とある鬼滅の幻想殺し   作:榛猫(筆休め中)

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二話目からの前書き...

駄文に限りなく近いですが、良ければ暇つぶし程度にお付き合い下さい...


始祖と幻想

side上条

 

 

竈門さんの家でお世話になったその日の夜。

 

俺は寝つけず貸してくれた布団に寝転んでいた。

 

日中に(足を引っ張りながらも)竈門さんたちの手伝いをしていたから疲れは溜まってるはずなんだが......

 

なんだかさっきからなんか、すごく胸騒ぎがする......。

 

そうして転がっていると、小屋の外から感じたことのある気配が漂ってくる。

 

殺気だ...しかも、酷く濃厚な

 

 

「......」

 

俺は無言で立ち上がり、玄関の方へ向かう。

 

 

「あれ? 上条のお兄さんどこ行くんだよ?」

 

竹雄くんがそれに気が付き、声をかけてくる。

 

 

「竹雄くん、皆も...今から絶対に外には出てくるなよ...?」

 

それだけを告げると、俺はそのまま外へと飛び出した。

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

外に出て少し走ると、そこには男が立っていた。

 

外見は人に見える...だが、放つ存在感は別物だ。

 

まるで、深海棲艦の姫級と対峙しているような......

 

整った容貌に洋風の服装、青白い顔色をしている。

 

だが内に秘めるものは、人や鬼級や姫級ともかけ離れている。

 

こんな奴が竈門家に行けばどうなるかなんて簡単に想像がつく。

 

コイツを近づける訳にはいかない......

 

 

「何者だ、お前は......」

 

 

「知るかよ、お前こそなんだ...」

 

男の言葉を無視するように俺は問いを投げ掛ける

 

 

「黙れ、私の邪魔をするというのなら...死ね」

 

濃密な殺気が、俺へと注がれる。

 

それくらいの殺気は師匠や姫級との戦いで飽きるほど受けてきた。

 

集中。拳に力を込め、精神を落ち着かせる。

 

これから先は一つの油断ですら死を招くだろう。

 

気を引き締め、目の前の男をしっかりと睨みつける...。

 

男の身体が蠢いている。

 

 

―――来るな...

 

刹那、男は、背から伸ばした『管』を此方に振るう。

 

葵枝さん達を、ひいてはを竈門家の人達殺されては堪らねぇ......

 

 

「シッ...!!」

 

襲い来る管を躱し、脚に力を込め、男目掛けて高速で走り出す。

 

 

「おおぉッ!!」

 

一撃を躱され、隙を晒す男へ、俺はその懐に飛び込み、拳を構え、高速で突き出す。

 

 

驚愕の表情、今更驚いたって遅せぇ......。

 

 

「あたっ!! あーたたたたたたたたたたたたた──っ!!」

 

高速で突き出される俺の拳が男の全身を突いていく

 

 

『棲艦 爆裂拳』

 

水鬼師匠に教わった棲艦鬼拳、その暗殺拳の一つ

 

拳を連続で相手に突き出し、秘孔という名の急所を突くといった連続技だ

 

 

「なんなんだ今のは...そのようなモノ、蚊ほども効かんが...?」

 

 

「そうか、お前はもう、死んでいる」

 

男の不適なその笑みと言葉に、俺はそう返してやる。

 

やり取りにもなっていないが、この男ともうこれ以上話す必要はない。

 

 

「なんだと...? っ...!?ぐっ...!!」

 

『ボコオッッ!!』

 

直後、男の身体が膨れ上がり弾け飛んだ。

 

辺りに血が飛び散る。

 

残った下半身がバタリと倒れる......

 

 

「.........」

 

それを確認し、俺は背を向ける。

 

悪党に零す慈悲なんかいらない......

 

これで終わりだ。俺が小屋に戻ろうとしたその時だった。

 

 

「上条の兄ちゃん!! 後ろ!!」

 

小屋から叫び声が聞こえ、俺は慌てて後ろを振り返ろうとする。

 

しかし振り返る直前、俺は背中に強い衝撃を受け、吹き飛ばされてしまった。

 

 

「ぐっ...!!がああぁぁぁっ...!!」

 

吹き飛ばされた俺は、勢いよく木々に叩きつけられ動けない

 

 

「よくも...よくもやってくれたな...」

 

憤怒の表情で男が話す。

 

 

「まさか、鬼狩りでもない、ただの人間に、しかも拳で身体を破壊されるとは......」

 

 

まさか......再生...したってのか...? 

 

しかし内側から内臓ごと破壊されたからか、その足取りはフラついている。

 

 

「忌々しい...この場で殺しておきたいが...この身体では...」

 

そうして男は俺ではなく小屋の方へ足を向けた。

 

まっ...ず......このままじゃ......

 

 

「ま......て......」 

 

必死に身体を動かそうとするが、受けたダメージが大きすぎるのか、体が言うことを聞かない

 

 

「そこで見ていろ、この家族が殺されるところをな」 

 

男はフラつきながらも小屋へ足を踏み入れ、姿を消した。

 

 

「逃げて!!姉ちゃん逃げて!!」

 

そんな声が聞こえてくる。

 

ちく...しょう...ち...くしょう...!!

 

 

「な......で...」 

 

悔しさと怒りが湧き上がる。

 

痛みを無視して俺は立ち上がり走っていた。

 

小屋の中は血まみれで倒れる無残な姿の竹雄くんや葵枝さんの姿があった......。

 

 

「............」

 

 

「おおおぉぉぉぉぉぉっ...!!!!」

 

 

『バキイッッ!!』

 

拳を固く握り締め、高速で駆け寄った俺は右手で男をその勢いごと殴り飛ばした。

 

 

「っ!? なっ...!!!??」

 

勢いよく殴り飛ばされ、男は壁に激突する。

 

俺はそのまま男に覆いかぶさり何度も殴る。

 

 

「なんで...!!なんで殺した...!!」

 

殴って殴って殴り続けた。

 

管が俺を攻撃しようと殴ることを止めなかった。 

 

痛みなど感じることの無いほどに、俺は怒り狂っていた。

 

 

「こんな優しい人たちを...!!なんで...!!」

 

 

「ぐっ...がっ...!!離...せっ...!!」

 

凄い力で吹き飛ばされそうになるが、俺はそれを押え込み、さらに殴りつづける。

 

再生するならコイツが死ぬまで殴り続けてやればいい。俺の鍛えられ方は並の人間などとは程遠い......。

 

迫る複数の管を左手で掴み、そのまま引きちぎる。

 

右手は男の顔を殴り続けていた。

 

男は離れようと藻掻くがそれを俺はさせない。

 

そして殴っていて気がついた......

 

右手で殴ったところが、再生しなくなっている...?

 

何度も何度も右手で殴っていたこともあり、男の顔は血が滲み顔の形が変わり始めていた。

 

さっき爆裂拳を喰らわせたときには再生したってのに......

 

まさか、幻想殺しが効いてるのか...?

 

そう思い、男に右手を触れ、俺はあることを試す。

 

 

「艦鬼手刀斬...!!」

 

俺は左手を手刀に構え、男の額を力強く叩く。

 

 

「がっ...うぐっ...!!」

 

顔面に深い凹みが出来、血が噴き出す。 

 

だが、再生は始まらない。

 

男は何が起きたか分からない様子だ。

 

これだ、これならコイツにダメージを与えられる。

 

訳が分からないという顔をして、恐怖を顔に出している目の前の男に俺は問いかける

 

 

「なんで...どうして殺した...?」

 

 

「人を殺して楽しいのかよ...。面白いのか...? 命を愛しいと思ったことも無いのかよ...!!」

 

何のためかなんて分からない......

 

けれど、こんな優しい人たちを殺した......

 

多分、葵枝さん達以外にも殺してるんだろう......。

 

見て、その生命力を肌で感じて理解する。 

 

十人か、百人か...或いはそれ以上か、どんだけ殺しているかも想像もつかない。

 

そんな問いだったが、奴からの返事はない。

 

ただ俺への恐怖に顔を歪め、逃げようともがいているだけだ。

 

 

「人の命を...なんだと思ってやがる...」

 

ふざけるな...

 

恐怖を、恐ろしいと思う感情を知っておいて、他人のそれは無視するお前に......

 

お前はなんだ。

 

 

「お前が...そんな風に人を殺すことをなんとも思わないで生きていけるってなら...」

 

 

「まずは、そのふざけた幻想ごとお前をこの右手でぶち殺す...!!」

 

存在していれば、常に人が脅かされることになる。

 

だからここで確実に殺す。

 

躊躇はしない。

 

優しさなんか必要ない。

 

このままここで、俺が殴り殺す。

 

触れる右手を左手に変え、右手を振りあげたその時だった...!!

 

 

「鳴女ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

男が叫んだ瞬間、奴の背後に襖が開いた。

 

同時に男の身体が膨れ上がり、弾け飛んだ。

 

 

「なっ...!?」

 

 

大小様々な肉片が全方位に飛び散り、俺はその勢いに乗せられ吹き飛ばされる。

 

吹き飛ばされた俺は、小屋の壁に勢いよく打ち付けられる。

 

弾け飛んだ肉片の一部が襖の中へと消えていく。

 

このままじゃ逃げられる...!!

 

 

「まっ...待ちやがれ...!!」 

 

後を追おうにも、攻撃を受けすぎたのか身体は少しも言うことを聞いてくれない。

 

そのまま肉片は襖の中へと消えていき、やがて、襖は音を立てて閉まり消えていった。

 

 

「く...そ...たん...じ...ろ...く...ごめ...」

 

守れなかった......

 

そんな悔しさを内に宿しながら、俺の意識は深い闇の中へと落ちていった。

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