ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜   作:らふ

39 / 49
第三十九話過ぎ去ることはない

私はいつも真面目だ。

なんだって真摯に真剣にそして真面目にとりかかってきた。

だけど…………

 

今はそれも考えられない。

 

思考がぐちゃぐちゃになって、比企谷くんのことだけで埋め尽くされている。

 

昨日あった比企谷くんとの出来事。

 

一方的な拒絶だったけど、多分比企谷くんにも事情があったんだと思う。

 

止むに止まれぬ事情が。

 

だがら、私を拒絶して、最後あんなことまで言ったんだ。。。

 

私のせいなんだと思う。私が気付いてあげられなかったから。私がその何かに気付いてあげられていれば、こんなことにはならなかった。

 

全部私の責任。

 

だから私は心に嘘をつく。

 

比企谷くんに関わるのをやめようと、そう考えた。

 

だって、私は苦しいし辛いけど、比企谷くんはそれ以上に私に関わるのが辛いんだと思う。

 

だから、私は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月15日金曜日。早朝である6時半に外を出て、白波ちゃんを待つ。どんなに苦しくても友達は裏切ってはいけない。そう思い、ちょっと今日は早くきた。

 

「一之瀬ちゃん!おはよっ」

 

「あ、おはよう白波さん」

 

白波千尋。クラスメイトで私の一番の友達。親友と呼べる存在だ。

 

いつも私のことを気遣ってくれて、何より可愛い。でもちょっと目が怪しいのは気のせいだよね?

 

最近スキンシップも多いし………

 

でも、頭を埋め尽くしているのは昨日の出来事で、会話は上っ面になってしまう

 

私はどうしたらよかったんだろう。

 

 

そんな考えばかりしか頭の中にはなかった。

 

「ね、ねぇー!ねぇってば!一之瀬さん?大丈夫?」

 

「はっ、だ、大丈夫だよ。それでなんの話だっけ?」

 

「そ、そんのはどうでもいいよ?だから、保健室行く?」

 

「いや、大丈夫だって。ちょっと昨日雨に打たれただけだから」

 

雨に打たれた。本当のことだ。雨に打たれ、それは自分の責任を追及するかの如く降りかかってきた。

 

私は比企谷くんに甘えすぎていたのだと思う。

 

比企谷くんはいつもそばにいてくれて、私を守ってくれて、包んでくれた。

 

それは暖かくて、ずっと浸かっていたいと思える沼。

 

多分私はその沼にどっぷりと浸かってしまった。

 

そっか、だからなんだ。だから……

 

「ねぇ!もう保健室行こうよ。体調悪そうだよ?」

 

「だから、わたしは大丈夫だって!」

 

「ひっ………い、一之瀬さん今日少し変だよ?どうしたの?」

 

白波ちゃんが、心配気に聞いてくる。あぁ、わたしはなんてことをしてしまったんだろう。

 

わたしの周りにはこんなに心配してくれる人がいるのに、それを無碍にするなんて………

 

「ご、ごめんね。白波ちゃん。大丈夫だから。……大丈……夫だか……ら。」

 

そう言ってると更に感情が込み上げてきて、それが涙となってこぼれ落ちる。

 

限界だ。私にはこんなの耐えられない。

 

「無理そうなら、私も保健室ついて行くからさ。いこ?」

 

「うん。。。ごめんね。。。」

 

私が泣いているのは病気で苦しいからだと思っているのか言及してこない。

 

気遣いなのだろうか?それなら本当に出来た子だと改めて思う。

 

「いいよいいよ。いつも一之瀬さんには助けてもらってるし。私一之瀬さんと同じクラスで良かったっておもってるよ?」

 

「ありがとう。そう思ってくれるのは嬉しい」

 

「あはは。一之瀬さんがいてくれたから私があると思うんだ」

 

「え?いきなり何?」

 

これまで必死に込み上げてくる感情を押さえてきたのにちょっと腑抜けた声が響く。自分でも驚くほどに間抜けな。

 

「だから、苦しい時は言って?私達は一之瀬さんの力になりたいの」

 

「そ、そうだね」

 

白波ちゃんは私を抱きしめてそう言ってくるが、スキンシップが激しくないだろうか。

 

そう考えているうちに暗い感情は少しずつ霧散していった。

 

こんなに苦しくなるのはあの事件以来かな。私の罪。背負って以降初めて。

 

そうやって自分の感情に騙し騙し嘘をつき、そのすべてを解消しかけた時、私は見てしまう。

 

これ以上苦しくなりたくないのに、

 

辛くなりたくないのに

 

現実はそれ以上の重さを背負ってやってくる。

 

 

 

私は比企谷くんが櫛田ちゃんと腕を組んで登校しているのを見てしまった。

 

 

仲が良さそうな雰囲気からは私に負荷しか与えてこない。

 

 

そっか。その為なんだ。その為に私を拒絶したんだね。比企谷くん。

 

私はその場に崩れ落ちポロポロと涙を零す。手を地面につけながら泣いてしまう。溢れる滴は地面に落ち、次第に溜まって行く。

 

アスファルトの地面は冷たさしか伝わってこない。

 

地面に落ちる涙は水紋となってぽちゃんぽちゃんと落ちる。

 

私はもうダメだ。比企谷くん。お幸せにね。

 

「一之瀬さん!一之瀬さん!!!!」

 

白波ちゃんの声をBGMに私は気を失って行く。

 

そこで落としたのはなんだったのか。本当に涙だけを落としたのか。本当に落としたのは涙だけでなく別の何かではなかったのか。

 

私は比企谷くんに何を抱いていたのだろう。

 

だが、その答えは残酷と化して帰ってくる。

 

誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?

  • 櫛田桔梗
  • 一ノ瀬帆波
  • 坂柳有栖
  • 椎名ひより
  • 龍園翔
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。