アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

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ちょっと長くなる筈が、また三万文字と結構長くなってしまいました。
中々いいアイディアが浮かばず、遅くなりましたが、納得できる話になりました。

今回は、8話に出たあの子が再登場します。
どんな風になるかはお楽しみ(笑)。

今回はアニメ8話の後半部分がメインです。

入れたかったネタを入れることが出来ました。

どうぞ!


「10」百合ヶ丘女学院の戦技競技会!

百合ヶ丘女学院から少し離れた所の森の中……

 

そこには、百合ヶ丘の制服とは異なる制服を着たピンク色の髪の少女が歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

私立ルドビコ女学院 1年生 戸田・エウラリア・琴陽(とだ・えうらりあ・ことひ)

 

 

 

 

琴陽「まさか私が相手の陣地に来るなんてね…」

 

 

琴陽がここに来た目的…

 

それは木葉奈々に関する戦闘データの収集である。

 

琴陽はGEHENAに協力する者の一人にして、強化されたブーステットリリィだった。

 

今回下北沢で発生した大量のヒュージは、GEHENAが起こした事で

参加したリリィ達のデータを収集するための実験だった。

 

 

その中でも、遠征で現れた奈々は無数の小型ヒュージやギガント級を圧倒する程の活躍を見せていた。

 

 

しかし下北沢の遠征で収集した木葉奈々の戦闘データでは足らず…

 

今回、彼女は百合ヶ丘女学院で年に一度のイベント…戦技競技会に参加し、データ再収集する狙いである。

 

 

ちなみにルドビコ女学院の方では、里帰りするとという嘘の理由を書いて休暇届けを出している。

 

 

琴陽「今回の戦技競技会…木葉奈々は必ず参加するはず…必ずデータを取らないと…!」

 

 

 

彼女の目には、復讐心は無くなっており、白井夢結への憎しみは薄れていた。

 

奈々は原因が自分だと主張するが、助けてくれた相手を憎むことは出来なかった。

 

 

元々彼女がGEHENAに加担するのは白井夢結への復讐の為だったが、今はそれがない。

 

今も彼女がGEHENAに協力するのは別の理由があるが、それについてはまだ触れるべきでない。

 

なにがともあれ、琴陽は木葉奈々の戦闘データを取るために百合ヶ丘の敷地内に身を潜めているのだ。

 

 

 

琴陽は録画機能を備えた特殊な双眼鏡を取り出し、遠くから見える百合ヶ丘女学院のグラウンドを除き混む。

 

 

 

琴陽「そろそろ始まる頃だけど………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、百合ヶ丘のグラウンドでは多くの生徒達が集まっていた。

 

今日は百合ヶ丘女学院の年に一度のイベント…戦技競技会の日である。

 

本来は秋の季節に行う筈だったのだか、急遽春の季節に行うようになったのだ。

 

 

雰囲気はまさにリリィ達の運動会である。

 

 

 

クラス部門…レギオン部門…個人部門等々、これらの最優秀リリィには工廠科から様々なCHARMのカスタマイズに応じてくれるのだ。

 

 

 

内容は前半の運動の部と、明日の文化の部に分けられる。

 

 

 

今回はその運動の部の日である。

 

 

 

 

 

テントの下では理事長の咬月と出雲、史房を含む3人のリリィがいた。

 

 

 

 

 

一人は灰色のミドルヘアーの少女。

 

 

 

百合ヶ丘女学院 2年生 エイル 隊長 生徒会 秦 祀(はた まつり)

 

 

 

もう一人は後ろ髪を三つ編みにした山吹色の少女で、前髪の右に髪留めを付けていた。

 

 

 

百合ヶ丘女学院 2年生 シュバルツグレイル 内田 眞悠理(うちだ まゆり)

 

 

 

 

咬月「さあて、本日の客人は?」

祀「15人が敷地に侵入しています。また、ドローンが3機程」

咬月「素性は?」

史房「偽装していますが、大半は国内外の政府系組織です。中にはCHARMメーカー、反政府組織や、自然保護団体と思われる者も。まだ分析中ですが、興味の対象は一柳結梨で間違いないようです。ただ、サンスベリアの存在は確認されていません」

出雲「神楽月と塔ノ木が用意した防衛ドローンをいくつか迎撃区域の周辺に設置しておいたから、奴等も迂闊には行動できないだろう」

祀「じ、準備が早いですね」

眞悠理「此方は何を探ります?」

咬月「情報のルートを徹底的に。通信の量とその行き先じゃ」

出雲「そこは塔ノ木に任せておこう」

眞悠理「挑発行為があった場合は?」

咬月「デバガメが分を超えた場合の対処は諸君らと出雲君に頼もう」

出雲「わかった」

史房「はい。結梨さんには指一本触れさせません」

 

 

と答える史房だが話を終えると、心の中でこう呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

史房「・・・デバガメって何?」

出雲「覗き魔の常習犯という意味だ」

史房「なっ!!?」

 

 

 

どうして考えてることがわかったの!?と言いそうな感じで驚く史房。

 

 

 

出雲「または変態という意味もある。もし見つけたら容赦なく畳み掛けろ。変態は一人残らず始末しろ」

史房「透かした顔で物騒な事言わないでください!!」

出雲「そろそろ開会式が始まるぞ」

 

 

出雲の話術に翻弄される史房。

 

 

 

祀(出雲先生…実は天然?)

眞悠理(黙っていた方が無難ね……)

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドでは、開会式が始まり、中央の台に立った木葉奈々が、開会の言葉をみんなの前で告げる。

 

 

 

奈々「ごほん…我々百合ヶ丘女学院のリリィは、この競技会で自分達の力を出しきり、正々堂々と勝負することをここに誓います!この学院で体験して学んで得た経験と知識を、今日ここで披露すること、力を出しきって競いあってください!そして、楽しみましょう…この年に一度の祭を!」

 

 

奈々の言葉で全生徒は一斉に拍手した。

 

 

拍手が収まると、奈々は再び口を開く。

 

 

 

奈々「さて、堅苦しいのはこのくらいにして…」

 

 

 

 

奈々はいつもの調子でマイクをスタンドから外し、夢結に指差してこう告げた。

 

 

 

奈々「夢結さん!この競技会で最強のリリィが誰なのか決めようじゃないですか!そして、勝つのは私だ!!」

 

 

夢結を挑発するかのように挑戦を叩きつける勢いで告げる奈々。

 

 

少し驚いた夢結も少し笑い、奈々に言い返す。

 

 

 

 

夢結「そう簡単に勝ちは譲らせないわよ。私は貴女に負けるとは思っていないから」

 

 

と、挑発し返す夢結。

 

 

 

奈々「ふふっ、楽しみに待ってます!」

 

 

 

そう言って奈々は台から下りる。

 

 

 

 

 

 

 

その後、奈々は眞悠理、史房に怒られたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、戦技競技会は始まった。

 

 

 

 

 

咬月達とは別のテントでは、緑のツインテールの少女がマイクで最初の競技を宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 1年生 高野亜理奈(たかの ありな)

 

 

 

亜理奈「ここからの実況はこの私、高野亜理奈が仕切りますよー!!」

 

 

と、ハイテンションで喋る亜理奈。

 

 

 

亜理奈「最初の競技は、クラス対抗戦!二人一組で普通のジャンプでは取れない程の上に高い所に設置したクッションを早く取るスピード勝負です!椅子取りゲームみたいな感じて受け取って構いません。二人で協力して、どうやって早く取るかが重要です。ちなみに他のチームの妨害は反則です。また公平に行うため、サブスキル、レアスキルは禁止にします。個人のスペックで切り抜けてください!」

 

 

と、説明が終わり、まずは1年生の競技から始まるようだ。

 

椿組…主に一柳隊+奈々の方は…

 

 

 

楓「ウフフ…夢結様とお邪魔虫が入らないここならば、無防備な梨璃さんは私の思うがままにですわー!」

奈々「お邪魔虫って私かい」

 

 

自然にツッコミをする奈々。

 

 

楓「他に誰がいますの?さあ梨璃さん、一緒に…」

 

 

と、言いながら梨璃だと思う手を掴むが、掴んだ手は、結梨の手だった。

 

 

結梨「ん?」

楓「え?何故結梨さんがここに?」

結梨「私も椿組だから」

楓「何ですって!?」

奈々「結梨ちゃん編入されてもう1週間は経ってるの忘れたの?」

楓「お邪魔虫2号…」

 

 

テンションが下がってがっかりしそうな楓。

 

 

 

 

神琳「出雲先生の話を聞いてないんですか?」

楓「生憎都合の悪い事は記憶に残さないタチなので」

 

 

すぐに笑顔で答える楓。

 

 

 

鶴紗「ポンコツか」

奈々「ダメだこりゃ」

 

 

そんなこんなで、各組の準備が整った。

 

 

 

 

椿組、最初の相手クラスは櫻組のようだ。

 

 

椿組からは一柳梨璃と、成り立てリリィの一柳結梨が出た。

 

対し、櫻組からは犬耳のような形のピンク色のロングヘヤーの少女と、紫のツインテールの少女が参加してきた。

 

 

 

百合ヶ丘女学院 1年生 ローエングリン 倉又 雪陽(くらまた ゆきよ)

 

 

百合ヶ丘女学院 1年生 ローエングリン 妹島 広夢 (せじま ひろむ)

 

 

 

中央には、結構長い棒が立てられ、真上にはクッションが被さっていた。

 

 

 

亜理奈「勝負は三回。先に二勝取ったクラスの勝利とします!それではクラス対抗戦、開始!」

 

 

 

開始のドラが鳴り、グラウンド中に響き渡った。

 

 

 

梨璃「昨日練習した通り!いい?」

結梨「うん!」

 

 

 

梨璃は愛用のグングニルで地面に円を描く。

 

すると描いた円が光り、準備が出来たところで梨璃が離れて、結梨がその円の中に飛び込むと、マギの力で高く飛んだ。

 

そしてそのまま上空に浮かぶクッションを掴もうとするが…

 

 

 

結梨「ああっ!?」

広夢「頂き!!」

 

 

 

先に広夢の方が早く、クッションを取られてしまう

 

そして華麗に着地した。

 

 

 

広夢「初めまして。初心者にしてはセンス良いのね」

 

 

クッションを回しながら余裕を見せ、アピールをしている広夢。

 

 

 

結梨「むぅ……」

 

 

 

悔しがる結梨に抱きつく梨璃。

 

 

 

梨璃「やったね結梨ちゃん!」

結梨「出来なかったー!」

梨璃「そんな事ないよ。凄い凄い!」

 

 

 

と、悔しい結梨を梨璃が励ます。

 

と、その姿を見て悔しがる楓。

 

 

 

楓「ムキーですわ!」

奈々「仕方ないよ。今の梨璃ちゃん、まるで結梨ちゃんのお姉ちゃんになってるし、邪魔する訳に行かないよ」

鶴紗「楓、次は私とやるぞ」

楓「梨璃さんじゃないのは残念ですが…」

 

 

 

残念そうにテンションが下がってる楓。

 

 

 

奈々「だったら梨璃ちゃんにかっこいい所を見せればいいんじゃない?」

楓「さあ鶴紗さん、全力で行きますわよ!」

 

 

すぐに張りきりだす楓。

 

 

 

鶴紗「単純だな…」

神琳「奈々さん、楓さんの扱い上手いですね」

奈々「言われても嬉しくないなぁ。それ」

 

 

 

2本目は、鶴紗のサポートによる楓のハイジャンプでクッションを掴み、一勝勝ち取り、これで一対一。

 

次の勝負で勝てば準決勝に進める。

 

 

 

 

 

奈々「次は私か…誰にしよう…」

「奈々さん、一緒に組みませんか?」

 

 

同じ椿組の汐里が奈々を誘いにやって来た。

 

 

奈々「汐里ちゃん、私を誘いに?」

汐里「私もペアを探してたんですけど、あぶれちゃって…」

奈々「いいよ。よろしくね」

 

 

奈々は汐里とペアを組む事にした。

 

 

 

汐里「はい。こちらこそ」

 

 

 

 

そして三本目……相手はローエングリン主将の立原紗癒と森辰姫であった。

 

 

 

辰姫「あの時は油断したけど、今度は負けないわ!」

奈々「私もだよ!」

紗癒「私達が勝ったらローエングリンに…」

奈々「入りません」

汐里「奈々さん大変ですね…」

 

 

気合十分の四人。

 

そして亜理奈が開始の合図を言う。

 

 

 

亜理奈「果たして、準決勝に進出するのはどのクラスか!それでは競技開始!」

 

 

開始のドラが鳴った。

 

 

同時に奈々は汐里の手を持つ。

 

 

汐里「?」

奈々「汐里ちゃんいっけぇー!!」

汐里「えええーっ!!?」

 

 

奈々は汐里を上空のクッションに向けてフルスイングで投げ飛ばした。

 

 

辰姫「な!?」

鶴紗「え!?」

梨璃「ええーっ!?」

二水「汐里さんをフルスイングしましたよ!」

楓「何をやっていますのあの問題児!!?」

雨嘉「大丈夫…見て」

 

 

一柳隊一同、雨嘉の指差したクッションがある方を見た。

 

何と、辰姫より早くクッションを飛ばされた汐里が取っていた。

 

 

 

辰姫「早!?」

紗癒「まさか投げ飛ばすなんて…」

神琳「マギで筋力を一時的に強化して、そのまま汐里さんを飛ばす。確かにその方が早いですわね」

二水「奈々さんらしいと言えば、奈々さんらしいですね」

 

 

クッションを手に入れた汐里が奈々の下へ着地した。

 

 

 

汐里「ちょっと驚きましたけど、中々の投げっプリでしたね」

奈々「まだまだこの程度だよ……………!?」

 

 

 

 

奈々開始突然何かの気配を感じ、汐里が持ってるクッションを取ると高くジャンプし、グラウンドから離れた森の方へ…

 

 

 

 

 

 

 

奈々「くせ者ーー!!!」

 

 

 

マギを込めたクッションを投げ飛ばした。

 

 

 

 

 

 

すると、森の方から爆音と土煙が起きた。

 

 

汐里「どうしたの奈々さん!?」

奈々「………森の方からマギの気配を感じて、スパイだと思って投げたけど…気のせいかな…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、森の方ではクッションの爆発で延びてしまってる琴陽の姿があった。

 

 

 

 

琴陽「……な………なんて…感知能力……ガクッ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

戻って椿組はこのあとの準決勝でも、順調に勝ち進んだ。

 

 

 

続いての相手は、シードを獲得したミリアムのクラスである檜組であった。

 

 

百合ヶ丘女学院では、クラスが全部で9つ存在し、その中でも檜組、杉組の2つはアーセナル専門の工廠科となっている。

 

ちなみにリリィとしての平均身体能力は他のクラスより低く、1年生で強いアーセナルはごく僅かである。

 

結果は椿組のストレート勝ちだった。

 

アーセナルの中でもリリィ並の身体能力を持つ綾瀬でも、相手が奈々では分が悪かったらしい。

 

 

 

 

何はともあれ、椿組は決勝に進出した。

 

 

 

 

 

 

そして決勝の相手は李組。

 

1回戦はアリツィア・リベスキンドと片山珠花が相手だったが、壱、楠美の活躍で一勝。

 

2回戦は小野木瑳都。鶴紗と対決したブーステットリリィ同士の勝負は李組に軍配が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

そして3回戦。ラシェル・ド・ムホーと遠藤亜羅椰に対し、楓と奈々が参加した。

 

 

両者はそのまま睨み合う。

 

 

亜羅椰「勝たせてもらうわよ。この勝負」

奈々「それはどうかな?」

 

 

外野の方では…

 

 

 

梨璃「楓さん、奈々ちゃん、頑張ってー!」

 

 

 

梨璃の応援を聞いた楓は好調になった。

 

 

楓「奈々さん、梨璃さんに勝利を与えますわよ!」

奈々「当然!」

 

 

 

準備が整った所で亜理奈が口を開く。

 

 

 

亜理奈「決勝ということで、今回はクッションの位置をいつもの2倍の高さに配置しました!」

 

 

既にクッションは更に高いところに配置されていた。

 

 

楓「私のジャンプ力では難しいですわね…」

奈々「問題ないよ。考えがある」

楓「?」

 

 

奈々はこっそりと楓に案を伝える。

 

 

 

亜理奈「さて、そろそろ始めましょう。優勝は果たしてどのクラスなのか…!決勝戦、開始!!」

 

 

開始のドラが……(以下略)

 

 

 

李組は、ラシェルが作った二重の魔法陣で亜羅椰が飛びあがり、更に高い所にあるクッションを取ろうとした。

 

 

亜羅椰「ふふっ、この勝負もらった…」

奈々「うおおおおーーーっ!!」

 

 

一方奈々はマギを使って、クッションまでとどく程の高い壁を作り、楓を背負ったまま壁走りで登っていった。

 

 

亜羅椰「ちょ、そんなのありなの!?」

奈々「スキルは使ってないよ」

 

 

 

肩車で楓を背負ったままマギの壁を登っていく奈々の勢いは衰えることなく亜羅椰を抜き、加速していく。

 

 

そしてクッションが見えてきた所で…

 

 

楓「お願いしますわ!」

奈々「いっけぇー、ラストスパートー!!」

 

 

奈々はクッションに向けて楓を投げ飛ばした。

 

 

物凄い早さで亜羅椰との距離を縮めていく。

 

 

そして…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楓「この勝負…貰いましたわ!!」

 

 

楓はクッションを掴みとった。

 

 

亜理奈がレアスキル…天の秤目を使って、上空にいる楓がクッションを取ったところを確認すると…

 

 

 

 

 

亜理奈「お見事!クラス対抗戦を制したのは、椿組だぁー!!!」

 

 

 

椿組の勝利を宣言すると、椿組の皆は外野の生徒達から歓声を浴びた。

 

 

 

奈々「ナイスジャンプだったよ楓ちゃん」

楓「当然ですわ」

 

 

互いの手をタッチする二人。

 

そこへ、梨璃達がやって来た。

 

 

 

梨璃「やったね奈々ちゃん、楓さん!」

 

 

と言って梨璃は楓に抱きつく。

 

 

 

楓「ま!?」

 

 

突然の思考が停止し、楓は幸せな表情で倒れてしまう。

 

 

梨璃「か、楓さん!?」

神琳「刺激が強すぎましたのでしょうか……」

奈々「幸せな表情をしてるから、このままにしようか」

神琳「そうですね」

 

 

 

と、笑顔で気絶して倒れている楓を見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあと、2年生のクラス対抗戦が開始され、夢結、梅がいる櫻組は、圧倒的な実力で決勝まで上がり、藤組との決勝戦では、天葉といい勝負を繰り広げ、勝利を勝ち取った。

 

 

 

 

 

 

 

3年生の競技はクラス対抗戦ではなく、一対一によるガチンコ勝負だった。

 

 

中でも注目なのが天葉のシュッツエンゲルである槇若菜(まき わかな)。

 

華麗なCHARM捌きで、ライバル達を倒していくその姿は、皆から注目の的になっていた。

 

 

若菜のシルトが天葉で、そしてその天葉のシルトが楠美。

 

このように三姉妹で揃った状態はノルンと呼ばれる。

 

その為、若菜にとって楠美は若菜のノルンである。

 

 

 

 

今回の3年生の部は若菜が優勝し、最優秀リリィに選ばれた。

 

 

 

 

 

そして会場に次の競技の説明が亜理奈から話される……

 

 

亜理奈「さて、お次は全学年が参加できるエキジビションです!!自身の能力…レアスキルを駆使して戦い、時間を競って貰います!今回は的を用意する筈だったんですが、代わりにARを使ったホログラフのヒュージを用意しました!」

 

 

亜理奈がそう言うと、グラウンドに2体のヒュージが現れた。

 

サイズも異なり、ドローン型のスモール級、昆虫型のミドル級のヒュージがいた。

 

 

亜理奈「各参加者はこれらを倒してもらいます!50匹のスモール級。20体のミドル級。合計70体の敵を倒した時のタイムで決めます!より短い時間で敵を全て倒した者が最優秀リリィに選ばれます!尚、同タイムだった場合は皆様の多数決で決めさせて貰います!」

 

 

説明が終わり、グラウンドに50体のスモール級、20体のミドル級が現れた。

 

前衛にスモール級20体…中衛にミドル級20体…残りの30体のスモール級が、挑戦者の位置を囲むように、配置されたようだ。

 

 

 

 

亜理奈「それでは最初の挑戦者です! 1週間前に奈々さんと互角の戦いを見せてくれたレギンレイヴの副将、六角汐里さん!」

 

 

グラウンドの中央に汐里が右手にティルフィング、左手にシャルルマーニュを持って配置に着いた。

 

 

亜理奈「それでは行きましょう!5カウント後、開始のブザーを鳴らした時点で競技開始です!」

 

 

 

カウントのブザーが鳴り響く…

 

 

 

 

5……………

 

 

 

 

4……………汐里は構えた。

 

 

 

 

3……………

 

 

 

汐里「六角汐里…参ります!」

 

 

 

2……………

 

 

 

 

1……………

 

 

 

開始のブザーが鳴ると同時に汐里はマギの力で高く飛びあがる。

 

 

 

汐里「たああああーっ!!」

 

 

 

そしてティルフィングをランチャーモードに変形させた後、肩に乗せ、回りながら周囲のスモール級をティルフィングのレーザーバルカンで倒していく。

 

その後襲いかかってくるミドル級達を、汐里はティルフィングをブレイドモードに変形させ、2本のCHARMを交互に流れるような連続攻撃でミドル級を次々と倒していく。

 

続いて後衛のスモール級達が襲いかかるが、これは再びティルフィングのレーザーバルカンで一掃する。

 

そして残ったスモール級を倒すと、終了のブザーが鳴った。

 

 

 

 

亜理奈「ただいまのタイムは…32秒です!シミュレートの時に私は1分丁度でクリアしましたが、やはり円環の御手は強い!そしてそれを使いこなす彼女もすごい!」

 

 

 

汐里は中央に着地し、構えを解いた。

 

 

 

 

汐里「ふう、やりました!」

奈々「凄いな汐里ちゃん」

 

 

奈々も汐里の戦いを見て納得している。

 

 

 

数秒休んだ後、汐里はグラウンドから出た。

 

 

 

亜理奈「さてお次は、アールヴヘイム隊長のシルトにして史上最年少でファンタズムに覚醒した神の子、江川楠美さんだぁー!!」

 

 

 

今度は楠美が中央に着いた。

 

 

右手に持ったCHARMは、1週間前に奈々達の前で見せた白雪である。

 

 

涼が楠美の為に作ったCHARM…

 

果たしてその性能とは…

 

 

亜理奈「それではカウント行きます!」

 

 

 

5…

 

 

 

4……

 

 

 

楠美「……………江川楠美…行くよ…!」

 

 

 

3………

 

 

 

2………………

 

 

 

1…………………

 

 

 

 

開始のブザーが鳴った。

 

 

楠美は早速レアスキル…ファンタズムを使い、最適な未来を見つける。

 

レアスキルの使用後の5秒後、楠美は予めマギを溜め込んでいた白雪の拳銃のグリップを掴み、目標目掛けて直線的なマギのレーザーを発射した。

 

 

二水「あれは…!」

奈々「拳銃パーツの銃口からマギのレーザーが…!」

 

 

レーザーはスモール級を巻き込み、ファンタズムで導きだしたやり方でスモール級を残さず倒していった。

 

 

その後、襲いかかってくるミドル級は白雪の柄に持ち替え、複数に斬り倒していく。

 

 

白雪の切れ味は黒鉄、白銀に負けないほどの威力だった。

 

 

残ったスモール級も楠美目掛けて動くが、これも斬り倒していく。

 

 

 

そして全てを倒すと、終了のブザーが鳴った。

 

 

亜理奈「そこまで!かかったタイムは…38秒です!汐里さんの記録には届かなかったですが、それでもベストタイムを叩きました!」

楠美「うう…残念…」

 

 

いい記録だったが、楠美は納得の行かない結果だった。

 

 

二人の競技を見た奈々はここであることに気付く…

 

 

奈々(…………これは引っ掛かる訳だね)

 

 

 

 

 

 

 

その後も、沢山のリリィが挑戦した。

 

 

 

 

 

 

エイル所属の1年、内藤羽那乃(ないとう はなの)。

 

汐里以上の戦闘能力を持つリリィ。

 

競技開始にルナティックトランサーを使って短期決戦を狙ったが、敵が散り散りにバラけてしまった事で時間が掛かりすぎ、タイムは54秒。

 

 

 

 

続いては制御不可のリリィと呼ばれた2年生、近藤貞花(こんどう あさか) 。

 

スモール級とミドル級の陣形と独特の動きに盆労され、結果1分2秒という記録を出してしまった。

 

 

 

 

 

お次はオランダから来たレギンレイヴ所属の1年生、ディアナ・コールハース。

 

ブーステッドリリィにして、楓と同じレアスキル…レジスタの使い手だが、今回のルールでは相性が悪く、ブリューナグで戦うも結果は57秒となった。

 

 

 

サングリーズル所属で聖学の剣聖と呼ばれる2年生の今川誉(いまがわ ほまれ)。

 

円環の御手を持つ彼女は、囮作戦、拠点死守、時間制限のある任務をこなしたリリィで、今回のエキジビションと相性がいい。

 

使用CHARMはグングニル二本。

 

グングニルのレーザーマシンガンでスモール級を一掃し、ミドル級をブレイドモードで片付ける。

 

タイムは30秒ジャストと、汐里の記録を抜いた。

 

 

 

レギンレイヴ所属の3年生、田村那岐。

 

武器はアステリオン。

 

彼女はレアスキル…ゼノンパラドキサを使い、圧倒的な早さで全ての敵を倒し、28秒という記録を叩き出した。

 

 

 

そしてエキジビションに参加した田中壱も、負けていなかった。

 

敵味方の行動ベクトルを把握できるレアスキル…この世の理のS級を所持する彼女の戦いは中々のもので、今回高出力砲をオミットしたユニークCHARM…アロンダイトの効果で安定させた狂乱の闇も彼女の戦いにに大きく貢献した。

 

 

 

 

タイムは25秒という凄い記録を叩きだし、またしても最高記録を更新した。

 

 

 

 

 

 

遠藤亜羅椰はマルミアドワーズのマギの自動回復機能を使ってフェイズトランセンデンスを発動させ、短期決戦に出た。

 

 

スモール級、ミドル級をまとめて倒し、倒しきれなかった残りの敵を片付けていく。

 

 

亜羅椰のフェイズトランセンデンスはS級。

 

その為、マギの低下といったデメリットがなく、使用後でも問題なく戦闘を続行出来るのだ。

 

 

タイムは24秒と壱より1秒早かった。

 

 

 

 

梅もエキジビションに参加し、自慢の縮地を披露。

 

瞬間移動しながらタンキエムの射撃で打ち落としていく。

 

時間を競う競技は得意な方な為か、タイムは亜羅椰と同じ24秒だった。

 

 

 

 

 

 

 

亜理奈「それでは次で最後の挑戦者です!模擬戦で衣奈様を圧倒した流星のヴァルキリー、木葉奈々さんです!!」

 

 

最後に、奈々がエキジビションに挑戦するため、中央に行く。

 

 

 

神琳「奈々さんのツインフェザーは第三世代CHARMの中でも攻撃に特化した武器」

二水「そして奈々さんのレアスキルはエンハンスメント同様、サブスキルを一時的にレアスキル化させるマスカレイド!」

楓「奈々さんはどんな戦いを見せてくれるのでしょうか…」

 

 

 

楓は気絶から復活していた。

 

 

 

神琳「問題は、奈々さんは射撃が苦手な事ですね」

二水「グングニルのシューティングモードですら扱えないと夢結様から聞きました…」

楓「純粋な近接特化ですわね」

鶴紗「二刀流なら円環の御手使いと同じ戦いをするんじゃないか?」

雨嘉「インビシブルワンを縮地にして高速戦闘を仕掛けるって手もある」

梨璃「どうするのだろう奈々ちゃん…」

 

 

 

と、一柳隊の1年生組は奈々の戦いを予想する。

 

 

 

亜理奈「現在トップは24秒の遠藤亜羅椰さんと吉村・thi・梅様。彼女が最優秀リリィに選ばれるには23秒以内に全て倒さなくてはいけません。果たして、彼女はこの記録を突破出来るのか!?それでは競技開始!!」

 

 

 

開始のブザーが鳴り、奈々の挑戦が始まった。

 

 

 

奈々「はっ!」

 

 

奈々は飛び上がった。

 

 

 

梨璃「跳んだ!?」

二水「でも、奈々さんは飛び道具が…」

雨嘉「あれ?あれは…!」

 

 

 

雨嘉が何かに気付いた。

 

 

何と、奈々は2本のツインフェザーを左右に投げたのだ。

 

しかも投げたツインフェザーの柄には、光の帯が付いており、それぞれ奈々の左右の手に繋がっていたのだ。

 

そしてツインフェザーがスモール級をすり抜け、左右のミドル級を倒した。

 

 

 

梨璃「ええっ!?」

楓「マギの帯ですって!?」

二水「スモール級ではなくミドル級を先から!?」

 

 

ミドル級を先に倒した奈々はそこから…

 

 

奈々「そうらぁ!!」

 

 

奈々は体を勢いよく回りながら、帯をゴムのような伸縮するものに変え、繋がっているツインフェザーを水風船ヨーヨーみたいに残りのミドル級達に目掛けて飛ばしまくった。

 

 

すると、スモール級の後ろにいるミドル級が次々とツインフェザーに突き刺されていき、20体のミドル級をまとめて倒していった。

 

更に奈々はその状態から両手の帯を持ったまま振り回した。

 

それはまるで、巨大なカミソリのように鋭く、残った前衛と後衛のスモール級達をもまとめて斬り倒していった。

 

 

 

あっという間に全ての敵は倒され、終了のブザーが鳴った。

 

 

 

亜理奈「早くも敵を全滅させました!そんな奈々さんのタイムは…じ、じ、14秒!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ええええええーーーーっ!!!??」」」

 

 

 

 

奈々が叩き出した驚異的な記録に観客達は絶叫した。

 

 

 

楓「14秒!?」

壱「嘘でしょ!?」

楠美「信じられないわ…」

二水「間違ってはいません!タイムを測定してる亜理奈さんはきっちりやる人ですから」

 

 

一方、亜理奈は奈々に質問をしようとする。

 

 

 

亜理奈「奈々さん、どうやってこの記録を出したんですか?」

奈々「うん、実は観戦中に気付いたの。スモール級とミドル級の性能と行動順を」

亜理奈「性能と行動順?」

奈々「スモール級は素早くて一斉に動くけど、ミドル級はスモール級程のスピードがない上に、一体ずつ順番に動いていた。この場合、普通に前の敵から片付けてたらタイムロスに繋がるからね。だからあえて私はミドル級からまとめて片付けたって訳。いっちゃんは見抜いてたみたいだけどね」

亜理奈「しかしさっきのミドル級を倒したあれ…まるでヨーヨーのように使ってましたけど、あれはなんですか?」

奈々「あれ?あれはマスカレイドのもうひとつの能力…アルケミートレースもどきでゴムのような帯を作ったヤツだよ」

亜理奈「そうだったのですか…マスカレイドの効果はわかってはいましたが…そこまでとは…ありがとうございます。という事で、エキジビションの最優秀リリィは木葉奈々さんに決まりました!!トリッキーな戦いを見せてくれた奈々さんに、盛大な拍手を!」

 

 

 

奈々に観客達の拍手が送られた。

 

 

 

奈々「こういうのも、悪くないね」

 

 

 

参加したアールヴヘイム側の者は…

 

 

 

楠美「悔しい……」

亜羅椰「あんな倒しかたなんて誰も思い付かないわ…」

壱「この世の理でスモール級とミドル級の動きはわかったけど、あれは予想外だったわ」

楠美「……このあとの競技は?」

壱「ううん、午前の部は工廠科によるCHARMのデモンストレーションみたいね」

亜羅椰「勝負は午後にお預けって訳ね…」

 

 

午後の勝負を期待しつつ、三人の敵意は奈々に向けられた。

 

 

 

 

 

 

 

亜理奈「さてお次は工廠科が作った新CHARMのデモンストレーションです!今回は4人のアーセナルとリリィが参加しています。どんなCHARMが出てくるのか、またそのCHARMがどのような物なのか…大期待です!それでは参りましょう!ミュージック……スタート!!」

 

 

 

グラウンドのあちこちに配置されたスピーカーからサイバーなバンドの曲が流れた。

 

 

 

イントロの途中で、白のヘアバンドと真ん中をゴムで止めた緑髪のロングの少女が新CHARMを持ってやって来た。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 2年生 長谷部冬佳(はせべ とうか)

 

 

 

亜理奈「最初の方は、戦闘系のサブスキルを7つ取得したアーセナルの長谷部冬佳様。使うのは、第4世代精神連結式起動実証機ヴァンピールです。名前と形状から吸血鬼をイメージしたCHARMで、黒と赤がメインカラーとなってます!ちなみにこの形態はポールアクスモードと言います」

 

 

斧…というよりは大剣の形をしたCHARMだが…柄と刃の所にグリップパーツが付いていた。

 

 

 

目の前には、ホログラフで呼び出された複数のスモール級がいた。

 

 

 

曲がボーカルの入ったAメロに入ったところで、冬佳は2本のグリップパーツを持ち構え、斜め上にヴァンピールを向けると、左右の刃が横に開き、連結してるシールドパーツと一緒に射出された。

 

射出されたそのパーツは、コウモリをイメージした形状をしていた。

 

それを冬佳はヴァンピールをスモール級の方へ向けて遠隔操作すると、コウモリのパーツは電撃を放ち、狙った複数のスモール級を倒していった。

 

 

 

亜理奈「飛ばされたパーツはザッパーカイトと呼び、この状態ではシリングモードと呼びます!」

 

 

 

曲はラップの入ったBメロに突入し、ザッパーカイトをヴァンピールに戻した冬佳は退場する。

 

 

そして入れ替わりで登場したのが、両腕にガントレット型のCHARMを着けた金髪の少女である。

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 1年生 ルイセ・インゲルス

 

 

亜理奈「お次は冬佳様のシルト、ルイセ・インゲルスさん!使うCHARMは第三世代格闘専用型ヤーレングレイブルの試作機です!オリジナルとは形状が異なりますが、特徴はほぼ一緒です!見た限り格闘特化のCHARMですが、ちゃんと飛び道具もあります!」

 

 

 

 

ルイセの目の前には、3体のミドル級が配置されていた。

 

 

 

Cメロに入り、ルイセは右腕のヤーレングレイブルを変形させると、4本の指のパーツがくっつき、4つの大口に変わり、そのままミドル級に向けて無数の弾丸を発射した。

 

 

発射されたのは実弾。

 

そのままミドル級の装甲にめり込み、爆発した。

 

 

爆風が起き、梨璃達の方まで及んだ。

 

 

 

梨璃「凄い…!」

結梨「ほぉー…」

奈々「凄い威力…」

 

 

 

爆風が晴れると、ルイセはヤーレングレイブルをもとに戻す。

 

 

 

亜理奈「先程の形態はヤーレングレイブルのガンモード。実弾だけでなくビームも出せます!」

 

 

全員が歌うサビの後半に入り、説明する亜理奈。

 

 

ルイセはそのまま退場し、今度は青のショートヘヤーの子、涼が新しい刀のCHARMを持ってきた。

 

 

 

 

亜理奈「次の方は、和風武器のCHARMを扱うアーセナル、神楽月涼さん!持ってきたCHARMは、量産機虎鉄の発展機、玉鋼(たまはがね)だぁ!!」

奈々「今度は涼ちゃんか」

 

 

涼が持ってる刀のCHARMは、虎鉄よりも刃が長く、横幅も少し長くなっていた。

 

柄の先端には接続具が取り付けられていた。

 

 

 

亜理奈「手元の資料によると、玉鋼は虎鉄よりも強度、威力が上となっております」

楓「それだけですの?とんだ期待はずれですわね」

亜理奈「しかしこの玉鋼は、これだけではありません!」

楓「?」

 

 

 

曲が2番のAメロに入り、涼はまず、現れたスモール級9体の内、3体を玉鋼で一体ずつ倒していく。

 

刀自体は虎鉄より一回り大きくなっているが、使いやすさは変わっていない。

 

 

 

 

 

 

涼はここで、背中に着けた長い棒のパーツを抜き、玉鋼の柄の接続具にくっ付け、持ち変えた。

 

 

 

 

 

楓「これは…!」

梨璃「薙刀になった!?」

二水「あれはアタッチメントを戦況に合わせて付け替えるCHARMだったんですね!」

神琳「強度を重視する為に変形機能をオミットした武器にはいい機能かもしれませんね」

 

 

 

グンクニルやアステリオンと違って複数のけいたいを持たない涼の作った刀のCHARMにとって、このアタッチメントパーツは大きな味方である。

 

 

亜理奈「この玉鋼は、本体をコアとして、様々なアタッチメントを付けることでどんな戦況にも対応できる優れものになっております!」

 

 

曲も2番のCメロに突入し、涼は薙刀になった玉鋼を奮い、襲ってくるスモール級を凪ぎ払って倒していく。

 

 

敵の残りが後3体になったところで、涼は玉鋼に装着したグリップパーツを外し、砲身トリガー付きグリップの着いた鞘のアタッチメントを装着させた。

 

 

 

雨嘉「今度は銃に!?」

奈々「遠距離にも対応出来るの?あれって」

 

 

涼はトリガー部分に持ち変えて、残りのスモール級に目掛けて3発の光弾を発射した。

 

単発だが、一発の威力は高めである。

 

 

 

光弾はそれぞれのスモール級に1発ずつ直撃し、倒していった。

 

 

亜理奈「薙刀の形態はその名の通りナギナタモード。銃の形態はタネガシマモードと名付けています。一部のリリィが物足りないというリクエストに応えた涼さんが作った渾身の万能のCHARMとなっています!」

 

 

 

ここで涼は退散。最後に現れたのは、茶色のセミロングの少女…綾瀬である。

 

右手には、グンクニルを大型化したCHARMを持っていた。

 

構造はブリューナグではなく、完全にグンクニルの物に似ていた。

 

 

 

 

亜理奈「最後に登場したのが、1週間前に入学したアーセナル…塔ノ木綾瀬さんだぁ!披露するCHARMはグンクニルの改造実験機…グングニル・ネクスビリティーです!」

梨璃「ネクスビリティー?」

結梨「?」

 

 

聞きなれない言葉にハテナを浮かべる二人。

 

 

奈々「次の可能性って意味だと思うよ」

亜理奈「元はmk.2の仮の名前で作った改造機があったんですが、今回は更に改良したCHARMになってます。ちなみにネクスビリティーとは、次の可能性という意味で、ネクストとポシビリティーを掛け合わせた言葉となっております!」

 

 

 

曲もいよいよ盛り上がりの3番のCメロに突入した。

 

現れた複数のスモール級を前に、綾瀬はグングニル・ネクスビリティーをブレイドモードに変形させた。

 

 

綾瀬の持つグングニル・ネクスビリティーはオリジナルのグングニルと比べてブレード部分がダインスレイフのような大きめの刃に変わっており、ブレードと連結してるパーツと、シューティングモードで使う砲身は大型化して2本に増え、色々変わっていた。

 

 

綾瀬はグングニル・ネクスビリティーを片手で構え、走りだし、目の前のスモール級を斬り倒していき、半分程まで減らした。

 

 

 

亜理奈「このグングニル・ネクスビリティーは、近接戦での攻撃力向上の他、シューティングモードで2つの武器…レーザーバルカンと高出力砲を兼ね備えております!」

 

 

 

3番のサビに入り、半分残ったスモール級は一旦襲いかかるのを止め、綾瀬を囲むように包囲した。

 

 

綾瀬は残ったスモール級に対して、グングニル・ネクスビリティーを元のシューティングモードに変形させ、回りながらレーザーバルカンを発射した。

 

 

レーザーバルカンは周囲のスモール級にほぼ命中し、まとめて倒していった。

 

すると、目の前にミドル級と取り巻きのスモール級が何体か現れた。

 

すると綾瀬は再びグングニル・ネクスビリティーを構え、今度は高出力砲を発射した。

 

 

それはまるでティルフィングに似たビーム砲のようであった。

 

 

ビームはミドル級を貫き、後ろにいる残りのスモール級を巻き込んで倒していった。

 

 

 

亜理奈「CHARMのスペックもグングニルから上がっており、武器の豊富さも中々となっています!しかしそれではコスト面が高くなり、ブリューナグ並に運用が難しくなるのではと思う人もいますが、グングニルをベースにしてるためこれまで通り普通に運用出来ます。グングニルを使うリリィにとっては使いやすいと思います!」

 

 

先程退場した冬佳、ルイセ、涼が戻ってきて、綾瀬の元に集まって来た。

 

 

最後は全員かっこよくCHARMを構えた所で、曲は丁度終了した。

 

 

 

外野から大拍手の音が聞こえた。

 

 

 

 

亜理奈「新CHARMのデモンストレーション…もとい、パフォーマンスをありがとうございます!どのCHARMもとても凄かったです!」

 

 

と、亜理奈が解説してる最中、生徒の一人が資料を持って亜理奈の元に来た。

 

 

 

 

 

 

亜理奈は資料の内容を確認する。

 

 

 

亜理奈「ここで朗報です。今回披露した玉鋼とグングニル・ネクスビリティーは、明日から工廠科でいくつか量産した物を何本か用意するそうです。使いたい人は是非来て見てください!」

 

 

 

と、新CHARMの入荷について説明した亜理奈。

 

 

 

 

 

 

亜理奈「時間もそろそろお昼時になったため、ここらで昼休憩に入りたいと思います。午後からは午後の部として、最初の競技である混成レギオンによる的場倒しを始めたいと思います。それではこれで午前の部を終了します!以上!!」

 

 

 

 

午前の部が終わり、各生徒は食事の為、一旦バラバラになる。

 

 

 

 

 

梨璃達は、夢結、梅と合流し、一柳隊の面子でお弁当を食べていた。

 

亜羅椰、壱、楠美は天葉、衣奈と一緒にお弁当を食べながら午後の競技での話を行っていた。

 

理事長の咬月は間身近にいる出雲、史房、祀、眞悠理と一緒に持参した弁当を食べていた。

 

 

 

 

そんな中、奈々は亜理奈のいる場所へやって来た。

 

 

奈々「亜理奈ちゃんご苦労様。これ差し入れ」

 

 

奈々は亜理奈にアイスレモンティーの入ったティーポットを渡した。

 

 

 

亜理奈「おお、ありがとうございます!」

 

 

 

亜理奈は奈々から貰ったティーポットを用意した2つのティーカップに約3分の2程注ぎ、一つを奈々に渡した。

 

 

 

二人はアイスレモンティーを飲んで、話をした。

 

 

亜理奈「そういえば奈々さん、クラス対抗戦で貴女がくせ者!って言ってクッションを森の方へ飛ばしたそうですね。あの後ドローンで確認した所、人の足跡と残留したマギが確認されました。逃げられましたが、恐らくリリィで間違いないでしょう」

 

 

 

亜理奈は競技中でもドローンを使って校外から不審者がいないか偵察していたのだ。

 

 

 

奈々「GEHENAに所属するリリィかな…」

亜理奈「分かりません。ただ、狙いは結梨さんとは限りません…下北沢で戦った奈々さんのデータを取るために来た可能性もあると考えられます。時間を空けてまた来ると思いますので…なるべく注意してください」

 

 

そう言ってアイスレモンティーを飲む亜理奈。

 

 

 

奈々「カナベラルとブルメリアは工廠科に預けてるし、また来るとすれば気配で見つけてとっちめてやるまでよ」

亜理奈「頼もしいですね奈々さんは…でも一応フルパワーは出さない方がいいですよ」

奈々「有り得るね…うん、覚えておくよ」

 

 

 

亜理奈の忠告を受け止め、アイスレモンティーを飲む奈々だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、学院から離れた森の入り口では、琴陽があんパンを食べながらペットボトルの冷たい緑茶を飲んでいた。

 

 

 

 

琴陽「引き返したものの、このままでは終わらない…必ずや、木葉奈々のデータを取る…!」

 

 

 

食べ終わったら再び敷地内に侵入する気であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして休憩時間が過ぎ…競技会、午後の部が始まった。

 

 

 

亜理奈「食事は済みましたか?CHARMの点検は大丈夫ですか?これより午後の部を始めたいと思います!準備はよろしいですか?」

 

 

 

亜理奈の問いに参加者達は掛け声で答えた。

 

 

 

亜理奈「はい!いい返事をありがとうございます!それでは午後の部、最初の競技を始めたいと思います!最初は、混合レギオンによる的場倒しです!」

 

 

 

準備班がそれぞれ、桃、赤、緑、黄、青、紫の旗が付いた長さ約8メートルの太い棒を持ってきた。

 

棒の天辺には木の板の的が差し込まれていた。

 

 

 

亜理奈「この競技は、各レギオンから選抜されたメンバーが参加するルールとなっており、参加者リリィは他のレギオンメンバーと一緒に5人でチームを組んでもらいます!6組のチームは的を守りながら他チームの的を攻めていきます!自分のチームの的を破壊されるか、的の付いた棒を倒されたらそのチームは脱落です!最後まで残ったチームのリリィ達が最優秀リリィになります!」

 

 

 

と、亜理奈が競技の説明をする。

 

 

 

結梨「よし、頑張るぞ!」

 

 

 

と言って気合いを入れる結梨だったが…

 

 

 

梨璃「あ、私達は見学ね」

結梨「何で?」

奈々「今回の競技は梨璃ちゃんと結梨ちゃん、選ばれてなかったからね」

 

 

奈々が結梨に今回は選抜されてないことを伝える。

 

と、そこへ梅がやって来た。

 

 

 

梅「結梨、梅と代わるか?」

結梨「え?」

梅「習うより慣れろって言うだろ?」

 

 

結梨を誘う梅だったが、梨璃に止められた。

 

 

梨璃「そんなのダメですよ!結梨ちゃんはまだCHARMに慣れてないですし、怪我したらどうするんですか!」

梅「へいへい…」

 

 

 

仕方なさそうに梅は去っていく。

 

 

 

 

結梨「むー」

奈々「そうふてくさらないで、前に出て戦うだけが経験じゃない。観戦するのも立派な経験だよ」

結梨「そうなの?」

奈々「ま、梨璃ちゃんと一緒に私と夢結さんの活躍を見てなさいって」

 

 

と言って、奈々はグラウンドへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

亜理奈「さて、チームのメンバーを紹介しましょう!」

 

 

各チームが担当する旗の元へやって来た。

 

 

 

亜理奈「まず1組目、緑チーム!吉村・Thi・梅様と谷口聖様。森辰姫さんと倉又雪陽さん、黒川・ナディ・絆奈さん!未来予知のレアスキル…ファンタズム使いが3人という異例のチーム!どんな戦いを見せてくれるのか!」

 

 

梅「梅は早いゾ!」

辰姫(夢結様と戦える…!)

 

 

 

 

亜理奈「2組目・紫チームは白井夢結様と田中壱さん。清家知世さんと北河原伊紀さん、そして今川誉様。時間を止める珍しいレアスキル…Zは強力ですが、中でも注目なのが百合ヶ丘でもトップクラスの白井夢結様!彼女がどんな戦いを見せてくれるのか楽しみです!」

 

 

夢結「かかってきなさい」

壱(本当は夢結様と勝負したかったけど…今は奈々を倒すのが先だわ)

 

 

亜理奈「3組目・赤チームは楓・J・ヌーベルさんと金箱弥宙さん、竹腰千華様と高須賀月詩さん、石上碧乙様の5名!レジスタ使い二人もいて、攻撃力はトップクラス!更に一柳隊の司令塔である楓さん!彼女の戦術はこの競技をどう導いていくのか!?」

 

 

楓「梨璃さんに勝利を差し上げますわ!」

弥宙(夢結様と戦える…!)

月詩(夢結様と戦える…!)

 

 

亜理奈「続く4組目・桃チームは遠藤亜羅椰さんと伊東閑さん、郭神琳さんと村上常磐様、山梨日羽梨様の5人です!こちらもレジスタ使いが二人!特に亜羅椰さんはレアスキル…フェイズトランセンデンスのS級!これは強敵ですよ!」

 

 

亜羅椰「食っちゃうわよ」

神琳「お手柔らかに」

 

 

亜理奈「そして5組目・黄色チームはミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスさんと遠野㮈輝様と木古都々里様、ロザリンデ・フリーデグンデ・v・オットー様、田村那岐様です!フェイズトランセンデンス二人にゼノンパラドキサと円環の御手!かなり攻撃に特化した構成になっております。今回のダークホースをなるか!?」

 

 

壱「……ん?フフ」

 

 

壱が相手チームのミリアムに気付いた。

 

 

 

ミリアム「ん?壱も出るのか」

壱「ふん、ふん、ふんふん!」

 

 

 

と、壱はジェスチャーで1,5秒の間に左ジャブを2回、あっかんべーを2回行った。

 

 

 

ミリアム「なっ!?ちびっ子には負けんじゃと…にゃろめー!!」

 

 

 

ミリアムは壱に敵対心を強くした。

 

 

 

亜理奈「そして今回の特別枠、青チームは、木葉奈々さんと王雨嘉さん、江川楠美さんと天樹天葉様。槇若菜様の5名!なんと、アールヴヘイムのノルン三姉妹がここに終結しました!そしてこの競技で有効な天の秤目を持つ王雨嘉さんと、夢結様と並ぶほどの最強枠…木葉奈々さん!他のチームにとってこれは手強いぞー!!」

奈々「あの~亜理奈ちゃん!今更だけど、私レギオンに入ってないんだけど何で抜擢されたの?」

亜理奈「実は皆様の推薦で特別に参加させていただきました!」

「皆、奈々さんと戦いたいのよ。今回は味方だからよろしくね?」

 

 

紫色のロングのおしとやかで優しい少女が奈々に握手しに来た。

 

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 3年生 アールヴヘイム 槇若菜(まき わかな)

 

 

 

奈々「ああ、こちらこそよろしくお願いします」

 

 

奈々も頭を下げ、若菜と握手した。

 

 

 

天葉「今回は同じチームだからね。よろしく頼むよ奈々」

楠美「絶対に最優秀リリィの座を手に入れよう!」

奈々「もちろん!実は作戦も考えていたんだ。単純な策だけど」

雨嘉「聞かせてくれる?」

 

 

 

と、奈々は皆に作戦を伝えた。

 

 

 

 

 

 

そして開始の時間がやって来た。

 

 

 

亜理奈「それでは各自準備が整った所で始めたいと思います!的場倒し…競技開始!!」

 

 

 

開始のドラが鳴った。

 

 

 

 

夢結「まずは赤チームの的を先に…っ!!」

 

 

 

赤チームの的を倒しに単独で向かう夢結の目の前から3人のリリィが襲いかかってきた。

 

 

 

弥宙「私とお手合わせお願いします!夢結様!」

月詩「こんな時でもないと構って貰えませんから!」

辰姫「倒しちゃったらごめんなさいです!!」

 

 

アールヴヘイムのメンバー、弥宙、月詩、辰姫の3人が試合関係なしに夢結と戦いたい為にやって来た。

 

 

 

楓「お二人方!何勝手に動いてますの!?」

亜羅椰「ちょっと!!抜け駆けしないでよ!」

梅「困った奴等だナ……」

 

 

 

夢結はブリューナクを構えた。

 

 

 

外野でも……

 

 

依奈「コラ!夢結は敬遠しなさいって言ったでしょ!」

 

 

衣奈が3人を注意しに呼び掛けるが、聞こえていない。

 

 

青チームでも……

 

 

 

雨嘉「あの3人って奈々が戦った…」

奈々「負けフラグがたったなあれ…」

若菜「あらあら~」

天葉「しょうのない子達ねぇ」

樟美「いいなぁ〜」

奈々「さて、そろそろ私も動くとするか…」

 

 

 

と言って奈々は行動を開始する。

 

 

 

 

一方接近してくる3人に対し、夢結はブリューナグを構えた。

 

再び外野の梨璃達は……

 

 

 

梨璃「お姉様!!」

結梨「あ〜」

 

 

 

 

ついに3人は夢結をに攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「「「いざ!!」」」

 

 

 

 

しかし、夢結のブリューナグの凪ぎ払いにより後ろにまとめて飛ばされた。

 

 

 

「「「きゃああああーーーー!!!??」」」

 

 

 

飛ばされた弥宙、月詩、辰姫は地面にバタバタと倒れた。

 

 

 

夢結「もっと本気でいらっしゃい」

「前座はここまでですよ、夢結さん」

 

 

 

今度は奈々が夢結の前に現れた。

 

 

 

奈々「夢結さんを倒すのは…この私だ!」

 

 

 

挑発する奈々に対し、夢結は…

 

 

 

夢結「言ったはずよ。勝ちは譲らないって」

 

 

 

そう言って夢結は手首を使いながらブリューナグを回した後、再び構えた。

 

 

 

夢結「掛かってきなさい」

 

 

 

それを見た奈々は……

 

 

 

 

奈々「ほうほう…それ、パフォーマンスのつもりですか?」

夢結「?」

 

 

 

奈々が言った言葉を理解出来ない夢結。

 

 

 

 

奈々「はっ!!」

 

 

すると奈々は腰のホルダーに納めていたツインフェザーの片方を右手で抜き、それを指で器用に回し始めた。

 

奈々が行ったのはCHARMによるパフォーマンスであった。

 

更にツインフェザーを回したまま、半時計回りに丸を描くように腕ごと動かした。

 

そのパフォーマンスはまさに、剣の達人を思わせる芸であった。

 

最後にツインフェザーを身構えるポーズを決めた。

 

 

 

外野から、「おおーっ!」の声が聞こえた。

 

 

流石の奈々もどや顔状態である。

 

 

 

これを見た夢結も…

 

 

夢結「ふっ…!」

 

 

 

夢結はブリューナグを右手で器用に回したまま、右、左と腕を動かし、最後に再び構えた。

 

 

 

これも中々いいパフォーマンスで、外野から「おおーっ!!」のひと声を浴びた。

 

 

梨璃「お姉様すごーい!」

二水「いやこれ…そういう競技じゃ無いような」

結梨「ほー」

 

 

 

奈々をチラッと見てどや顔する夢結。

 

 

 

奈々もこれを見て負けてられるかと、今度はもう片方のツインフェザーを抜き、先程やったパフォーマンスを両手で披露した。

 

 

難易度は上がってるが、奈々にとっては造作もない。

 

最後に2本のツインフェザーを真上に投げて、落下するそれらを手でキャッチした。

 

 

先程より大きな拍手が掛けられた。

 

 

 

 

夢結もまた終わらない。

 

 

 

夢結は右手のブリューナグを回しながら後ろに持っていき、そのまま左手に持ち替えて前に持っていき、再び右手に持ち替え、その繰り返しのパフォーマンスを見せた。

 

そして数回後、右手を上げたままブリューナグを回して、背中に納めた。

 

こちらも大きな拍手を浴びた。

 

 

 

奈々「やりますね」

夢結「貴女もよ」

 

 

 

互いを認めあう二人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜理奈「あの~御二人方そろそろパフォーマンスはそのくらいに…」

奈々「お」

夢結「あ」

 

 

 

このままだと試合が続かないと思った亜理奈は二人に呼び掛け、二人はハッと気付いた。

 

 

 

 

奈々「準備運動はこのくらいにして…」

 

 

 

奈々は2本のツインフェザーを構え…

 

 

 

夢結「そろそろ始めましょうか…!」

 

 

 

夢結は再びブリューナグを構え直す。

 

 

 

そして……

 

 

 

二人「勝負!」

 

 

 

奈々と夢結…同時に突進し、CHARMを降り下ろす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木の板が消し飛んだような音が響き渡った。

 

 

 

「紫チーム、旗をロストした為脱落です!グラウンドから退場してください!」

 

 

監視班の生徒から緑チームが脱落したことを皆に伝えた。

 

 

奈々は緑チームの方を見ると、近くにミリアムと壱がいた。

 

 

 

奈々「あ」

夢結「あ」

壱「えっ!?」

ミリアム「へへっ、避けてくれてありがとうなのじゃ」

 

 

 

実はパフォーマンスの最中にミリアムが単独で紫チームの的を狙いにやって来たのだ。

 

それを止めるために壱が応戦するが、ミリアムはレアスキル…フェイズトランセンデンスを発動し、大きめのビームを発射。

 

 

壱はこれを避けるものの、ミリアムが狙ったのは緑チームの的だった。

 

 

フェイズトランセンデンスのビームで的は柱の一部ごと破壊され、緑チームは脱落となったのだ。

 

当然、緑チームの夢結も退場である。

 

 

今だ唖然とする二人。

 

 

 

 

 

 

奈々「……………勝負はまたの機会ですね」

夢結「……………そうなるわね」

 

 

 

 

夢結は奈々と戦うことなくグラウンドから退場していった。

 

ポツンと一人残った奈々は心の中で思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(空気読めーー!!!!!!!!!!!)

 

 

 

それは、ミリアムに対する心の叫びだった。

 

そのミリアムも、フェイズトランセンデンスの効果が切れ、倒れてしまい、救護班に運ばれていった。

 

 

奈々「仕方ない…まずは厄介な黄色チームを倒すか…」

 

 

黄色チームは攻撃特化のメンバーで構成されており、ミリアムが抜けても攻撃面ではまだ黄色チームが上である。

 

フェイズトランセンデンス使いはこのチームに後一人おり、特に同時に攻撃出来るゼノンパラドキサはこの競技では厄介なレアスキルな為、早い内に処理した方がいい。

 

 

 

早速黄色チームの元へ向かう奈々。

 

 

 

 

しかしそこへ誰かが奈々を狙って突っ込んできたのだ。

 

 

 

ジョワユーズを持った楓であった。

 

 

奈々はすぐに横に避けた。

 

避けられた楓は一回転して地面に着地し、奈々の方を振り向いた。

 

 

そして奈々を囲むように、反対には赤のポニーテールの少女、竹腰千華と薄紫のロングの少女、石上碧乙の姿があった。

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 2年生 ロスヴァイゼ 副将 石上 碧乙(いしがみ みお)

 

 

百合ヶ丘女学院 2年生 ローエングリン 竹腰千華(たけごし ちはな)

 

 

 

CHARMは碧乙がアステリオン、千華が鶴紗と同じ型のティルフィングである。

 

 

 

楓「お次は貴女が脱落する番ですわ」

奈々「レジスタとファンタズムか…悪いけど脱落する気は毛頭ないよ!」

 

 

 

左右に気を配りながらツインフェザーを構える奈々だが…

 

 

 

 

今度は亜羅椰と白のヘアバンドを付けた藍色の髪の少女がやって来た。

 

 

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 1年生 シュバルツグレイル 隊長 伊東閑(いとう しず)

 

 

彼女は梨璃のルームメイトで、良き相談相手でもある。

 

武器は梨璃と同じくグングニルである。

 

 

 

亜羅椰「奈々を倒すのは私よ!」

閑「夢結様が脱落した今、ここは青チームの戦力を減らせるチャンスです!」

奈々「敵が5人か……」

「「「いや、8人よ!!」」」

 

 

 

先程夢結に返り討ちにされた弥宙、月詩、辰姫が今度は奈々を狙いにやって来た。

 

 

 

奈々「懲りないなあ、3人とも」

弥宙「何とでも言いなさい!」

月詩「私達だってあれから1週間特訓を重ねてきたのだから!」

辰姫「今までの私達だと思わないで下さいな!」

奈々「赤チームが勢揃いか…相手するのは構わないけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「弥宙ちゃん、月詩ちゃん、ここにいて大丈夫なの?」

弥宙「え?」

月詩「は?」

楓「御二人とも早く拠点に戻って…!」

 

 

 

楓は慌てて二人を拠点に戻るよう呼び掛けるが、もう遅かった。

 

 

赤チームの拠点から、的が破壊された音が聞こえた。

 

青チームの拠点にいる雨嘉が天の秤目を使って、アステリオンのシューティングモードで赤チームの的を撃ち抜いたのだ。

 

 

 

 

 

「赤チーム、的ロスト!脱落です!」

弥宙「な!?」

月詩「に!?」

楓「や、やられましたわ…!」

奈々「ふふっ…作戦通り」

 

 

 

奈々の行った作戦…

 

 

それは奈々自身が囮になって、相手の注意を引いてる間に雨嘉が遠距離射撃で手薄になった相手チームの的を狙うという戦法。

 

囮になる以上、多対一の状況になるのは避けられない。

 

しかし単独で多数の敵と戦う機会が多い奈々にとってはいつもの事である。

 

 

桃チームには、同じく天の秤目を持つ村上常磐がおり、突撃槍に似たユニークCHARM…マルテの射撃で青チームの的を狙うことは出来たが、天葉の放ったマギのバリアに阻まれてしまう。

 

 

天葉のヘリオスフィアはS級と防御性能が強力で、射撃程度の攻撃は簡単に防げる事が出来る。

 

 

的の破壊は雨嘉の射撃で、的の守りは天葉のヘリオスフィアで補い、敵の行動は楠美のファンタズムで読み、向かってくる敵は若菜が処理すると、それぞれの役割を生かした死角なしの作戦であった。

 

赤チームは見事この作戦の罠にかかってしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

楓「貴女達が勝手な行動を取るから……!」

弥宙「う……」

月詩「ごめんなさい…」

 

 

 

赤チームは退場した。

 

 

 

奈々「これで私が有利になったね」

亜羅椰「まだ負けた訳じゃないわ!あの時の借りをここで返して上げるわ!」

 

 

 

マルミアドワーズを構える亜羅椰。

 

しかし閑が止めにはいる。

 

 

 

閑「待って亜羅椰さん、ここは引いて守りに固めましょう。ここで奈々さんと戦ってたら他のチームが手薄になった私達の的を狙いにやって来るわ」

 

 

 

閑の言うとおり、今は守りに固めないと雨嘉の射撃の餌食にされる。

 

 

亜理奈「現在桃チームの拠点は、黄色チームの那岐様に苦戦中です!ゼノンパラドキサの多段攻撃に桃チームの神琳さんと常磐様、日羽梨様は防御で手一杯のようです!このまま誰かが攻めてきたら、的が破壊されるのも時間の問題だぁ!」

 

 

亜理奈の解説通り…桃チームの拠点には、残りのメンバーが守っているが、他のチームの集中攻撃を受ければ長くは持たないだろう。

 

 

 

亜羅椰「くっ……仕方ない…一旦戻るわ。勝負はお預けよ!」

 

 

 

悔やみながら亜羅椰は閑と一緒に拠点へと撤退した。

 

 

 

奈々「逃がすと思ってるの?」

 

 

 

奈々は逃げる亜羅椰達を追いかけようとするが…

 

 

何者かがその間に入り込んだ。

 

 

梅だった。

 

 

 

梅「今度は梅が相手だゾ」

奈々「梅さんか…」

梅「それとも梅が相手じゃ物足りないか?」

奈々「いえ、十分ですよ」

 

 

 

亜羅椰と静は完全に逃げ切ったようだ。

 

奈々は標的を梅に変え、2本のツインフェザーを構える。

 

同じく梅もタンキエフを構える。

 

 

 

梅「梅の速さに付いてこれるか?」

奈々「乗りますよ。その挑発!」

 

 

 

梅が縮地を発動し、姿が消えるほど早く移動した。

 

 

 

奈々「縮地ですか…それぐらいなら私も…!」

 

 

 

奈々はマスカレイドを発動し、サブスキルのインビシブルワンを縮地に昇華させ、同じく姿を消した。

 

CHARM同士の鍔迫り合いの時だけ数秒、姿が現れ、あちこち移動しながら戦っていた。

 

 

 

亜理奈「おおっ!?どうやらこちらで奈々さんと梅様のスピード勝負が行われてます!肉眼では追うことが出来ませんが、CHARM同士の金属音を聞くと、凄い戦いをしてるのがわかります!」

 

 

 

ちなみに残った辰姫はというと…

 

 

 

辰姫「もしかして…私……ハブられている?」

梅「辰姫、お前は青チームの拠点を頼む!」

辰姫「は、はい!」

 

 

 

辰姫はその場から離れ、青チームの拠点へ向かった。

 

 

 

奈々「辰姫ちゃんは拠点へ向かったか…問題ないね」

梅「随分余裕だな」

奈々「こっちには最強の三姉妹がいますからね!」

 

 

 

一方、梨璃達の方は…

 

 

 

結梨「……」

梨璃「み、見えない…!」

二水「奈々さん、あの梅様と互角に張り合ってる…!?」

「いえ、梅は加減してるわ」

 

 

 

退場した夢結が梨璃達の元へやって来た。

 

 

 

梨璃「お姉様!」

二水「加減…ですか?」

夢結「奈々のマスカレイドはサブスキルをレアスキルに一時的に昇華させるけど、性能はB級止まり。対して梅の縮地はS級。彼女より早いリリィはこの百合ヶ丘にはいないわ」

梨璃「じゃあこの勝負は…」

二水「奈々さんが不利!?」

「そうとは限らないよ」

 

 

今度は綾瀬がやって来た。

 

 

 

梨璃「綾瀬さん!」

二水「限らないとはどういう事ですか?」

綾瀬「確かに奈々のマスカレイドで昇華したレアスキルは他の人のレアスキルと比べて性能が劣る。でもそれは奈々が一番知っているし、何も考えずに突っ込むほど彼女の戦いは単純じゃないってことだよ」

「そういうものでしょうか…」

 

 

 

楓も戻ってきた。

 

 

 

梨璃「楓さんもお疲れ様」

綾瀬「楓だっけ?奈々の作戦に見事ハマっちゃったね」

楓「ほんとに…楠美さんのファンタズムで予測した雨嘉さんの射撃を警戒しなかったのは私のミスでしたわ」

 

 

 

二水は鷹の目を使い、現在の状況を確認した。

 

 

 

二水「……青チームはノルンの3人が守備に回ってます。ミリアムさんの抜けた黄色チームは現在、那岐様が単独で桃チームの拠点を狙って、亜羅椰さんと静さんが今加勢に向かってます。梅様が奈々さんと戦闘中の中、残りの緑チームの方は雨嘉さんの射撃を警戒しつつ、拠点で防御に徹してます。あ、辰姫さんが青チームの拠点に向かってます!」

夢結「大丈夫でしょうね。あっちには若菜様と天葉、楠美さんの3人がいるわ。辰姫さんの実力では突破は不可能よ」

楓「残った雨嘉さんはいつでも的を狙える状態。これでは下手に動けないですわね…」

綾瀬「奈々が敗れなければ勝機はあるかもしれないけど…どう出るかな?」

 

 

 

そして10分後…梅が本気を出してきた。

 

 

 

梅「そろそろ本気で飛ばすゾ!」

奈々「来るか…!」

 

 

ここで、梅のスピードが上がった。

 

 

 

夢結「……梅がスピードを上げたわ」

 

 

 

梅はここで押さえていた縮地の性能を上げ、スピードによる連続攻撃で一気に決めるつもりである。

 

 

しかし、2本のツインフェザーで全て受け止められてしまう。

 

 

梅「おっ?」

奈々「少し見えてきましたよ…!」

 

 

梨璃達の方でも…

 

 

 

二水「奈々さん、梅様の攻撃を全て受け止めてます!」

夢結「…………まさか…!」

楓「そういう事ですわね…」

梨璃「何か分かったんですか?」

綾瀬「確かにスピードでは梅様が上だけど、反応速度は奈々が上。二刀流なら更に手数が向上する」

 

 

二人の戦いを見ると、梅はスピードに優れているが、手数が普通である。

 

対して奈々はスピードこそ劣るが、反応速度の高さと手数でカバーしている。

 

 

 

夢結「確かに、これまでの奈々の戦いを考えると…無数の攻撃を一瞬で防いでいたわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして梅との勝負から20分後……変化が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

二水「あっ、梅様の動きが鈍りました!」

 

 

 

 

二水の言うとおり、梅の動きが元に戻っていく…

 

 

梅「やば、マギが…!」

 

 

 

発動から20分も維持したことでマギが急速に消耗し、縮地が維持できなくなったのだ。

 

 

 

奈々「貰った!!」

 

 

 

それを逃さないと、奈々がサブスキルの聖域転換を使って梅に体当たりした。

 

 

 

梅「!?」

 

 

 

油断して反応出来なかった梅は奈々の体当たりで飛ばされて、桃チームの拠点まで落ちていった。

 

 

 

二水「梅様を桃チームの拠点に飛ばした!?」

綾瀬「なるほど。乱戦状態のエリアに飛ばせば、攻撃に巻き込まれて復帰が難しくなる。マギを消耗した状態なら尚更だね」

二水「聖域転換を攻撃に使うなんて普通は考えませんよ!」

夢結「そして奈々が次にやる行動は…」

 

 

 

そして奈々はそのまま緑チームの拠点へ向かった。

 

 

 

楓「緑チームの的を狙いに行きますわね」

二水「ですが緑チームには谷口聖様と倉又雪陽さん、黒川・ナディ・絆奈さん。3人ともファンタズムの使い手ですよ!」

綾瀬「確かにファンタズムが3人となれば、攻略は難しい。先読みは重要だと教導官から教わってるぐらいにね。けど奈々にはその戦法は通用しない」

 

 

 

真っ直ぐ的を狙いに来る奈々に対し、聖、雪陽、絆奈はファンタズムで見た未来を参考にして奈々に向かっていくが…

 

 

 

 

 

奈々の周囲に張ったバリアに弾き返され、止めることが出来なかった。

 

 

奈々は事前にマスカレイドでヘリオスフィアを発動していたのだ。

 

 

これらもファンタズムで予測していたのだが、勝てる未来が一つも無かったのだ。

 

それだけ力の差があり、3人の今の力では奈々のヘリオスフィアを破るのは不可能であった。

 

 

 

 

 

 

そして奈々はそのまま緑チームの的をツインフェザーで破壊した。

 

 

 

 

「緑チーム、的ロスト!脱落です!」

奈々「私は止められないよ!」

 

 

 

どうにか乱戦状態から抜け出せた梅は……

 

 

 

梅「あ~、駄目だったか…まあいいや」

 

 

青チームに向かった辰姫も…

 

 

辰姫「結局活躍出来なかった……」

 

 

 

 

緑チームはここで退場となった。

 

 

 

梨璃「残り3チーム…!」

楓「桃チームと黄色チームの方は…!」

二水「………どうやら常磐様が黄色チームの的を破壊したようです!」

 

 

 

鷹の目で状況を確認した二水が皆に伝える。

 

 

 

 

「黄色チーム、的ロストです!退場してください!」

 

 

 

 

那岐の猛攻に押されがちな桃チームだったが、亜羅椰、閑の加勢により形勢は逆転。

 

4対1では流石にゼノンパラドキサを持つ那岐でも不利だと考えたロザリンデは那岐を後退させることにしたが、的の守備が薄れたその隙を神琳は見逃さず、常磐の遠距離射撃で的を破壊したのだ。

 

 

 

 

神琳は一柳隊の第2の司令塔であり、隊を分断してる時も彼女が指揮する事もある。

 

桃チームにとっては便りになる味方である。

 

 

 

夢結「これで残すは青チームと桃チームの二組ね」

楓「………桃チームの拠点で亜羅椰さんがマギを溜め込んでいますわね」

 

 

 

楓の言うとおり、桃チームの拠点では、亜羅椰がユニークCHARM…マルミアドワーズを青チームの的の方向に構え、マギを溜め込んでいた。

 

 

 

亜羅椰「差しで勝負したかったけど、ここでフィニッシュを決めさせてもらうわ!」

 

 

その様子を、鷹の目で確認した二水。

 

 

 

 

 

二水「亜羅椰さんはフェイズトランセンデンスを放つようです!」

綾瀬「狙いは青チームの的だね。ここで決めるみたい」

二水「フェイズトランセンデンスが来る以上、勝負はもう…」

綾瀬「普通のリリィなら…ね…」

夢結「普通の?……」

梨璃「え?どういう事?」

綾瀬「そのままの意味だよ。奈々はこれが来ることは予想済みだからね」

 

 

 

 

 

一方、青チームの的に向かって放たれた亜羅椰のフェイズトランセンデンスのビームに向かって、奈々が縮地でビームの斜線上に回り込んだ。

 

 

 

亜羅椰(何をする気…?)

 

 

 

 

そして奈々は向かって来るビームを前に、2本のツインフェザーを交差したまま身構えた。

 

 

 

二水「まさか、フェイズトランセンデンスを受け止めに!?無茶ですよ!」

綾瀬「ううん、奈々は狙ってるね」

楓「狙ってる?受け流したら的に当たるのではなくて?」

夢結「いや、奈々が狙ってるのは…!」

 

 

 

夢結は奈々が何をするのか理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイズトランセンデンスのビームが身構えた奈々のツインフェザーの刃に直撃した。

 

 

 

亜羅椰(受け止めた…!?)

 

 

 

そして奈々は踏ん張りつつ、そのままビームの軌道を左へずらした。

 

 

 

 

亜羅椰(そんな…ずらした!!?)

 

 

 

フェイズトランセンデンスのビームが狙いから逸れた事で、青チームの的に被害は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方琴陽はドローンの警備を掻い潜って、観察できる所までたどり着いた。

 

 

 

琴陽「今度こそ、木葉奈々のデータを収集し…ん?」

 

 

 

何か嫌な気配を感じた。

 

 

なんと、目の前からマギの光がやって来た。

 

 

 

 

琴陽「アアアアーーーーーーーーーー!!!!???」

 

 

 

 

 

琴陽はマギの光に包まれた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戻ってグラウンドでは…

 

 

 

 

楓「軌道をずらした!?」

夢結「奈々の事だからそう考えると思ったわ」

二水「確かに軌道が逸れれば、的に当たることはありませんけど、そんな芸当を普通は…!」

綾瀬「普通のリリィなら、まずやらないね。フェイズトランセンデンスの純粋な威力はレアスキルの中でもトップクラスだ。ミドル級なら一撃で沈む。そんな攻撃を受け止める何て事は普通考えない。けど奈々は違う。仲間がピンチの時は自身の危険を省みず、必死で守ろうとする子だからね」

 

 

 

フェイズトランセンデンスのビームを反らしたものの、まだ奈々は余力に余裕があった。

 

 

 

 

 

 

夢結「これで、勝負は青チームの方に傾いてきたわね」

梨璃「……そう言えば、拠点の方…雨嘉さんと奈々ちゃんしかいない…?」

 

 

 

二水は鷹の目で状況をもう一度確認してみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

二水「桃チームに向かってくリリィ達がいます!ノルンの3人です!」

 

 

鷹の目で調べた所、桃チームの拠点へは若菜、天葉、楠美の3人が向かっていた。

 

ちなみに若菜が今持ってるCHARMはアステリオンである。

 

 

 

若菜「それじゃあ参りましょうか」

天葉「はい、若菜お姉様!」

楠美「私達、アールヴヘイムのノルンの華麗なる戦いを見せましょう!」

 

 

 

向かって来るノルンの3人に対し、桃チームの拠点では…

 

 

 

亜羅椰「くっ、フェイズトランセンデンスを弾かれた挙げ句、ノルンの3人が来るなんて…!」

 

 

 

亜羅椰にとってノルンの3人が来ることより、フェイズトランセンデンスを防がれた事の方がショック大きかった。

 

 

 

神琳「状況は厳しいですね。閑さん、後の指揮をお願いいたします。雨嘉さんの射撃は私が防ぎますわ」

閑「ええ。亜羅椰さん、もう一踏ん張りですわ」

亜羅椰「分かっていますわ…!」

 

 

 

神琳が的の防衛を務め、常磐を除く残りのメンバーはノルンの3人を迎え撃つ事にした。

 

 

拠点にいる雨嘉は、アステリオンのシューティングモードの遠距離射撃で桃チームの的を狙い射つ。

 

しかし桃チームの拠点では、神琳がマソレリックで弾き飛ばしている。

 

 

 

雨嘉(相手は神琳か…!)

神琳(こんな形で雨嘉さんと勝負出来るのは…とてもうれしいですわね)

 

 

 

雨嘉と勝負出来ることに喜んでる神琳。

 

そして一柳隊に入って自身を身に付けた雨嘉も、笑っていた。

 

 

雨嘉、神琳の勝負も、かなりの名勝負になっていた。

 

 

 

 

 

夢結「神琳さんは雨嘉さんの射撃の阻止。常磐さんは青チームの的への射撃。遠藤さんはマギを消耗して万全ではない。今桃チームがまともに応戦出来るリリィは日羽梨さんと閑さんの二人のみ。どちらもレアスキルはレジスタ。攻めて来る3人には相性が悪いわ」

二水「おかしいですね。それなら奈々さんが守備に回った意味が分かりません」

楓「いえ、まだ桃チームには常磐様の射撃が残っていますわ。奈々さんが天葉様達と交替したのはヘリオスフィアを維持するほどのマギが残ってない事を踏まえての行動だと思いますわ」

綾瀬「でも彼女の作戦はこれだけじゃないよ」

楓「まだ何かあると言うのですの?」

綾瀬「これは奈々がもっとも得意とする手だよ。よく見ておいて」

 

 

梨璃達は最後の最後まで両チームの戦いを見届けた。

 

 

 

 

亜理奈「さあ、この競技もいよいよクライマックス!この攻防戦を制するのは青チームか!?それとも桃チームか……と、青チームの一人が桃チームの拠点へ向けて走ってきた!!」

神琳「えっ!?」

亜羅椰「嘘でしょ!?」

閑「まさか…!」

 

 

 

 

 

 

 

向かってきたのは…奈々だった。

 

楠美が亜羅椰を相手に、天葉が閑を相手に、若菜が日羽梨を相手にしてる最中…奈々が真っ直ぐ桃チームに向かってきたのだ。

 

 

 

奈々を優先的に止めたいが、3人はノルンの3人を相手にしてるためそれどころではない。

 

常磐は守備のいなくなった青チームの的を狙うが、射線上にいる奈々が接近しながら弾を弾き返していく。

 

 

 

閑「不味い、通してはダメ!」

奈々「もう遅いよ!」

 

 

 

奈々は的から一定の距離に入ると、ツインフェザーの片方を的に目掛けて投擲した。

 

 

 

亜羅椰「させないわ!」

 

 

 

亜羅椰が駆けつけ、ツインフェザーを自分のCHARMで弾き倒した。

 

 

 

 

 

 

しかし、もう一本のツインフェザーが亜羅椰の横を通っていった。

 

 

 

亜羅椰「しまった!?」

神琳「やらせない!!」

 

 

 

雨嘉の射撃を防いでいた神琳が割りこみ、マソレリックでもう一本のツインフェザーを弾いた。

 

 

梨璃「両方防がれた!」

二水「不味いです。これでは常磐様の攻撃を防げません!」

 

 

 

これにより奈々は丸腰になり、常磐の攻撃を防ぐ術は無くなった。

 

青チームの的を狙うなら今である。

 

 

 

 

 

 

その時、夢結は気付いた。

 

 

 

夢結「違う……本当の本命は……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

神琳「間に合いましたわね…!」

閑「常磐様、今がチャンス…!?」

 

 

 

このチャンスを逃さないと思った矢の先…マギの粒子ビームが、桃チームの的を撃ち抜いた。

 

やったのは、グラムのバスターキャノンを撃った天葉であった。

 

 

 

天葉「残念、本命は私なんだよね」

奈々「私が的を狙うと思った事で、他への警戒を緩めたのが敗因だよ」

 

 

 

実は奈々は、亜羅椰のフェイズトランセンデンスを防いだ後、天葉達に作戦を伝えていたのだ。

 

最初に本命の天葉を含めたメンバーで突撃させる事で標的をそっちに向けさせ、後に囮となる奈々自身が前に出て、相手の標的を奈々に向けさせる。

 

相手は本命が現れたと油断したと思い、慌てて標的を替える。

 

その隙に、本命が目標の的を狙う。

 

 

囮役だからこそ出来る二段構えの作戦であった。

 

 

 

 

そして、試合終了のブザーがなった。

 

 

 

亜理奈「ここで試合終了!この競技を制したのは青チームだぁ!!」

 

 

 

勝利の宣言と共に、外野から青チームへ大歓声を浴びた。

 

 

亜理奈「そして、青チームに所属する木葉奈々さん、王雨嘉さん、江川楠美さん、天樹天葉様。槇若菜様はチームプレイでの最優秀リリィに選ばれました!おめでとうございます!」

 

 

 

と語った後、青チームは外野から大拍手を浴びた。

 

 

 

楠美「天葉お姉様、最優秀リリィですよ!」

天葉「そうだね。でもほとんど奈々がやってたような…」

若菜「いいじゃないかしら、選ばれたのだから」

 

 

奈々と雨嘉の方も…

 

 

 

奈々「雨嘉ちゃんナイスシューティング!」

雨嘉「奈々もいい戦いだったよ」

 

 

 

一方、負けた桃チームの1年生達は…

 

 

 

神琳「やられましたわ…まさか二段構えの戦法だったなんて…」

閑「常磐様の射撃を防ぎながら前進されたら、危険視しますね」

亜羅椰「それよりも、フェイズトランセンデンスを防がれたのが今でも信じられないわ…」

神琳「前の遠征でギガント級を地面に落とした事もありましたから」

亜羅椰「くっ、強くなっていつか勝ってみせるわ!」

 

 

 

と、リベンジを願う亜羅椰であった。

 

 

 

 

夢結「あんな戦法を奈々がやるなんてね…」

綾瀬「ブルーガードにいた頃は、奈々のこの戦法に助けられてますからね」

夢結「今回は戦えなかったけど、いつか一対一で勝負したいわね」

綾瀬「パフォーマンスの方はいい勝負してたと思いますが?」

夢結「………それは言わないでおいて」

 

 

 

夢結も、奈々との勝負を期待していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…森の中へ再びやって来た琴陽はまた倒れていた。

 

 

幸い、ドローンには見つかっていない。

 

 

 

琴陽「なんでマギのビームがこっちに……!」

 

 

 

 

この時琴陽は再び奈々のデータを集めようと、森の中を進んでいた。

 

その時に飛んできたマギのビームに巻き込まれ、倒れていたのだ。

 

 

 

琴陽「このまま引き返す訳にはいかない…何としてでも、データを手にいれる…!」

 

 

 

 

琴陽の決意は揺るがず、立ちあがり、森の中を駆け抜ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨璃「ねぇ奈々ちゃん、結梨ちゃん見なかった?」

奈々「いや、見てないよ。二水ちゃんは?」

二水「いえ、的場倒しの時は一緒にいましたが…」

 

 

次の準備までの休憩時間…奈々達は的場倒しが終わった頃に突然いなくなった結梨を校舎裏で探していた。

 

 

 

 

夢結「そう言えば、梅も見てないわね」

雨嘉「探した方がいいかな…?」

楓「次の競技が始まるまで時間がありませんわ」

 

 

時計を見ると、次の競技の時間が迫っている。

 

 

奈々「……仕方ない…私達だけでも戻ろう」

梨璃「でも…」

奈々「結梨ちゃんもこの校庭をある程度知ってるから迷う心配はないだろうし」

 

 

一柳隊+αはグラウンドへと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜理奈「ではここで、午後のエキシビジョンを始めたいと思います!」

 

 

 

亜理奈がそう言った後、グラウンドの中央に見たことのあるヒュージが現れた。

 

刃を足がわりにした、

四足歩行のヒュージである。

 

 

 

梨璃「あの事ヒュージは…!」

夢結「百由が逃がしてしまったヒュージのようね」

楓「確か、ルンペルシュツルツヒュンペルでしたわね」

亜理奈「このヒュージは、かつて百由様が捕獲しておいた物を似せて作ったロボットです。一応ヒュージロイドと呼んでおきましょう。今回は特別対戦として、このヒュージロイドと一対一で戦ってもらいます」

二水「このエキシビジョンは確かミリアムさんが参加する試合でしたけど…」

奈々「肝心のミリアムちゃんはダウンしてるし…」

鶴紗「どうするんだ?」

 

 

 

的場倒しの時にミリアムはフェイズトランセンデンスの使用でマギを使い果たし、今は一柳隊の部屋で休ませている。

 

 

 

亜理奈「本来はミリアムさんが戦う筈だったんですが、不在のため、代役を参加させました!」

奈々「代役?」

亜理奈「もうスタンバってグラウンドに移動しております!」

 

 

奈々達はグラウンドの周りを見ると、薄むらさきの髪の女の子が中央に向かって歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グングニルを右手に持った結梨であった。

 

 

ちなみにこのグングニルは工廠科が丹精込めて全ての部品を1から組み直した新品同様の物で、結梨は昨日このCHARMの契約を終えていた。

 

一部のパーツは色が赤になっている。

 

 

 

 

亜理奈「紹介します。一週間前に椿組に入った新人リリィの一柳結梨さんです!!」

結梨「ほー……」

 

 

 

結梨は目の前のヒュージロイドを見つめる。

 

 

 

梨璃「ちょっ!!亜理奈さんこれどう言う事ですか!?」

 

 

 

梨璃が亜理奈に抗議してきた。

 

 

 

亜理奈「見ての通り、午後のエキシビジョンマッチですが何か?」

梨璃「そうじゃなくて!どうして結梨ちゃんが出てるんですか!?」

二水「誰が参加させたんですか?」

梅「あぁ、梅がミリリンの代わりに登録し直したぞ」

梨璃「そんな!?」

奈々「何やってるんですか梅さんはー!!」

 

 

 

 

奈々が梅を揺さぶる。

 

 

 

 

梅「落ち着けって……相手は百由の作った何かだろ?大丈夫じゃないか?」

楓「百由様だから心配なのでは?」

奈々「あの人は何かやらかしそうだからあてにならない。とにかく、結梨ちゃんを連れ戻す!」

 

 

 

と言ってグラウンドに入ろうとするが、鉄の檻が現れ、結梨とヒュージロイドの周囲を囲んでしまった。

 

 

 

 

奈々「な、なんじゃこりゃー!!?」

梨璃「あわわわわ………」

百由「あらら…間に合わなかったか」

 

 

 

百由とミリアムが駆けつけてきた。

 

ミリアムのマギはまだ完全ではないが、動ける程度まで回復していた。

 

 

 

梨璃「百由様、どうにかして下さい!!」

百由「いやぁ〜この檻、勝負が付くまで開かないのよぉ」

梨璃「ええーっ!?」

綾瀬「ヒュージロイドの方は機能を停止出来ないんですか?」

百由「無理よ。一度動いたらエネルギーが無くなるまで動き続けるわ」

奈々「何余計なことしてるんですか!?戦闘未経験のリリィがいるんですよ!」

 

 

 

と、百由の胸倉を掴む奈々。

 

 

 

鶴紗「落ち着けって」

梅「そうだぞ。要は結梨が勝てば良いんだろ?」

奈々「梅さんも原因の一人ですからね!!」

雨嘉「エキシビジョンだから、当然リリィが勝つように設定して……」

 

 

 

この時雨嘉の脳裏に嫌な予感が浮かんだ。

 

 

 

雨嘉「ありますよね!?」

百由「いいえ、その逆よ!ゴリゴリにチューニングして、グロッピもイチコロのはずだったのに……結梨ちゃんが危ないわ!!」

奈々「ほんとに余計なことしまくってますね貴女は…!!」

ミリアム「百由様、ワシをどうする気だったんじゃ!?って慌てるの遅いわ!」

百由「名付けて、メカルンペルシュツルツヒュンペル君よ!」

奈々「誰が名前を言えと言ったんだーこのアホがぁー!!」

 

 

怒り任せに百由を投げ飛ばす奈々。

 

 

 

梨璃「初心者が無茶するのは、私の役目じゃなかったんですかーー!?」

神琳「時代が変わったんでしょう」

二水「はい。百合ヶ丘のゴシップは今はすっかり謎の美少女・結梨ちゃんに通って変わられましたから!」

梨璃「二水ちゃんまで!?」

 

 

 

奈々はツインフェザーを抜き、檻を叩き壊そうとした。

 

しかし檻には傷が少し付く程度だった。

 

その強度に、奈々は覚えがあった。

 

 

 

奈々「これ、ヘビースチルで出来てる!?」

神琳「ヘビースチル?」

綾瀬「ブルーガードの拠点…クジラ船に使われている金属で、ヒュージの攻撃にも耐えられる強度を持っているんだ」

百由「ふふっ、実はこの檻を作るためにヘビースチルを作ってる工場に協力してもらったのよ」

奈々「余計なことに金使わないでくださいよ!」

 

 

 

このままでは結梨がヒュージロイドに襲われるのも時間の問題である。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、結梨が梨璃の方に振り向き、笑顔で呼び掛けた。

 

 

 

結梨「梨璃ー!私やるよ!」

 

 

 

そう言って右手のグングニルを掲げる。

 

 

 

梨璃「結梨ちゃん……」

奈々「戦うの?あのヒュージロイドと…」

結梨「うん。私もリリィになりたいの!リリィになって、皆の事をよく知りたいの!だから見てて!!」

 

 

 

結梨のその言葉に迷いはなかった。

 

奈々はそれに答えるかのように協力しようとした。

 

 

 

 

 

奈々「わかった。私がセコンドに入るから、結梨ちゃんは目の前の相手に集中して」

梨璃「奈々ちゃん…」

 

 

 

奈々が結梨に協力してる姿を見て少々戸惑ってる梨璃に、夢結がやって来た。

 

 

 

夢結「信じなさい、梨璃。あの子はちゃんと見ているわ。あなたもちゃんとご覧なさい」

 

 

 

そして結梨はグングニルを構えた。

 

しかもその構え方は覚えがあった。

 

 

 

雨嘉「あれは…!」

鶴紗「夢結様の型…!」

奈々(的場倒しの時に夢結さんがやってた構えと一緒だ…!結梨ちゃんがそれを物にしたというの…!?)

 

 

 

 

一回しか見てないのに、この上達ぶりはちょっとおかしい。

 

彼女がヒュージ細胞を使った人工リリィだからの特徴なのか……

 

 

 

とはいえ、結梨の戦いを全ての生徒が見ていた。

 

 

考えてもしょうがないと思った奈々は、結梨にアドバイスを与える。

 

 

 

 

 

奈々「まずはすぐに攻めず、相手の出方を見て、防御に徹して。隙が出来たら大きな一撃を決めて!」

結梨「うん!」

 

 

 

奈々のアドバイスを受ける結梨。

 

 

 

すると、ヒュージロイドが先に動きだし、回転しながら足で攻撃してきた。

 

咄嗟に結梨はグングニルで受け止めるが、ヒュージロイドはそこから右足、左足の順に攻撃する。

 

結梨は一撃目をグングニルで防ぎ、二撃目を後退しながらかわす。

 

 

 

ここでアドバイスを与えたい所だが…

 

 

 

那岐「押された時は前に出なさい!」

結梨「!」

 

 

 

外野にいる那岐からのアドバイスを聞き入れ、結梨はそのまま前進し、ヒュージロイドの攻撃をグングニルで弾いた。

 

 

 

ロザリンデ「そう!相手のペースは崩す為にあるのよ」

 

 

 

那岐の隣にいるロザリンデが続けてアドバイスする。

 

 

 

眞悠里「止まらず動いて!相手に隙を作らせれば勝機がある!」

 

 

 

今度は眞悠里からのアドバイスで、結梨は攻め続けにグングニルでヒュージロイドに傷を付けるも、まだ決定打に至らない。

 

それでも結梨は止まることなく、回り込んではまた攻める。

 

ヒュージロイドの攻撃を全て弾き、かわしながら結梨はヒュージロイドを追い込んでいく。

 

 

 

「「「おおーー!!!」」」

 

 

 

 

外野の生徒達が次第に結梨を応援し始めた。

 

 

 

奈々「皆………」

 

 

 

驚く奈々だが、すぐに切り替えてヒュージロイドの方を見る。

 

すると、ヒュージロイドが大振りの構えをした。

 

 

 

 

 

奈々「結梨ちゃん、敢えて受けて、流して、斬れ!」

結梨「!」

 

 

 

奈々の指示で結梨はヒュージロイドの右足を受け、そのまま後ろに流して、グングニルで横に凪ぎ払い、横半分に分けた。

 

 

 

結梨「はああああ!!」

 

 

 

そして体を回しながら縦に両断し、4つに分けた所でヒュージロイドは爆発した。

 

 

 

 

奈々「よし!!」

史房「やったー!っと、失礼」

咬月「……」

出雲「……」

 

 

 

結梨の以上な上達に真剣な表情の咬月と出雲。

 

 

 

亜理奈「なんと、結梨さんあのヒュージロイドを倒しました!皆のアドバイスを受けつつも、勝利を勝ち取りました!」

 

 

 

勝利した結梨の姿に一柳隊も驚く。

 

 

 

結梨「梨璃!皆!見てた!?私、出来たよーー!!」

 

 

勝利に喜ぶ結梨。

 

 

 

ヒュージロイドがやられたことで、囲んでいた檻が全て引っ込んだ。

 

 

 

すると、真っ先に梨璃が泣きながら結梨に抱きついた。

 

 

 

梨璃「うわああん!結梨ちゃん偉いようーー!」

結梨「うんうん、泣くな梨璃」

奈々「お見事結梨ちゃん!」

結梨「………うん!」

 

 

 

奈々と結梨はお互いの右手でタッチした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方百由はというと…………

 

 

 

 

 

百由「ああ……メカルンペルシュツルツヒュンペル君がぁ……」

ミリアム「もうええじゃろう…」

 

 

 

 

鉄屑と化したヒュージロイドを前に落胆していた。

 

 

 

 

 

 

 

そして全ての競技を終え、競技会の一日目は終了したのだった。

 

 

 

 

そして明日は後半の文化の部であるため、皆、楽しみが止まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方…琴陽は競技会が終わった後、ドローンの警備内から離れて安全な場所で持ってきたノートパソコンを開き、GEHENA宛に収集したデータを送っていた。

 

 

 

 

 

琴陽(彼女…一柳結梨は、間違いなく貨物船に積んであった人工リリィに間違いない…木葉奈々に関するデータは今回も不十分だったけど、人工リリィの存在はGEHENAにとって重要な筈。ひとまずはこれだけにしておこう)

「災難だったわね、琴陽さん」

 

 

 

 

琴陽の隣に、ライトブルーのロングの少女が現れた。

 

 

 

 

 

 

シエルリント女学院 2年生 柊地由良(ひいらぎ ちゆら)

 

 

 

琴陽「貴女は新人の地由良様…今回は貴女に出動要請が出ていませんよ」

地由良「ちょっと興味があって、事情で来たの」

琴陽「事情?いったい何を…」

地由良「秘密♪」

 

 

 

地由良が何を考えてるのか…琴陽はわからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………

 

 

 

二水「次回は競技会後半の部です!」

???「可愛い女の子達の姿をこの手で…!」

 

 

 

next コスプレにお笑いに変態狩り!

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

 

新CHARM紹介

 

 

ツインフェザー

 

修理中のカナベラル、ブルメリアの代わりに用意された奈々の第2CHARM武器。

 

素材はメタルスキン。変形機能はなし。その代わり第三世代にある機能…トリグラフとフラガラッパの機能を取り入れており、カナベラル、ブルメリアの次に強い攻撃性能を持っている。

 

製作者は塔ノ木綾瀬である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回のネタ…わかりましたか?

元ネタの名前は伏せておきますが、ヒントだけでも教えます。



1つ目はブーケのオープニングを歌ってるバンドの歌。

2つ目は実写版の亀忍者のヌンチャクのパフォーマンスです。

皆さんは見つけられましたか?




次回の話は戦技競技会のコスプレ部門を含む内容になります。
次回予告に出た???の人がどんな活躍をするのでしょう。
それでは次回をお楽しみください!

多分、1ヶ月以上になるかも……
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