ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜   作:らふ

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第十五話葉山隼人の進む道

考えてみればなんのことはない。記憶の節々から葉山隼人という名前は出ていたはずだ。

 

プリント整理しかり、自己紹介時しかりな。

 

しかし、葉山隼人はクラスの中心人物じゃない。

 

俺にも認知されない知名度とは総武中いた頃の皆んなの葉山隼人像と異なる。

 

我こそはスクールカースト最上位なりと言わんばかりに由比ヶ浜らと関わっていたはずだ。

 

ならば何故?この学校にいることはなんとなく理解できるがその辺りの実情をあまり理解できない。

 

葉山隼人は何故昔のように振る舞わないのか。

 

その疑問だけが頭を埋め尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今はホームルームが終わり授業が始まる15分前。その曖昧な時間帯に俺はこれからの身の振り方を考えていた。

 

おそらく葉山は俺のことを認知している。さっきのことと言い雪ノ下さんのことと言い、俺の知らない場所でだってあるかもしれないし、星乃宮先生の手伝いとかはまさにそうだ。

 

はぁ、と少し気落ちするが葉山との関係は未だ不全。

 

互いのことを認め合っているが、その実好いてはいない。

 

そんな葉山なんだが、

 

「やぁ、比企谷くん。君もここにいたんだね。知っていたよ」

 

「知っていたなら態々言いに来なくてもいいんじゃないのか」

 

キャーハヤマクンガヒキガヤクントハナシテルヨー

ワーナンカアブナイフンイキダー

ハァハァ

 

あれ?最後のなんかやばくなかったか?まさかここにもいないよな海老名さん。くれぐれも鼻血飛ばさないようにな。三浦いないんだから。

 

「ははっ、そうだね。無駄だったかもしれないが、俺としては重要な情報なんだ。元々知ってたんだけどね」

 

「はぁまぁ、お前が誰から聞いてここに来たのかはわからないが、十中八九理由あっての入学だろ?」

 

「……理由のない入学なんてないと思うけど、そうだね。俺は比企谷を追いかけてここにきたわけではない」

 

「んなこと知ってるよ。お前の目的は雪ノ下だろ?」

 

「あぁ、分かるんだね。そのことについて話したい。今日の放課後でどうだ?」

 

「いや、放課後か…………放課後は櫛田いるかもしれないけどそれでもいいか?」

 

「櫛田さんってえっと…………Dクラスの?」

 

「そうだよ。てかお前友達じゃないのかよ。てっきり櫛田とか平田とかの面子集めてグループ形成してんだと思ってたけどな」

 

「ふっ、君は変わらないね。ダメだよ。櫛田さんに話す内容でもないだろから」

 

「分かった。まぁなんとかするわ」

 

「よろしく」

 

短い言葉を区切りに授業開始五分前のチャイムが鳴る。それは区切りとしてとても丁度良いものだったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。櫛田が教室に来て八幡くーんと叫んでいたが今日は堪忍してくれと言いしゅんとなって友達と帰っていった。

 

Bクラスの人は俺のこと振ったー女子を泣かせたーだのいうのやめてね。あれで結構言われた側は傷つくんだよ?

 

俺の黒歴史フォルダーがまた一個追加された。

 

何はともあれ放課後だ。

 

葉山との話の予定がある。彼奴とは話したくないんだが、仕方なく付き合ってやるか。こう言ってるとなんだか俺の方が偉く感じるのが不思議。

 

「比企谷、帰るぞ」

 

「そうだな。お前と一緒に帰る日が来るなんてな。中学生との気の俺が見たら鼻で笑うだろうな」

 

「鼻で笑うどころか引くんじゃないのか?こんな俺俺じゃないって」

 

「そうだな。てかなんの話だよ。早く話せ。俺も暇じゃないんでない」

 

「君はいつも暇そうじゃないか。と言っても最近は星乃宮先生につきっきりだからそうとも言えないのか」

 

「そこは触れないでくれ俺のミスでああなったんだから」

 

「そうだね。それじゃあ話に戻ろうか。

 

 

俺のここへ入学した理由だったね。それは、君と雪ノ下さん達の行く末を見るためだよ」

 

「んなことだろうと…………ってええ?なんで俺含まれてんの?俺のことを追いかけてないんじゃなかったのかよ」

 

「君のことはついでさ。雪ノ下さんはプロムを終えて確実に成長したはずだ。しかし、君の存在が左右するはずだったにもかかわらず君は逃げようとしだじゃないか」

 

「うぐっ………べ、別に俺は逃げようとなんて………」

 

「したさ。君は目の前の本物という存在を目視しておきながら怖くなったんだ。

 

それで、自分を2人と引き離すことで逃げようとした。

 

それは………「やめろ」」

 

「俺は逃げようとしたんじゃない。彼奴らに必要なのは俺じゃないってことが分かっただけだ」

 

「君は君の存在の価値というものを理解していない。

 

こんな話を生徒会長選挙の時にもしたね。君は常に自己を周囲から切り離して考えている。

 

そう考えると今回のこともその表れと見える」

 

「勝手に理解してんじゃねぇよ。そんなのお前の思い過ごしかもしれねぇだろ」

 

あぁ、腹立たしい。理解しているんだろが、俺の内実を理解していない。

 

俺は怖かったのではない。目前に控える本物という存在に足がすくんでしまっただけだ。だから、あの関係性より前の関係性に戻りたかった。それだけなのだ。

 

「ははっ、君は変わらないんだね。改めて言うよ。」

 

「……」

 

「俺は君が嫌いだ。俺は君を見ていると劣っていると感じる。そのことがたまらなく嫌で過去を見ている気分になる。俺が切り捨ててしまった過去を振り返ってしまうんだ。

 

だから嫌いだ。でも、そうやって何かに怯えて逃げる姿はもっと嫌いだ。

 

君は自分のことをもっとよく考えろ」

 

「はっ、自分のことくらい自分でわかってるっての。お前に言われるまでもなくな」

 

そんなことよく分かってる。自分がなんでここにいるかも、なんで彼奴らに言わずにここを入学先にしたのかも。俺が何故あの関係性を手放そうとしたのかも。

 

全部わかってるはずなんだ。

 

「なら、安心だね。それで君はこれからどうするんだい?」

 

「は?なんで俺のこれからを聞くんだ?」

 

「聞くさ。ここには陽乃さんも、雪ノ下さんも結衣も、そしてあの人もいる。そんな状況下で君が動かずにのさばってるなんてことはできないだろう」

 

「そんなことないと思うぞ。俺は情けないやつだからな。動かずに働きたくないでござるって言ってるよ」

 

「ははっ、働きたくない云々は言ってそうだね」

 

「それよりも、お前なんでスクールカースト上位の奴らとつるんでないんだ?」

 

話があらぬ方向へと進んでいくので俺の一番の興味であった、こいつの内情だ。マラソンの時に言ったあの言葉が左右しているとは考えにくい。

 

こいつは今何を考えているんだ?

 

「ふふっ、そうだね。

 

 

俺も本物を見つけてみたくなった。じゃダメかい?」

 

 

「は?」

 

 

今何考えてるんだこいつって考えてた俺を殴りたい。

 

何故その言葉を知っているか問う以前に何言ってんのこいつ。

誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?

  • 櫛田桔梗
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  • 坂柳有栖
  • 椎名ひより
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