青の補色は橙色らしい   作:E.y

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なんで?なんで、ネームド敵キャラなんて出しちゃったんですか?


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どうやら一時的に撒けたらしい、でもここまで通路の分岐は少なかったから、気づかれるのも時間の問題だろう。

ジャケットによってやけどは防げたけど、見た目は悪くなってしまっているし、何より焦げ臭さが強い。

 

「仕方ない、簡単に着替えるとしよう。」

 

元々来ていたズボンとシャツはそのままに、上着のみ先程購入した白に黒縁のジャケットを羽織る。

 

そこでまた視線を感じた。先程の冷静な視線だ。

 

「流石に二度も喰らわないよ!」

 

アーツによる一時的な加速で火炎瓶の射程から逃れる。

 

「……一芸だけでは仕留めきれんか、厄介な。」

 

「お褒めに預かり光栄だね。」

 

声の先に居たのは、背中の装置へと繋がれた何かしらの射出機を携える大男だった。

 

「中々面白そうなものを持ってるじゃないか、アーツでその機械から火炎瓶を射出しているのかい?」

 

「そうだが、知っていたところでどうにかなるわけでもあるまい。」

 

「そうだね、確かにそうかもしれない。でもこの問答の間でわかったことはあるよ。」

 

「ほう?」

 

「視線が妙に減った代わりに、熱に浮かされたようなモノは少なくなった。多分だけど、あの交渉人と同じ派閥の人達……でしょ?」

 

「勘がいいな、益々厄介だ。悪いが、もう問答する気もない。」

 

相手が射出機を構え直す、相手の視線さえこちらに向いているが、意識は私の後ろ……、退路を塞ぐ撃ち方をするつもりだ。

どうしよう、下がれば敵は居ないが火炎瓶を撃たれる、しかし、ここで戦闘してもジリ貧になるだろう。ならば答えは1つ。

 

「死なないでくれよ、利用価値があるからな。」

 

相手の射出機から勢い良く火炎瓶が飛び出す。

 

「そう言いながら、ダメージの大きくなりやすい火炎瓶を使うのはどうかと思うよ!」

 

背後から吹き出す火炎の熱さを感じながら、敢えて踏み出し、相手へと警棒を振り下ろした。

 

「意識を悟るのが得意なくせに、隠すのはあまり得意じゃないのか?」

 

「まだ見習いの身でね!」

 

振り下ろした警棒は簡単に止められた。予想以上の速度でサーベルを抜刀したらしい、スカルシュレッダーのように遠近共に強いタイプかもしれない。

 

「さっき言われたことをそのまま返すよ。厄介だ。」

 

「ふん、光栄だな?」

 

これはまずいかもしれない、とにかく先ずは周りを排除するところから始めるべきだろうか。そうなればもう一度逃走を……。

 

「逃がさん。」

 

アーツを発動し、逃げようとした瞬間、火炎瓶が退路へと飛来する。

アーツは無限に使えない、ならアーツを使い続けて逃げを狙うのは得策とは言えないだろう。

 

「これは、腹をくくるしかないのかなぁ。」

 

「そうだな、大人しく捕まってくれ。」

 

「そうしたいのはやまやまさ、私も痛いのは嫌いだからね。でも、約束しちゃったからさ、そう簡単に捕まってはあげられないよ。」

 

「ならば仕方ない、せいぜい死なないように頑張ってくれ。」

 

会話が終わると同時に、様々な方向からより強い意識を感じ取り飛び退くと、先程までいた場所に数本のクロスボウの矢が突き刺さった。

狙いは正確で、先程のレユニオンよりも厄介かもしれない。

しかし、アーツを用いた移動を捉えられる程では無さそうだ。

 

「つまり矢を避けながら君をはっ倒せばいい訳だ、簡単だね。」

 

返事代わりの火炎瓶を加速でスローになった視界でキャッチし、相手に投げ返す。

だが相手は自身が炎に包まれても身じろぎ一つしない、その上炎は瞬間的に消えてしまった。

その様子を見ていたところに間髪入れず矢が襲いかかるが、それも横飛びで躱し、勢い良く敵の懐へ飛び込む。

そこで思い切って警棒をスイングするが、やはり刃に防がれた。

しかし……

 

「ここなら援護射撃はできないね!」

 

「チッ、面倒な……!」

 

近接戦闘に持ち込めば、火炎瓶と、援護射撃を封じることができる。

 

「そう上手く行くと思うな!」

 

そう言うと、敵は火炎瓶の射出機を下に向け、地面へ火炎瓶を射出した。

地面を焼いて、相手に距離を取らせようという魂胆だ。

 

「その手は読んでいたよ!装備が耐火性の時点でね!」

 

炎が広がる前に大柄な相手の体を駆け上がり、頭を踏み抜きながら遠方へジャンプする。

 

「ぐぉっ……!」

 

頭を踏み抜いたことでかなりのダメージになったらしい、今なら逃れられる、そう確信してアーツを発動し、全速力で路地裏を駆けた。

 

ーーーーー

 

《モロトフ、逃したか。》

 

「《申し訳ありません、直ちに逃走経路を予測して追撃をかけます。》」

 

《いや、いい、作戦変更だ。相手の向かっている地点が分かった、徐々に数を集め、一気に強襲する。お前も来い。》

 

「《了解》」

 

ーーーーー

「リーダー!もうそろそろ時間じゃない?!」

 

「そうだな、合流地点へ急ごう、相手も疲弊して徐々に数を減らしているようだし。」

 

「オランジュ、大丈夫かな……。」

 

「あのスカジの攻撃を受けきる技量があるし、特殊なアーツも持っている。多分……大丈夫だろう。」

 

《ドクター、聞こえてるかい?》

 

「《エリジウム、増援はもう着きそうか?》」

 

《バッチリだよドクター!人員もよりすぐりさ!》

 

「《それなら良かった、それと、オペレーターオランジュとはぐれた、龍門に精通したオペレーターの追加増援を求めるかもしれない、アーミヤかケルシーに伝えておいてくれ。》」

 

《了解!》

 

「さて、何事もなければいいが……。」

 

ーーーーー

 

あの敵から逃れて、それなりの時間が経ったが……、完全に視線を感じなくなった、巻いたのだろうか………?

いや、あの時屋根上に敵は居たはず、先程追いつかれたのも相まって、追って来られない道理はないと思うが……もしや私の方を諦めた?

人質を取りたかった旨の事をあの敵は言っていた、つまりもし諦めたのなら人質が必要ではなくなったということになる。

 

ドクターとエクシアが危ない、罠か、目的地に先回りかは分からないが、確実にあちらを捕まえる算段が整った可能性が高いだろう。

援護に行かなくては!

 




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