アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

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第一話です。

原作キャラは出ません。

次で出します。


プロローグ
「1」彼女は木葉奈々


先の見えない大海原…

 

微かに出てる大陽…

 

そして、海の上で浮かび、集まっている異形の生物…

 

小型で虫の羽根を生やし、空を飛んでるのがおよそ30体で、海から出てきたカニに似た大きな生物が3体。

 

群れをなして、何処かへ向かうよう動いていた。

 

その群れに向かおうと一隻の空母がやって来た。

 

 

 

青一色に染まった空母の艦板には、10人の少女達が様々な武器を持って立っていた。

 

 

その中でも一人、更に前に立つ赤茶色のショートヘアーの少女は、目の前の生物達を見つめていた。

 

動きやすさを意識した青のスカートと白のワイシャツの制服に白のハイソックス。

 

腰に着けてるのは、青のコアが埋め込まれた約50センチの剣。

 

右手に持つは、赤のコアが埋め込まれた約150センチの大刃の剣。

 

 

他の少女達は青のスカートと青の学ラン、異なる武器を持ち、目の前の生物達を見ていた。

 

 

 

 

 

そんな中、空母にあちこちに取り付けられたスピーカーからアナウンスが流れた。

 

 

「もうすぐヒュージとエンゲージに入ります。ブリッジに着いたブルーガード一同は直ちに戦闘体制に入ってください。敵の数はミドル級が30体、ラージ級が3体。エンゲージに入り次第、攻撃を開始してください」

 

 

艦板にいる少女達はアナウンスを聞いた後、すぐに手に持ったCHARMと呼ばれる武器を起動させる。

 

すると、CHARMと呼ばれる武器のコア部分にルーン文字が浮かび上がる。

 

 

 

「みんな、相手がミドル、ラージだからって油断は禁物よ。まず取り巻きのミドル級を先に殲滅する。ラージ級の3体はその後よ」

 

 

前に立つお姉さんらしさを見せる黒髪のポニーテールの少女が振り向き、他のリリィ達に指示を出す。

 

 

ブルーガード リーダー 2年生 榛名咲樹(はるな さき)

 

CHARMは大剣のダインスレイフを更に大型化した改造機、カリバーン。

 

 

 

 

 

 

 

「咲樹さん、ラージ級の方は私に任せてもいいですか?いやむしろお願いします」

 

 

元気な赤茶色のショートヘアーの少女が咲樹に単独でラージ級に挑むことをお願いする。

 

 

ブルーガード エースアタッカー 1年生 木葉奈々(このは なな)

 

CHARMは赤の長剣のカナベラルと腰に着けた青の短剣のブルメリア。

 

 

 

 

 

 

 

 

「奈々ちゃん、流石に危ないよ…ラージ級が3体だし」

 

 

おしとやかな青髪のロングの少女が奈々を気使う。

 

 

ブルーガード ロングシューター 1年生 森坂穂香(もりさか ほのか)

 

CHARMはグリップ付いた長い砲身に大きめの刃が付いたアステリオンを両刃にした改造機、ドラゴンランス。

 

 

 

 

 

 

「また一人で勝手なことを…」

 

 

クールな銀髪のショートヘアー少女が奈々の発言に呆れる。

 

 

ブルーガード インターセプター 1年生 倉木真子(くらき まこ)。

 

CHARMは片刃の大型剣、ティルフィングの改造機…ボルカノン。

 

 

 

 

 

「木葉さんはエースアタッカー。最前線に立って戦うのは利にかなってるけど…それだけじゃないでしょ?」

 

 

落ち着いた茶色のセミロングの少女が奈々の考えに付いて問う。

 

 

ブルーガード タンク 1年生 塔ノ木綾瀬「とうのき あやせ」

 

CHARMは60センチの大きな盾、イージス。

 

 

 

 

 

 

奈々「ラージ級以上のヒュージは激しい弾幕を出すから、取り巻きを片付けてる間に邪魔されたら不味いでしょ?」

 

 

奈々がラージ級の敵を引き受ける理由を皆に伝える。

 

 

「で、奈々が囮になる。ってことか」

 

 

ボーイッシュな黒髪のショートヘアーの少女が奈々がラージ級を相手にする理由を理解し、その答えを言う。

 

 

ブルーガード フロントアタッカー 1年生 篠ノ井黒江(しのの くろえ)。

 

CHARMは先端にブレードが付いた銃剣武器、グングニルの改造試験機…グングニルMk.2。

 

 

 

 

 

 

「まあいいじゃないでしょうか?今いるリリィの中では奈々ちゃんが1番強いのだし」

 

 

大人の女性を連想させる飴色のウェーブロングの少女が奈々の強さを再認識させる。

 

 

ブルーガード セミリーダー 2年生 海道寺麻耶(かいどうじ まや)。

 

CHARMは片刃が左右に付いた弓になる武器、アルテミス。

 

 

 

 

 

 

「奈々、無理すんなよ」

 

 

クールな金髪の少女が奈々を気使う。

 

 

ブルーガード フロントアタッカー 1年生 野崎周子(のざき しゅうこ)。

 

CHARMは両端に刃が付いた巨大な斧の武器、アイゼンタイタン。

 

 

 

 

 

 

「奈々の事だから心配は入らないわね」

 

 

優等生振りを見せる赤髪のツインテールの少女が自信げに奈々を助けると言う。

 

 

ブルーガード オールラウンダー 渡部奈緒子(わたべ なおこ)。

 

CHARMはグランギニョル製の実験機、ラビアンローズ。

 

 

 

 

 

 

「皆さん、エンゲージまで後30秒です」

 

 

一見普通の水色のボブカットの少女が作戦開始の時間を伝える。

 

 

ブルーガード フォワード 1年生 雪野未菜(ゆきの みな)。

 

CHARMは黒江と同じグングニルMk.2。

 

色は白一色である。

 

 

 

 

 

 

 

咲樹「……わかった。私達がミドル級を全て倒すまで持ちこたえるんだよ。いい?」

奈々「持ちこたえる?倒すんじゃなくて?」

咲樹「は?」

 

 

奈々の発言に咲樹はきょとんとした。

 

 

「エンゲージまで後15秒」

 

 

アナウンスで我に帰る咲樹。

 

 

咲樹「まぁいいか。あまり無理はしないで」

奈々「よーし、いってきまあす!」

 

 

そう言って奈々は不思議な光を体にまとい、ヒュージの群れに向かって飛翔した。

 

 

穂香「さ、咲樹ちゃん!?」

周子「もう行っちゃった…」

真子「全く…」

黒江「まさに鉄砲玉だねあれは」

麻耶「まぁあの子なら大丈夫そうだしね」

綾瀬「その分楽できるし」

未菜「奈々さんっていつもあんな感じですか?」

奈緒子「まあね」

 

 

と、余裕なのか全員が奈々の事で話していた。

 

 

咲樹「もうすぐエンゲージに入る。各自、それぞれの役割をこなしつつミドル級を撃破せよ!」

全員「了解!」

 

 

咲樹の指示に残り8人の少女達が返事をする。

 

そして…アナウンスよりカウントダウンが……

 

 

5……

 

 

4……

 

 

3……

 

 

2……

 

 

1……

 

 

 

「「「「「「「「「エンゲージ!」」」」」」」」」

 

 

 

エンゲージの掛け声により戦いの合図が上げられ、全員戦闘体制に入った。

 

 

同時に、咲樹、黒江、周子、奈緒子が足に光を集め、共に飛翔する。

 

戦う場所は海な為、降りるところは無い。

 

その為彼女達は、海での戦闘を想定し、マギと呼ばれる力を使って空を飛ぶ戦法を使って、ヒュージと呼ばれる敵と戦っていた。

 

そして、マギを持つ少女達はこう呼ばれていた。

 

 

「リリィ」

 

 

50年ほど前に突如現れた生命体…ヒュージに対抗できる兵器…CHARMと呼ばれる武器を扱える少女の事である。

 

政府はこれにともない、ガーデンと呼ばれる機関を各地に設立し、ヒュージに対抗するためのリリィ達を育成していた。

 

また、ヒュージには様々な個体が存在する。

 

ヒュージには、スモール級…ミドル級…ラージ級…ギガント級等が存在する。

 

ミドル級までなら通常の兵器でも撃破可能だが、ミドル級以降になると、リリィでないと決定打にならない。

 

これは、ヒュージがマギを宿してるのが理由である。

 

マギの量が高ければ高いほど、その体は強固に、強力になるからだ。

 

対しリリィの武器であるCHARMも、マギを込めればより強力になり、ヒュージに対抗できるのだ。

 

 

また、リリィにはそれぞれの固有能力が存在する。

 

それが、レアスキルと呼ばれる能力である。

 

 

 

咲樹「黒江、周子、奈緒子、短期決戦で行くよ」

 

 

そう言って咲樹はレアスキルと呼ばれる力を発動する。

 

すると、周囲にいるリリィ達のCHARMが金色の光に包まれた。

 

 

黒江「CHARMの力が強くなって…!」

周子「咲樹さんのレアスキル、とても助かるな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル レジスタ

 

周囲にあるマギの純度を上げ、リリィの攻撃力を高める効果を持つ花形スキルと呼ばれている。

 

その他にも重要な効果があるのだが、今は伏せておこう。

 

 

 

 

 

 

黒江「短期決戦打からね。やらせてもらうよ!」

 

 

そう言って黒江もレアスキルを発動した。

 

すると黒江の姿が消え、ミドル級の一体の後ろに現れた。

 

 

 

 

 

 

 

同時にいつの間にミドル級が横に切り裂かれ、爆散した。

 

 

黒江「………遅いよ」

 

 

と、笑みを浮かべる黒江。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル 縮地

 

高速移動が出来るようになり、速さを活かした回避、連続攻撃が可能になる。

 

 

 

 

 

穂香「攻撃する可能性のあるヒュージは私が倒します!」

 

 

 

ドラゴンランスを構えた穂香がレアスキルを発動。

 

遠くから掩護射撃をするミドル級に狙いを定め、ドラゴンランスのトリガーを引くと、ランスの砲身からビームが放たれ、標的のミドル級の一体を貫き、撃破した。

 

 

 

 

レアスキル 天の秤目

 

視力を強化させ、遠くからでも正確に狙えるようになる。

 

スナイパーにはうってつけなスキルである。

 

 

 

 

麻耶「穂香さん、手伝うわ」

 

 

麻耶もレアスキルを発動し、アルテミスを構えた。

 

すると麻耶は、中距離にいるミドル級を左から倒すのではなく、ばらばらに敵を倒していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル ファンタズム

 

 

少し先の未来を予知できるスキルで、いくつもの仮定の世界線を覗き見て欲しい結果に至るための動きや条件を空間単位で瞬時に理解できる数少ないスキル。

 

 

先程麻耶がばらばらに敵を倒していったのはミドル級の攻撃の順番をファンタズムで予測して行った行動であった。

 

 

 

少しずつミドル級を減らしていくリリィ達。

 

しかし一部のミドル級が陣形を組み、艦板にいるリリィ達に向けてレーザーを連射してきた。

 

 

 

 

 

 

 

綾瀬「無駄だよ」

 

 

綾瀬が前に立ち、レアスキルを発動すると、艦板にいるリリィ達に光のバリアが貼られ、ミドル級のレーザーを防いだ。

 

 

綾瀬「お前達じゃ僕のヘリオスフィアは抜けないね」

穂香「綾瀬ちゃんありがとう」

麻耶「チームの盾…本当に頼もしいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル ヘリオスフィア

 

マギ光帯バリアを作り、味方の防御力を向上させるスキル。

 

マギを浄化する効果もある。

 

 

 

 

 

周子「流石にのんびりはしてられないな」

 

 

 

 

そう喋りながら周子もレアスキルを発動した。

 

同時に周子はアイゼンタイタンを上に掲げた。

 

 

 

 

 

 

すると、アイゼンタイタンが大きくなり、そのまま振り回して周囲に近づくミドル級達を一掃した。

 

近くにいた黒江は巻き込まれないようにかわした。

 

 

 

黒江「危ないな」

周子「ごめんごめん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル エクステンション

 

持っているCHARMにマギを込めることで一定時間巨大化させる能力。

 

CHARM以外の一般の武器の場合でも巨大化は可能。

 

実は巨大化した物はほとんどの物質がマギで構成されているため、実際はマギの塊をぶつけてるだけである。

 

マギの消費量が多く、一般のリリィでも2回が限度である。

 

 

 

 

 

真子「前衛、斜線上から離れて!」

 

 

周子、レアスキルを発動し、向かってくるミドル級達を変形させたボルカノンを構えると、赤い極太レーザーを放ち、ミドル級達を倒していく。

 

周子の指示で前衛にいるリリィ達は退避してるため当たらなかった。

 

 

 

黒江「いつ見てもすごい威力」

咲樹「フェイズトランセンデンス…流石火竜と呼ばれるだけの事はある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル フェイズトランセンデンス

 

 

一定時間、使用できるマギの量が無限になり、通常より強力な攻撃が可能になるが、使用後は動けなくなるほどマギが低下してしまう。

 

しかしある程度使いこなすとデメリットがなくなり、使用後でも戦闘可能になるので非常に強力なスキルとなる。

 

 

 

 

未菜「私だって!」

 

 

新米リリィとして入った未菜はこの戦いが初であり、まだレアスキルを持っていないものの、それでも確実にミドル級を変形させたグングニルの射撃で倒していく。

 

 

 

 

 

麻耶はもう一つのレアスキルを発動し、周囲の状況を確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル 鷹の目

 

空から地上を見下ろすように状況を把握するスキル。

地味に見えるが、かなり重要な能力である。

 

 

 

 

 

基本リリィのレアスキルは一つまでとなっているが、麻耶はレアスキルを二つ所有するデュアルスキラーと呼ばれる人材でもあった。

 

 

 

 

鷹の目で戦況を見つつ、ファンタズムで敵の行動を読む。

 

麻耶はこのチーム、ブルーガードの中で司令塔の役割りを持っており、勝利に大きく貢献している。

 

 

麻耶は鷹の目で空から見下ろした戦場のイメージを脳に浮かばせ、そこからヒュージの残りを確認した。

 

 

 

 

 

麻耶「ヒュージはミドル級が7体、ラージ級は…あら?」

穂香「どうしました?」

麻耶「ラージ級…後1体だわ」

未菜「1体!?」

 

 

3体いたラージ級がいつの間にか後1体になった事に驚く。

 

 

綾瀬「予想通りだね」

未菜「ど、どういうことですか!?」

真子「先に奈々がラージ級に向かった。その後は…もうわかるでしょ?」

 

 

 

綾瀬と真子は把握していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故なら、一人で相手をしていた奈々がもうラージ級の2体目を倒していたからだ。

 

空を自在に飛ぶ彼女はいつの間にか髪の色が真っ白になり、瞳は紅く光っていた。

 

 

 

麻耶「ルナティックトランサー…今や彼女の十八番ね」

奈緒子「バーサーク状態からコントロールできる者なんて、早々いませんから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル ルナティックトランサー

 

マギの力を暴走させ、ヒュージに近しいエネルギー分を人の身に宿すことで心拍指数、腕力、重力を無視できる強力なレアスキルだが、所有者によっては精神が不安定になるデメリットもあり、味方にも攻撃してしまう事も確認されている。

 

しかし奈々の場合、感情のコントロールが出来てる為、このレアスキルはメリットしかない。

 

デメリットがなければ、これは最強のレアスキルと呼べよう。

 

 

 

 

 

 

 

奈々はルナティックトランサーを発動させ、傷ひとつ付くこともなく2体のラージ級を連続攻撃で沈めたのだ。

 

そしてこれから奈々は残りの一体を相手にする。

 

 

 

 

 

奈々「後1体!」

 

 

最後のラージ級に目を向けて奈々はマギを推進力に変えて突進した。

 

対しラージ級は無数のレーザーを放つが、奈々を捕らえることが出来ず、奈々の素早い動きに全てかわされてしまう。

 

 

 

 

これは、奈々がルナティックトランサーの特性の一つ、重力無視を応用した戦法で、マギの推進力と組み合わせることで縮地に近いスピードを出せるのだ。

 

 

 

 

そのスピードを生かし、奈々はラージ級をすれ違い様に何度も赤い剣、カナベラルで斬りまくった。

 

何度も切りまくられて、ラージ級の甲羅は容易く砕け散った。

 

仕上げに奈々は、ラージ級の砕けた甲羅に向けて頭上から落下し、カナベラルを突き刺した。

 

 

突き刺したカナベラルから大量のマギがラージ級の中に流れ込み、光が漏れ出す。

 

 

 

 

 

 

ラージ級は断末魔をあげながら膨れ上がったマギによって爆散した。

 

爆発直前に奈々は退避したので怪我はなかった。

 

 

 

 

 

 

麻耶「敵ヒュージ全滅。ミドル級、ラージ級、全て撃破。皆…お疲れ様」

 

 

 

 

鷹の目でヒュージはもういない事を確認し、皆に戦闘が終了したことを伝える。

 

リリィ達が次々と艦板に降りていき、奈々が最後に降りてきた。

 

ルナティックトランサーを解除し、奈々の髪の色と瞳の色は元に戻った。

 

 

 

 

奈緒子「早いわね。奈々」

奈々「あの種は硬い代わりにレーザーの命中制度が悪いからね」

 

 

 

奈々の元に咲樹と麻耶が来た。

 

 

 

咲樹「今回はルナティックトランサーを使ったのね。調子はどうなの?」

奈々「ブルメリアのお陰でマギは浄化されてますから大丈夫です」

 

 

 

奈々の腰に付けてるCHARM、ブルメリアはマギを浄化する機能を備わっている為、奈々がルナティックトランサーを使った際にスイッチが入り、自動的に浄化されるようになっている。

 

 

また、奈々はマギの量が他のリリィより倍近く持っており、長時間の戦闘が可能である。

 

 

奈緒子「これならブレイブを使う必要はないわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

レアスキル ブレイブ

 

 

触れた相手の精神の安定をもたらし、ポテンシャルを一定時間上限開放させることができるスキルで、ルナティックトランサーで溜め込んだ負のマギを浄化させる効果がある。

 

 

 

穂香「奈々ちゃん、お疲れ様」

 

 

穂香が飲み物の入った水筒と紙コップを持ってやって来た。

 

水筒は10人分の量が入る大きさで、取っ手がついていた。

 

 

奈々「穂香ちゃんもお疲れ」

 

 

奈々がコップを受け取り、穂香に飲み物を注いでもらうと、穂香はそのまま残りの全員にコップを渡し、同じく飲み物をコップに注いだ。

 

 

真子「所で咲樹さん、東京まで後どのくらいでしょうか?」

咲樹「後25時間位で着くね」

麻耶「長い討伐活動だったからね、東京に着いたら美味しいお店に行きたいわ」

 

 

 

 

咲樹達の活動は、海に生息するヒュージの討伐がメインで、戦艦内での生活を余儀無くされる。

 

彼女達が陸地に上がれるのは一月に一回位。

 

海での生活を快適にするために一人の艦長は彼女達リリィのモチベーションを配慮し、使わなくなった空母の改装を行わせた。

 

それが彼女達がいる戦艦…クジラ艦である。

 

クジラ艦の内部は住みやすさを意識した作りとなっており、小さな町として機能している。

 

これは移動住宅というよりは移動街船と呼ぶべきか。

 

少女達だけでなく、多くのスタッフ、移住する子供、大人等の市民達もこの船に住んではお店や農家、学校等と、様々な施設が作られ、今やクジラ艦に住む人はリリィを除き、合計400人以上。

 

また、クジラ艦内にはリリィ専門の育成施設、ガーデンもあり、そこでリリィ達の育成を行っている。

 

現在いるリリィは咲樹達を含め30人と少ないが、戦闘面では他のガーデンにも負けない。

 

このクジラ艦は町としての機能を持つ反面、最低限の武装しか装備していないが、ほとんどの戦闘はリリィ達に任せており、クジラ艦が主に戦うことはない。

 

そもそもクジラ艦には子供や町の人がいるため、前に出ると危ないからである。

 

 

 

奈緒子「そういえば奈々、明日、本当に鎌倉府に行くの?」

奈々「うん」

綾瀬「鎌倉府と言えば、百合ヶ丘女学院がある場所か」

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院…

 

鎌倉府に設立されたお嬢様学校を母体にしたリリィ教育の世界的な名門ガーデンである。

 

 

 

 

黒江「奈々は2年前にそのガーデンにいたの?」

奈々「うん。十分強くなったし、明日には百合ヶ丘に戻ろうと決めてるからね」

穂香「何だか、寂しくなるね」

奈々「暗くならない暗くならない。時々メールやテレビ電話をするからそんな顔しないの」

奈緒子「奈々の言うとおりよ。この子だって帰る場所があるんだから」

奈々「あ、そうだ。咲樹さん、代わりのCHARMを後で…」

咲樹「いや、持っていって。今は奈々が持っていた方がそのCHARMも喜ぶよ。それに、あの子達もね…」

 

 

 

 

奈々が使ってるCHARM…カナベラル、ブルメリアは元々本人の物ではない。

 

本来の持ち主が戦えない状態な為、彼女が代わりに使っているのだ。

 

咲樹はカナベラルとブルメリアはしばらく奈々が持っていてほしいと言ってきた。

 

 

奈々「……分かりました。大切に使います」

咲樹「よし、皆、今日は特別に自由休みにするよ」

全員「はい!」

 

 

咲樹と奈々を残し、皆は艦板から階段で降りていった。

 

 

咲樹「奈々、今日はゆっくりと体を休めなさい」

奈々「いいんですか?」

咲樹「ヒュージの反応はない。安心しなさい」

 

 

咲樹から今日はもう安全だと聞いた奈々は気持ちを入れ換える。

 

 

奈々「はい。木葉奈々、ゆっくりと休ませて頂きます」

 

 

そう言って奈々も階段へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を見た咲樹は、再び空を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲樹「見ているか…美鈴…お前の教え子は立派に強くなったよ」

 

 

 

 

 

咲樹は、今の気持ちを口に出すのだった……

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

二水「次回は最強のリリィがやって来ます!」

 

奈々「いや、君誰!?」

 

 

 

 

NEXT 白井夢結は巻き込まれる

 

 

 

 

 

 




今回の話の時間軸はアサルトリリィBOWQUETの3話の後半辺りです。
次回はアニメ4話でまだ夢結がテラスで梨璃に会う前のタイミングで事件が起き、その後奈々が接触します。
2話は更にオリキャラを出すのでお楽しみください。

ちなみに生徒ではありません。


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