ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜   作:らふ

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第44話散りゆくは桜の花か

ぱちりと目を開け、開けた視界は白い天井を映した。

 

電灯と真っ白な天井は清潔さを強調し、静かな室内は俺の目覚めに不快感を与えることはなかった。

 

少しばかり下腹部が痛むが気にならない程度だったのでどうということはなかった。

 

「はちまんくん………はちまんくん!!」

 

体に重い衝撃が走り、なんだかよくわからない状況を更に複雑化した。

 

「は?え、は?」

 

抱きついてきたのはやはり一ノ瀬だったのだが、起きて数分もたたないうちからいきなり抱きつかれたとあっては一ノ瀬も別の美少女に見えるという物だ。

 

つまるところ、何この状況…………

 

知らない部屋で眠ってていきなり一ノ瀬に抱きつかれて…ってどゆこと?

 

いまいちはっきりとしない思考を一旦塞き止め一之瀬に聞く。

 

「なぁ、俺あれからどうしたんだ?」

 

「うぅ………」

 

「一之瀬?」

 

再度一之瀬に声をかけた。こんなキモい奴には返事も返す価値がないというあれですかね。……あの純真無垢な一之瀬がっ……ついに、ついに人並みに……

 

軽いショックを受けながら、短いため息をつく。

 

「い・ち・の・せ?」

 

「ごめんね。もう少しだけだから……もう少しだけこのままでいて」

 

「???」

 

一之瀬は離すそぶりを見せず同じ姿勢のまま動かない。同じ姿勢というのは抱きついたままってことですがいいんですか?俺ですよ?分かってますー?

 

一之瀬の声には何故か重みを孕んでいるような気がして、聞き返したい気持ちがしたのだが

 

だからもう少しだけこのままでいよう。

 

暖かい気持ちに包まれながら

 

「よかった……目を覚ましてくれてありがとう…」

 

??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか」

 

数分経つと一之瀬は泣き止んだようで、俺からすっと離れる。体に触れていた熱が名残惜しそうに冷めていく。べ、別に残念だとか思ってないんだからね。

 

それよりこの状況を説明してほしい。あの後どうなったか大体の事情はわかるのだが、一応確認はしておきたい。

 

「うん。ごめんね。」

 

ごめんね?どういうことだ?一之瀬が謝る理由なんて………ま、まさか

 

「お前……嫌なのに抱きついてたのか?だから、泣いて「違うよ。」???」

 

一之瀬は涙を拭く動作を見せ、少し笑う。

 

「そういうところ鈍いよね。」

 

鈍いってなんだよ。俺が鈍いなら誰も彼もが鈍くなるぞ?俺は鈍いというかむしろ敏感な方だ。敏感で過敏でだから、いつも

 

一之瀬は居住まいを正して、真剣な雰囲気を醸し出し始める。

 

「落ち着いてきたから少し話させて」

 

「あ、あぁ。あの後のことも含めて聞かせてくれ。」

 

「じゃあ話すね。あの後八幡君は血を吹いて倒れたのーー」

 

そうか、最後視界に捉えたのは俺の血だったのか。そうなれば納得がいく。ここに運ばれたのも。

 

「倒れたのも、ここに運ばれたのも、胃潰瘍って病気のせいでーーー」

 

驚かない。驚くはずもなかった。そんなことそもそも知っていたから。

 

「原因は恐らく過度のストレスだって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人目を忍んで泣き出した一之瀬をなんとか宥めていく。と言っても頭を撫でているだけなんだが。

 

「大丈夫だって。そんな泣くな一之瀬」

 

「だって、もう起きないかもって………思っちゃって…」

 

んなわけあるか。俺を病人のように扱うな。病人だけど。

 

「俺は大丈夫だって言ってんだろ。そんなすぐ死ぬような体をしてねぇ。耐久性抜群、特に悪口特化だ。」

 

「何それ」

 

一之瀬は少し笑って、心配したような顔を止めた。

 

笑ってくれるなら、安心できようものと言った感じに俺も緊張をぼぐす。

 

そうだ。この際丁度いいし、色々と聞いておくか。まぁ、固く聞く必要もないし、談笑に交えて聞くか。

 

「なぁ、俺のことよりさ、一之瀬こそ大丈夫か?」

 

「え?わたし?」

 

「そう。お前も色々溜め込んでるだろ。」

 

見ればわかるというのは傲慢な考えだけど、やつれているのは声の調子からもわかる。何かためこんでるというのもそこからきているが、実際どうなのかは分からない。

 

「そうかも。主に…………」

 

チラッとこちらを見てくるが、は?なに?俺が原因ですか?うざくてごめんね………

 

「すまん。俺が原因だよな。すまん。もう話しかけないようにするわ……」

 

「ち、違うよ。八幡くんが悪いんじゃなくて……ううん、悪いのは私の方だよ」

 

「一之瀬……お前なんかあったか?話せ」

 

多少強引でも話してくれないと進めないため、俺は一之瀬に強く言う。

 

「う、うん。………………ごめん。話せないや」

 

「そうか。まぁ、俺は友達すら居ない奴だから話せないかも知れないが、話せる奴には話しとけよ」

 

押してダメなら諦めるしかない。だが、もう少し……もう少しだけ踏み込みたい。

 

一之瀬が嫌じゃないなら、俺を嫌ってないならに限るけど、一歩踏み出したい。

 

俺は初めてそう思えたんだ。

 

「ちょっとこっちきてくれるか?」

 

「ん?」

 

「耳が悪くなったみたいで、もう一度さっきのセリフ言ってくれないか?」

 

「わ、わかった。」

 

近くに寄るのが恥ずかしいのか頬を赤らめて近づいてくる。

 

俺の耳元までくると、咄嗟に、体を此方へ寄せる。

 

小さい頃小町と遊んでいるときによくやってやったやつをやろうとして手元がすべる

 

「わ、わわっ」「っとおい!」

 

 

 

 

 

何か柔らかいものが俺の唇に当たる。

 

 

 

 

窓から当たる風が遮られ、俺の上には僅かな暖かみが宿っている。彼女の重さは自然と重くは思わず、軽かった。

 

 

「ああああああは、は、八幡くん?」

 

慌てふためく、彼女の頬にはほんのりと赤みが走っている。目をくるくると回し沸騰しているみたいだ。なにこいつ可愛い…

 

「ちょっと予定とずれたが………こういうのもいいだろ」

 

「よよよよくないよ!八幡くんにはっ!」

 

キスをしてしまったのはまずいと思ったから後で謝るが、まだ何かあるのか?まぁ、俺も大胆な行動するようになったなとは思うが。

 

「八幡くんには彼女がいるから…………二人も」

 

「ん?ちょっと悪いな。全く聞こえんかったわ。もう一度頼めるか?」

 

「だ、だから、八幡くんには二人も彼女いるかろ……ダメだよこういうの」

 

「ちょっ、暴れるなっての。………」

 

一之瀬が俺の胸の上でバタバタと暴れるので宥めるように頭を撫でる。

 

ん、こいつなんて言った?

 

「彼女いるのにそういうことやったら彼女さんに悪いよ……」

 

思いっきり息を吸い込んで一之瀬に伝える。

 

「な……なぁ?お前ほんっっっとうに俺に彼女がいると思ってんのか?」

 

「うん。。櫛田さんと陽乃さん」

 

「はぁ。。。俺に彼女が出来るならなんで葉山は彼女できてないんだよ。しかもあの二人かよ。」

 

「葉山くんは関係ないんじゃ…」

 

「いいから、聞け。結論から言うが、俺に彼女なんか出来るわけがないだろが。逆にほしいくらいだよ。」

 

「え?」

 

一之瀬はなに言ってんのこいつみたいな目と見てくるが俺からしたらお前がなに言ってんのって感じなんだけどな…

 

「年齢=彼女いない歴随時更新中の俺が彼女なんてできたら………いや、俺レンタル彼女使ったよな。もしや表では彼女なんぞいらん!と言っておきながら心の内では欲しがってるんじゃ……」

 

「は、ははは。……そっかぁ〜」

 

急に脱力したように暴れるのを止める。

 

「お前まさか、そのことで悩んでたんじゃ……」

 

「わ、わー違う!違うからぁ!」

 

「ははは。可愛い奴め。あんま暴れんなよ」

 

急に静かになったかと思えばまた暴れだすから、頭を撫で続ける。

 

「つかさ、もうお前が過去に戻したって事でいいんだよな?」

 

「あ、あちゃー。」

 

「どうなんだ?」

 

いやりと笑みを浮かべるが、大して意味はない。一之瀬を責めるつもりは全くないからだ。

 

「いや、別に良いんだけどさ。全然怒こってないし。ただ、戻せるんな「ん……」?!」

 

唇に柔らかい物が当たる

 

「………!?」

 

「また、しちゃったね」///

 

こ、こいつ。なにしたかわかって………

 

 

 

 

 

 

 

ぷつりと糸が切れる音がした気がした。

 

誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?

  • 櫛田桔梗
  • 一ノ瀬帆波
  • 坂柳有栖
  • 椎名ひより
  • 龍園翔
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