side上条
「.........」
斬れて割れた岩を見て、炭治郎くん炭治郎くんが呆けている。
どうやら、自分が斬った実感が湧かないみたいだ。
さて、あんだけ頑張って斬ったんだ、褒めてやるか......
「炭治郎くん、やったな!! ようやく岩が斬れた!! 凄いじゃねえか」
「えっ...?いえ、でも俺は...錆兎の面を割っただけなのはず......」
どうやら納得がいってないみたいだな、ここは一つ、歳上として話してやるか
「それは違うぞ炭治郎くん、これは間違いなく炭治郎くんが斬ったんだ。錆兎が斬った訳でも、ましてや俺が斬った訳でもない。炭治郎くん。お前の斬撃は、確かに岩を斬ったんだよ。それは誇っていい」
そうして、歳上として俺が炭治郎くんを諭していると、足音が近づいて来るのが聞こえた。
ふと、後ろを振り返ると...そこには天狗の面を被った翁。鱗滝さんが立っていた。
「岩を...斬ったか」
そう言うと、鱗滝さんはポツリポツリと話し始めた。
「お前を最終選別に行かせるつもりはなかった。もう、子供が死ぬのを見たくはなかった...。お前に、あの岩は斬れないと思っていたのに... よく頑張った。炭治郎、お前は...凄い子だ......」
そう言って鱗滝さんは炭治郎くんの頭を撫でていた。
その声はとても優しい声音だった。
撫でられている炭治郎くん本人も、ポロポロと泣いている。
そして、鱗滝さんは炭治郎くんを抱きしめ言う。
「”最終選別” 必ず生きて戻れ...。儂も妹も、此処で待っている」
そして、炭治郎くんから離れ、俺を見ていう。
「当麻、これはお前にも言えることだ。絶対に、生きて戻ってこい」
そう言うと、鱗滝さんは俺に手を差し伸べてきた。
俺は応えるようにその手を取り、握手を交わす。
「あぁ、分かってますよ。必ず、炭治郎くんと一緒に帰ってきます!!」
こうして、俺たちは最終選別に行く資格を得た。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
二年という時間で伸び放題伸びた髪を、鱗滝さんは綺麗に整えてくれた。
俺たちに、水を型どった羽織りを着せ、炭治郎には日輪刀を貸し与えてくれた。
準備を整えた俺たちは禰豆子ちゃんを鱗滝さんに預け、最終選別へと向かうこととなった。
「じゃあ、鱗滝さん行ってきます...」
「行ってきます鱗滝さん!!
そう声をかけ、俺たちは狭霧山を降りていくのだった。
「.........炭治郎、なぜお前が...死んだあの子たちの名を知っている...」
鱗滝さんに、微かな疑問を残して......。
今回はあまり進まず申し訳ない......。
次回こそ、次回こそは進ませますので...m(_ _)m