俺はラルフ。
冒険者だ。そして、ソロだ。
ボッチじゃない。………多分。
と、友達はいるし!
実質1番上のA級冒険者だ。1番上?S級だけど?英雄だけだよ?
そして21歳。
将来、英雄として………。とか言われてるが、どうでもいい。誰かを助けられたらいいんだよ。
で、現在進行形で死にそうです。
A級モンスターに、キングオーガっていうのがいるんだけど、そいつをぶっ殺そうとしていたわけ。
モンスターにもランクがあって、A級冒険者ならA級モンスターって感じ。
そしたら逃げられた。
追いかけ回してたら城の中に入って行ったので突入。
そしたらそこは魔王城!みたいな。
で、魔王がいたと。
魔王は、SSSランク。Sランクの英雄が10人で対等かな?100人で倒せるって感じの、うん、ザ・ラスボス。
勝ち目はねぇよ!!!!
「帰ってお風呂入ってご飯食べて寝るために帰っていい?」
「ダメだよ!?!?ってか地味に欲張ってるね君!!」
魔王は、女!?!?
名前からして男だろ!
………いかんいかん、人間の価値観を押し付けては。
そっとキングオーガを殺して、
「えっ!?1発!?!?」
討伐証明の耳を切って、
よしにっげろーーーーーー!!!!
「えぇ!?!?に、逃げるなぁ!!」
ヒュッ、ドゴォォォォォオオオオオオオン。
特級魔法【死の緋焔】《インフェルノ》|が飛んできた。
こっわぁ!!!!
「今までのS級より強いね、きみ。キングオーガを1発って」
「俺、A級だぞ?」
「えぇ!?!?でも、本当に強い。昔来た勇者より」
「………俺をあんなクズ共と一緒にするな」
「え?あ、ごめんね?」
そう言っているが、全く隙がない。
とりあえず、突き。
「フッ!」
「おっとっと」
魔王の首を掠っただけだった。
「クソッ!」
「おぉ。私の柔肌にキズをつけたの、きみが初めてだよ。今までのみんな、さっきので死んでたもん」
「柔肌か?」
「え?そうだよ?今までケアをしなかった日なんてないし。まぁ、それは置いといて」
置いとくのか。
「きみ、なんて名前なの?教えてよ」
「ラルフ」
「意味は?」
「狼、だ」
「ふぅん。いい名前だね。あ、そうだ、私の名前って知ってる?」
「いや?」
ってか、おしゃべりだな。流石女子。
「私ね、リリスって言うんだ」
「いい名前じゃねぇか」
「ふふ、ありがと」
「知ってるか?その名前、俺らの方じゃ花の名前なんだ。花言葉は、なんだっけな?」
「覚えてないのか………」
「うーん、あ、そうそう、永遠の愛、だったかな?」
「永遠の愛かぁ。うん、ありがと。でも、お話の時間もおわりかな」
そう言うと、リリスの周りに膨大な量の魔力が集ってきた。
え、やばくね?ワンチャン倒せても集まった魔力が爆発して死ぬ。
倒せなかったら死ぬ。
え、結局死ぬやん。
あー、帰って寝たい。
「大丈夫、ちゃんと墓は作るから!」
「心配するところが違う!!」
あー、くそ!やけくそだ!
「『召喚』」
魔剣:百夜ひゃくやを握る。こいつは、俺の寿命を吸いとる代わりに、忌々しい聖剣より強い力を得ることができる。
「いくよ。今までっていっても短い時間だけど、楽しかったよ。バイバイ」
「どっちが死ぬか分かんねぇけどな」
そういった直後、魔王城は爆散した。