ストライクウィッチーズ Nと行くROAD to BERLIN!   作:Dr.クロ

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ローザンヌ医学校で医学を学んでいた宮藤芳佳は501の上司であった坂本と再会した後に新たな出会いを果たす。


第1話~不思議な少女~

夢を見た。

 

夢だと判断したのは自分が空を飛んでる以外に隣にあの子がいたから……

 

上手く話が出来ず、そのまま消えて行ってしまった敵であったあの子を……

 

もし叶うのならばもう1度あの子と話したい。

 

色んな事を、戦う事以外の話を……そう願いながら宮藤芳佳は夢から覚める。

 

 

 

 

それは見ていた。

 

自分に攻撃を仕掛ける者達の中で1人だけ自分と話そうとする者を……

 

数回だけであったが自分の中に残り続けた。

 

会いたいと願うがその願いが叶いそうにないとそれは思っていた。

 

―おやおや、まだ意識があるのう―

 

その人物に拾われるまで……

 

 

 

 

ヘルウェティア連邦、ローザンヌ医学校……より少し離れた上空

 

そこで1人の少女が展開された画面を見てはふぅとうっとりとした顔で見ていた。

 

映し出されているのは女性と話す数冊の本を抱えた少女、宮藤芳佳だ。

 

少女「…やっト、ミツケた」

 

嬉しそうに呟いてから芳佳を見続ける。

 

女性、坂本美緒と彼女の腹心の土方と歩いている彼女に少女は飽きもしない様子で送られて来る映像を見る。

 

少女「アノ時からほとんど変わッていなイ。アッチのは眼帯ナクナッた?」

 

前半は芳佳を見て、後半は坂本を見てから後は弱くなった?と首を傾げた少女は見続けていると芳佳は坂本達と一緒にジープに乗ってどこかに向かう。

 

少女「あ、追いかけナイト」

 

見失わない様に少女はジープを追いかけながらどこに行くかを調べる為に会話を聞いて見ると移動用サーカスが来ているのでそれを見に行く様だ。

 

少女「サーカス…ってナンだ?」

 

ん~と悩んでいると何やら騒がしい事に気づく。

 

下を見ると複数の人が慌てて何かに逃げている様だ。

 

少女「何かアッタのカ?」

 

よく見てみると興奮した白熊がおり、1人の少女が襲われそうであった。

 

そんな少女の前に芳佳は割って入り、シールドで白熊を止める。

 

少女「オオ!凄い!」

 

それに少女は感嘆してるが白熊はガムチャラにシールドを殴り続けて吠える。

 

少女「アノ子に攻撃しているアレ…倒した方がイイ?」

 

それに少女は何かしようとして……

 

―良いかの?むやみやたらに攻撃してはいかん。足止めとかの手助けは良いが、傷付ける事をあんまりしてはならん。お前さんが会いたいと願っとる奴は優しい子じゃからな~―

 

少女「…傷つけルのダメ。なら、止めル手伝イならイイ?」

 

ここに来る前に言われた事を思い出して、良しと気合を入れて向かって行く。

 

 

 

 

芳佳は呻く。

 

先程、白熊が吠えた時に暴れてる原因に気づいたが()()()()()()()のか、激しく暴れていてシールド以外に力を割いたら押されてしまいかねないので後ろにいる少女、同じ学園に通う同級生のアルテアの安全を保障できない。

 

どうすれば……と思った時……白熊の両腕に何かが巻き付いて動きを止める。

 

???「今ダゾ!」

 

芳佳「!」

 

上からの声に芳佳は白熊に向けて治癒魔法を発動する。

 

芳佳「大丈夫。落ち着いて」

 

グルルと唸る白熊へと芳佳は優しく声をかけ続ける。

 

しばらくすると唸っていた白熊は段々と落ち着いて行き、それを見た芳佳はシールドを消すと終わったのを確認して白熊の両腕を止めていたのが外れてから白熊は甘えた声を出して芳佳の顔を舐める。

 

芳佳「ははは、くすぐったいよ」

 

???「大丈夫カ?」

 

そんな甘える白熊にくすぐったそうにしていた芳佳は声のにお礼を言おうとして、先に見ていた坂本と土方と同じ様に目を見開く。

 

いたのはストライカーユニットを纏い、黒い猫耳と尻尾を出した少女で、髪を抑える様に丸めており、オデコの隣部分、丁度猫耳の所から伸びる様に水色のメッシュが入っており、目の色が赤色、手が隠れる程長い袖の黒いコートの様なのを纏っていたのだが、3人が驚いているのはその顔で、アルテアが代わりに声を漏らす。

 

アルテア「え?芳佳ちゃんにそっくり……!?」

 

少女「ヨシカ?」

 

首を傾げた少女は芳佳を見て、そうかそうかと納得する。

 

少女「ヨシカ。それガアナタの名前」

 

芳佳「う、うん」

 

坂本「そう言うお前の名前はなんだ?」

 

近づいて確認する少女に芳佳が慌てて頷いた後に近づいて来た坂本が問う。

 

少女「アタシ?アタシは…音炉!空初音炉!ソレがアタシの名前!」

 

芳佳「空初…音炉…」

 

そう!と少女、音炉は嬉しそうに芳佳に微笑む。

 

 

 

 

その後、音炉を含めて、芳佳は白熊の調教師になぜ、白熊が暴れ出したかの理由を説明する。

 

調教師「む、虫歯?」

 

芳佳「はい、きっとそれが痛くて暴れたんだと思います」

 

目をパチクリさせる調教師に芳佳はそう言う。

 

調教師「そうか、さっき振った鞭が虫歯に当たったんだな……」

 

悪い事をしたなと檻に入れられた白熊に向けて調教師は謝罪する。

 

音炉「防ぎナガラそれ気ヅいたヨシカ。スゴイ!」

 

芳佳「たまたま気づけたんだよ」

 

褒める音炉に芳佳は照れながら返す。

 

そんな話してる2人、特に音炉を坂本は見ていた。

 

土方「どう思います少佐?」

 

坂本「怪しいな……名前から扶桑出身だと思うがそんなウイッチを扶桑では聞いたこともない。それに彼女が使っているストライカー……見た感じは宮菱重工業A6M3a零式艦上戦闘脚二二型と似ているがそんなストライカーがあるって話は聞いたことがない……のだが……」

 

同じ様に見ていてそう問う土方に坂本はそう返してから少し言葉を切る。

 

土方「?」

 

坂本「なんだか何処かであった気がするのだ。彼女とは…」

 

なぜか分からんがな……と坂本は呟く。

 

その間に芳佳は逃げてる際に捻ってしまったアルテアの足を治療し始める。

 

アルテア「ありがとう。でもびっくりしちゃった。芳佳ちゃんってウイッチだったんだ」

 

芳佳「うん。一応ね」

 

お礼を述べてからそう言うアルテアに芳佳は照れ臭そうに返す。

 

アルテア「こんな治癒魔法使えるのにどうして医学を?」

 

芳佳「……私ね。魔法が使えなくなった時があったんだけど、その時医学を学べば魔法がなくても人助けできるんじゃないかなって。それで此処に留学させてもらったの」

 

その後に質問をするアルテアに芳佳はそう返す。

 

音炉「ヨシカ。優しい!ヒトのために医学勉強スルなんて!」

 

芳佳「ありがとう音炉ちゃん」

 

凄い凄いと褒める音炉に芳佳はまた照れ臭そうに笑う。

 

アルテア「ひょっとして芳佳ちゃんってウィッチ隊?」

 

坂本「そうだ。宮藤は軍人だ。まもなく前線に復帰することになっている」

 

質問したアルテアに坂本が変わりに肯定して付け加える。

 

アルテア「へ?あ、あの……」

 

戸惑うアルテアに自己紹介してない事に気づき、坂本はすまないと謝罪してから名乗る。

 

坂本「そう言えば自己紹介がまだだったな。扶桑海軍少佐、坂本美緒だ」

 

アルテア「えっ!?坂本少佐ってひょっとしてガリアとヴェネツィアを解放した501統合戦闘航空団の……!」

 

驚きの声をあげるアルテアにああと坂本は肯定する。

 

坂本「宮藤もそうだ」

 

アルテア「え、ええ!?芳佳ちゃんも!?」

 

続けて付け加えられた事にアルテアは驚く。

 

音炉「501とうゴウ戦闘こう…?……ア、ストライクウィッチーズ!」

 

それに音炉が言おうとして詰まってから通称の方を言う。

 

一応教えて貰って知ってはいるが最初の漢字が難しくて覚えていなかったのだ。

 

その間、アルテアは立ち上がったと思ったら、涙を浮かばせて芳佳に抱き着く。

 

芳佳「う、うわっ!?」

 

音炉「あ、抱き着イタ!アタシもスル!」

 

驚く芳佳に音炉も続いてギューと抱きしめる。

 

坂本「(…初対面の筈なのに宮藤に懐いているな空初は…だが、懐き過ぎだな……)」

 

それを見て坂本は考える。

 

宮藤の良さは間近で見て来た自分でも分かる。

 

だが、音炉は坂本からすれば初めて会ったつもりなのに芳佳に心を開き過ぎている。

 

逆に自分には警戒心を持っている。

 

それ故に坂本は彼女とは初対面であったと言うのを感じずにはいられなかった。

 

坂本「(一体何者なのだ……空初音炉……)」

 

 

 

 

しばらくして落ち着いたアルテアがなぜ芳佳に抱き着いたかの理由を語る。

 

アルテア「実はわたしの父はヴェネツィア海軍の戦艦の艦長なんです」

 

芳佳「え、そうなんだ」

 

驚く芳佳にアルテアは頷く。

 

アルテア「父は常々言ってました。自分が生きていられるのは501部隊の皆さんがネウロイと戦ってくれたからだ、って…」

 

坂本「我々は軍人だ。戦うのは任務で当然のことだ」

 

芳佳「そうそう」

 

そんなアルテアのに坂本はそう返し、芳佳も相槌を打つ。

 

坂本「それで御父上は今どこに?」

 

アルテア「それが…地中海から大西洋を回る任務に就いている筈なんですが…。手紙を出しても返事が来ないんです。こんなこと初めてで…」

 

不安そうに顔を伏せるアルテアに芳佳は手助けできないかと考えてハッとなって坂本を見る。

 

芳佳「それなら無線を使えばいいんじゃ…。ね、坂本さん」

 

坂本「ん~……声を聴くくらいなら構わんか。土方」

 

土方「了解しました!」

 

少し考えてから了承して呼ぶ坂本に土方は敬礼して準備を始める。

 

音炉「ねえ、ヨシカ。ヒジカタ何シテルの?」

 

芳佳「アルテアちゃんのお父さんがいる船と無線を繋げているんだよ」

 

そーなのか~とほへぇーとなりながら土方の作業を見る。

 

坂本「……まるで子供だな」

 

そのしぐさを見て坂本はポツリと呟く。

 

その呟きは芳佳と音炉達には聞こえなかった。

 

土方「こちら、扶桑海軍土方一等兵曹。ヴェネツィア海軍軍司令部、応答されたし」

 

アルテア「お父さん……」

 

その間に土方が目的の相手に繋がる様に何回か言葉を交わした後に了解と返してからアルテアに受話器を差し出す。

 

土方「……繋がりました」

 

アルテア「!……もしもし?……あ、お父さん!?」

 

差し出されたのを受け取ってから聞こえた声に顔を明るくしてアルテアは父と話して行く。

 

その様子に良かったと芳佳は安心する。

 

音炉「アルテア、オ父さんと連絡できて嬉しソウ!ヨシカのアイデアのおかげ!」

 

芳佳「ううん、坂本さんたちが無線を繋げてくれたお陰だよ」

 

そう言う音炉のに芳佳は首を振って否定してから自分の父と楽し気に話すアルテアを見ながら坂本へ言う。

 

芳佳「……坂本さん。私、501で戦えて良かったです。私の力で誰かを守ることができた……私、ウィッチで良かったです!」

 

坂本「そうか……実はな、宮藤。私はこの度、正式に501統合戦闘航空団の所属を外れることになった」

 

そう言った芳佳は坂本の口から出た言葉に驚く。

 

芳佳「えっ……!?坂本さん、501を辞めるんですか!?」

 

坂本「二十歳を過ぎて、魔法力がなくなった時点で私はもうウィッチとして戦えないんだ」

 

慌てて聞く芳佳に坂本は静かにそう言う。

 

芳佳「それは…わかりますけど…。でも、もう坂本さんと一緒に飛べないなんて…」

 

坂本「まもなく大規模な作戦が発動する予定だ。そんなことを惜しんでいる場合では――」

 

音炉「サカモト、ストライクウィッチーズから離れるの、危ナイ」

 

寂しそうな芳佳に坂本はないぞと言い終える前に音炉が遮る。

 

坂本「!?」

 

芳佳「え?」

 

音炉「サカモト、ウィッチとして戦えナクなったの関係ナイ。()()()はサカモトも狙ウ。だから離れるの危ナイ」

 

突然の音炉の言葉に驚く2人に音炉は続けて言う。

 

坂本「アイツ…?」

 

芳佳「音炉ちゃん、一体何の…」

 

事……と芳佳が音炉の言葉の真意を聞こうとした時……

 

アルテア「お父さん!?」

 

突然、慌てた様子で何度も父に呼びかけるアルテアにただ事じゃないと芳佳はジープに駆け寄る。

 

芳佳「どうしたのアルテアちゃん!?」

 

アルテア「お父さんの……お父さんの船に何かあったみたいなの!」

 

坂本「状況は!」

 

帰された言葉に芳佳が驚く中で坂本は土方へ問う。

 

土方「無線の感度が急に低下しました!原因不明です!」

 

何が起きているのかと思っているとアルテアの握っている受話器からアルテアの父と思われる声が響く。

 

氷山が向かって来ると言う声が聞こえた後にノイズだけになる。

 

坂本「……今の、聞いたか宮藤」

 

芳佳「……氷……山……!?」

 

確認した坂本が何が起きていると呟いてる間に土方は通信機を弄っていたが、ダメです。繋がりませんと返す。

 

アルテア「お父さん……何かあったんだわ」

 

芳佳「え?」

 

驚く芳佳にアルテアは顔を向ける。

 

アルテア「さっき、無線の向こうで悲鳴が聞こえたの!」

 

芳佳「悲鳴!?」

 

坂本「聞こえたか?土方」

 

土方「いえ、私には…」

 

驚く芳佳の後に坂本が確認するが土方は聞こえてないと否定する。

 

アルテア「本当にです!本当に聞こえたんです!」

 

芳佳「ひょっとしたらネウロイの攻撃かも!ウィッチに出動要請を!」

 

坂本「慌てるな宮藤。水を苦手とするネウロイが氷山に化けたりはしない」

 

音炉「ジャア氷山を中デ操ってルとか?」

 

中で操っていると言う音炉の言葉に馬鹿なと坂本は呟く。

 

坂本「水もそうだが低温も嫌うネウロイが氷山の中で操るなんてできるはずが……」

 

音炉「ネウロイ確かに水と寒いのキライ。デモ人間に変わり者いるミタイに片方だけ平気ナノ居るカモ」

 

否定しようとする坂本だが音炉の言葉にそう言われると全てを否定しきれなかった。

 

変わり者と言う言葉であるネウロイを思い出したのもあるからだ。

 

坂本「(変わり者のネウロイ……そう言えば宮藤を全く攻撃しなかった人型のネウロイが居たな……言われてみれば、とあるウィッチの部隊が冷気を操ったネウロイと交戦したと言う話があったな……そんなネウロイの様にもし寒さに強い変わり者のネウロイが氷山を操ってる……確かに可能性としてはある)」

 

芳佳「坂本さん」

 

考え込んでいた坂本は芳佳の呼びかけに我に返り、なんだ?と聞く。

 

芳佳「私がアントウェルペンまで飛びます!」

 

坂本「なに!?」

 

アルテア「芳佳ちゃん!?」

 

告げられた事に誰もが驚く中で芳佳はアルテアへ顔を向ける。

 

芳佳「悲鳴が聞こえたんだねアルテアちゃん」

 

アルテア「う、うん……」

 

再確認した芳佳は坂本へ顔を向ける。

 

芳佳「救助要請じゃなくて私が勝手に行くのは問題ないですよね?」

 

坂本「宮藤……」

 

音炉「ヨシカ……」

 

坂本へと確認した芳佳は瞳に決意を込めて叫ぶ。

 

芳佳「私、守りたいんです!」

 

坂本・音炉「!」

 

その言葉に坂本と音炉は目を見開き、坂本は守りたい……と呟いた後、ふっと笑ってから高笑いする。

 

坂本「はっはっはっはっはっ!!宮藤。お前はやっぱり宮藤なんだな」

 

芳佳「えっ?あっ、はぁ……」

 

褒めてるのか分からない言葉に戸惑う芳佳に音炉はうんうんと頷いている。

 

土方「しかし少佐。飛ぶと言っても我々はストライカーユニットを積んでいません。あるのは彼女が持っているのだけです」

 

芳佳「あっ!」

 

音炉「それナラ大丈夫!えっと……」

 

そこに土方が最もな事を指摘し、芳佳もしまったと思ったら音炉がそう言って懐を探ると見つけたと言ってメモを取り出す。

 

ほいと渡されたのを坂本はなんだとメモを開いて見て目を見開く。

 

坂本「『ヘルウェティア空軍基地にあるのをメンテナンスしてあるからそれを使え』……まさかこちらが考えていた場所と同じとは……」

 

驚いた後に行くぞ!と坂本はジープに乗り込み、芳佳とアルテアも慌てて乗り、音炉も続いて乗り込むと土方がジープを発進させる。

 

向かいながら芳佳は先ほど向かう先に連絡していた坂本へと気になった事を聞く。

 

芳佳「ヘルウェティアに空軍基地ってあったんですね」

 

坂本「アルプスに囲まれているとはいえネウロイが侵攻こないとは限らんからな。万一に備えてユニットを購入した記録もある」

 

だからこそ当てにしていたと坂本は付け加えてる間に目的の空軍基地に着く。

 

倉庫の前に1人の男性がいた。

 

???「いやー!お待ちしておりました!マイヤー整備兵であります!」

 

敬礼しながら笑うマイヤーによ、よろしく頼むと坂本は不安になりながら案内してくれと頼む。

 

途中、坂本は音炉からついでにこれも渡してと言われて忘れてたともう1つメモを渡される。

 

倉庫に入り、しばらく進むと綺麗な形でストライカーユニットが置かれていた。

 

マイヤー「いやー、驚きましたよ。前日にはクモの巣張っていたユニットが次の日にはこんなに綺麗になっていたんですから。不思議な事ってあるもんですねぇ」

 

芳佳「く、クモの巣?」

 

軽く言うマイヤーだが芳佳は自分がそこまでオンボロになっていたのを履いてたかもしれない事に驚き、坂本は整備兵なのに話からストライカーを全然整備していなかっただろうマイヤーを睨む。

 

その睨みにひっ!?とマイヤーは怯える。

 

気を取り直して坂本は芳佳へと顔を向ける。

 

坂本「これなら飛べるな宮藤」

 

宮藤「はい!」

 

力強く頷き、アルテアに行ってくるねと言ってからストライカーユニットへと向かう。

 

ストライカーユニットを装着し、久々の感覚に頬を緩めながら、すぐさま真剣な顔をして前をみつえる。

 

芳佳「発進!」

 

号令と共に勢い良く飛び出して行く。

 

マイヤー「すげぇ……」

 

アルテア「うわぁ……!」

 

その雄姿にマイヤーとアルテアが感嘆の声をあげる中でマイヤー整備兵とメモを見ていた坂本は声をかけてから肩を強く握りしめる。

 

マイヤー「いてててぇ!?」

 

坂本「この整備状況についてちょっと話があるんだが……」

 

そう言って来る前に音炉からもう1つ渡されていたメモとそれに同封されていた写真を見せる。

 

その写真には蜘蛛の巣が張り、全く手入れをされずに汚れた、先ほど芳佳が履いたストライカーの整備される前のが写されていた。

 

万が一にと言いながら、備えで手に入れてたのにこんな状態でほったらかしにしていたなど、ネウロイが何時来るか分からないし、ウィッチもいない状態とはいえ、流石にこれは問題がある。

 

坂本「もしこの状態のストライカーで宮藤が飛んでいたら途中で堕ちていた可能性が高い。そんな状態までほっておいて……何が整備兵だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!恥を知れ!!!

 

マイヤー「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!申し訳ございません!!!」

 

力の限り怒鳴る坂本にマイヤーは慌てて謝罪する。

 

それを見ていた土方は周りを見てハッとなる。

 

土方「!?少佐、音炉さんがいません!!」

 

坂本「何!?」

 

その言葉に坂本は周りを見て、確かに音炉の姿がない事に気づき、まさかと思っていると倉庫からストライカーを履いた音炉が飛び出した。

 

音炉「ンじゃアタシも行ってクル!」

 

そんな坂本達に音炉はそう言って芳佳の後を追って飛ぼうとする。

 

坂本「待て、空初」

 

音炉「ン?」

 

そんな音炉を坂本は待ったをかける。

 

呼び止めたのは自分が501を辞めると言った際に出て来た彼女の言葉についてだ。

 

坂本「……さっき言いかけていた()()()とは誰のことだ?そしてお前は一体……」

 

芳佳にあんなに懐き、初対面の筈なのに初めて会った気がないウィッチ。

 

敵なのか、味方なのかを坂本はハッキリさせたかった。

 

音炉「……アタシはヨシカを守りタイ。ヨシカの笑顔を曇らせたくナイ。ダカラ、アナタ達を守りにキタ。だからサカモト……」

 

そんな坂本に音炉は真剣な顔で言い、最後は言葉を途中で切る。

 

坂本「?」

 

なぜ切ると思ったが音炉は悪戯っ気のある笑みで笑い……

 

音炉「……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

そう言い残して飛んで行く。

 

坂本「(()()()()()()()()()()……!?)……土方、我々も行くぞ!」

 

土方「は、はい!」

 

それに坂本はまさかと思ったがすぐさま自分が出来る事をしようと土方へそう言い、土方も返事をする。

 

坂本「(まさか…空初の正体は……!)」

 

走りながら自分の予想に坂本は歴戦のウィッチとして外れてないと確信していた。

 

 

 

 

音炉「ヨシカー、アタシも行くゾ~」

 

少しして音炉は芳佳を捕捉し、呼びかけて横に並ぶ。

 

芳佳「音炉ちゃん!?良いの、一緒に来てくれて」

 

音炉「大丈夫!それ二、ヨシカと一緒に飛ぶノ、夢だったカラ!」

 

え?と戸惑いの声を漏らす芳佳を知らずに音炉は芳佳の手を取って行こうとスピードを上げる。

 

芳佳「(私と一緒に飛ぶ…それが音炉ちゃんの夢?初めて会ったばかりなのに……もしかしてどこかで私の事を聞いた?)」

 

どういう事だろうかと芳佳は戸惑ってしまう。

 

とにかくどうして自分と飛ぶのが夢なのかを聞こうとして……

 

音炉「~♪」

 

芳佳「え?」

 

するとそれだけご機嫌だったのか、音炉は芳佳の周りをくるくると飛び回る。

 

その動きに芳佳は既視感を覚える。

 

芳佳「(何だろう、この感じ…この動き…どこかで見たことが…)」

 

それが何なのか芳佳は思い出そうとして、見つケタ!と言う音炉の言葉で我に返る。

 

音炉「あの戦艦!氷山攻撃しテル!」

 

その言葉で芳佳は音炉の見てる方へと顔を向けるとそこでは戦艦が巨大な氷山に向けて砲撃しているのが目に入り、氷山もまるで意思を持った様に戦艦を追いかけている。

 

芳佳「あの氷山の動き……まるで船を追いかけてる……」

 

音炉「! ヨシカ、危ない!」

 

警告に芳佳はえ?と思った直後に氷山が光り、ビームが芳佳目掛けて放たれる。

 

向かって来るビームを芳佳は慌ててシールドを展開して防ぐがその威力に後ろに吹き飛ばされる。

 

芳佳「ビーム!?まさか……!」

 

音炉「ヤッパリ、あの氷山……ネウロイ!」

 

音炉に受け止めて貰いながら芳佳は音炉と同じ確信に至った時、氷山が揺れる。

 

まるで目覚める様に正反対の向きから元の向きに戻るかの様に氷山は傾いて行く。

 

その光景に戦艦の者達と含めて誰もが驚愕する。

 

そして完全に直立する様になった氷山の中央部分に、光る円がいくつも見える穴を持つネウロイとしての姿を見せる。

 

芳佳「水が苦手なネウロイが……なんで氷山に……!?(もしかして音炉ちゃんが言っていた変わり者のネウロイ!?)」

 

そんな芳佳と音炉へと氷山ネウロイは穴の近くの氷から触手が数本飛び出し、その先端からビームを放つ。

 

ビームの嵐に芳佳は慌ててシールドを張り、音炉はそんな芳佳を支える。

 

音炉「大丈夫カ、ヨシカ!?」

 

芳佳「ありがとう音炉ちゃん!」

 

お礼を述べた後に芳佳は気合を入れてシールドの向きを上に反らしてビームによる衝撃を軽減させる。

 

少ししてビーム連射が止まったので芳佳はシールドを消す。

 

音炉「攻撃、止まっタ。攻撃のチャンス?」

 

芳佳「でも今、わたしたち武器持ってないからチャンスがあっても活かせない……!」

 

息を整えながら音炉のに答えた芳佳は万が一にも基地から銃を借りとけば良かったと少し後悔しながら氷山ネウロイをみつえる。

 

 

 

 

一方で港へと土方の運転するジープでアルテアと共に向かっていた坂本は芳佳に通信を試みているが繋がらない事に苛立つ。

 

坂本「くそっ!一体何が起こっているんだ……!?」

 

考えられる事は氷山はネウロイだったと言う事。

 

そのネウロイにより通信妨害をされている可能性があると言う事だ。

 

ならばと坂本はすぐさまある場所へと通信を試みる。

 

坂本「繋がってくれるといいが……!」

 

芳佳の前に現れた謎のウィッチ、空初 音炉。

 

彼女が何者なのか……




芳佳「次回『集結と再会』、あなたは……」
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