ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜 作:らふ
それから、雪ノ下等と話が進み、あぁだこうだ言う内にどんどん俺が帰りたくなってきて、帰ろうとしたら、今日の俺の用事を聞いてきた。
「ねぇ、比企谷くん。今日はどこに行こうとしてたの?」
「家です」
「はーいダウト。寮とは真反対の方向でしたー。」
「くっ」
「はい、話す話す」
「姉さん。比企谷くんが困ってるじゃない。比企谷くんは自分が生きているのが愚かしくなってきて死に場所を探していたのよ。詮索するのは野暮だわ」
「いやいや、違うからね?生きていくのが恥ずかしくなる生き方ってどんな生き方だよ。お前の方がよっぽど困るわ!!」
「…………比企谷くん。辛かったら相談してね」
「しねぇよ!少なくとも雪ノ下さんにだけは絶対しない、それに俺は辛いことなんて何もない」
「はぁ、今日は日々の疲れを癒すためにゲーセンに行く予定だったんだよ」
「えぇー逆に疲れない?」
「比企谷君の存在を隠すためにはうってつけの場所だわ」
雪ノ下は会話してると一回は絶対毒舌じみた発言をするよな。どんだけ俺を罵りたいんだよ。あっ、俺はそう言う趣味はないのでお帰り願います。その目で踏まれても即チェンジ願うぞ?
「あぁ、そうさ俺の余りある存在感を隠すためには超うってつけの場所だ」
「そうね、ゲーム機に座っていても、いつ入ったのこの人って思われるくらい存在感が余ってると思うわ」
「いや、それ存在感マイナス出ちゃってるよ。あまりあるどころか0通り超してマイナス言っちゃってるよ」
「うーーん。ヒッキー用事あったのかー。じゃあ行こうよゲームセンター!!」
「「はぁ?」」
「ふふっ」
「由比ヶ浜ちゃん、凄いね……」
うん凄いと思う。いきなりそんな提案できるその胆力が。
最も、櫛田は別の意味で言ったと思うがな。うんうん。この面子喋りにくいよねー。わかるよ櫛田。お前は同士だ。
というわけで、ゲームセンターに来ているのだが、俺は相変わらずmjをやっている。ゲーセン来たらまずこれやるんだよな。ログインボーナスとか貰うために。
「あっ、八幡くんここにいたの?」
「く、櫛田がどうした?今いいところなんだけど」
「むー、そんなゲームやってないで私と話しよ?」
「いや、今は捨て牌に目が離せなくてな。よしっ待牌きたー!!ロン!ざまぁみろ」
「ねぇー、八幡くん話しよ?」
「ちょっと待ってくれあと一局で決まるから………」
「むぅ、それっ、はいいくよー」
俺の手を掴んで何処かへ連れていくが、あぁー本当にあと一局で決まったのに!ちょっとくらい待ってくれてもいいじゃない
ぷんぷんと、顔に出てたのだろうか、櫛田が何故かあわあわしてる。
「あっ、えーっとね?どうしても話したくて……でもあそこじゃ他の人に聞かれるし…………」
「まぁ、そうだよな。俺と話がしたかったんだよな。すまん。すっかりゲームに見入ってたわ」
麻雀の場合まさにそう。捨て牌とかに集中するからほんと目が離せない。あれ自動でやってると気づいたらロンされてて、跳び満とかだったらほんと泣く。
「本当ごめんな」
ナデナデ
なんだか泣きそうな目で謝ってくるのでつい頭を撫でてしまった。
そんな顔するなっての。美人が台無しというわけでもなく、これはこれで………違う違う、兎も角、泣いてると守ってあげたくなっちゃうからその顔はやめて。
まぁ、これもこいつにとっては演技なのかもしれないが。
ぽー
顔赤らめてるが、ずっと頭から手を離す。これ以上撫でてると通報されかねんからな。こいつにも悪いし。
「あっ、むぅ」
あれ?なんか怒ってます?おっかしいな手は離したはずなんだけどな
「モウチョットナデテホシカッタナ」
「あ?」
「な、なんでもないよ八幡くん。それでね、話がしたいんだけど…………あ、あのスロットの台とかでいいよね。あそこで話しよう?勿論遊びながらでもいいよ」
「おう。っておお!」
そのスロットの台を見ると懐かしのアニメの台だった。
「どうしたの?」
「あぁ、いや、このアニメの原作の作者さんが好きでな。このアニメの雰囲気もそれにあってて、八九寺の家に帰るシーンとか本当感動したわ」
「はちくじ?」
「あ、ごめん。しらねぇよな。今度本屋行くからついでに買っといてやるよ。」
「ありがとっ。それやってていいから話するよ」
「おう」
テンション上がる〜俺この台で当たり出したことないからな〜。解呪の儀まで行ったことはあるけどATまで到達したことないんだよな〜。
と、ワクワクしているが、話をするということを忘れないようにする
「で、話ってなんだよ」
「うん。私ね、昔友達がいなかったの」
「うん。知ってる。」
そのくらいのこと気付いなかったと思ってんのかよ。俺はとっくのとうに気付いてたよ。友達がいたら話しかけてすらなかっただろうしな
「え?えええ?バレちゃってたの?あははー私もまだまだ甘いのかなぁ」
「いいから、話を続けろ」
「うん。それでね、ある日、そんな私の前に、ある1人の男性が現れたんだ」
「おう」
男かー、櫛田に男は寄ってくるだろうなー。こんな可愛いし、うん当たり前だな。
「その男性は傍目から見て腐ってて、全く寄り付きたくないとも思ったんだよね」
「うんうん。わかるぞー、俺もそうだったからな」
「八幡くんは思う側じゃなくて思われる側だよね」
あははーと苦笑しながら言ってくる。痛い、言葉が痛いよっ。
「それで、その人は外側じゃなくて内側だったの。
話はこれからなんだけど。外側じゃあまり良くないけど、内側はその倍以上かっこよくて優しくて捻くれてたの」
「ふーん。そんな奴いるんだな」
「でね、その人は私のこと全部見透かしてた。だから、私の何がいけなくて友達ができないのとかも全部わかってたんだ。」
「へぇー、すげぇ奴もいたもんだな」
目の前のスロットでは、今忍野忍が廃墟でヘルメット被って座ってる。無表情だなー。
「うん。本当に凄いのその人は。その後も私の持つ悩みを解決してくれた。ううん、あれは解消っていうのかな。それは私の望むやり方じゃなかった。その行動の意味がわかる人はあの先生以外誰にもいなくて、その時私は先生しか頼れなかった。先生は慰めてくれた。後にどうしたらいいかも全部教えてくれた」
「先生優しいなー、理想の教師像だな」
そう言いながらスロットのボタンを押す。あーあとちょっとで50ゲーム行くなースロットゲームっていちいち押すのが面倒だよな。ってもこれがいいんだけど。
「そんな優しい彼なんだけど行く中学校を教えてくれなかった。話の持っていき方とか工夫したけど全然ダメで、頑なに教えてくれなかった。だから、中学校では一緒になれないのかなっていつも部屋で泣いてた」
「そいつ酷いなーいく学校くらい教えてくれてもいいものを」
「そうだよね。酷いよ。酷い!」
「あぁ、ひど…………………お前大丈夫か?」
「えっ?」
視線の先にいた櫛田は俺から見てすごく溜め込んで吐き出すのが難しそうな、そんな顔をしていた。
「話せ。全部。お前が日頃溜め込んでる口も含めて全部。今ここで話せ。分かってる。周囲に人がいないか常に確認してるから」
「な、なんで」
「なんで分かったかってか?そんなの他の人には騙せても俺の目は騙せねぇよ。お前いつも演技してるだろ」
「そ、そんなことは……」
「いいや、お前はいつも役者であろうとしている。わかるよ。俺もそんな時期があった。自分の中にある自分のあるべき姿を思い浮かべてそれにあった行動をする。でもな……」
溜め込んでいう。手はなおもバーを下ろしたりボタンを押したりしている。これぞ俺がたまにやるスマホ見ながらスロット打つ改だ。
「演技して、その先にあるのが破滅だったらそんなの間違ってるだろ」
「間違ってる?」
櫛田を見ると目がうるうるして、先を促してくる。だからなくなっての。
「あぁ、そうさ他の人が望んだ姿を筋書きされた通りに演じているだけじゃその先には破滅しか見えないし、何よりお前がそれを全部お前が背負うのは間違ってる。はずだ」
「はずって…………八幡くんらしいね。言い切らないところとか、そうやって理屈こねて言ってくるところとか………………」
「ふっ、俺は俺だからな」
「あは、やっぱりかっこいいや。ねぇ、八幡くん。頼み事していい?」
「あぁ、なんでも言ってくれ。」
人が望む姿というものを再現して、実現して、投影して、そうやって行き着いた先が櫛田なんだろう。
でも、それは本当に自分と呼べるのだろうか。
誰かが、思い描いて、誰かが喋って、誰かが伝えた姿が、自分が見た姿と異なっていることは多々ある。
でもそれは自分の欲望にかなっていないからそう見えるだけなんじゃないだろうか。
欲望に忠実になって
欲望のまま動いて
欲望を求め抜いた結果櫛田という存在が生まれたのではないかと思う。
結局櫛田は犠牲者なのだ。
誰かが求めた姿なんてどうでもいい。お前はお前だ。他の誰でもない。お前なんだ。そこにあるのは絶対に本物なはずだ。
だから、今は、今くらいは
「今くらいは泣いてもいいよね」
「あぁ、好きなだけ泣け。」
本当の姿でいて欲しい
誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?
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櫛田桔梗
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一ノ瀬帆波
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坂柳有栖
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椎名ひより
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龍園翔