ストライクウィッチーズ Nと行くROAD to BERLIN!   作:Dr.クロ

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再び集まった501、彼女達は音炉から衝撃の事実を知らされる。



第三話~ネウロイウィッチとネウロイの真実~

はあとミーナは溜息を吐く。

 

思い出すは先ほどの話し合いでの統合軍西方軍集団最高司令官ジェラルド・S・パットン大将の荒れ模様。

 

港は無事であったがウォーロックの事もあり、計画されていたオペレーションサウスウィンドの延期に彼は荒れ、統合軍西方軍集団副司令官・中将オスカー・ニースン・ブラッドレーに宥められていた。

 

坂本「凄い荒れ模様だったなパットン将軍」

 

ミーナ「気持ちが分かるけど、流石にあの荒れ模様は……」

 

困った様にぼやくミーナにそうだなと坂本は唸ってからはぁと溜息を吐く。

 

坂本「私の方もオスカー中将から頑張りたまえと改めて501在中を言われたのは嬉しいと言えば嬉しいが、ウォーロックの事となるとな……後は協力者的にもな」

 

ミーナ「よくあのパットン将軍がネウロイだったあの子の協力を許可したわね…」

 

全くだと坂本はミーナのに同意してからそれと……前を見る。

 

そこには金髪の少女と黒髪ツインテールの少女がいて、坂本に気づいて手を振る。

 

坂本「そんなネウロイだった音炉を助け出してあの姿にした昨日出会った女性と私の護衛と言うあの2人には驚かされたよ」

 

ミーナ「まさかウィッチでもないのにウィッチのように戦えるなんて…何者なのかしら彼女達は」

 

全くだなと疲れた顔をするミーナのに坂本は苦笑する。

 

 

 

 

一方、アントウェルペンの港では芳佳は音炉と共にドージェの整備兵2人に自分が使っていたストライカーをヘルウェティア空軍基地に返して貰う所であった。

 

整備兵A「じゃあこれはウチの方からヘルウェティア空軍に返却しておくから」

 

芳佳「はい!色々、ありがとうございました!」

 

音炉「アリガトゴザイマシタ!」

 

頭を下げて礼を述べる2人にいやと整備兵Aはなんとも言えない顔で頭を掻く。

 

整備兵A「礼を言われる整備じゃなかった。応急処置とはいえ半端な仕事をしたつもりはないんだが…」

 

芳佳「わたしもずっと2000回転以下で飛んでいたんですけど……」

 

音炉「整備兵さんタチ、船にアッタパーツで精いっぱい頑張ッテた!」

 

それは分かってるよと芳佳は音炉のに返すと宮藤さんと言う声に顔を向けると静夏が走って来た。

 

芳佳「静夏ちゃん!迎えに来てくれたの?」

 

静夏「勿論です!宮藤さんを一人で行かせるわけにはいきません!」

 

音炉「…アタシも居るンだけド…」

 

ふんす!と気合を入れる静かに芳佳の後ろから顔を出して音炉が主張する。

 

静夏「まだあなたを信用してませんので、宮藤さんが信用していてもネウロイならば警戒しなければなりません」

 

そう言い返す静夏にそっかと芳佳が悲しそうに顔を歪める。

 

静夏「す、すみません宮藤さん!わ、私は宮藤さんを悲しませたくないだけで!」

 

芳佳「う、ううん!大丈夫だから…」

 

慌てて弁解する静夏に芳佳はそう返してから笑顔になる。

 

芳佳「ネウロイが危ないって気持ちはわかるから。それでもわたしは音炉ちゃんを信じてるから」

 

静夏「宮藤さん……」

 

そう言って音炉の頭を撫でる芳佳に静香は眩しいなと思っていると芳佳は言う。

 

芳佳「それじゃあ一緒に行こう!501基地に」

 

静夏「はい!」

 

音炉「ウン!」

 

返事をした後に3人は歩き出す。

 

 

 

 

しばらくして、ネーデルラントのデン・ヘルダーの第501統合戦闘航空団基地に到着する。

 

これまでの基地を初めて見たときのを思い出して懐かしむ芳佳はわーと声を漏らしているとお帰り~と言う声と共に1人の女性が来る。

 

芳佳には見覚えのない白いメッシュが入った紫髪に、右目が藍色、黒色のSのマークが描いた眼帯をした女性に新しい人と静夏に聞こうとする前に音炉が近寄る。

 

音炉「サイエンスー!」

 

女性「おー、音炉。元気そうじゃの」

 

嬉しそうに駆け寄って抱き着く音炉にサイエンスと呼ばれた女性は楽しそうに頭を撫でる。

 

音炉「ストライカー、応急処置したところアトで直シテ」

 

女性「うむ、良いぞ」

 

お願いする音炉に女性は快く頷いた後に芳佳と静夏を見る。

 

芳佳「あ、あなたは…?」

 

女性「わしか?わしはミセスS(サイエンス)。音炉の保護者じゃよ」

 

話しかけた芳佳に女性、ミセスSは自己紹介する。

 

あなたが……と呟いた後に芳佳は頭を下げる。

 

芳佳「音炉ちゃんを助けてくれてありがとうございます!」

 

ミセスS「いやいや、それに余計な事もしてしまったのもあるからのう」

 

お礼に対し、ミセスSは困った顔をする。

 

余計な事と首を傾げる芳佳や静夏にミセスSは困った顔をしてから歩き出す。

 

それに芳佳と静夏は慌てて付いて行く。

 

ミセスS「あ、そうじゃ。これお土産」

 

芳佳「あ、ありがとう…っ!?こ、これは…!」

 

そう言ってミセスSは芳佳に何かを渡し、芳佳はお礼を言いかけて渡されたのに目を見開く。

 

渡された物……それは……

 

芳佳「救世主芳佳ちゃんまんじゅう…!」

 

ミセスS「面白そうじゃったから買ってみたのじゃ」

 

フォフォフォと笑うミセスSに芳佳ははううと少し恥ずかしそうに頬を赤らめる。

 

音炉「ヨシカ、有名!まんじゅうにもナッタ!」

 

静夏「宮藤さんは扶桑の英雄ですからね!……わたしはなりすぎないよう気を付けないと……

 

目を輝かせる音炉の後に静香は言ってる途中で少し恥ずかしそうに呟く。

 

芳佳「と、とりあえず貰ってはおきますね…」

 

ミセスS「うむ。それではミーナちゃんが待っておるから行くとするかのう」

 

こっちじゃよと言って歩くミセスSに芳佳達は続く。

 

芳佳「あのもしかしてサイエンスさんは知っているんですか?ベルリンのことやウォーロックⅡのこと…」

 

ミセスS「うむ。それも含めてこれから話そうと思っているのじゃよ。」

 

確認する芳佳にミセスSは肯定する。

 

静夏「その、一体なんなんですか?ウォーロックってのは」

 

ミセスS「あーそうか。お主は知らないんじゃな」

 

恐る恐る挙手して質問する静夏にミセスSは困った顔をする。

 

芳佳自身も悲しい顔をしているのでそれだけ何かあったのかと静夏は息を飲む。

 

ミセスS「ガリア解放戦線ってのは知っておるよな?」

 

静夏「あ、はい!宮藤さんがガリアを解放した話のですよね?」

 

芳佳「…その時に現れたのがウォーロックなの」

 

確認するミセスSに静香はそう返してから芳佳の言葉にえ?となる。

 

自分が聞いた限りではウォーロックと言うのは聞き覚えないからだ。

 

そんな静夏の反応にミセスSは知らなくても仕方ないと述べてから言う。

 

ミセスS「トレヴァー・マロニーが自身の野心を叶えるためにウィッチ達に頼らない新しい戦力とするために作り出されたネウロイのコアを動力源にする無人人型航空兵器……それがウォーロックじゃ」

 

静夏「ネウロイのコアを動力源に…!?」

 

内容の中にあった聞き逃せないのに静夏は目を見開く。

 

ミセスS「ウォーロックは最初は多数のネウロイを倒していたんじゃが途中で自我に目覚めて暴走、赤城や当時の501基地を攻撃したんじゃよ」

 

静夏「そんな事が……」

 

驚きながら静夏は自分が知らないのも規制されていたからかと納得する。

 

芳佳「そのあと暴走したウォーロックはわたし達が倒したんだけどウォーロックⅡってのは…」

 

ミセスS「…それはみんなと一緒に聞いてもらった方がいいのう」

 

ほれ着いたぞいと言う言葉と共に大きい扉の前でハイデマリーが金髪の少女と黒髪ツインテールの少女と共にいた。

 

音炉「あ、シラベ姉さん!キリカ姉!」

 

金髪少女「おー!音炉、元気そうデスね!」

 

ツインテ少女「そっちの人が宮藤さん?」

 

元気よく近寄る音炉に金髪の少女は嬉しそうに言い、ツインテ少女は芳佳を見て聞く。

 

芳佳「えっとあなた達は…?」

 

金髪少女「アタシは暁切歌!音炉のお姉さんその1デース!」

 

ツインテ少女「私は月読調。音炉のお姉さんその2」

 

元気よく挨拶する切歌とお辞儀して言う調に芳佳も宮藤芳佳ですと挨拶して頭を下げる。

 

それと同時に扉が開いてミーナが現れる。

 

芳佳「ミーナ中佐」

 

ミーナ「みんな、これからサイエンスさんからベルリンで起こっている事、ウォーロックⅡについて説明があるから座って」

 

新隊員の紹介とかは簡略になってしまうのはごめんねと静夏とハイデマリーにそう言ってから中に入る様に促す。

 

7人が中に入ると芳佳を除いた501の全員がおり、座る様に促されてそれぞれ座ろうとし……

 

ガッ!

 

静夏「う、うわっ!?」

 

先に入った静夏がカーペットの歪みに足を取られて、そのまま転倒して転がって行き……

 

ドカッ!!

 

中央の机にぶつかる。

 

芳佳&リーネ&調「あ」

 

静夏「いたたっ……はっ」

 

痛みに呻く中で静夏は自分が今、机を背に仰向けでお尻を突き出して凄い無防備な状態になっているのに気づく。

 

それにシャーリーとルッキーニ、エーリカは大爆笑し、エイラは笑いそうになるのをサーニャに窘められる。

 

ちなみに切歌と調はこの世界の女の人の服装は本当に大胆だなと頬を赤らめる。

 

ペリーヌ「もう!人の失敗を揶揄うのはお止めなさい!!」

 

ミーナ「だ、大丈夫?服部さん」

 

芳佳「け、怪我してない?」

 

それにペリーヌが注意する中で、ミーナと芳佳が声をかける。

 

シャーリー「あはは、悪い悪い、緊張すんなって」

 

ルッキーニ「するなって!」

 

軽く誤ってからそう言う2人にいや無理でしょと調は内心ツッコミを入れる。

 

静夏「死ぬ程死にたい」

 

調の思った通り、静夏は膝を抱えて落ち込んでいる。

 

そんな静夏に芳佳は近寄る。

 

静夏「宮藤さん」

 

芳佳「失敗は誰にもあるよ。元気出して」

 

手を差し出し、立ち上がらせると静夏の両手を握り締めて微笑む。

 

芳佳「改めて宜しくだね」

 

静夏「~~~はい!」

 

ミーナ「宮藤さんにも後輩が出来たわね」

 

坂本「はっはっはっ!確かに、宮藤は501では他の皆の後輩だったからな、しっかり服部の指導を頼むぞ宮藤」

 

嬉しそうに言う静夏にミーナは微笑ましそうに言い、坂本も同意してから芳佳に頼んで、芳佳ははいと答える。

 

芳佳が先輩だと言うのに静香は嬉しそうに芳佳の手を握り締める。

 

それにリーネは羨ましそうに見ていた。

 

ミーナ「それじゃあ改めて話し合うから、それぞれ座ってね」

 

言われて、芳佳はリーネの隣に座り、ハイデマリーはバルクホルンの隣の席に、静夏と音炉は芳佳とリーネの後ろの席、切歌と調はサーニャとエイラの後ろの席に座る。

 

ミーナは中央の机へと向かい、ミセスSは右の机にいる坂本とは反対の左の机の所に立つ。

 

全員を見渡してミーナはまず、ベルリン奪還作戦の延期を伝えて、今いる所が最前線だと言うのを念押しする。

 

ミーナ「続けてこの前現れた新種のネウロックとそのネウロックが言ったウォーロックⅡについて…サイエンスさん。お願いします」

 

ミセスS「うむ。まずこれがウォーロックⅡじゃ」

 

そう言ってミセスSは件の存在、ウォーロックⅡの全身図を張る

 

見た目は前日に戦ったネウロックと変わらない感じであった。

 

芳佳「あれがウォーロックⅡ…… 」

 

リーネ「姿形はこの前見たネウロックとほとんど同じだね」

 

それを見て芳佳とリーネは述べた後にミセスSは解説を始める。

 

ミセスS「性能はお主たちが戦ったウォーロックより格段に上がっており、ネウロイを支配する能力も健在じゃ。お主たちが戦った色違いのネウロイは奴に支配されたネウロイじゃ。奴に支配されると赤い部分が紫色になるのじゃ」

 

芳佳「そうだったんだ…!」

 

だから色が違ったんだと思い出しながら芳佳は呟く。

 

ミセスS「またこのウォーロックⅡにはネウロイを強化改造することが出来る。おそらくこれからはネウロイたちは更なるパワーアップされたのが来ると予想される」

 

バルクホルン「ネウロイを強化改造できるだと!?」

 

告げられた事に誰もが驚く。

 

ミセスS「さらに分身体としてこの前戦った色違いのネウロック……ネウロックⅡを作り出すこともできる」

 

エーリカ「こりゃ凄いねー。……ってか詳しすぎない?」

 

ほへぇと感嘆してから気づいて指摘するエーリカにそう言えばと切歌と調、音炉以外の501の面々はざわめき、それにはミセスSも困った顔をする。

 

ミセスS「さてこのウォーロックⅡが誰が作り、何処から来たかと言うと率直に言おう……()()()()()()

 

バルクホルン「……は?」

 

ミーナ「……さ、サイエンスさん?今なんて……」

 

白状したミセスSのに誰もが呆気に取られ、ミーナが慌てて聞き直す。

 

ミセスS「じゃからこのウォーロックⅡはわしが作ったんじゃよ。んでわしのとこから脱走したのじゃ」

 

501「「「「「「「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」」」」

 

困った様に頭を掻いてもう一度言うミセスSに誰もが驚愕する。

 

バルクホルン「あんたがウォーロックⅡの製作者!?」

 

坂本「バカな!?軍でも何人もの科学者たちが居て出来たウォーロックの強化したのをお前が……しかも軍に全く知られずに作っただと!?」

 

ミセスS「そりゃバレるわけないじゃろ。作ったのこの世界ではないし」

 

身を乗り出すバルクホルンと坂本にミセスSはそう返す。

 

この世界と言う言葉に誰もが戸惑う。

 

ミセスS「並行世界と言うのを知っておるじゃろうか?世界はひとつだけではなく複数存在している。わしらはその別の世界から来たのじゃ」

 

サーニャ「並行世界……だからその……別の世界でウォーロックⅡ作ってもバレなかった?」

 

エイラ「信じられないナ。証拠でもあるのカ?」

 

な~にいっとるんじゃとエイラの問いにミセスSは切歌と調を見る。

 

ミセスS「芳佳ちゃん以外には昨日、見せたろうに、護衛としての実力を見せると言う意味で見せた奴を、あれが証拠じゃ」

 

ルッキーニ「あ、あれ!?」

 

シャーリー「マジか…」

 

驚きの声をあげるルッキーニとシャーリーや驚いてる面々にまだ知らない芳佳はリーネに聞く。

 

芳佳「ねえ、あれってなに?」

 

リーネ「実は昨日、紹介された時に強いのかとバルクホルンさんやエイラさんが疑問に思って、それを証明する為に2人が実際に戦う所を見せてくれたんだ。見た事もない服や武器を使って凄かったよ」

 

音炉「シラベ姉とキリカ姉、強い!」

 

リーネの後に続いた音炉のにそんなに凄いんだと芳佳は切歌と調を見る。

 

坂本「では、なぜウォーロックⅡを作り上げたのだ?」

 

ミセスS「ん~~~…面白そうじゃったから」

 

出てきた言葉に501の面々は止まった。

 

調は凄く同情する目でその反応は分かるとうんうんと頷いている。

 

坂本「…は?」

 

音炉「サイエンス、『面白そう』ダカラって理由があれば色ンな物作ル!ちょっぴりオカシイ科学者!」

 

ミセスS「言ってくれるのう音炉。まああってるんじゃけど」

 

声をやっと漏らした坂本に音炉は笑顔で言った事にミセスSは苦笑いする。

 

バルクホルン「そんな理由でウォーロックⅡを作ったと言うのか…ふざけるな!」

 

ミセスS「わしだってまさかアレでウォーロックⅡが起動するとは思わなかったんじゃよ」

 

机をバン!と叩いて言うバルクホルンにミセスSは困った様に肩を竦める。

 

芳佳「アレって何ですか?」

 

切歌「えっとデスね、Sちゃんはいろんな世界の話がアニメ、映像作品にされてるのを持っているんデス」

 

調「その中のひとつにこれがあったの」

 

そう言って調がある物を取り出す。

 

それは芳佳と坂本が描かれたこの世界にはない物、DVDであった。

 

芳佳「これって…わたしと坂本さん!?」

 

坂本「なるほど。つまり別の世界ではわたし達の出来事がお話の中の一作品となっていたのか…」

 

ミセスS「その映像を切ちゃんたちと見ていてラストのシーンを見終わった途端にウォーロックⅡが起動。わしのとこから色々な物かっさらってこの世界に逃亡したんじゃ」

 

驚く芳佳の後に理解する坂本にミセスSは困った顔で言う。

 

ちなみに、DVDの絵を見た面々の反応は以下の通り

 

ミーナ「(わたし達のことはお話になっていたなんて…ってことはあの時のもあったりするのかしら…)」ムズムズするの

 

リーネ「(お、お風呂のシーンとかは流石にないよね…)」

 

ペリーヌ「(な、なんと言う羨ましい絵……はっ、もしや私と少佐の2人だけの奴も!)」※DVDのパッケージ絵にはないです

 

バルクホルン「(宮藤と一緒だと!?いや、待て、まさか恥ずかしい事も!)」妄想でのフリフリ

 

エーリカ「(おー、なんか面白いの出てそう)

 

エイラ「(ちょっと待テ、映像って事はさ、サーニャのあ、あんな事も見れるのデハ)」少し鼻血タラー

 

サーニャ「(恥ずかしい事映されてないよね……)」

 

シャーリー「(凄いな、もしかしてあいつ等の世界には物凄く速いのもあるのか?)」

 

ルッキーニ「(こんな小さいのにわたし達の記録乗ってるんだすごーい!)」

 

ハイデマリー「(もしかして三人の世界ってわたし達の世界よりずっと未来の世界なんでしょうか?)」

 

静夏「(これがあれば宮藤さんたちの記録がいつでも見れるなんて…凄いです!)」

 

各々に思う中で坂本はコホンと咳払いしてから話を戻す。

 

坂本「それで?どうしてそれで動き出したんだ?」

 

ミセスS「おそらく501に自身が負けたシーン見たからそれにより501への復讐の意思が宿り、起動したと思うんじゃよ」

 

問いのに対し、ミセスSはそう返す。

 

芳佳「復讐…」

 

ミセスS「うむ。自身を倒した当時の501のメンバー……静夏ちゃんとハイデマリーちゃん以外の坂本少佐を含めた11人の抹殺が奴の目的じゃろう」

 

ミーナ「待ってください。坂本少佐はすでに魔法力を失ってウィッチではなくなっています。その状態の彼女に復讐なんてなんの…」

 

呟いた芳佳にそう返したミセスSへミーナが待ったをかけてから言ってる途中でミセスSは首を横に振る。

 

ミセスS「そんなこと奴には全く関係ないじゃろうなぁ。相手がどんな状態であっても奴は必ず狙う。それが復讐ってものじゃ。じゃからわしが上層部と相談して501から彼女を抜けるのを伸ばしたのじゃ。下手に1人で行動しておれば格好の的で他の者と行動していればその者達が危険じゃ」

 

その言葉に誰もが黙る。

 

少しの沈黙の後に坂本が口を開く。

 

坂本「成程、ウォーロックⅡに盗まれたのに現存のウィッチでは対処の厳しいのがあるという事か。そうだとしてもよくウィッチではない私が抜けるのを延期させることができたな?」

 

ミセスS「まあウィッチとしては無理じゃけど()()()()()()()()なら問題なしと言うのが上層部の判断じゃ」

 

坂本「なるほど……ん?ちょっと待て。()()()()()って……」

 

納得しかけて出てきた言葉にミセスSを見る。

 

ミセスS「む?言ってなかったか?美緒ちゃんはわしの監視役兼部下になっておるんじゃよ」

 

坂本「な……なんとぉぉぉぉ!?

 

初耳だったのか坂本は驚愕する。

 

ミセスS「ってことでよろしくな美緒ちゃん」

 

ペリーヌ&ミーナ「なんでそうなんるんですか/の!?」

 

思わず質問する2人にミセスSは紙を取り出して何かを書き込み……

 

ミセスS「じゃあお主らは払えるのか?これを」

 

そう言って見せて、全員が見て……ルッキーニ以外が噴いた。

 

書き込まれていたのは、とんでもない額の金額であった。

 

バルクホルン「な、なんだその金額は……!?」

 

ミセスS「美緒ちゃんが大和でライン川遡上した時にガリアの漁協に請求され、軍が代わりに支払った借金じゃよ」

 

誰もが理由にあーと声を漏らして納得した。

 

坂本自身も最もな理由にはっはっはっと弱弱しく笑うしかなかった。

 

ミセスS「その借金をわしが代わりに払ったんじゃよ。んで現在その借金はわしから美緒ちゃんへの借金になっとるわけじゃ」

 

お判りいただけたかなと言うミセスSに質問した2人は小さくなりながらは、はいと返した。

 

坂本「元ウィッチも借金には勝てぬというわけか……」

 

ミセスS「そう言う事じゃ。ちなみにお金の代わりにこの世界では希少となっている金属渡したんじゃよ」

 

遠い目をしながら呟く坂本にミセスSはそう返す。

 

そんな希少な物をポンと出せるものなのかとバルクホルンは思った。

 

エーリカ「んじゃあ少佐は基本的に何やるの?ミーナの手伝いとかするのかと思ったけど」

 

ミセスS「あ、それは別に変らんよ。まあわしがやりすぎないよう見張っといてくれって上層部からの命令じゃな」

 

腕を頭の上で組んで言うエーリカにミセスSはそう返す。

 

エイラ「やり過ぎる所とかあるノカ」

 

切歌「あるデスね」

 

調「とあることでは怪物と合体して人類の敵になったりしたし」

 

聞いたエイラはやり過ぎ通り越してネ?と冷や汗を流す。

 

ミセスS「まあこの世界では多少自制するから安心しておくれ。厄介な物も取られちゃったしのう」

 

ミーナ「厄介なもの?」

 

告げられた事にそれは一体と聞くミーナにミセスSは言う。

 

ミセスS「お主たちも知っとる筈じゃ。ウルスラちゃんが研究していたストライカーの…」

 

エーリカ「あっ、ストライカーの魔法力フィールドのこと!?」※ちぃサーニャ2巻参照

 

言われた事にエーリカは驚いてかつてあったとある出来事でサーニャが小さくなった際の事を思い出す。

 

ちなみにエイラは思い出してデレデレしていた。

 

ミセスS「そうじゃ。なかなか便利そうじゃったからわしが改良したのを奴が持っていってしまったんじゃ。この前ので氷山の上に出てきた魔法陣もそれじゃよ」

 

坂本「ちょっと待て!アレが敵の手に渡っているのならヤバいことになるぞ!?」

 

腕を組んで言うミセスSのに指摘した坂本に芳佳達はあっとなる。

 

あんな自由に移動できる様にされたのがあるのならばどんな所からでも攻撃が出来ると言う事だ。

 

ミセスS「じゃろうな。だが出口に必要なポインターを置かねば、意味がない。調べてみた所あの氷山と現れた付近の場所にポインターとなる機械が置いてあった」

 

肯定してから報告するミセスSにだから向かう途中で現れたのか……とミーナは前日での自分達を妨害したネウロイ達の出現に納得する。

 

シャーリー「って事はそれを置いてない場所には行けないって事か」

 

バルクホルン「それだけがこちらの助けになっていると思いたいな」

 

頬杖を付いて呟くシャーリーにバルクホルンは机に肘を付いて腕を組んで呟く。

 

ミセスS「だが逆に置かれたら早めにポインターを破壊しないといけぬがな」

 

エーリカ「うわぁ、それめんどくさい」

 

うへぇとぼやくエーリカとは逆にやる気満々なバルクホルンは手の骨を鳴らす。

 

バルクホルン「だったらそのポインターとやらを破壊して奴の思い通りだと思ってる鼻を折ってやろう」

 

切歌「ただ厄介なのはそれだけじゃなく色々なデータもなんデスよ…」

 

調「…そのデータを元にネウロイ強化されるかもしれない」

 

困った様に言う2人のにそれだけヤバいデータがあるのかと坂本は想像して頬に冷たい汗が流れる。

 

その中で芳佳が挙手する。

 

芳佳「あの音炉ちゃんのこと聞いてもいいですか?」

 

ミセスS「お、そうじゃな。次は音炉についての説明をするか」

 

そう言ってミセスSは音炉を呼んで自分の隣に来てから説明を開始する。

 

ミセスS「音炉はネウロイウィッチと言う存在じゃ。ネウロイウィッチとはネウロイのコアの欠片とわしが超技術で作り出したウィッチの肉体を組み合わせてできた見た目はウィッチ、中身はネウロイな存在なのじゃ」

 

坂本「見た目はウィッチで中身はネウロイな存在だと…!?」

 

さようと驚くメンバーへ向けて頷いてからミセスSは説明を続ける。

 

ミセスS「ネウロイなため、身体を自由に様々な物に変化できる。また多少損傷してもネウロイじゃから再生はするが大部分を損傷してしまうと人間の様に死んでしまうのじゃ。それ以外は人間と同じ様に食事も出来たり、水に触れても大丈夫じゃし、ネウロイとしての反応も出ない」

 

だから探知出来なかったんだとミセスSの最後の説明にハイデマリーとサーニャは納得する。

 

ミセスS「また金属を食べてパワーアップすることもできる。あとは人間には有害なものも多少じゃったら平気じゃ」

 

坂本「かなり常識はずれな存在なのだな…」

 

ルッキーニ「ねえ、一つ質問いいー?」

 

感心する坂本の後にルッキーニが手を上げてそう言う。

 

ミセスS「む?なんじゃ?」

 

ルッキーニ「音炉を作るのにコアの欠片を使ったって言ったけど……その……」

 

芳佳「?どうしたのルッキーニちゃん…?」

 

言い淀んで芳佳を見るルッキーニに見られた本人は首を傾げる中でシャーリーがルッキーニの頭をポンと軽く撫でた後に代わりに口を開く。

 

シャーリー「あのウォーロックの強力なビームに飲み込まれて良く残っていたな」

 

芳佳「……え?」

 

ビームについては芳佳も巣の中で避けたのを覚えているがまさか飲み込まれていたと言うのは初めて聞いたので芳佳は驚く。

 

音炉「ヨシカ……大丈夫?」

 

その光景を想像してか顔を青ざめた芳佳に音炉が声をかけ、芳佳はう、うんと答える。

 

ミセスS「ふむ、普通じゃったら確かに残らなかったじゃろうなぁ…。芳佳ちゃん、お主彼女と初めて出会った時の事覚えておるか?」

 

芳佳「……あ、は、はい!」

 

顎を摩ってから確認するミセスSに芳佳は慌てて返事をする。

 

ミセスS「あの時、彼女がコアを出した時、()()()()()()()?」

 

そう言われて芳佳は思い出す。

 

コアを見せられた際、自分が何をしたか……

 

芳佳「えっと……()()()()()()()()()()

 

ミセスS「それじゃ。コアの欠片が残った理由は」

 

え?と誰もが驚く中でミセスSは自分の言った事に対して言う。

 

ミセスS「わしが音炉のコアの欠片を見つけた時、欠片は青いオーラ…魔法力に包まれていた」

 

坂本「魔法力だと…まさか!?」

 

その言葉に坂本はハッとなり、ミセスSは肯定する様に頷く。

 

ミセスS「うむ。おそらく芳佳ちゃんはコアに触った時、無意識にじゃがコアに魔法力をほんの少しだけじゃが送っていたんじゃ。その魔法力がほんの少しだけコアを守り、奇跡的に欠片を残すことができたんじゃろうな」

 

あの時、と芳佳は自分の手を見る。

 

芳佳「(あの子が出したコアを自分でもわからないけどでも……コアに触らなきゃいけないって思ってそれで…)」

 

音炉「ヨシカのおかげデ助かッタ!アリガトウ、ヨシカ!」

 

そう言ってギューと後ろから抱きしめる音炉にうんと芳佳は笑う。

 

バルクホルン&リーネ&静夏「…………」

 

エーリカ「(うわ、ミヤフジを抱き締めてるのに凄い羨ましいと言う顔で見てる)」

 

シャーリー「(これは宮藤を巡る関係が荒れそうだな;)」

 

ミセスS「(おそらくそれがこの世界の違ったところなんじゃろうなぁ。…もしかすると感じ取ったのかもしれんな。あの子に危険が迫っているのを……故に生き残り、こうしてワシらと共に彼女の前にいる)」

 

そんな音炉に対して嫉妬の目線を向ける3人にエーリカは呆れ、シャーリーは冷や汗を流す中でミセスSがそう締め括る。

 

ミーナ「(コホン)所で、ネウロイたちがこちらの弱点つくような戦法を取って来たのはそちらが持って行かれた奴に我々の情報もあったからかしら?」

 

ミセスS「そうなんじゃよ。奴は頭が良いからそれを元に対抗策を考えておるんじゃろ」

 

咳払いしてから確認するミーナにミセスSは困ったもんじゃわいとぼやく。

 

ホントに厄介だわとミーナは顔を歪める。

 

ミセスS「今はおそらくベルリンでその準備をしているんじゃろうな」

 

坂本「そう言う意味では、お互いに準備期間と言う事か……」

 

そう言ったミセスSのに坂本は腕を組んで呟く。

 

ミーナ「その間にあちらが仕掛けてこないとも限らないし気をつけていきましょう」

 

坂本「そうだな。とりあえず、気を引き締めてくれ。それで何か質問はないだろうか?」

 

確認する坂本にバルクホルンが挙手する。

 

バルクホルン「丁度良いから音炉に聞きたい事がある」

 

アタシ?と首を傾げる音炉にバルクホルンは頷く。

 

バルクホルン「単刀直入に聞く。お前たちネウロイは一体なんなんだ?なんで人間を攻撃する!国を奪う!」

 

音炉「スル…理由…?」

 

ミセスS「あーそれ聞いちゃうか…」

 

誰もが聞きたかった事を問うバルクホルンにミセスSは困った顔をし、切歌と調も同じ顔をする。

 

どうしてそんな顔をするのかと芳佳は思っていると……

 

音炉「()()()()()()()()()()……カナ?」

 

バルクホルン「……は?」

 

出てきた言葉に誰もが呆気に取られる。

 

誰よりも我に返った坂本は音炉に近づいて慎重に音炉の肩に手を置き、彼女と目線を合わせながら真剣な顔で彼女の言った言葉の意味について問う。

 

坂本「空初。どういうことだ?人間達がしていたからと言うのは……」

 

音炉「ネウロイ、怪異時代の頃はワカラナイけど昔から人間達を見テいて、やってることトカ真似したりスル。ソレで人間達が戦争シテイルのを見たネウロイ。それを真似シテ人間達に戦争始めタ。そしタラ、奪った場所で金属タクサン食べレルって他のネウロイ達も知って、次々と戦争に参加シテいったノ」

 

その言葉に誰もが言葉を失くす。

 

それが真実ならば、ネウロイの侵略は元を辿れば、人同士の戦争がネウロイ達を動かしたとも言えるからだ。

 

バルクホルン「馬鹿な……そんなこと信じられるはずが……」

 

エーリカ「でも真似するってのは本当かもしれないよトゥルーデ。サーニャの歌を真似たネウロイだって居たんだし」

 

質問したバルクホルンが茫然とする中でエーリカが指摘する。

 

言われてみればそうダナとエイラも思い出してそう呟く。

 

坂本「真似をしてか……人の業と言えば簡単だが……」

 

ミーナ「ちょっと受け入れがたい真実ね……」

 

ミセスS「じゃろうなあ……。ワシらも聞いた時は言葉がでんかったわい」

 

腕を組んで呟く坂本にミーナも困った顔をする中でミセスSはそう返す。

 

音炉「……ヨシカ。アタシなんか困ルこと言った?」

 

芳佳「ん~……;」

 

首を傾げる音炉の言葉に芳佳もどう言えば良いか困って言葉が詰まる。

 

それを見かねてミーナは手をパンパンさせる。

 

ミーナ「色々と思う所があるかもしれないけど、とにかく、今回はここまでにしましょう。ハイデマリーさんに服部さん、そして空初さんも改めて宜しくね」

 

そう言って話を終えるミーナのに各々に出て行く。

 

残ったのはミーナと坂本にミセスSと芳佳と音炉、リーネに静夏、切歌と調であった。

 

坂本「リーネ。丁度良いから宮藤や服部、空初に基地を案内して貰えないか?それに暁と月読も付き合って貰っても良いだろうか?」

 

切歌「了解デース」

 

調「はい、いいですよ」

 

リーネ「あ、はい!行こうか芳佳ちゃん」

 

う、うんと言う芳佳と共に6人は出て行く。

 

それを見送ってから坂本はふうと息を吐いて椅子にもたれる様に座り、天井を見上げる。

 

坂本「ままならないものだな。ネウロイが人類へ攻撃を仕掛けた大本になるだろう理由を聞くと」

 

ミーナ「そうね……。色々と複雑な気持ちになるわ」

 

ミセスS「やった事で自分に損として返って来る因果応報はそいつ等にして欲しいもんじゃな」

 

呟かれたミセスSの言葉に2人はなんとも言えなかった。




エーリカ「次回は『基地の探索』だよ。次回も宜しくね~」

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