ようこそ実力至上主義の教室へ〜間違った青春はとある教室で始まる〜 作:らふ
俺は変わらない
変わることは自殺だ。自分を捨て逃げた先にあるのは自分じゃない、他の知らない誰か。
もう一度言う。俺は変わらない。
人間簡単に変われない。
「はーい、こっち見てー!!」
クラス内で大きな声が上がる。先生の説明を終え、クラス内が喧騒に包まれた時だった。
ふぅ、あの先生怖え。あれは確か小学校の時の先生だ。
何故か、途中からすごい絡んでくるようになって、怯え怯え過ごしていたのを覚えている。
あの先生はポワポワしているようで、鋭い。あの瞳で見られていると自分の心情が見透かされているように感じる。
お前の考えていることはわかっていると
そう言われている気がする。
それより、クラス内自己紹介が始まったようだな。
なんか、委員長がどうとかこうとかいってるけど、俺には関係のないことだ。
俺が委員長になることなんてないだろうしな。
心配は杞憂。
さてと、俺の番が回ってこないうちにとんずらさせていただきますか
「はーーい、そこの君待ってーーーーーー」
おそらく俺のことじゃない。どこから回ろうかな。店も見ておきたいし、図書館とかあるか確認しておこうかな。
そう考えながらスタスタと歩き出す。
いや、なかなか広いなここ。高度育成高等学校、どんだけ金を注ぎ込んでるんだよ。力入れすぎだな。
監視カメラについては後々考えよう。この学校の構造を頭の中にインプットして置いて、損はないはずだ。
すたすたすたすた
とんとんとんとん
すたすたすたすた
とんとんとんとん
あれ?なんか、俺の歩くリズムに乗ってきている奴がいるんだが、もしかしてストーカー?つけられちゃってる?
考えすぎだな。
しかし、確認しておこう。監視カメラのある場所で
「なぁ、そこで隠れているやつ出てこい」
「あ、あははー早く気付いて欲しかったんだけどな〜」
「あれ?お前は確か……」
そこにはストロベリーブロンドのロングヘアでスタイルがいい美少女がいた。
確か委員長だとか、騒がれていた奴だ。え?なんでここに?いや、本当に。こんな場所にいていい奴じゃないだろ。
「私は一之瀬帆波だよ。一緒のクラスの人には全員自己紹介終えてきたから」ハァハァ
息を切らせている。あぁ、歩くペース早すぎたか。さっきから妙に騒がしいと思ったらこいつが呼んでたのか。
「まぁ、少し落ち着いて話そうぜ」
「そうだね。歩くペース早いんだね、、、追いつけなかったよ。」
「現に今こうしているが?」
「いや、もうちょっと歩いてたら離されてた。もうちょっと加減してよぅ」
「すまなかったな。それで、俺に何のようだ?俺はこれから学校探索で忙しいんだが」
「そういっても、あまり時間ないと思うんだけど、入学式まで」
「いや、大丈夫だ。ちゃんと計算してあるから、少し歩くだけでは遅れない」
「それでも、クラスで自己紹介とかしなくていいの?」
「いい。というかする必要がないな。俺みたいな協調性がない奴がいてもクラスが迷惑なだけだ」
「んー、そんな卑屈な考え方しなくていいと思うんだけど」
「卑屈なんじゃない。単なる事実を語っているだけだからな」
そうだ。事実だ。俺を除くクラスでクラスが成立するなら、俺はそこにいちゃいけない。居座ることは一部の生徒にとって邪魔であることが多いからな
「でも、君を邪魔だと思う人はいないと思うな」
「お前がそう思っていてもいるんだよ、そういう奴が。だから放って置いてくれ。俺はここの大まかな情報を知らなくちゃいけないんだよ」
「ふーん、じゃあ私もついて行く。」
「はぁ?!俺の話聞いてなかったのか?俺はクラスに戻らないんだぞ?」
「それでもついて行く。君なんだか、危なそうなんだもん」
「はぁ、もうなにもいわねぇよ。ついてくるならついてこい。何もないだろうがな」
「やったー。じゃっついて行くね。文句言わないでよー」
「あぁ、何も言わないっていったからな、それでもいいんなら」
「えぇー、喋ろうよ?」
「いやだ。」
「むぅー、君は面白い人だと思ったんだけどなぁ」
「俺が面白いなら、クラスの中で大人気になっているはずなんだがな」
自分で言ってて、ありえねぇなと思う。ありえない話だ。中学でも少数の人間としか付き合ってこなかった俺が?ないな。絶対。
「ふふっ、そうだね。君だってなれると思うよ、人気者」
「なれねぇよ、絶対な」
「じゃあ、俺は行くが、本当についてくんのか?」
「うん。もうあとちょっとしか時間ないけどね」
そうして、結局俺も話しながら何となくこんなのもいいなと感じていた。この時はやはり気が緩んでいたのだろう。俺は絶対に曲げない。自分を周囲を。曲げない。
あれから一之瀬とはいろいろ話したが、会ったばかりなので、趣味とか、中学の話とか、好きなものとか嫌いなものとか、当たり障りのない話を続けた
「ねぇ、比企谷君。何で先生にウインク投げられてたの?」
「あぁ、あれな。あれは………」
予鈴がなる。入学式の15分前の予鈴だ。そろそろ戻らないとな。
それに、過去の話はしたくない。嫌われる未来しか見えないからな。
「おっと、もう入学式始まるな。行くぞ?」
「……………いつか、きっと教えてね」
本当に踏み入っていいのか、試すような顔をしている。
だからおどおどと、上目遣いで聞いてくる。
「そんな顔すんな。あんま、面白くない話だよ」
「うん。約束ね」
約束。脆い上にしまいにはぐちゃぐちゃにされかねない、あまりいい思い出がないワード。
だけど、信じていい気がしたのは気のせいだろう。
学校の教室の窓から一つの視線が向いていることをこのとき気づかなかった。
誰かとカップリングさせたいと思っているのですが誰がいいですか?
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櫛田桔梗
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一ノ瀬帆波
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坂柳有栖
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椎名ひより
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龍園翔