次の日の正午の少し前の時間、魔人族との戦争への協力を表明した有志75名が、王城の庭に集合していた。その中にはエリュシオンらの姿も確認できる。
「(クソガキどものせいだ)」
ルキフィアはぶつぶつと凄まじい
「(クソガキが邪魔さえしなければ俺たちはここに来ることはなかったんだなのにあいつらのせいで俺たちは…………)」
「(みっともないから静かにしてよ…………)」
エリュシオンは凄まじい殺気に冷や汗を流しながらぼやき、
スーヨウは自分とエリュシオンの言うことを全く聞こうとしないルキフィアの態度の悪さに耐えかね、涙目になりながらルキフィアのお守りをする始末だった。
そして時間は正午になり、
その中には金縁の目立つ勲章を
「初めましてになるな。俺は騎士団長【
壇上に上がってから降りるまでわずか数十秒。あまりにそっけのない態度で早々と自己紹介を終えたメルドは、部下の騎士に指示を出し何かの準備をさせ始めた。
「えーとまず各々の戦闘力指数を確認しなければならないんだが…………」
と、ここで一度言葉を切り、
「【
(懐かしい名前だな…………)
「……団長がしなければならない重要な仕事なのですが?」
「面倒だからって俺たちに押し付けないでくださいよ……」
なんと部下二人に説明を押し付けた。当然彼女らは文句を垂れるが、メルドのせっかちかつ面倒くさがりな性格は薬があっても治せないことはわかりきっていたので、あきらめて説明の代行を決意する。
一方の
「はい、説明代わりましたサブナクです。あの、皆さんちょっと俺の手元に注目してくださーい」
そそくさとどこかへ向かうメルドにあかんべーをした後、サブナクは緊張などどこ吹く風という堂々とした態度で、長財布ほどの大きさがある金属製の薄い板を掲げ、改めて注意を促す。
「この小さいプレート、皆さん見えてますか?今からこのプレートの説明をしますので、聞き漏らしのないようよく聞いてください」
サブナクはその場の全員が自分に視線を向けたことを確認すると、はきはきとした口調で説明を始めた。
「これはステータスプレートです。パラメータプレートとかアビリティプレートとも言います。戦闘力指数、要するに戦闘ための能力を算出して数値化するための装置です」
(RPGの王道キター!)
言葉を区切り、説明を聞いている者たちの様子を見回す。このとき何人かが興奮のあまりガッツポーズを決めており、待ちきれないといった様子だったのだが、それを無視し一度うんと
「これは今ここトータスにおける身分証明書でもありますので、この場で証明登録をしていただきます」
サブナクが再び言葉を切った瞬間、大きな箱を抱えたメルドが再び一同の目の前に現れ、すました表情で言った。
「今からプレートとこの針をまとめて配る。【
「団長、いい加減にしてください!どうして自分の口から説明しないんですか!?」
「お前の方が説明の仕方がうまいだろ」
今度はヴァイヤーという名の騎士が説明を押し付けられ、反論するも完全に馬鹿にした態度で返答されたために顔を真っ赤にしてメルドにつかみかかろうとし、その様子を見たサブナクとパジョーは慌てて演説台から跳び降りてを制止しようとする。さらに騎士たちの中からも何人かがサブナクとパジョーの制止を振り切って殴りかかろうとするヴァイヤーを抑えようと跳び出した。
ヴァイヤーのモンスターチルドレンぶり(と言っても明らかにメルドに非があるのだが)を見た一同は苦笑いをしながら様子を見守り、一方の
「えっと…………俺たちのこと忘れられてないか?」
その後少々の騒動が治まり、改めてパジョーが解説を続ける。
「説明を再開します。皆さん、針とプレートが全員に行き届いているか、今一度確認してください」
パジョーの言葉に従い、一同は片手でステータスプレートを、もう片方の手で針を持ち、一人として余ることなく配られていることを確認した。確認を終えたパジョーは
「プレートは所有者の生体情報から戦闘力指数等を算出します。プレートと一緒にお渡しした針は、人体の中で
パジョーが次に言おうとしていることを
「血液を採取するための物です」
ここまで説明したところで、ほとんどの人間が
「さてと、僕の戦闘力指数は…………」
エリュシオンが持つプレートの表面に水面の揺らぎのようなものが
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名:レミュカ・ウェルカグス・セドナ・ライ・グェス・セイン・グライト・レティアマ・ヨドゥン・ヘゼナ・アーカム・ヴァークトッド・エリュシオン*1
生年月日:大暦1劫992還0廻0世530紀332億4106万1360年暑季72候5節8辰7月1週6旬2日11刻15時55分82秒
年齢:1508京6910兆2718億9648万4039歳
血液型:SB LNull 2893 π Fb
性別:男
技能:言語翻訳・無限真化・龍化⇆人化・不老不死不滅
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(うおっ…………さすがエルは化け物だな。俺の結界で能力が制限されてるのに、ここまでの実力とは…………)
いつの間にか怒りが治まっていたルキフィアはエリュシオンの戦闘力指数を見て感嘆していた。各指数の数値はレベルがゼロの時点であるにも関わらず合計値が5000に届き、装備の制約こそあるもののその平均値は約700と非常に高い数値だ。
(こいつを置いてけぼりにした方がエヒトも悪さをしなくなるんじゃねぇか?)
エリュシオンはムッとした表情で静かにルキフィアを非難する。
「今失礼なこと考えてたでしょ?」
「
ふてくされるエリュシオンの頭をぽんぽんと撫でながら、ルキフィアも自身の戦闘力指数を確認した。
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名:
生年月日:大暦1劫992還0廻0世530紀332億4106万1336年春季53候17節1辰9月3週4旬9日10 刻3時00分04秒
年齢:1508京6910兆2718億9648万4063歳
血液型:VH Rh+ 3000 ζ Gh
性別:男
技能:言語翻訳・無限真化・龍化⇆人化・不老不死不滅
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こちらも装備の制約さえなければ充分な怪物である。
「スーヨウはどうだ?」
「…………ちょっと期待外れかなぁ?」
スーヨウは唸りながらプレートを二人に見せた。
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名:
生年月日:大暦1劫992還0廻0世530紀332億4106万1336年春季53候17節4辰1月2週7旬5日8刻0時47分99秒
年齢:1508京6910兆2718億9648万4063歳
血液型:AA C+ 2893 χ Lu
性別:女
技能:言語翻訳・無限真化・龍化⇆人化・不老不死不滅
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「装備って、こんなに影響があるものだったっけ?」
エリュシオンは目を丸くしてスーヨウのプレートを眺める。
「指数もあれだけど職業…………絶対適当に選んだだろこれ」
ルキフィアはあまりにもめちゃくちゃな数値、そしてスーヨウの第一印象から適当に選ばれたであろう天職の候補に呆れ果てていた。
「ね?言ったでしょ?期待はずれだって」
ストレスが重なっているからか、スーヨウはどんよりと暗くなっていた。
原作との変更点
ステータスに武装・被服などの効果を追加。
架空の血液型の設定を追加。
天職の部分を天職候補に変更。
架空の暦の登場に伴い生年月日を追加。