ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜 作:らふ
比企谷八幡の独白
独白と言えないのかもしれない。
独白と断ずることはできないのかもしれない。
俺はいつも思ってきたことだ。
人間誰しもが優秀であるはずがない。それ故に才能に僻むものも出てくる。
どんなに努力したって埋められない才能の差に打ちひしがれたものだっているのだろう。
俺だってその1人だ。
いつだって自分の環境は自分で作ってきた。
そして失敗して、崩壊して、欠如となった。
俺が望んだわけじゃない。俺以外の俺をよく思っていない連中が俺を排除しようと躍起になっただけだ。
失敗するたびに俺は世界を知っていった。
世界は自分に優しくなどなく、世界は自分を排除することで成り立つことが多いのだと。
俺が望んだわけじゃないだが、俺がいないことを望んだ世界を望む方が成功するのだ。
だから俺は断言する。
青春なんてものは存在しない。存在するとしたら俺を除いた青春だ。
故に俺は世界最高の不良品だ。
東京都高度育成高等学校。
胡散臭さ100%を誇る唯一無二の高校だ。
ちがうか?違うな。
真面目に説明すると希望する進学、就職先にほぼ100%こたえるという全国屈指の超超名門校。高度育成高等学校。
そのキャッチコピー?の通り超胡散臭い。希望する進学就職先に100%答えるって絶対嘘だ。若しくは超厳しい学習教育をさせるかのどっちかだろう。
信じたら信じたでまじいいことないから。これ俺ソース。
ノート取ってないから貸してと言われて貸したら、全然帰ってこなかったりとか。
それで返してって言ったらなんて言ったと思うあいつ。知らないって言うんだぜ?もう絶対信じん。
これはゲームとかでも言えることで、借りパクなど常套句いや、むしろ借りパクしかないまである。
今俺は何をしているか。
そりゃもちろん本読んでるけど、そうじゃない、バスに乗って学校に行っているのだ。
どこに行っているんだってか、そりゃもちろん高度育成高等学校だ。
今は四月。入学式がある。あぁー学校行きたくねぇ、どっか別の世界軸に行って田舎にでも暮らしてぇ。
何はともあれ、今は学校に向かっているバスに乗って座席に座りゆらゆらとそれはもう幽霊の如く揺れている。
幽霊は言い過ぎだな。
そんなことを考えているうちに搭乗客はどんどん増えていく。
乗り合わせている客はほとんどが高校の制服を見に纏っている若者たちだ。
ふとすると、仕事に追われフラストレーションを溜め込んだサラリーマンが痴漢しちゃおっかなと間違いっておいおいほんとにやるなよ。あなたも結構目が腐ってますね。分かります。分かりますよその心情。
俺のすぐ前に立つ老婆なんて足元がふらふらしていて危なっかしい。
まぁ、俺には全然関係ないし、座っているこの座席を離れる気なんて毛頭ないがな。
気の毒な老婆なんぞ忘れて新たな学校生活に想いを馳せよう。あぁーーーーー
あれ?なんか今学校に入ってもボッチな俺が目に浮かんだぞ?なぜかな、かな?
「席を譲ってあげようとは思わないの?」
あぁ俺のことじゃないなこれはと思いながらも自然と声のする方を見る。
優先席にドカリと腰を下ろしたガタイの良い若い金髪の男。というか高校生。彼の真横にはさっきの年老いた老婆。その老婆の隣にはOL風の若い女性が立っている。
「そこの君、おばあさんが困っているのが見えないの?」
OL風の女性は席を譲ってやってほしいと思っているようだな。譲ってやってさらーとフェードアウトすれば良いものを……俺ならそうするけどななんならそもそもそれを先に予見して最初から優先席に座らないまである。
静かな車内での声はよく通り、周囲の人たちから自然と注目が集まる。
「実にクレイジーな質問だねレディー」
クレイジーって、どっちかっていうと君の方が狂っているように見えるのは俺だけなのかな。無視すれば良いものを。
脚を組みなおし言う。
「何故この私が老婆に席を譲らなければならないんだい?どこにも理由はないが」
「私が座っているのは優先席であって法的な義務はどこにも存在しない。それは今現在この席を有している私が判断することなのだよ。若者だから席を譲る?ははは、実にナンセンスな考え方だ。」
うん。完全にあいつ別次元だな。よく見てみると筋肉も周囲から浮くくらいついているし、喋っていることも少しめちゃくちゃだが筋は通っている。
ああ言う人間は面白い。周囲から浮くが絶対に自分を曲げないため強い。
桁外れに強いのだ。
故に自信もつくからああなったんだろう。
なんて考えながらも俺の座っている席も優先席なんだよなぁと思う。どうしよ、こっちに火種がうつらないことを願うしかないな。
「私は健全な若者だ。確かに立つ事にはさほどの不自由は感じないがしかし座っている時よりも体力を消耗することは明らかだ。意味もなく無益なことをするつもりにはなれないねぇ。それともチップを弾んでくれるとでも言うのかな?」
面白いこと言うなあいつ。確かにあれが立っているところなど想像できないが
「そ、それが目上の人に対する態度?」
「目上?君や老婆が私よりも長い人生を送っていることなど一目瞭然だ。疑問の余地もない。だが、目上とは立場が上の人間を指して言うのだよ。それに君にも問題がある。歳の差があるとしても、生意気極まりない実にふてぶてしい態度ではないか」
「なっ、あなたは高校生なんでしょう?!大人の言うことを素直に聞きなさい」
うわー大の大人が情けねぇー論法で負けてやがるよ。俺の野次馬精神がものを言う、そうだもっともっと言えーー。こっちに火種がうつらないように。
「も、もう良いですから」
あの老婆、騒ぎを大きくしたくないんだな。わかってるねぇーめんどくさいよね当事者はそういったものに関わりたくないのに巻き込まれることは多々ある。
俺も結構あるんだよな。第三者が変に騒ぎ立てて事態が面倒になったこと
だが、OLはまだ怒っているどころかさらに怒りをともしたような顔になっている。
「どうやら君よりも老婆の方が物分かりが良いようだ。いやはやまだまだ日本文化も捨てたもんじゃないね。残りの余生を存分にたのしみたまえ」
うんうん。随分と偉そうだなぁ。
流石にあれは自信がつきすぎなんじゃないのか?
無駄に爽やかな葉山風スマイルの劣化版?みたいなものを浮かべると金髪は爆音だだ漏れで音楽を聴き始める。勇気を出して進言したOLは悔しそうにしていた。
そりゃそうだよな、あいつの言い分も間違っちゃいない。少し背徳的なところはあれどな
「すみません」
OLは悔しそうに必死に涙を堪えながら小さな謝罪の言葉を口にする。
こちらに火の粉が降りかからないように必死に気配を消しているが、よかったあいつにヘイトが向かってて
心底どうでも良いな
と思いかけた
「あの。お姉さんの言う通りだと思うな」
思いがけない救いの手だ差し伸べられた。
それは誰であっただろうか。昔の幼い頃の面影をちゃんと残し、びっくりするほどの可愛い笑顔の
そして僅かに影を携えた少女は。
それは櫛田桔梗。
彼女にとってはそうでないかもしれないが、俺にとっては再会だった。
だが思った、かわらねぇなこいつもと
小説書くのって意外と疲れるのですが、やっぱり楽しいです。もうちょっと文才があればよかったのですが………
ここから先はまだ考えていないです。少しはこんなだったら面白そうだなぁーとか漠然としたものはありますが、仕上がっていないです。こちらについてもそのうちアンケート取らせていただきますのでその時はご協力お願いします
誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?
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櫛田桔梗
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一ノ瀬帆波
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坂柳有栖
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椎名ひより
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龍園翔