機動戦士ガンダムSEEDASTRAY X INFINITY   作:ichika

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REVOLUTION

side宗吾

 

「そんじゃあ、プランσで改修するって事で良いんだな?当分は装甲も全部剥がして、内部から見直すから大分時間が掛かっちまうぜ?」

 

C.E.72年の11月、遂に始まったMSのアップグレードの現場に、俺はジャック主任の説明を受けながらも装甲を剥がされていくブリッツを眺めていた。

 

一応、OS等のシステム周りは俺達も噛む事になってるが、流石にメカニックや武装類に関しては要望を伝える事しか出来ないから、せめてこうして説明を受けに来ているんだよな。

 

「はい、お願いします、グレイブ・ヤードのデータや天ミナのデータを使用していいとロンド・ミナから許可も貰いましたし、自分が考えて決めた事です、止める必要なんて無いですよ。」

 

ジャックさんの問いに答えながらも、俺はこの間、一夏がストライクを中破させながらも持ち帰ったデータを思い出していた。

 

どうやら、量産が決まる前のザクウォーリアと戦闘になったんだろう、ストライク以上のスペックを持つ新型機に対抗するには最早手段がこれしかないとしか言いようがない。

 

それに、シミュレーションしてみたらブリッツは手も足も出ないまま負ける可能性が高いと言われたら尚更だ、俺が反対なんか出来る立場に居ない。

 

「そうかい、なるべく早く仕上げたいが、どうせすぐにアップデートの繰り返しだろうから、一回目から念入りに手を加えさせてもらうぜ。」

 

ははは・・・、やっぱり一回で終わらせないって言う俺達の魂胆は丸見えかぁ・・・。

 

まぁ、分かってもらっている方が何かと円滑に進むだろうし、別段気にする事でもないか。

 

さて、ここで油を売っている訳にもいかない、何せ、まだまだやるべき事は残っているんだから。

 

「お願いします、俺は兵器開発部の方に行ってみるんで、失礼しますね。」

 

今開発されているガーベラ・ストレートタイプの近接装備の進捗状況と、これから新たに装備する武装のプランの最評価が残ってるんだ、まだまだ休めやしないよな。

 

それに、プランの総点検と追加案の提出もまだまだ残ってるんだから、余計に気が滅入りそうだよ。

 

だけど、せめて、自分に出来る事ぐらいは自分でやり切って、一夏が頼れるぐらいになってやらねぇとな。

 

アイツが、腹を割って全てを話せるぐらい、頼もしくなって、な・・・。

 

sideout

 

sideセシリア

 

「そこをなんとか・・・、お願いできませんか・・・?」

 

「ですが、セシリア卿・・・、これ以上の装備追加は稼働時間の更なる低下に繋がりかねません、もう一度御一考なされては・・・。」

 

アメノミハシラ兵器開発部門にて、私は開発担当主任のオイゲンさんと相談ごとをしております。

 

その内容は、デュエルの発展型に新たに近接装備の充実を図るという名目でした。

 

メインとなるドラグーンはイージスのビームサーベル発振技術を応用したビーム刃発振タイプへ発展させることが決まり、アサルトシュラウドも機体軽量のため、本体の装甲を排除しての固定装備方式に変更する手筈となっております。

 

ですが、そこまで決まっておきながら、プランGの問題点は今だ払拭しきれずにいました。

 

それは、ドラグーンの射出によって生じる、本体の装備の減少でした。

 

ソードドラグーンはカタールの様に手持ち式にもなる様に再設計されましたが、その機能を使う事はまずもって少ないでしょう。

 

だからこそ、ドラグーン展開時でも使用できる装備が欲しかったところなのですが、私が依頼したビーム兵器と実体剣の併用と言うプランは、バッテリー問題から難色を示されてしまいました。

 

「《クロイツ・ルゼル》は確かに実現は可能ですが・・・、これを使うとなるとバッテリーの増設を考えねばなりません・・・。」

 

「これ以上、重量を増やして機動性を下げる訳にもいかない、と言う事ですわね・・・。」

 

「はい、申し訳ありませんが・・・。」

 

申し訳なさそうに頭を垂れる主任の言葉を反芻しながらも、私は改めてドラグーン稼働時のエネルギー消費に目を通しました。

 

一度目の試験と二度目の試験を比較し、何かヒントになる物がないかと・・・。

 

「あら・・・?これは・・・。」

 

そんな矢先でした、とあるデータが目に留まり、私はそのデータを注意深く見直しました。

 

「どうかされましたか?」

 

「これをご覧になって下さいな。」

 

主任にそのデータを手渡すと、軽く驚いた様に目を見開いていました。

 

「二度目の方がロスが大きい・・・?これはどういう・・・?」

 

「恐らく、有線から無線に切り替えた事での弊害でしょう、これがエネルギーを逼迫させていたのでしょう。」

 

どうやら、安定的なエネルギー供給が出来ていた有線式から不安定な無線通信式に切り替えた為に、エネルギーを余分に使う結果に陥ってしまったという事なのですね・・・?

 

ということは・・・、これさえ見直せれば装備の追加も夢ではないということですか。

 

なるほど、それならば話は早いですわね。

 

「では、量子通信システムの改良、省エネルギー化をお願いしても宜しいでしょうか?」

 

「はい、これさえクリアできれば実戦投入も可能です、何とか仕上げて見せます。」

 

私の依頼に即答し、主任はそそくさと席を立ってご自身の研究室へと戻られてゆきました。

 

さて、私は機体のプラン見直しに精を出すと致しましょう。

 

それが何れは役に立つ時が、きっと来るはずですから・・・。

 

sideout

 

sideシャルロット

 

「これでどうかな、まだバランスは取れてると思うけど・・・。」

 

僕は今、設計部に来て、機体のバランスの再調整を行っていた。

 

バスターは武装の追加とそれに伴うOSのアップデートで済ませるつもりだから、内部構造自体を弄るなんて事は他の機体より少ないと思う。

 

でも、その分武相の追加や装備の変更で生じるバランスの変化だけは他の機体より大きいから、気合を入れて見直さなくちゃいけないんだよね。

 

「ですがシャルロット卿、これでは些か不恰好ではありませんか?卿の好まれるスタイルを否定するつもりは毛頭ありませんが・・・。」

 

設計主任のメイラムさんの言葉に、僕はもう一度機体の設計図に目を通す。

 

確かに、主任の言う通り、背中には一対のレールガン、腰にはガレオス並行連結式ビームライフル、肩にはミサイルポッド、そして腕には固定式のビームサーベルと手持ち式のダブルガトリングガン、過積載にも程がある装備だった。

 

これじゃあ、折角の機体の運動性を殺す事にもなるし、何より一度に全部使える訳でも無いからもう少し考えるべきなんだよね。

 

「うーん・・・、じゃあどうしようかなぁ・・・、ガトリングは外したくないし・・・、かと言ってレールガン外すと破壊力が落ちるし・・・。」

 

なるべく攻撃力は落としたくないし、出来るだけ多面制圧が出来る様にしておかないと砲撃機としての強みが無いしね。

 

何か良い案は無いモノかな・・・、このままじゃ、一向に進まないしねぇ・・・。

 

「でしたら、僭越ながら御提案がございます、こちらをご覧ください。」

 

「これ、ですか・・・?」

 

主任が提示したデータに目を通しながら、僕は自分が考えていたプランとの違いを確かめていた。

 

全体的に大きな変更は無いけど、何かが違う様な・・・。

 

「・・・、あっ、ガトリングが腕に内蔵されてるんだ!」

 

「はい、これならばビームライフルを持っていても邪魔にはなりません、それに加え、もう片腕にはビームサーベルを内蔵させ、格闘戦にもある程度対処可能にしております、総合的な破壊力は下がりますが、これならば取り回しが良く、燃費も少しはマシになって、却って手数も増えるでしょう。」

 

なるほど、その説明でなんとなく理解できたよ。

 

やっぱり、重武装にするにしても整合性は大事だからね。

 

「良いですね、コレ!うん、取り回しも良いし、ガトリングの追加もあるから申し分ないよ!」

 

「お気に召されたようで何よりです、では、改めてウェイドマン技術長に掛け合ってきます、後は我々にお任せください。」

 

僕が納得いった様な素振りを見せると、主任はそそくさと席を立って部屋を出て行っちゃった。

 

やっぱり、仕事人としてやるべき事を早くやってしまおうって事なのかな?

 

「さてと・・・、僕も動こうかな、今からならシミュレーターも空いてるだろうし、丁度良いかな。」

 

そんな建前を言いながらも、僕は部屋を後にして格納庫へと向かった。

 

身体を動かしてないと囚われてしまいそうな過去から逃げる様に・・・。

 

sideout

 

side玲奈

 

「はぁぁ・・・、ホント、アタシってダメね・・・。」

 

格納庫の一角、キャットウォークから愛機であるイージスを眺めながらもタメ息を吐いた。

 

投げやりになってるのが非常に申し訳ないけど、タメ息の一つ吐いても気分は晴れない。

 

他の皆の機体の改修が開始されたけど、アタシのイージスはデータ不足と計画書の未完のせいで改修計画が先送りにされてしまった。

 

スキュラを装備したままでは変形した状態での重力下飛行は不可能という結果が出てるけど、アタシは長所をみすみす殺す事なんて出来やしなかった。

 

でも、それはある意味で正しい事なんだと、アタシは納得もしている、だからこそ、余計に悔しいんだけどね・・・。

 

「はぁ・・・、アタシだけおいてけぼりか・・・、やんなっちゃうわ・・・。」

 

妥協したくはない、でも、そのせいで皆に迷惑掛けたくなんてない。

 

そこん所がジレンマになって、結局堂々巡りになってるだけなのは理解している。

 

だけど、やっぱり割り切れないのよねぇ・・・、アタシも、まだまだね・・・。

 

「悩んでたって仕方がないぞ、笑えよ。」

 

そんな時だった、不意にアタシの後ろから耳に馴染んだ声が聞こえてきた。

 

それと同時に、アタシの頭に何やら重さが圧し掛かってくる。

 

「・・・、いきなりなご挨拶ね、宗吾・・・。」

 

こんなことする相手なんて一人しかいない、アタシの相棒の神谷宗吾だけだ。

 

「アンニュイな雰囲気だしてたら気にもなるさ、仲間同士なんだ、少しは心配もするさ。」

 

「仲間、ねぇ・・・、アンタは気楽でいいわ・・・。」

 

せっかく心配してくれてるのに、素直になれないのはアタシの悪い癖よね・・・、少しは素直になりたいもんだわ・・・。

 

「ははは、機体の案が決まってるからな、それなりには楽さ、でも、お前はそうじゃない、そうだろ?」

 

「アンタねぇ・・・、人が一番気にしてる事を何の臆面も無くよく言えるわね。」

 

そうやってアタシの気を紛らわせようとしてくれてるのは分かるけど、せめてもう少しましな言い方はないワケ?

 

まぁ、怒ったところで八つ当たりにしかならないから、そんな事はしないけどもね・・・。

 

「仕方ないさ、玲奈が望む高火力兵装を内蔵したままだと変形パターンも限られてくる、その中で飛べるのがなかったんだからな。」

 

「うっ・・・、痛い所を突いてくるわね・・・、アンタ、アタシの事なんでも知ってるワケ?」

 

「バディ組んでるのに、相手の事を知らないのは可笑しいだろ、それに、玲奈とは長い付き合いだ、それなりに見てるさ。」

 

宗吾ってば、何時からそんなキザなセリフを吐くようになったのかしら?

なんだか、むず痒いったらありゃしないわ。

 

でも、女の身としては自分を見てくれているってのは嬉しいもんよね。

 

「あぁ、そう言えば一夏から伝言を預かってるんだ、忘れてたよ。」

 

「アタシに?一体なんなのさ。」

 

一夏からの伝言ならそれなりに重要な案件が多いだろうから、アタシは無意識の内に背筋を伸ばしていた。

 

イージスの改修に関することか、それとも新しい任務か・・・。

 

「武装を外付けにすることで火力と機動力を確保、それから、可変機構を見直して機動性を高める案を彼が出してきた、これで考えてみろよ。」

 

「外付けかぁ・・・、レイダーの時にあんまり好きじゃなかったんだけどねぇ・・・。」

 

それが、一番の解決案なんだけど、なんだか味気無いし重くなるから好きじゃないのよねぇ・・・。

 

まぁでも・・・、その程度の好き嫌いで予定を遅らせちゃったんだし、少しぐらい妥協しないとやってられないわよね・・・。

 

「分かったわ、でも、スラスター系統がまだまだ速度不足だから、そこだけは突き詰めるわよ。」

 

「他のトコに諦めつけて、一点特化させるわけな、了解した、一夏とジャックさんに伝えとくよ。」

 

そう言って、宗吾はアタシの頭を撫でてさっさと行ってしまった。

 

彼は彼なりに、一夏の副官として忙しいんでしょうけど・・・。。

 

「・・・、アタシを子供扱いすんなよ、ばか・・・。」

 

同い年だってのに、何時もアタシにはあんな感じで・・・。

 

まさか、女として見られてないのかなぁ・・・、そうだとすれば、かなり悲しいわよね・・・。

 

「さっ!!クヨクヨなんてしてらんないわね!アタシはアタシの道を行く~ってね。」

 

マイナス思考を振り払うように声を張り上げ、アタシはイージスを一瞥してから格納庫から出て行く。

 

悪いけど、もう少し待ってて頂戴ね、イージス。

 

次飛ぶ時は、もっと速く、もっと高く飛べるから・・・・。

 

sideout




次回予告

彼等は一体何なのか、何を想い、何を見て生きるのか・・・。

次回機動戦士ガンダムSEEDASTRAY X INFINITY

番外編 ソキウス達の日常?

お楽しみに
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