Fate/type Redline 〜もう一人の新撰組〜   作:十六夜翔矢

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どうも十六夜翔矢です。
今回は対アーチャーの決着と次への前哨です。
それでは本編どうぞ!


Act3.決着、束の間の平和

「マスター、時間がありません。ここは私にお任せいただけますか」

 

「…っ、はっ…はい!とにかく頼みます!」

 

「はい。マスター」

 

 

奏丈のサーヴァントに全てを託す。

どうやら作戦?があるようだしそれに賭ける。撃破されたらそれまで、私のサーヴァントに賭けるしかない。

 

 

「…大丈夫なんでしょうね。あのサーヴァント、見た目によらず相当強力よ。」

 

「ええ。強力であることは認めますが、私も斎藤さんもセイバークラスのサーヴァント。ただではやられませんよ」

 

「…沖田ちゃんの作戦あっての選択だ。信じるしかない。」

 

 

そう。信じるしかないのである。

特にその速さ。私のサーヴァントより動きが良くて疾走感がある。英霊兵との闘いで見せたその疾走感と速さ。この二つと剣技に賭けるしかない…!

 

 

「ほう、観念したか。まぁ火縄に刀では勝ち負けは明白よの。」

 

「あぁ。僕は観念したよ。」

 

「見た目に似合わずへたれよの……なんじゃ、まだやる気か。貴様も武田の倅と同じアホウてか。」

 

「飽くまでも僕は観念しただけ。沖田ちゃんが観念したかどうかは…見たら分かるんじゃないかい?織田信長公。」

 

「そうか…では死ね。名も知らぬセイバーよ。」

 

「一歩音越え…」

 

 

凄まじい勢いと共に飛び出して間合いを詰めていく。

 

 

「二歩無間…」

 

 

間合いを詰めて左足で踏み込むと、一瞬姿が消えた。消えたと思ったら一瞬で敵の懐に入りこむ。

 

 

 

「三歩絶刀!!」

 

 

 

凄まじいまでの一突き。

そして訪れる一瞬の静寂。

その時に聞こえるのは線路を走る電車の音だけ。

 

 

「…なるほど。侮ったのはわしの方か。よくもまァ考えれば、間合いがのうなっては火縄の利も失せるわのう…」

 

敵のサーヴァントはそう告げると剣の間合いから下がり、空中に展開した火縄銃に退避する。

 

 

「まったく…例の英霊兵(ヘルトクリーガー)とやらを見物に来て酷い目におうたわ。貴様ーー」

 

 

何かを言いかけたタイミングで言葉が止まる。マスターとの交信だろうか。

 

 

「逃げるのですか。アーチャー。」

 

「ぬかせ。貴様はわし自ら首を()ねる故、楽しみにしておれ。それからそっちのセイバーもじゃ。今回は策が無かったのだろうが、次はーー」

 

 

敵サーヴァントが消える。

風が吹き晒す電車の残骸を歩き、奏丈のサーヴァントと合流する。

 

 

「マスター!ご無事ですか?お怪我は?」

 

「あ…う、うん大丈夫。ありがとう、助けてくれて。」

 

「当然です。それがサーヴァントの使命ですから。」

 

「マスターちゃん、ご無事?」

 

「うん…私はどこも…」

 

「いいや、素直に言うもんだぜ?マスターちゃん。右手だ。」

 

 

そう言われて右手を見ると、手の甲に切り傷があった。

いつの間に…もしかして刀飛ばされた時に?

 

 

「あ…ありがとう。」

 

「…マスターちゃんって剣術やってる?」

 

「う、うん。剣道をやってて護身術も兼ねて…あ!私の刀!」

 

「マスターちゃんの刀?」

 

「うん。白い糸で片撮巻(かたつまみまき)になってる柄がそうなんだけど…」

 

 

「さぁ、騒ぎになる前に列車から降りましょう。」

 

「ちょっと待った!赤城奏丈…貴方も本当は魔術師なんでしょ?私は藤宮九十九(ふじみや つくも)、藤宮の魔術師よ!そして藤宮奏津もだけど何もない場所からいきなり現れて…何者なの?何が目的なのよ?」

 

 

藤宮の魔術師…?

いや待って、おじいちゃんが昔、九十九っていう姉がいるって言ってたような…

それが事実ならこの人は私の…親族…?

 

 

「魔術師が何の用ですか?」

 

「マスターちゃん?刀は…」

 

「だぁから!本当は私が聖杯戦争に参加する筈だったの!貴女だって本来なら私が契約してたのに…!それをこいつが横取りしてマスターになったのよ!」

 

 

「「…藤宮…九十九…?」」

 

「だからそう言ってるでしょ?何度も聞き返さないでよ、鬱陶しい。」

 

 

奏丈…?

いやそれよりも…九十九さんの正体って…

 

 

「ちょ…いきなり触んないでよ。なんか変な感じね…貴方達何者?何か企んでるんじゃないの?」

 

「い、いや別に企んでないわよ?ホントに。」

 

「…なぁマスターちゃん、刀は。」

 

「あ、ごめん!今から探すよ!」

 

 

それから、私達はそれぞれの探し物を探す為に残骸を漁っていた。

 

「あれー?この辺だと思ったんだけどな〜」

 

「ホントにあるのかい?刀。」

 

「あるはずー!あの刀、家宝だから無くすと結構やばいの。」

 

「家宝の刀ねぇ…そりゃ大変だ。お、マスターちゃん!」

 

「あ!あった!私の愛刀!」

 

「いや家宝が愛刀って…ん?マスターちゃん、その刀…」

 

「どうかした?セイバー。」

 

「いや、刀の平地が僕の刀と似てるもんで。これって鬼神丸国重一派の刀?」

 

「え、分かんない。物心ついた時にはもうあったし…」

 

「…僕が召喚される時にその刀、光らなかった?」

 

「え、あ、光ってたような…」

 

「じゃあそうだ。この刀は刀匠・鬼神丸国重一派の刀、僕は生前からこの刀を愛用しててね。」

 

「へぇ…知識がまた増えたなぁ…」

 

「…マスターちゃん、これから話す事はあの2人には秘密だ。」

 

「う、うん…分かった…」

 

「…僕の真名は斎藤一、幕末の時代に新撰組で三番隊隊長をしてた。そしてもう一人のセイバー、あれは…」

 

「一番隊隊長の沖田総司、って事?」

 

「…そう。これは僕達だけの秘密だ。分かったかい?」

 

「分かった…」

 

 

愛刀の出で立ちとセイバーの真名を教えてもらった所で後ろから大声が聞こえる。

この声は…九十九さんね。

 

 

「ねぇ!!話してるヒマあるならどけるの手伝ってよ!」

 

「お断りします。」

 

「いや沖田ちゃん…手伝ってあげようよ…」

 

「斎藤さん…いいですか。あの女と行動を共にするのは危険です、今なら撒けますが如何致しましょう」

 

「はっ、冗談!私抜きで聖杯戦争に勝てるわけ無いでしょ!」

 

「ちっ、聞こえてたか」

 

「いや沖田ちゃん…」

 

 

雑談にふけっていると、次はサイレン?の音が聞こえてきた。

 

「何ですかこの音は…?」

 

「なんかやばそうな雰囲気だな…」

 

「ねぇ奏丈、これって…」

 

「うん…」

 

「空襲警報よ。セイバー達は知らないわよね。こっちはこっちで今、世界中で戦争してるの。笑っちゃうでしょ?あなた達の時代より悪化してるかもね。」

 

「空襲って、あの空襲かよ!逃げねーと!」

 

「私達焼かれちゃうわよ!」

 

 

授業で習ったやつよ!

焼夷弾で焼かれて銃撃されて死んじゃうわ!

 

 

「よいしょっと…さて逃げるわよ!」

 

「逃げるったってどこに!」

 

「そこに森があるじゃない!」

 

「却って危なそうなんだけど!?」

 

「マスター!こっちへ!」

 

「山に穴が開いてる!?」

 

「ええ!私が急遽開けました!」

 

「助かったわセイバー!」

 

「と、とにかく爆撃始まる前に早く!」

 

 

奏丈のセイバーが開けた穴蔵に雪崩込む感じに入る。

危ない危ない、2020年に帰れなくなる所だったわ…

 

 


 

あの後、結局空襲は無かった。

結果的には助かったけど、実際に空襲があったらって思うとゾッとする。

そして、私達は九十九さんの案内で帝都に到着した。

 

 

「ここが帝都…」

 

 

私達の知る時代から75年遡った帝都。

読みは左からじゃなくて右から、歴史の教科書で見たようなポスターに人の格好、これは記録するしかないよね…!

 

 

「ちょっと!あんまウロチョロしないでよ!」

 

「「あ。う、うん。」」

 

すごいなー、コンビニもスーパーも無くて人が前を向いて歩いてるし…

 

「この辺にはカフェもあるのよ?知ってる?紅茶とか飲んだ事あるかしら?」

 

 

…なんかバカにされてる事は分かるわ。

紅茶なんて午後ティーにリプトン、クラフトボスに紅茶花伝みたいに種類もあって宗派対立起きる位だけど、ここでは言わない事にする。対抗してどうする私。

 

 

「し、知ってるわよ!バカにしないでくれる?」

 

「ふぅん…どうかしらね?」

 

「おーい奏津、バカにされてるぞ。」

 

 

その後、九十九さんの案内で拠点に着いた。

これから元の時代に戻れるまではここが拠点になる…か。

簡易的な魔術工房だけは確立しないと…幸いな事にここの土地、魔力はあるみたいだし。

ちなみに隣の部屋で奏丈と九十九さんが話をしている。どうやら聖杯戦争についての勉強みたい。

 

 

「マスターちゃん、これからどうするんだい?」

 

「どうって言われても…私は一応魔術師だから工房の確立の為に留まろうと思ってるけど?」

 

「魔術工房?また難儀な事だねぇ…」

 

「魔術ってのはそういう物なのよ。私もまだ未熟だから何とも言えないけど。」

 

「ふぅん…あ、沖田ちゃんとマスターが戻ってきたぜ。」

 

「ふぅ…藤宮には疲れるな。」

 

「マスター、あのような輩に付き合う必要はないですよ。」

 

「おかえりー沖田ちゃん。何かあった?」

 

「斎藤さんは呑気してますね。私達は軽く修羅場ったのに。」

 

「まぁ落ち着けセイバー。とりあえず買い物に行こう。」

 

「「買い物?」」

 

「セイバー達の格好が目立つから買ってこいって。藤宮が。」

 

「じゃあ洋装に変えた方が良いかい?」

 

「え、出来るのセイバー?」

 

「こう見えて僕は警官もしてたからねぇ。洋装も着慣れたものさ。」

 

 

そうやって言うと、一瞬にしてスーツ姿に変わった。髪の毛も短くなって。

 

 

「斎藤さん、何ですかそのイメチェン。」

 

「時代の流れってやつよ。あ、僕達は留守番してるよ。特に用も無いし。」

 

「私は工房の確立したいから出る余裕が無いし。」

 

「じゃあ俺達で行くか。セイバー。」

 

「はい。留守番お願いしますね斎藤さん。」

 

 


 

 

奏丈達が出掛けてからかれこれ30分経った。

工房の確立は終盤、後は土地の魔力にアンカーを打つだけ…の所で悲鳴が聞こえた。

 

 

「一ちゃん、なんか言った?」

 

「いや本読むだけで悲鳴って…」

 

「もしかして隣の部屋?九十九さん?」

 

「…かもな。サーヴァントの反応だ。」

 

「で、でもどうやって…」

 

「気配遮断。暗殺者(アサシン)のクラスに備わるスキルだ。それを使えば気配を隠して侵入出来るからな。さてマスターちゃん、どうする?」

 

「…私にとっても縁があると思うし、窮地を助けてくれたのは九十九さんだからほっとく訳には行かない。」

 

「そうかい。じゃあ行くとしますか。」

 

「で、でもどうやって…」

 

「マスターちゃんは扉からアサシンの牽制、僕はテラスから入って、あの少女を引き離す。その後は沖田ちゃん達が戻ってくるまで時間を稼ぐってのは?」

 

「それしか無さそうだね。よし、覚悟決めて行こう。」




展開を考えていたらいつの間にか2ヶ月経ってました。(¯―¯٥)ナンデ?
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