ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜 作:らふ
答えを求める。その答えがなんなのかを探求する。
知ろうとすればするほど、締め付けられ、答えを出すことができない。
俺があの時抱いたあの感情は、俺の判断を鈍らせる。
やめろ。お願いだからやめてくれ。
疼く俺の胸を押さえながらその場を去る。
踏み締める足音は次第に大きくなり、俺はまた何か失ってしまったのではないかと今更ながら思う。
あぁ、どうでもいい。俺はこんな自分が大好きだからな。そこには僅かながらの矛盾を孕みながら。
「はぁ。俺はどうしてしまったんだか。」
日はすっかり落ちてしまい。寒くなった風はちろりと俺の肌を舐める。肌はひんやりとし、身震いをしてしまう。
いやに肌寒い夜だ。
公園の時計を見ると6時近くで、薄暗くなった空気をよぎりながら、俺の気分を霧散したいばかりか、校舎の屋上に登り、ってあれ?綾小路?
「おい?清お前何してんだこんなとこで」
「い、いや、見ちゃいけない物を見てしまって」
少し焦った様子で、矢継ぎ早に言葉を捲し立てる。
ははーんさてはお前、着替えでも見たのか?とは冗談でも口に出せない。そんな気分じゃないからな。
「ちょっと見せろ」
そう言って清の横を横切り、屋上で何が起こっているのか見る。
「ーうざい!!むかつく!!死ねばいいのに!!」
それは櫛田だった。櫛田が発しているのか分からないほどに低く重い声で、
「自分が可愛いとお高くとまりやがって!どうせアバズレに決まってんのよ!あんたみたいな性格の女が勉強なんて教えられるわけないっつーの!!」
「なるほど………取り敢えず、清はその携帯を俺に渡して早く去れ。」
一応状態は把握した。清の持つ携帯には少しデコレーションがなされている。
それは清がつけるには少々不自然だ。櫛田のものだろう。
つまり櫛田に渡すためにここに来たが、見てなはいけないものを見てしまい、足を止めてたのだろう。
「お、おう。八は大丈夫なのか?」
「俺のことは心配いらねぇよ。あいつは俺がなんとかする。お前には荷が重いだろ?」
「………分かった。櫛田のことは誰にも言わない。それを櫛田に伝えておいてくれ」
「うん。お前みたいに物分かりのいい奴は好きだよ」
「俺も八みたいに捻くれた奴は好きだな」
「「ふふっ」」
こしょこしょごえで話していたが、それすらもなんだか笑えてしまい、小さな声で笑い合った。
少しこいつにも感情が芽生えてきてるのか?
小さなことなのだが、綾小路にとって大きな変化だ。こいつ無表情が染み付いていたからな。最初あったときなんか、怖って思ったけど、こいつは徐々に成長しているのだろう。それは決して悪いものではないはずだ。感情を持たない綾小路が、いつしか人間らしい人間に、か。
綾小路清隆も、やはり前に進んでいるのだろう。
「それで、櫛田はどうしたんだよ」
屋上だからなのか風力が強く、教室にした時より尚肌寒い。
よだつ肌をさすりながら、櫛田に聞く。
「別に。鬱憤が溜まってただけ」
櫛田の声は少し冷たい。だからなのか、俺の声も少し冷たくなる。
「そう言ってもフェンスを蹴ることないだろ。」
「そう言う気分なの。あぁー!堀北の奴!」
堀北のことほんとに嫌いなんだな。俺も嫌いだけど。
「はぁ。お前も気苦労が絶えないんだな。」
「そう言う八幡こそ、今日はなんだかやつれて見えるけど?」
少しだけ言葉が温かい。
「俺の話を聞いてくれるのか?」
少し間を置き、一呼吸を終えてから答える。
「勿論。八幡が今日何があったのかを聞きたいな?」
うわっ、そう言う時だけ表の姿になるなよ。ちょっとどきっとしてしまったじゃねぇか!そして鳥肌が立った。まじ怖い。
「まぁ、大したことでもないんだけどよーーーーーー
今日何があったかを事細かに話して、俺は櫛田に何を求めていたのだろう。櫛田はどう言う反応をとるか分かっていたのに
「うん………頑張ったね。八幡くん。私は、あなたの事、受け入れる。」
「は?え?幻滅しないの?女の子に酷いこと言ったのに」
一之瀬には酷い言葉をぶつけてしまった。それ故に後悔もしている。そんな状況なのに………
「だって八幡が求めているのはそんなことじゃないでしょ?同情とか、慰めとか。くそっ!胡散臭い!!堀北もそうだよ!いつもいつもあんな目を向けてきやがって!」
堀北に対する不満をぶちまけてくるが、あれ?今俺のこと話してるんじゃなかったっけ?
「だから、八幡がそんな顔する必要なんかない!!私は、私だけはあなたの事を見捨てなんかしない」
そう言い抱きしめてくる。
そうだ。俺はこう言う温もりが欲しかったんじゃないのか?
温もりが欲しくて、俺は行動してきたんじゃないのか?
ならば俺が欲しかったのはなんなのか。
「考える必要なんてない。私は貴方を受け入れる。だから、貴方も受け入れて?私を」
「ふっ、お前のことは最初から受け入れてるよ。お前を嫌いになることなんてない」
「うぅぅうー。八幡くんはそう言うところ変わってないよね」
抱きしめられてる中、顔を赤らめながら視線をちらちらと彷徨わせていた。
あわあわとしながら顔を赤らめる様子はなんだか可愛い。
「だから、八幡くんも、私と変わろ?いやな自分なんか切り捨ててさ」
そう言って俺の胸に顔を埋めてくる。すりすりとしてくる様子はまじで可愛い。
そうだ。俺は変化を求めていたんだ。周囲が変わったのに自分だけ取り残される、そんな環境が嫌になって、俺は強く求めたんだ。
だが、これが合っているのかどうか、そんなことは誰にも分からない。
誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?
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櫛田桔梗
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一ノ瀬帆波
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坂柳有栖
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椎名ひより
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龍園翔