になると良いのう」

 

そう呟いてから自分も眠り出す。

 

 

 

 

ウーーーーーーー

 

ミセスS「(むぅ…うるさい目覚ましじゃのう……)」

 

耳に入って来た警報にミセスSは鬱陶しく思いながら目を覚ます。

 

この様子ではチャレンジは無理そうだと思った後にルッキーニの姿がない事に気づく。

 

ミセスS「む、ルッキーニちゃんが居らんようじゃが…」

 

シャーリー「え?ルッキーニが?」

 

同じ様に起きたシャーリーはすぐさまユニット置き場に向かう。

 

そこでが芳佳、音炉、静夏が丁度出撃し、ペリーヌが出る所であった。

 

シャーリー「ルッキーニ!ルッキーニは!?」

 

ペリーヌ「ルッキーニさんなら今出撃しましたわ」

 

確認するシャーリーにペリーヌはそう返す。

 

シャーリー「なんだって!?」

 

まさかと思ってシャーリーは置かれてるユニットを見ると自分が使う筈だったP51Hがなかった。

 

ミセスS「まさかルッキーニちゃん。シャーリーちゃんのためにあのユニットでネウロイを…!」

 

シャーリー「くそっ!」

 

それにシャーリーはある所へと走る。

 

 

 

 

一方、ミーナ、エーリカ、バルクホルン、エイラ、サーニャ、静夏と音炉と共に出撃した芳佳だが途中で美味く飛べずに静夏に抱き抱えられる。

 

エーリカ「宮藤はまだ無理だね」

 

バルクホルン「服部!宮藤を援護して後退しろ」

 

バルクホルンの指示に静夏は了解と返し、芳佳はすいませんと謝罪しながら後退する。

 

そこに新たな飛行音が響く。

 

音炉「ン?この音って…」

 

バルクホルン「来たかシャーリー…」

 

聞こえてきた音にバルクホルンは早速頼むと言いかけて目を見開く。

 

そこにいたのはP51Hを履いたシャーリー……ではなくルッキーニで、そのままバルクホルン達を抜かして飛ぶ。

 

バルクホルン「ルッキーニ!?」

 

ルッキーニ「……!」

 

驚いている間にネウロイへと向かっていくルッキーニに慌ててバルクホルンは叫ぶ。

 

バルクホルン「おい!そのユニットはシャーリーのだ…「私がやっつける!」何!?」

 

告げられた事に驚くバルクホルンへとルッキーニは告げる。

 

ルッキーニ「ウォーロックⅡのネウロイなんかにシャーリーの邪魔はさせない!」

 

バルクホルン「おい、待て!」

 

呼び止めようとするバルクホルンのを振り切ったルッキーニにネウロイも気づいてかスピードを上げる。

 

この!とルッキーニは攻撃を仕掛けるが悉く外れる。

 

ルッキーニ「外れた!?うわっ…!?」

 

驚いた後にルッキーニは体勢を崩す。

 

音炉「なんかルッキーニ、フラフラ!」

 

バルクホルン「くっ、やっぱりあのユニットはルッキーニと相性が悪かったか!」

 

その様子にバルクホルンは苦い顔をする。

 

なんとか態勢を立て直したルッキーニは向かって来たネウロイのビームに慌てて防ぐが、不安定になっていた事もあってシールドが壊れ、吹き飛ぶ。

 

ルッキーニ「うわぁああああ!」

 

バルクホルン「ルッキーニ!」

 

墜落するルッキーニを殺さんとネウロイは大きく反転して彼女目掛けて突撃する。

 

ミーナ「まずいわ!ルッキーニさんを狙ってる!」

 

エーリカ「足止めをしないと!」

 

慌てて助けに入ろうとするミーナ達だが相手の方が速い。

 

誰もが万事休すと思った時……

 

ルッキーニ!!!

 

声が響き渡ると共にバイクの走行音が響き渡る。

 

目を開いたルッキーニの目に滑走路を爆走するラピット号に跨ったシャーリーの姿が入る。

 

ルッキーニ「シャーリー!?」

 

それにルッキーニが驚く中、シャーリーはペダルを壊れそうになる位に踏み付け、スロットルを限界以上に動かす。

 

シャーリー「もっとだラピット号!お前ならできるだろ!」

 

ルッキーニを助ける為に、あらん限り叫ぶシャーリー(相棒)へと答える様にラピット号は悲鳴をあげそうになる装甲やエンジンが壊れても構わないと言わんばかりにそのスピードを上げ、風を切る。

 

シャーリー「とっべぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

 

そのまま滑走路から飛び出し、近づくと共にシャーリーはラピット号に謝罪しながら足場にしてルッキーニへとジャンプして抱き抱える。

 

それにより自分の前に変わりに出たラピット号にネウロイは先端を光らせ……

 

ドカァァァァァァァン!!

 

ビームが発射される直前でラピット号はネウロイとぶつかって残っていた燃料が壊れた際ので発生した火花で爆発を起こす。

 

バルクホルン「シャーリー!!」

 

その爆風を背にルッキーニを抱き抱えたシャーリーは助けに来たバルクホルンにより救助される。

 

シャーリー「サンキュー、バルクホルン!大丈夫か?」

 

ルッキーニ「う、うん」

 

安否を聞いたシャーリーは良かったと心底安堵する。

 

ルッキーニ「…ごめん。邪魔しちゃって」

 

シャーリー「あたしこそ、危うくケガさせるところだった。ごめんな」

 

謝るルッキーニにシャーリーも謝り返す。

 

ルッキーニ「でもシャーリーのバイク…200マイルが…」

 

泣き出しそうになるルッキーニをシャーリーは強く抱きしめる。

 

シャーリー「いいんだよ。バイクよりも200マイルよりも、お前の方が一番大事だ」

 

ルッキーニ「シャーリーっ…!」

 

その言葉を切っ掛けにルッキーニはシャーリーの胸で涙を流す。

 

それをシャーリーは優しく受け入れ、ミーナ達も優しく見守る。

 

ペリーヌ「!ネウロイは…」

 

ミセスS『あっちにおるぞーお主等が向いとる方向じゃ』

 

その後にハッとなるペリーヌの後のミセスSの言葉に誰もが顔を向けると逃げようと飛び去ろうとしてるネウロイを視認する。

 

バルクホルン「くそっ、また逃げられる!」

 

エーリカ「あの速さじゃね」

 

シャーリー「いいや。まだやれる!」

 

呻いたバルクホルンはシャーリーの言葉にそういう事かと気づき、ミーナがエイラとハイデマリーへ指示を出す。

 

ミーナ「エイラさん、ハイデマリーさん。P51Hをルッキーニさんからシャーリーさんに付けるのを手伝ってくれないかしら」

 

エイラ「分かったんダナ」

 

ハイデマリー「了解です」

 

指示された2人はルッキーニの足からP51Hを抜き、シャーリーの足に装着させる。

 

装着が完全に出来た後にシャーリーはP51Hを動かし、浮遊したのを確認してミーナは自分が持っていたMG42を手渡し、ルッキーニをオンブで預かる。

 

シャーリー「んじゃ最速でぶっ倒してくるぜルッキーニ」

 

ルッキーニ「うん!頑張ってねシャーリー!」

 

サムズアップした後にネウロイへと飛び立ち、援護のつもりでバルクホルンとエーリカも続くが途中で勢いを増したシャーリーは2人を置いてけぼりにして飛び去って行く。

 

エーリカ「はっや…」

 

バルクホルン「あの加速はジェットではできない…。あれがP51Hの…いや、シャーリーの力だ」

 

呆気にとられるエーリカの隣でバルクホルンは見えなくなっていくシャーリーを見ながら呟く。

 

2人を置いてけぼりにしたシャーリーはもうネウロイに追い付いていた。

 

よぉと気軽に声をかけるシャーリーに驚いた様に鳴き声をあげたネウロイは逃げようとスピードを上げるがそれよりも速くシャーリーは追い越してネウロイの前に出ながらMG42を構える。

 

シャーリー「ルッキーニのお返しだ!」

 

放たれた銃弾がネウロイの装甲を撃ち抜いて行き、最後は露出したコアに炸裂し……

 

パァン!!

 

ネウロイは消滅する。

 

その光景はミーナ達にも見えた。

 

エイラ「おぉ…」

 

サーニャ「凄い…」

 

音炉「はやーい!」

 

誰もが感嘆の声をあげ、バルクホルンも頬を緩ませる。

 

基地の方でも見ていたミセスSは楽し気に頷く。

 

ミセスS「…さて、わしもやるとするかのう」

 

そう言って来ていた調と切歌にそう言う。

 

切歌「準備OKデース」

 

調「早く引き上げてあげよう」

 

坂本「引き上げるとは、シンフォギアはそう言う事も出来るのか?」

 

ふんすと気合を入れる2人に坂本は少し驚きながら問う。

 

ミセスS「まあ、応用すればいけるじゃろ」

 

切歌「今の時期の海に入るのはさすがにごめんデス;」

 

いけるのかと坂本が思っている間にミセスSはよいしょっとと懐から沢山取り出して行く。

 

坂本「それは?」

 

ミセスS「わしお手製のクレーンの材料じゃよ」

 

さあせ、組み立てるぞいと切歌と調と共に組み立てて行く。

 

坂本「おお…凄いな」

 

その様子に坂本は驚嘆する。

 

坂本「(この短時間でここまで組み立てるとは…)」

 

改めて、彼女の技術力を感じていると飛行機音がして、した方へと顔を向けると輸送機が飛んで来るのが目に入った。

 

輸送機はそのまま滑走路に着陸し、輸送機から土方が出て来る。

 

土方「お待たせしました坂本少佐、例の物を持ってきました」

 

坂本「!来たか…」

 

敬礼した後の土方の報告に坂本は真剣な顔をする。

 

坂本「(またお前の力を借りるぞ…烈風丸)」

 

 

 

 

翌朝、シャーリーはミセスSに呼ばれていた。

 

傍にはルッキーニもいる。

 

シャーリー「なんだサイエンス。朝っぱらから用事なんて」

 

ミセスS「二人に見せたいものがあるからじゃよ」

 

ルッキーニ「見せたいもの?」

 

なんだろうと顔を見合わせる2人にミセスSは自分の後ろに鎮座させていた布で覆われた物から布を取り払う。

 

現れた真っ赤なボディにウサギマークのにシャーリーは目を見開く。

 

シャーリー「ら、ラビット号!?」

 

ルッキーニ「ええ!?」

 

どうしてと近寄る2人にミセスSは楽し気に笑う。

 

ミセスS「海に落ちた残骸を回収して修復したんじゃよ」

 

シャーリー「すげぇ…新品にするんじゃなくて壊れる前と全く同じ状態に戻すとは…」

 

嬉しそうにラピット号のボディを撫でた後にシャーリーはありがとうとミセスSに感謝を述べる。

 

ミセスS「いやいや。素晴らしいものを見せてくれたお礼じゃよ」

 

ルッキーニ「これでまたチャレンジできるねシャーリー!」

 

笑って言うルッキーニにシャーリーもああと頷く。

 

シャーリー「今度こそ200マイル突破してやるぜ!」

 

ルッキーニ「頑張ってねシャーリー!」

 

笑いあう2人にミセスSは楽し気に見守る。

 

ミセスS「(ふふっ、気づいてない様じゃな二人とも。すでに200マイルは達成できてることに)」

 

回収する際に見た事を思い出しながらミセスSはラピット号を見て楽しく語りあってる2人へと近づくのであった。

 

そんなシャーリーとルッキーニにミセスSは知らなかった。

 

誰にも知られず、格納庫を見つめる存在がいた事を……

 

その存在はそのまま走り去って行く。




ちびシャーリー「後編に続くぜ!」
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