アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

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お待たせしました。

今回は約半分程度の文章量ですので短いかもしれません。

アサルトリリィの時系列を確認したら、ブーケとラスバレのイベントの時系列が食い違ってました。

しかし問題はありません。この小説の時系列はブーケより早いです。

気が向けばこの小説の時系列をまとめようと思っています。

今回はほぼオリジナル回です!



それでは11話どうぞ!

7.14 レアスキル名を修正しました。



「11」コスプレにお笑いに変態狩り!

戦技競技会…二日目…………

 

今日は文化関連の種目がメインの日である。

 

 

 

 

そんな中、理事長室では出雲が咬月、史房に話をした。

 

 

 

 

咬月「国連を調査すると?」

出雲「はい。前に連絡してきた安全保障審査委員会の長官と副長官ですが、何か隠してることはごそんじでしょう」

咬月「……うむ」

出雲「あの二人は恐らく、彼女…一柳結梨を狙っている」

咬月「その理由を述べたまえ」

出雲「彼女が発見されたのは、海岸にあった大きな繭です。そして第一発見者である一柳梨璃のCHARMに込められたマギに共鳴し、彼女は目を覚ました。彼女のスキラー数値が一柳と同じなのはその影響だと推測されます」

咬月「……」

出雲「そして昨日、一柳結梨のエキシビション…彼女は初戦闘でありながら白井の動きを完璧に真似てヒュージロイドを倒した…普通のリリィでは出来ない芸当です。まるで最初から…」

咬月「…戦うリリィとして生まれたと……」

出雲「はい。そしてあの長官が一柳結梨を引き渡すように言ってきたのは、その力を研究する為でしょう」

咬月「何故そう言える?」

出雲「…一柳結梨を生み出したのは、GEHENAという事です」

咬月「……成る程…非人道的な実験を行うあの組織ならあり得る」

出雲「そしてあの二人も、GEHENAと協同してる可能性があると考えられます」

咬月「……それは私も考えた」

史房「その審査委員会がGEHENAと協力してるという証拠を掴むために、先生が向かうと言うのですね?」

出雲「ああ。彼らも何かを仕掛けてくる筈です。その前に早く証拠を手に入れなければいけない」

咬月「宛はあるのか?」

出雲「一柳結梨を生み出したのなら、その実験をまとめた資料やデータが残ってあるでしょう。関わった人の名前も乗っている筈です。それなら証拠になります…それに…」

咬月「それに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲「一柳結梨はリリィであり、私の生徒です。渡すわけにはいきません」

 

 

 

 

彼女自信は、結梨を大切に思っていた。

 

当然、ここにいる咬月と史房も同意見である。

 

 

 

咬月「うむ、その通りだ」

史房「しかし、証拠を手に入れる為とはいえ、一人で向かわれるのは危険です。国連のセキュリティはかなり厳重になっていると…」

出雲「その点なら心配いらない。今回は信頼できる仲間と話をつけている」

史房「仲間?」

咬月「その仲間というのは…」

出雲「はい。対GEHENAに属す者達です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一柳隊の控室では…開会までの間に準備をしていた。

 

 

 

 

神琳「まずは雨嘉さん、これとこれ」

 

 

 

神琳が取り出したのは、ハンガーに掛けた巫女服とメイドエプロンであった。

 

 

雨嘉「え?」

神琳「この日の為に用意したんです」

奈々「神琳ちゃん、雨嘉ちゃんをコスプレ部門に出させる気なの?」

神琳「そうですが何か?」

奈々「マジか」

 

 

 

表情からは想像できないが、神琳のやる気は伝わってきてるようだ。

 

 

 

ミリアム「こんなのもあるぞ。ひひひひ…」

 

 

 

更にミリアムが白い猫の尻尾のパーツを持ってきた。

 

雨嘉に付ける気である。

 

 

 

鶴紗「にゃああ…ネコミミは外せない!」

 

 

 

笑顔でネコミミ付きカチューシャを雨嘉に付けようとする鶴紗。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑顔の表情が何より「ヤバい」。

 

 

 

 

奈々「ミリアムちゃん、鶴紗ちゃんもかい」

雨嘉「ああ…嫌…止めて…奈々、助けて…」

奈々「ごめん。この3人を止めるのは流石に無理」

雨嘉「ええっ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨嘉は3人によって着替えさせられた。

 

 

 

 

 

結梨「ほぉー…」

二水「神琳さんは雨嘉さんをコスプレ部門に入れるそうですね」

奈々「神琳ちゃん、本気モード入ってるっぽい」

楓「雨嘉さんを?ちょっと地味じゃありません?」

二水「まだ何にも染まってない方がいいそうです」

楓「そう言うものですか」

梅「お前本当梨璃にしか興味ないんだな」

楓「それはそうですわぁ〜!」

 

 

 

 

 

と、雨嘉の方を振り向いた瞬間…

 

 

 

 

楓「はっ!!!??」

 

 

 

楓が驚愕の表情で驚く。

 

 

 

それもその筈………そこには、巫女服にメイドエプロンを纏い、赤い靴、ネコミミカチューシャと白猫の尻尾を付けた雨嘉の姿があった。

 

右手にはお払い棒を持っていた。

 

 

 

神琳「やりましたわぁ」

ミリアム「やりきったのう」

鶴紗「やったぁ…!」

梨璃「雨嘉さん可愛い…」

二水「これはこれは…」

楓「この梨璃さんに勝るとも劣らない可憐さは…!」

奈々「動揺してるなこれ」

雨嘉「えっと…」

 

 

思考が追い付いていない雨嘉。

 

 

 

梅「おぉ、わんわん可愛いなぁ!」

雨嘉「え…?」

奈々「それで、神琳ちゃんはどうするの?」

神琳「?」

奈々「今回のコスプレ部門は、二人一組での参加みたいだけど…」

 

 

 

二日目のプログラムには、コスプレ部門の参加条件には二人一組でと載っていた。

 

 

 

神琳「当然私も雨嘉さんと一緒に出ますわ」

奈々「服はあるの?」

神琳「抜かりはありませんわ」

 

 

 

この神琳…本気である。

 

 

 

奈々「左様ですか。所で夢結さんと梨璃ちゃんはどうするの?」

梨璃「私はまだ決まってないかな?」

夢結「私は文化の部には参加しないわ」

奈々「勿体ないなあ。いい線いってるのに…」

神琳「お二人もコスプレ部門に出てみたらいいですのに…」

梨璃「ええ!?」

夢結「ちょっと神琳さん!?」

奈々「いいね。そうしよう!」

夢結「奈々!?」

神琳「しかし問題は、二人に着せる服がありませんわ」

奈々「それなら心配いらないよ。もう用意してあるから」

 

 

 

そう言って奈々は大きめのケースを取り出し、開いて中の物を出した。

 

 

 

梨璃「あっ!」

夢結「それって…!」

 

 

 

奈々が取り出したのは、ライトロックなバンド衣装と青薔薇を意識したカッコいいバンド衣装の2着であった。

 

 

 

奈々「知り合いの子から借りてもらったんだ。後これ」

 

 

 

次に取り出したのはエレキギターとマイクであった。

 

 

 

二水「その衣装って…!」

奈々「知り合いの子から借りてきたんだ。二人にはこれを着てコスプレ部門に出てもらうよ」

梨璃「ええっ!?ちょっと待って!私ギターなんて使ったことが…」

奈々「ただ持ってるだけでいいよ。パフォーマンスはほとんど必要ないからね」

夢結「あのね奈々、締め切りまでもう時間が無いのよ」

奈々「あ、それなら私が代わりにエントリーしときました!」

 

 

 

なんと、奈々は今日控え室に向かう前にコスプレ部門への参加の紙に、梨璃と夢結の名前を書いて出していたのだ。

 

 

 

梨璃「えええーっ!!?」

楓「奈々さん、梨璃さんを困らせるのはやめてもらえません!?」

奈々「楓ちゃんは梨璃ちゃんのコスプレ姿を見たくないの?」

楓「う……見たい…ですわ…!」

 

 

 

楓は誘惑に負けた。

 

 

 

雨嘉「本当に扱いがうまいね…」

夢結「まさか奈々、初めから私と梨璃をコスプレ部門に出させるつもりだったの!?」

奈々「何言ってるんですか。これは夢結さんの為でもあるんですよ」

夢結「私のため?」

奈々「ルナティックトランサーをコントロールするには精神を安定させる事が重要です。今回のコスプレ部門では、いかに気持ちを最後まで上がらせないようにするのに最適な場です。コスプレ部門に出ることはつまり、夢結さん自身の強化に繋がるんですよ!」

 

 

 

と、理由を述べる奈々。

 

 

 

梨璃「そうだったの!?」

 

 

 

奈々の言葉を信じてしまう梨璃。

 

 

 

鶴紗「違うと思う」

夢結「本当の所はどうなの?」

奈々「個人としてはそういう梨璃ちゃんと夢結さんが見たいだけですよ。それに、梨璃ちゃんにいいところ見せるチャンスですよ!」

 

 

 

と、夢結を誘導する奈々。

 

 

 

夢結「なんか丸め込んだ感じがするけど…いいわ。参加する以上、梨璃と一緒に出るわ」

梨璃「お、お姉様と一緒に参加…!」

結梨「見てみたい」

 

 

 

結梨も梨璃のコスプレ姿に興味が出た。

 

 

 

梨璃「ゆ、結梨ちゃん!?」

神琳「ということは、私たちとはライバルになりますわね」

夢結「やるからには本気で行くわ」

梨璃「わ、私も、頑張ります!」

 

 

 

梨璃、夢結もやる気が出てきた。

 

 

 

二水「ところで、奈々さんは出ないんですか?」

奈々「私はお笑い部門に登録したよ」

雨嘉「お笑い?」

二水「今回の競技では、新たに追加された部門として出ています」

楓「それを奈々さんが出ると言いますの?」

奈々「うん。衣装も用意したし、ネタの練習も完璧!」

神琳「それはそれで楽しみですね」

鶴紗「実際つまんなかったりして…」

奈々「失敬な」

梅「にゃははは…どんなネタが来るか楽しみだゾ」

 

 

互いに盛り上がる中…二水はスマホの時計を確認した。

 

 

 

 

二水「皆さん、もうすぐ開会の時間です。行きましょう」

奈々「ん…ねぇ、ミリアムちゃんの姿が見えないんだけど…」

 

 

いつの間にかミリアムがいなくなっていた。

 

 

 

梨璃「先に向かったのかな…?」

楓「ここで待ってても仕方ありませんわ。早く行きましょう」

奈々「そうだね」

 

 

 

 

一同はグラウンドへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、離れ森の中では琴陽とは別の魔の手がやって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

シエルリント女学薗の制服を着たライトブルーの子…柊地由良である。

 

 

 

手には、高級感溢れるカメラを持っていた。

 

 

 

彼女が森の中を駆け抜けるものの、徘徊しているドローンは何の反応も無かった。

 

 

 

地由良「流石のドローンも…私のレアスキルの前では確認出来ないようね…」

 

 

 

 

 

 

レアスキル インビシブルコート

 

 

自身の姿とマギの気配を消すことの出来るステルス能力の高いスキルで、奇襲攻撃には最適。

 

しかしマギの消費が高く、一般のリリィのマギの保有値では1分で使いきってしまう。

 

ところがこれがS級になると話は別。

 

S級はインビシブルコートのマギの消費が半分程になるため、結構便利になる。

 

また固有能力として、一時的に周囲の意識をシャットアウトさせ、無意識状態にさせるハートレスというスキルが使える。

 

半径3メートル内にいる並のリリィなら2~3秒で無力化する強力な能力である。

 

 

尚、このレアスキルは現在の所、地由良しか持っておらず、世界ではインビシブルコートの名前すら出ていない。

 

 

 

 

 

 

地由良「フッフッフッ…今日は百合ヶ丘でリリィ達のコスプレ姿を拝める日。百合ヶ丘のスケジュールは既に把握している…こんな美味しい日を逃す道理はない…!」

 

 

 

と、カメラを構えつつ、百合ヶ丘グラウンドが見える所までやって来た。

 

 

 

 

地由良「さあ、どんな可愛い子が出てくるかな…」

 

 

 

地由良は百合ヶ丘の競技会のパンフレットを握りしめた。

 

 

 

 

地由良「一番のターゲットはもちろん、椿組の王雨嘉ちゃん…!はたしてどんな格好なんだろ~楽しみだわ。ぐふふふっ…!」

 

 

 

ヤバイ笑いでにやける地由良であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方百合ヶ丘では昨日同様、各生徒達がグラウンドに集まった。

 

 

今回は巨大な舞台ステージが用意されていた。

 

 

 

今回は昨日と異なり、学年問わず誰でも参加できる種目がメインになっている。

 

 

 

そしてお馴染みのテント下で亜理奈が司会を担当する。

 

 

 

 

亜理奈「さて皆さま。今日は戦技競技会の後半…文化の部を始めたいと思います!中でも注目なのが、コスプレ部門、お笑い部門の2つ!この2つは多くの生徒が参加しております!ライバルが多いため盛り上がること間違いありません!お互い全力を尽くして、昨日以上に、今回のイベントを盛り上げましょう!」

 

 

 

亜理奈の挨拶を終えたことで、歓声がグラウンド中に広がる。

 

 

 

亜理奈「それでは最初の部門…コスプレ部門を始めたいと思います!」

 

 

 

すると、ステージの上から看板が降りてきた。

 

 

看板には、「best・cospreyer・of・liiy」とお洒落にペイントされている。

 

 

 

亜理奈「ルールは簡単!二人一組のコスプレ姿でステージ上に立ち、独自のアピールをしてもらいます!テーマは問いません。全ての組が終了した時点で投票の受付を行い、より多くの票を獲得した組がコスプレ部門の最優秀リリィに選ばれます!ちなみに投票は観客一人に付き1票までとします」

奈々「フムフム…」

 

 

 

今、観客の数は100人以上。

 

投票で決めるなら十分な人数である。

 

 

 

 

亜理奈「それでは早速呼びましょう!エントリーナンバー1番、アールヴヘイムより遠藤亜羅椰さんと、江川楠美さんです!どうぞ!」

奈々「トップバッターはあの二人か…」

 

 

 

一組目がカーテンコールから現れた。

 

 

現れたのは可愛い格好をした亜羅椰と楠美だった。

 

 

奈々「あ、あれってまさか…」

二水「変身魔法少女チャーミーリリィとCHARMの妖精チャーミィーをイメージした衣装です!」

奈々「チャーミィーはわかるけど、二水ちゃんも見てたんだね。あのアニメ」

 

 

 

 

変身魔法少女チャーミーリリィ

 

 

現在放映中の魔法少女アニメで、リリィやヒュージ関連する部分がネタとして使われている。

 

一部の生徒もよく見るらしく、奈々も見ている。

 

ちなみに二作目である。

 

 

 

 

今回亜羅椰が着ている服は変身魔法少女チャーミーリリィの主役の魔法少女服である。

 

 

 

 

亜羅椰「夢と希望を貴女に!」

楠美「み、皆…ちゃんと勉強しようね!」

 

 

 

と、アピールする亜羅椰と楠美に観客からの歓声を浴びる。

 

 

 

 

奈々(楠美ちゃんはいいとして、亜羅椰ちゃんは肉食系とのギャップが……)

 

 

 

 

普段の亜羅椰のイメージとは異なる姿を見る奈々は違和感を覚えてしまう。

 

 

 

 

亜理奈「では続いて、エントリーナンバー2番!ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスさんと神楽月涼さんです!どうぞ!」

奈々「ん、ミリアムちゃん?」

 

 

 

次の組がカーテンコールから現れた。

 

 

 

現れたミリアムはなんと、亜羅椰と同じチャーミーリリィの主役の衣装を着ていた。

 

後から現れた涼は、チャーミーリリィに出てきた怪人の衣装を着ていた。

 

 

 

二水「ミリアムさんもチャーミーリリィの衣装で来ました!」

奈々「亜羅椰ちゃんと衣装が被っちゃったなあれ」

 

 

 

ミリアムの衣装を見た亜羅椰が突然ミリアムに近づく。

 

 

 

亜羅椰「ちょっと!私のマネしないでよ!」

ミリアム「何!?そっちこそわしのマネをするでないぞ!」

亜羅椰「食うわよ?」

ミリアム「なんじゃとー!?」

 

 

 

衣装が被ったことで口ケンカになったようだ。

 

ここで暴れたら、競技どころではないだろう。

 

 

 

 

 

 

しかし、二人のケンカを止めるために奈々は、二本のツインフェザーをミリアムと亜羅椰の足下に投げ刺した。

 

 

 

ミリアム「!?」

亜羅椰「!?」

奈々「これ以上ケンカをするなら…彼氏を庇いに敵の攻撃を受ける主役を演じてくれるかな?」

 

 

 

止めにはいる奈々。

 

奈々はこうなることを予想して、CHARMを持っていたのだ。

 

 

 

ミリアム「う、うむ、すまんかった…」

亜羅椰「じょ、冗談よ冗談!」

 

 

 

流石に反省した二人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、地由良の方はというと……

 

 

 

地由良「うーん、チャーミーリリィのコスプレか…あの灰色のツインテールの子…魔法少女っぽくって可愛いわね……」

 

 

と言いながら地由良は遠くでミリアム達の姿をカメラで撮っていく。

 

地由良の使ってるカメラは高画質のデジタルカメラであり、最大2キロメートル内にいる者も綺麗に写せるのだ。

 

当然内部のメモリーは大容量の物に代えており、最高の画質を最大二万枚写すことができる他、ビデオモードなら同じく高画質で24時間録画が可能である。

 

 

 

地由良「おお!今度はナース姿の子か…中々…!」

 

 

 

 

コスプレ部門の参加者が出てくる度に地由良はカメラのシャッターをポチポチと押していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、グラウンドの方では…

 

 

 

 

 

奈々「?」

二水「どうしました?」

奈々「なんか邪な視線を感じる…」

楓「気のせいじゃなくて?」

奈々「うーん………」

鶴紗「今のとこ、森の方からは何の報告もないぞ」

梅「ドローンが沢山配置されてるんだし、大丈夫じゃないか?」

奈々「だといいですけど…」

 

 

 

そんなこんなで、次は梨璃と夢結のペアの番である。

 

 

 

 

亜理奈「さて、お次はお待ちかねの二人です!エントリーナンバー15番!シュッツエンゲルの契りを交わした話題の二人!一柳梨璃さんと白井夢結様の二人です!」

奈々「ついに来たか……」

亜理奈「それではどうぞ!」

 

 

 

カーテンコールが開き、現れたのはエレキギターを背負ったポップなバンド衣装の梨璃と、マイクを持った青薔薇を意識したバンド衣装の夢結だった。

 

それを見た観客達は奇声が混じるほどの喜びぶりを見せた。

 

 

 

奈々「おおっ!予想通りの反応だ」

梅「夢結、結構似合ってるナ!」

楓「夢結様様も似合っていますが、梨璃さんとても似合っていますわ!!」

 

 

 

楓はバンド衣装の梨璃の姿の虜になったようだ。

 

 

 

 

と、ここで二人のアピールタイムが入り、梨璃はエレキギターを鳴らし、夢結はマイクを口元に近付ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

梨璃「みんな、競技会をキラキラドキドキなイベントにしちゃおう!!」

夢結「あなた達…リリィに全てを賭ける覚悟はある?」

 

 

 

 

二人の名言アピールで観客達は更にヒートアップ。

 

梨璃の人気もそうだが、ただでさえ人気ある夢結の相乗効果で、熱い歓声は更に勢いを増した。

 

 

 

そして…楓が倒れて失神した。

 

 

 

梅「うお!?どうした!」

奈々「おお、まず一人落ちたか」

二水「本当にすごい人気ですね!お二人もコスプレ似合っています!」

 

 

 

 

 

スデージ裏の準備室にいる雨嘉と神琳は二人の様子をモニターで見ていた。

 

 

 

 

 

雨嘉「二人とも凄いな…」

神琳「雨嘉さんなら大丈夫ですわ。先程教えた通りにやればいいだけですから」

雨嘉「う…うん…!」

 

 

 

 

梨璃と夢結の姿を見てやる気が増す二人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして地由良の方は……

 

 

 

 

地由良「おおーっ!?これはあの有名なバンドグループの衣装じゃないの!まさかここで見られるとは…しかも着てる子もカワイカッコイイー!来てる…今まさに…運命は私の方へ傾いてきたー!!激写!激写!!激しゃーー!!!」

 

 

 

大興奮しながら地由良はカメラで梨璃と夢結のコスプレ姿を何度も撮っていく。

 

 

 

それはまさに…着替え中の女性の姿を盗撮する変態不審者その者だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「ぬう……………」

鶴紗「どうした?」

奈々「やっぱり視線を感じる…禍々しい感じの」

二水「一応、鷹の目で周辺を探ってみますね」

奈々「それなら学園外から探ってみて。学園内は私がマスカレイドで探ってみる」

二水「わかりました」

 

 

 

そう言って二水は鷹の目を発動し、学園全体を探ってみた。

 

 

 

 

梅「視線を感じるって事は、相手はまだいるのか?」

奈々「多分別の人だと思います。気配が違うんで…」

鶴紗「私もファンタズムを使ってみるよ」

奈々「うん。お願い」

 

 

 

鶴紗はファンタズムを使い、奈々はマスカレイドで鷹の目を発動した。

 

 

 

 

 

 

しかし数分経っても、学園内、学園外の周囲を探るも、怪しいそうな人は見当たらない。

 

ファンタズムでも、その犯人が動く未来が無い。

 

 

 

 

その間にコスプレ大会の方では順調に進んでいく…

 

 

 

 

奈々「こっちにはいない…二水ちゃん達は?」

二水「駄目です。索敵範囲を広げてみましたが、いませんでした」

鶴紗「相手はこっちに近付く気は無いみたいだ」

楓「気のせいではありませんの?」

奈々「う~ん、視線は感じるんだけどな…」

梅「まあ仕方ないな。次はいよいよわんわんの番だからな」

 

 

 

 

開場の方では、遂に雨嘉と神琳の出番がやって来た。

 

 

 

 

亜理奈「さあ、次は一柳隊からのダークホースの登場です!エントリーナンバー28番、王雨嘉さんと郭神琳さんのお二人です!どうぞ!」

 

 

 

 

カーテンコールが開き、現れたのはネコミミカチューシャと猫の尻尾、巫女服にエプロンを着た雨嘉と、自身の髪の色に合わせたメイド服の神琳だった。

 

 

それを見た観客達は……………

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「きゃあああああああああーーーー!!!!」」」」」」

 

 

 

 

喜びと絶叫の歓声を吐く。

 

例えるなら、ジェットコースターに乗ってる時の絶叫の声ぐらいのものである。

 

 

 

雨嘉の大人しさ、純粋さと神琳、ミリアム、鶴紗がコーデした衣装が効果てきめんだったようだ。

 

 

 

 

 

奈々「うわあ…梨璃ちゃんと夢結さんの時より凄い人気…!」

 

 

 

 

 

一方雨嘉と神琳は…

 

 

 

 

雨嘉「あわわ……」

神琳「雨嘉さん、まずはアピールからですわ」

雨嘉「う、うん…!」

 

 

 

 

神琳に言われ、雨嘉はスデージの中央に達ち、あるポーズを取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨嘉「にゃああああーー!」

 

 

 

雨嘉が猫のポーズと猫の泣き声のマネをすると、観客達の歓声は更に大きくなった。

 

 

そしてこの子も…

 

 

 

鶴紗「ニャアニャニャアアアーー!!!??」

奈々「うおおっ!!?ヤバイ顔!」

 

 

 

鶴紗がとんでもない程の笑顔で興奮し、食い付く勢いでコスプレ姿の雨嘉をガン見する。

 

 

 

奈々「凄い食いつきぶりだな…」

二水「これはもう優勝でしょうか…」

 

 

 

と、大きな盛り上がりを見せるコスプレ大会。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで奈々は近くにあるモニュメントの金属に何かの光が見えた。

 

 

 

奈々「?」

 

 

 

その光は一瞬だけ何度も光っていた。

 

奈々はその光が映った反対の方向を見た。

 

すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くの森からその光が見えた。

 

 

 

奈々「!」

 

 

 

 

奈々はすぐにマスカレイドで縮地を発動させ、光った森の方へ向かった。

 

 

 

 

二水「あ、奈々さん!?」

梅「奈々、森の方へ向かったゾ」

 

 

 

 

 

 

 

一方、森の方では…

 

 

雨嘉と神琳の番が来て、雨嘉のネコミミ巫女メイド姿を何度も撮っていった。

 

しかも梨璃、夢結の時よりも勢いは凄かった。

 

 

 

 

地由良「雨嘉ちゃん来たーーーーっ!染まってなさそうな素体にネコミミと尻尾!巫女服にエプロンを着せるとは…!最高じゃない!例えるならそう、雨嘉ちゃんは正にダイヤの原石!これはもう見つけたようなもの!ぐふふふっ、ぐふふふふふふっ!愛しの雨嘉ちゃん…これはもう永久保存版に決定ね!!」

 

 

 

と言って、地由良のシャッターを押す間隔が短くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

「まさか盗撮するリリィがいるなんてね…」

地由良「お?」

 

 

 

突然声が聞こえた。

 

そして同時に手に持っていたカメラを盗られた。

 

 

 

地由良「!?」

 

 

 

地由良は後ろを見ると、右手にカメラを持った奈々の姿があった。

 

もう片方の手にはツインフェザーが握られていた。

 

 

 

 

奈々「あんたの狙いはなんだ!情報収集にしては違うみたいだけど…」

地由良「何故分かったの?私のインビシブルコートはマギの気配も姿も消せるレアスキルのはず…!」

奈々「カメラのフラッシュだよ。流石にそれは消せないでしょ?」

地由良「くっ、迂闊だった…!」

 

 

 

地由良はカメラで取るときに必ずフラッシュを使う癖があり、それが奈々が気付く原因となった。

 

 

 

 

 

 

 

しかし…それは地由良の想定内でもあった。

 

 

 

 

地由良「でも、私は捕まらないけどね」

 

 

 

 

そう言うと、突然地由良の姿が消えた。

 

 

 

奈々「消えた!?」

 

 

 

 

奈々はすぐに辺りを見回すが、いつの間にか持っていたカメラが無くなっていた。

 

 

 

奈々「カメラがない!?」

地由良「これは返してもらうわよ。じゃあね!」

 

 

そう言い残し、地由良は見えないまま去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし森の周辺にある草木等のしなりの音等で聞こえた。

 

 

奈々はそれを逃さなかった。

 

 

 

 

奈々「逃がすと思ってるの?」

 

 

 

奈々は音のする方へ向かっていった。

 

 

 

 

すると……

 

 

 

 

地由良「な、何故分かるの!?マギの気配は消えてるのに…!」

奈々「音さえ出してれば解るものだよ」

地由良「音で!?」

 

 

 

地由良のレアスキル…インビシブルコートは自身の姿を消しつつ、マギの気配も消せる効果を持つが、音までは消すことができない。

 

また深い森の中な為動き辛く、下手に動くと通過した場の落ち葉が飛んでいく為、相手に居場所を教えてしまう。

 

 

 

 

地由良「くっ、ここで捕まるわけにはいかない!」

 

 

 

 

地由良は分かれ道を見つけると、右に曲がっていく。

 

 

これは奈々にばれて、奈々も右に曲がっていった。

 

 

 

地由良「ふが!?」

奈々「お?」

 

 

 

突然地由良が小さな悲鳴を吐いた。

 

なんと、曲がった先は無数の茂みに覆われた場所で地由良が弦に捕まっており、真下にはカメラが落ちていた。

 

インビシブルコートは解かれており、姿も奈々から見えている。

 

 

 

地由良「私としたことが、前を見てなかった…」

奈々「まぬけで良かった」

 

 

 

奈々は、カメラを素早く拾った。

 

 

 

奈々「さて、カメラの中身は…」

地由良「ちょ、私のシークレットファイル!?」

奈々「知らん」

 

 

 

地由良の呼び掛けを無視して奈々はカメラを操作し、記録された画像を確認してみた。

 

 

 

 

…………

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「……………え?」

 

 

 

 

カメラに記録された画像は全てコスプレ姿の子だけだった。

 

その殆どが雨嘉ので納められていた。

 

結梨の写真は何一つ無かったが、これは酷い。

 

 

 

 

 

奈々「これはいったいなんなの?何が目的なの?あんた、GEHENAの手の者じゃないの?」

 

 

 

奈々がGEHENAの名前を言うと、地由良は……

 

 

 

地由良「GEHENAの手の者か…まあ間違ってはいないわ。私はヒュージに襲われて瀕死のところをGEHENAの関係者に助けられて強化リリィ…ブーステットリリィにされた。一応協力はしているわ。と言っても買い出し位しかやってないけどね」

奈々「何それ…ていうかデータ収集に来たんじゃないの?」

地由良「そんなもの、他の者がやってるわよ。私は知らないし、関係ないもの。個人的にここで写真を取りに来たのよ!」

奈々「他の者?それで、貴女はどうしてコスプレ写真を撮りに?」

地由良「フッフッフッ…愚問ね。特別にお教えしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地由良「日本中の可愛いリリィ達のコスプレ姿の子をに納めたアルバムを作るためよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「………………………は?」

 

 

 

どうでもいい野望だった。

 

 

 

地由良「何よその反応は?」

奈々「いや、何か下らない目的だなって」

地由良「何が下らないのよ!ナース服、チャイナドレス、バニーガール!更には巫女に魔法少女、メイドまで彩りみどり!こんな魅力、他では味わえないものよ!」

奈々「知らんがな( ̄ー ̄)」

 

 

 

めんどくさい相手だと奈々は思った。

 

 

 

地由良「とにかく、そのカメラを返しなさい!」

奈々「選択…削除っと」

 

 

 

と、奈々はカメラを操作し、中のデータの一部を削除した。

 

 

 

地由良「ちょ、何けしてるの!?」

奈々「ふざけるな!ファイルの中に如何わしいものを削除しただけよ!」

 

 

 

奈々はコスプレ画像に含まれるスカートの中が見えてるものだけを削除したのだ。

 

 

 

地由良「いいじゃないか!パンチラ写真の1枚や2枚!」

奈々「駄目に決まってるでしょうが!特に殆どネコミミ巫女のじゃないか!」

地由良「そこがいいのよ!何も染まってない子の方がそそるものなのよ!」

奈々「そそるって、変態じゃないか!」

地由良「変態の何が悪いの?私は望むものの為に動いてるのよ!」

奈々「やってることが禍々しいわ!!」

 

 

 

 

この子は本当に個人趣味で来たらしい。

 

 

しかし、性格が他人が引くほどに酷い。

 

 

特に雨嘉への執着心がしつこいほど大きい。

 

 

GEHENAの手の者なら、捕らえるのが得策である。

 

彼女なら何か情報を持っているはずだが、この出歯亀を放っておくと色々と面倒なことになりかねない。

 

 

そう。主に雨嘉の身が危ないのだ。

 

 

 

 

奈々「とにかく、あんたを連行するよ。GEHENAの手の者なら野放しにはできない」

地由良「そうなるわね…でも私も手ぶらで来てるわけじゃないのよ」

奈々「!?」

 

 

 

 

地由良がそう言うと、何処からか大きめの光の輪が奈々に目掛けて飛んできた。

 

 

奈々「な!?」

 

 

 

奈々は後ろへ跳び、光の輪をかわした。

 

 

 

かわした光の輪は、いつの間にか弦から脱出した地由良の右手に戻った。

 

 

光が消えると、地由良の右手にはグリップの付いたリングに4枚の両刃が上下左右に付いた武器が握られていた。

 

リングの恥っ子にはマギクリスタルが付いていた。

 

見たところ固定されたコアのようだ。

 

 

 

 

奈々「CHARM!?」

地由良「そう。第三世代CHARM…フォースバイト!奇襲戦を想定して作られたGEHENA製のCHARMよ」

 

 

 

地由良の右手に持つフォースバイトの上下左右の刃はスライドして、上下2枚の両刃に変形した。

 

 

奈々は地由良のCHARMの変形を警戒し、2本のツインフェザーを抜いて構える。

 

 

 

 

 

地由良「戦うつもりは無かったけど、簡単に逃がしてはくれなさそうね」

奈々「当たり前だ!」

地由良「そう…だったら見せてあげるわ。私の戦いを…お得意の奇襲戦をね…!」

 

 

 

 

そう言って地由良は奈々に向かって走ってきた。

 

 

 

奈々(来るか…!)

 

 

 

相手の攻撃に備える奈々だったが、突然地由良が消えた。

 

 

 

奈々「また消えた…っ!」

 

 

 

奈々はそのまま後ろに回って何もないところに切りかかった。

 

すると何もないところで何かに当たり、金属音が響いた。

 

更に地由良が姿を現し、フォースバイトで受け止めていた。

 

 

 

 

地由良「後ろから来るってわかってたの?」

奈々「その手の奇襲は大体の者は後ろから攻めるからね。予想通りだよ!」

 

 

 

そのまま奈々はもう一本のツインフェザーで斬りかかるが、地由良はバックステップでかわす。

 

しかし奈々はそこから2本のツインフェザーによる連続攻撃で攻めていく。

 

避ける余裕がないため地由良はフォースバイトで次々と受け止めていく。

 

 

 

地由良「やるわね。けど二度目はどうかしら?」

 

 

 

再び姿を消す地由良。

 

 

 

地由良「流石の貴女でも、次の攻撃は防げないでしょ?」

 

 

 

と言って、地由良は次に左から攻撃しようとした。

 

 

 

奈々「!」

 

 

 

しかし、これも奈々のツインフェザーで受け止められてしまう。

 

 

 

地由良(防がれた!?)

 

 

 

 

 

偶然なのかと思い、今度は右に回り込んで攻撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしこれも奈々に受け止められてしまう。

 

 

 

地由良(また防がれた!?)

 

 

 

まぐれはこれ以上続かないと思いながら、今度は正面から仕掛けるが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり奈々のツインフェザーで受け止められてしまう。

 

 

 

地由良「どうして私の位置が分かるの!?」

 

 

 

地由良は奈々から距離を取り、インビシブルコートを解除し、姿を表す。

 

 

 

 

奈々「当たり一面を見ればわかるよ」

地由良「当たり一面……!?」

 

 

 

地由良は周囲を確認すると、無数の枯れ枝と落ち葉がたくさん積もっていた事に気付いた。

 

 

 

奈々「実はこの辺りは地面が殆ど埋るほど、枯れ葉がたくさんあってね、枯れ葉や枯れ木がへこんだところを私は見逃さなかったのよ。更にこの森は日の光が殆ど入らない程深い。跳んでいくには動きづらいこの場所じゃそのレアスキルが発揮できないでしょ?それに…」

地由良「それに…?」

奈々「そのレアスキル…消費の激しい奴だから、後5秒位しか使えないでしょ?」

地由良「!?」

 

 

 

奈々の予想に地由良は驚く。

 

 

奈々の言う通り、地由良のレアスキル…インビシブルコートの使用時に消費するマギの量は多く、長時間の運用は出来ない。

 

また、地由良自身のマギも残り少なく、インビシブルコートに全て使っても、約5秒が限界である。

 

逃げても、相手は追いかけてくるので戦闘は回避できない。

 

戦っても身体能力、戦闘技術は相手が上。

 

マギが万全の状態でも勝つのは難しいと、さっきの戦いで分かった。

 

 

その時、いつの間にか地由良の目の前にツインフェザーの刃先が向けられていた。

 

 

地由良「!?」

奈々「抵抗しない方が身のためだよ」

 

 

 

 

地由良は悟った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは積んだと……………

 

 

 

地由良(………万事休すか…)

 

 

 

地由良が諦めかけたその時………

 

 

 

 

奈々「?」

 

 

 

突如何処からか奈々の近くに手榴弾が投げられ、そこから広範囲のスモークが吹き出した。

 

 

 

奈々「!?」

 

 

 

スモークのせいで視界が見えなくなり、下手に動けなかった。

 

すぐに奈々はツインフェザーでスモークを振り払うが……

 

 

 

 

そこに地由良の姿は無かった。

 

 

 

奈々「いない…もう一人いたのか…」

 

 

 

周りを見張らしても地由良は完全に逃げ切っており、追跡は不可能である。

 

カメラもいつの間にか無くなっている。

 

スモークを撒いた後、僅かな時間で地由良を救い、撤退したのだろう。

 

多分相手が使ったのはレアスキル…縮地。

 

恐らく地由良を助けた後に縮地で脱出したのが予想出来る。

 

今回の件…接触したGEHENAのリリィに関しては、報告した方がいいだろう。

 

 

 

 

奈々「これは後で理事長に報告しないといけないな…」

 

 

 

そう思いつつ奈々は学園へ戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げた地由良は、縮地を使った黒いローブを羽織った人に担がれ、安全な場所に逃げきった後、その場に下ろした。

 

 

 

地由良「君が助けてくれるなんてね…海里ちゃん」

 

 

 

地由良がそう言うと、海里と呼ばれた黒いローブを羽織った者はそのローブを脱ぎ捨てる。

 

その姿は青いドレスを着た水色のミドルヘヤーの少女だった。

 

 

 

サンスベリア 浜方海里(はまかた かいり)

 

 

海里「………大丈夫?」

地由良「ええ。お陰さまでね…どうしてここに?」

海里「本部から連絡があった…今すぐ戻れって…」

地由良「戻る……あれはもう完成したの?」

海里「………わからない」

地由良「そう……まあいいわ。もうここに用はないし…いい相手と出会えたからね」

 

 

 

と言って.地由良は海里と共に帰還していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、学園の方では…

 

 

 

 

雨嘉「あわわわわ………!」

神琳「やりましたわね」

 

 

 

表彰台に上がった雨嘉と神琳に観客達が歓声と盛大な拍手を上げていた。

 

 

 

 

亜理奈「優勝は雨嘉さん&神琳さんペアです!!そしてコスプレ部門最優秀リリィに選ばれました!おめでとうございます!!」

 

 

 

投票の結果…観客の半数を雨嘉&神琳ペアが納めて一位を掴み取った。

 

 

二位は観客の3割を占めた梨璃&夢結ペアである。

 

 

そして三位は全体の1割を掴んだ衣奈&天葉ペアだった。

 

 

着てる服はクール&ビューティーなDJアイドルの衣装だったようで、これも人気があった。

 

 

 

鶴紗「奈々は何処に行ったんだ?」

二水「さあ…」

 

 

 

 

みんなが奈々が何処かへいなくなった事を考えていたら、その奈々が戻ってきた。

 

 

 

 

奈々「ごめん、遅くなった」

楓「本当に遅いですわよ。何をしてましたの?」

奈々「変態狩り」

楓「はあ?」

二水「昨日奈々さんが曲者と言った相手でしょうか?」

奈々「いや、別の相手だった。シエルリント女学薗の制服を着ていたけど、結局逃げられてしまった」

鶴紗「GEHENAの!?」

二水「シエルリントと言えばGEHENAガーデンの総本山と言われていますが、目立った真似らしてないはずです」

楓「しかし、変態とはどう言うことですの?」

奈々「その名の通り、コスプレ達の写真を取りまくってた。特に雨嘉ちゃんのが多かった」

二水「それで、どうするんですか?」

奈々「後で理事長に報告しようと思ってる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神琳「さあ雨嘉さん、最後に例のを…」

雨嘉「にゃあ~」

 

 

 

雨嘉は猫のポーズ、神琳は投げキッスのポーズを取った。

 

 

 

鶴紗「にゃあ!!?」

 

 

 

猫のポーズをする雨嘉に食い付く鶴紗。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の競技会も、中々盛り上がっていた。

 

 

 

 

歌部門では、コスプレ部門と同等の人数が参加し、それぞれ高いレベルの歌を披露。

 

 

中でもインパクトがあったのは、楓、二水、ミリアムの披露する歌である。

 

 

歌こそ良かったものの、優勝には届かなかった。

 

 

優勝したのは以外にも、結梨だった。

 

彼女の歌声は、透き通るほどの綺麗なもので、観客達の心を掴むほどで、大好評であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の部門は……

 

 

 

 

亜理奈「さあお次は新たに導入された部門…お笑い部門です!」

 

 

 

いつの間にか亜理奈の服装は着物を着ていた。

 

そして舞台上は三枚重ねた座布団がいくつか用意されていた。

 

 

 

二水「あれは大喜利でしょうか…」

楓「百合ヶ丘に相応しくないようなセットですわね」

神琳「大喜利は見るの初めてですわ」

雨嘉「うん。楽しみ」

鶴紗「私は興味ない…」

夢結「この部門では奈々が出るのだったわね」

梅「あはははは…梅は楽しみだゾ」

結梨「みんなは出ないの?」

梨璃「私達は無理かな…」

ミリアム「綾瀬もこの部門に参加するようじゃ。どれ程のものかお手並み拝見じゃな」

 

 

 

と、一柳隊の一同が話し合っていた。

 

 

 

亜理奈「これより参加者には、大喜利をやってもらいます!私がお題を出しますので、挙手制で指名された参加者は機知を利かせた答えを返す。私の判定の元、答えが良かったり、面白かった場合は座布団を与えます!逆に面白くない答えは座布団を頂きます。答えの出来次第では上げる枚数、取る枚数が変わりますので覚えておいてください。ただし座布団が無くなった参加者は脱落となります。座布団の合計が10枚を越えた人が優勝となり、お笑い部門の最優秀リリィに選ばれます!」

 

 

 

説明を終え、礼をする亜理奈。

 

 

 

亜理奈「それでは、参加者の御登場です!どうぞ!」

 

 

 

 

亜理奈の合図で参加者達が舞台裏から現れた。

 

 

 

出てきた参加者が制服で登場したのに対し、奈々は上下ピンク色のスーツを着てやって来た。

 

更には円形の黒メガネをかけていた。

 

 

 

楓「あの格好は…!」

神琳「本格的のようですね」

二水「これはもう期待大です!」

 

 

 

ミリアムが言ったように、綾瀬も参加者の中に紛れ込んでいた。

 

 

 

更にはこんな参加者も…

 

 

 

 

 

 

 

紫色のロングのおしとやかで優しい少女もそこにいた。

 

アールヴヘイムの天葉のシュッツエンゲル…若菜であった。

 

 

 

天葉「わ、若菜姉様!?」

楠美「若菜姉様もこの部門に!?」

衣奈「以外ね……」

 

 

 

 

役者が揃い、参加者は座布団の上に座り。亜理奈も席に座った。

 

 

 

亜理奈「さて、早速最初のお題を出します。お題はスーパーで出す新しい食品の名前です。それでは最初に奈々さん!」

奈々「はいよ」

 

 

 

奈々がなまったいい方で返事をして立ち上がる。

 

 

 

 

亜理奈「貴女が出した新食品は何ですか?」

 

奈々「楓の木をイメージしたカップラーメンです」

 

亜理奈「その食品のタイトルは?」

 

 

奈々「楓・ジョアン・ヌードル(ヌーベル)」

楓「ぶふぁー!!?」

 

 

 

と、どや顔で喋る奈々に楓が吹いてしまう。

 

 

 

鶴紗「だ…ダジャレ…」

梅「ハハハハハ…奈々、いいセンス持ってるナ」

 

 

 

奈々の出した答えで観客達は笑った。

 

そして亜理奈も笑った。

 

 

 

 

亜理奈「な、なるほど…効きました。奈々さん座布団1枚やってください」

奈々「よし」

 

 

 

座布団を持った座布団係の生徒がやって来て、奈々が座った座布団の上に更に座布団を1枚乗せた。

 

奈々は4枚重なった座布団に再び座った。

 

 

 

亜理奈「では次に…若菜様」

若菜「は~い」

 

 

 

次は若菜が立ち上がる。

 

 

 

亜理奈「貴女が出した新食品は何ですか?」

 

若菜「独自に栽培した若々しい菜の花です」

 

亜理奈「その食品のタイトルは?」

 

 

若菜「若菜の花(わか・なのはな)」

 

 

 

若菜の答えにみんなは「ほうー」と反応した。

 

 

 

 

亜理奈「なるほど…考えたつもりですが、もうちょっと捻りが欲しかったですね」

若菜「あらあら~」

 

 

 

反応はいまいちだったため若菜は座布団を貰えなかった。

 

若菜は座布団に座る。

 

 

 

 

亜理奈「それでは次は…綾瀬さん」

綾瀬「はい」

 

 

 

綾瀬が立つ。

 

 

 

ミリアム「ついに綾瀬の出番か…」

 

 

 

 

 

亜理奈「貴女が出した新食品は何ですか?」

 

綾瀬「レンヂでチンして食べれる本格中華料理食品です」

 

亜理奈「その食品のタイトルは?」

 

 

綾瀬「結梨んちー(ゆーりんちー)」

結梨「?」

 

 

 

綾瀬の返した答えで観客達は奈々の時より更に笑っていた。

 

 

 

亜理奈「な、なるほど…ゆ、油淋鶏(ゆーりんちー)と結梨ちゃんを掛けてですか…見事です。2枚どうぞ!」

綾瀬「にっ!」

 

 

やったと思い、にやっとした綾瀬。

 

 

2枚持ってきた座布団係が綾瀬の座っていた座布団の上に2枚重ねる。

 

 

 

奈々(やる……!)

綾瀬(私もまだ腕が鈍ってないね。腕は使ってないけど…)

 

 

 

 

その後も大喜利は続いていた。

 

 

 

亜理奈「最近誰か気になりましたか?」

 

奈々「二水ちゃんが夜遅く週刊リリィ新聞を作っていたのを見たんですよ」

 

亜理奈「どのような様子でしたか?」

 

 

奈々「まるで不眠不休(ふみ・んふきゅう)でしたね。二水ちゃんだけに」

二水「ブッ…!?」

梨璃「二水ちゃん!?」

 

 

 

今度は二水が吹き出した。

 

 

 

鶴紗「またダジャレ…」

神琳「中々新鮮でしたわね」

雨嘉「私は缶コーヒーで王ジョージアって言われた…」

楓「別の意味で酷いですわね」

 

 

 

最初のお題で奈々が雨嘉をネタにした答えを言ったが、雨嘉自身はそこまで気にしてはなかった。

 

 

 

亜理奈「最近誰か気になりましたか?」

 

若菜「楠美が友達と話してる時に笑ってたのよ」

 

亜理奈「どのような様子でしたか?」

 

 

若菜「クスクス笑ってたわ」

楠美「わ、若菜姉様…」

 

 

 

若菜の返した答えに楠美はぽかーん状態になり、観客達の反応はいまいちだった。

 

 

 

亜理奈「う~ん、ほのぼのした答えですがね…座布団1枚持っていってください」

若菜「あら、やっちゃったわ…」

天葉「本当に興味本意で参加したんだね…若菜姉様」

 

 

 

座布団係がやって来て、若菜の座布団を1枚取って去っていった。

 

 

 

亜理奈「最近誰か気になりましたか?」

 

綾瀬「ミリアムがフェイズトランセンデンスの練習をしていました」

 

亜理奈「どのような様子でしたか?」

 

 

綾瀬「反動で倒れてぐろっぴー(グロッキー)」

ミリアム「ぶふっ!!?」

 

 

 

ミリアムが吹き出した。

 

観客は盛大に大笑いしていた。

 

亜理奈も結構笑っていた。

 

 

 

亜理奈「ふふっ…ミリアムさんが倒れてぐろっぴーですか…ふふっ、流石。座布団2枚あげてください!」

 

 

 

新たに座布団が重ねられ、綾瀬の座布団はこれで7枚となった。

 

 

 

奈々(綾瀬ちゃん……出来る…!)

 

 

 

 

 

そして大喜利は後半戦に突入する。

 

 

殆どの参加者がいい答えを出せず、退場していって、残りは3人となった。

 

奈々は8枚。

 

綾瀬も8枚。

 

若菜は何と残り1枚。

 

ここまでギリギリ生き残っている彼女だが、次に座布団を持っていかれたら、若菜は脱落となる。

 

 

 

 

亜理奈「もっとも活躍するリリィと言えば?」

 

若菜「天樹天葉よ」

 

亜理奈「二つ名を付けるとしたら?」

 

 

若菜「天天(てんてん)」

天葉「ブッ…!」

 

 

 

天葉が吹き出し笑いをした。

 

そして観客達も笑った。

 

 

 

 

亜理奈「これはいい答えが来ましたね。座布団1枚です!」

若菜「やったわ!」

 

 

 

喜ぶ若菜。

 

座布団が残り1枚だったのでこれは彼女もうれしい。

 

若菜の座布団はこれで2枚となった。

 

 

が、他の選手達と比べたら普通であり、奈々と綾瀬の座布団はお互い8枚になっており、全く勝負にならない。

 

 

そして次は綾瀬の番。

 

 

 

 

亜理奈「もっとも活躍するリリィと言えば?」

 

綾瀬「レギンレイヴの田村那岐様だね」

 

亜理奈「二つ名を付けるとしたら?」

 

 

綾瀬「田村うなぎ(う那岐)」

那岐「ぶふっ!?」

 

 

 

遠くで、那岐の吹き出す声が聞こえた。

 

 

観客達は大笑いした。

 

 

 

亜理奈「面白いですけど、ここまで来るとキレが悪いですね。1枚あげてください」

綾瀬「1枚か…」

 

 

 

綾瀬の座布団はこれで9枚。

 

次を決めれば座布団が10枚になり、彼女が優勝する。

 

 

 

亜理奈「それでは奈々さん!」

奈々「合点だ!」

 

 

奈々が立ち上がる。

 

現在、奈々の座布団は8枚。

 

ここで2枚獲得しないと、次に綾瀬が確実に1枚手に入れてしまう。

 

これが優勝する為のラストチャンスである。

 

 

 

 

亜理奈「もっとも活躍するリリィと言えば?」

 

奈々「一柳隊の白井夢結さんでございます」

夢結「私?」

 

亜理奈「二つ名を付けるとしたら?」

 

 

 

亜理奈に言われた奈々は、ルナティックトランサーで髪を白くした夢結の姿の絵を出してこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「白髪夢結(しらがゆゆ)」

 

夢結「ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!???」

梨璃「お、お姉様!!?」

 

 

 

 

 

夢結がこれまで以上に飲んでいた紅茶を吹き出した。

 

 

 

二水「し、白髪夢結…」

ミリアム「これは…」

楓「な、何と言うか……」

鶴紗「これまで以上に酷い答えだぞ」

梅「ハハハハハハハハハ……!!!!」

 

 

 

梅は大笑いし、雨嘉、神琳も耐えながら笑っていた。

 

 

観客達の方は、奈々の答えで完全に大爆笑していた。

 

 

 

 

 

亜理奈「こ…これは、クックッ…流石に、お腹がよじれそうです…お見事!ふふっ、奈々さんに…座布団3枚!」

奈々「やったぁ!!」

 

 

ガッツポーズをする奈々。

 

これにより、奈々の座布団が合計11枚になった。

 

 

つまり、奈々の優勝が決まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、同時に最悪の事態が奈々を襲った。

 

 

 

「奈々………」

奈々「!?」

 

 

奈々の体に寒気が走った。

 

 

 

周りを見渡すと…………

 

 

 

 

 

夢結がルナティックトランサーを発動し、目を紅く光らせ、髪を白くしていた。

 

更に右手にはブリューナグをブレイドモードの状態で持っていた。

 

お怒りの表情のその目線は、奈々に向けていた。

 

 

 

 

 

奈々「うおっ!?白髪夢結さん!」

夢結「誰が白髪夢結よ!!」

奈々「!!?」

 

 

 

夢結の気迫に奈々が恐怖する。

 

 

 

夢結「今日という今日は許さないわ…奈々!!」

 

 

 

夢結が奈々に襲いかかってきた。

 

 

 

奈々「やば!!」

 

 

 

危機感を感じた奈々はすぐに舞台から下りて一目散へ逃げていった。

 

 

 

夢結「逃がさない!!」

 

 

 

逃げる奈々を夢結が追いかける。

 

 

 

奈々「怖いイメージが無くなる分いいんじゃないですか!?」

夢結「あんな名前、逆に笑い者にされて嫌よ!!!」

 

 

 

奈々は校舎裏に逃げ込む。

 

夢結も奈々を追いかける為に校舎裏に入る。

 

 

 

すると、校舎裏の方で爆発音が聞こえた。

 

 

 

 

これを目の当たりにした観客達含むみんなは言葉が出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

亜理奈「………………と、ということで、座布団が10枚以上になった木葉奈々さんが優勝となり、お笑い部門最優秀リリィの称号が授与されます!!」

奈々「今喜ぶ余裕無いって!!」

夢結「待ちなさい!!!!」

 

 

 

亜理奈が閉めに入る中、奈々はまだ夢結から逃げ続けている。

 

 

 

 

雨嘉「二人、止めた方がいいかな…」

梅「いつもの事だから心配ないゾ」

神琳「ですね」

 

 

 

 

 

 

という事態もあり、戦技競技会はこれみて終了したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次の日……………

 

 

 

掲示板に、今回の週刊リリィ新聞が貼られていた。

 

 

 

内容は、競技会で最優秀リリィに選ばれた生徒達を中心に載っていた。

 

 

クラス対抗戦では…

 

1年の椿組…

 

2年の櫻組…

 

3年の槇若菜…

 

 

 

タイムアタックでは六角汐里、遠藤亜羅椰、木葉奈々の活躍する姿が載せられていた。

 

 

 

午後の的場倒しでは、槇若菜、天樹天葉、江川楠美のノルン三姉妹が…

 

エキシビションではリリィとしての初戦闘の一柳結梨の姿が…

 

 

コスプレ部門では、猫のポーズを取った雨嘉が大きく載せられており…

 

歌部門では再び結梨が載せられ…

 

 

最後のお笑い部門は、奈々の画像も大きめに載せられていた。

 

 

そして画像の上から、ある言葉が載せられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白髪夢結(しらがゆゆ)と……

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、奈々は夢結に会わないよう廊下を歩いていた。

 

 

 

奈々「危ない危ない…二水ちゃんのせいであの名が広がってしまった…」

 

 

 

奈々が言うあの名…白髪夢結の事である。

 

その名が張本人の二水が作ったリリィ新聞に載せられたことによって広がってしまったのだ。

 

今ごろ夢結は二水を狙っているだろう。

 

その内奈々にその矢先が向けられるのも時間の問題である。

 

 

 

 

奈々「早く逃げないと……ん?」

 

 

 

隣の理事長室から話し声が聞こえた。

 

気になったので奈々は理事長室のドアに耳を当ててみた。

 

 

 

百由「解析科から、結梨ちゃんのDNAの解析結果が届きました」

咬月「……うむ」

 

 

 

百由「彼女のDNAは…平均的な女性である事は確かです。が、何処か不自然で、何と言うか…平均的過ぎるんです。普通の人間は何処かしら偏っているのが当たり前なのに…」

咬月「要点を頼む」

 

 

 

百由は語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百由「彼女はヒュージに由来する個体。と言うのが私の結論です」

奈々(見破った!?)

 

 

 

 

 

今まで結梨の正体を見抜いていたのは奈々と出雲の二人だけ。

 

黙っていたのは、GEHENAにその情報が漏れないようにするためだった。

 

しかし百合ヶ丘の解析科によって、その正体を見抜いてしまったようだ。

 

 

 

 

咬月「人化したヒュージと言う訳か…」

百由「…驚かれません?」

 

 

 

落ち着いた様子の咬月を見て問う百由。

 

その答えに咬月は答えた。

 

 

 

咬月「残念だが先手を打たれた…」

奈々「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咬月「研究機関GEHENAと、CHARMメーカー・グランギニョルが共同研究していた実験体の紛失を、国連に届け出た」

奈々「!?」

 

 

 

 

よりにもよって、GEHENAが国連に実験体の捕獲の件を依頼してきたのだ。

 

 

 

 

咬月「連中…彼等が言うには、彼女はヒュージから作り出した幹細胞を元に生み出された…人造リリィだそうだ」

百由「その表現、胸糞悪いです…」

咬月「可能なのか?」

百由「ヒュージのDNAは、多層源の無聴力を起こしていて、これまで地球上に現れた全てのDNA情報を備えていると言われています。その中には勿論、人の物もあって、箱舟に例える学者も居る程です。あぁ…まぁ…どうやったかは知りませんけど、行為としては可能です」

咬月「倫理を無視した完全な違法行為だ。しかも連中は、己共の不始末を晒してまで彼女の変換を我々に要求して来よった」

史房「…どうします?」

咬月「彼女が人でないとなると…学院は彼女を守る根拠を失う事になる」

百由「…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々は理事長室のドアから離れた。

 

 

 

奈々(不味い……このままでは結梨ちゃんはGEHENAに引き渡されてしまう…それどころか、この学園も危ない…!!)

 

 

特に厄介なのが結梨を生み出したGEHENAに加担したCHARMメーカー・グランギニョル。

 

 

そしてその総帥は、今百合ヶ丘にいる楓・J・ヌーベルの父親でもある。

 

 

 

流石に彼女…楓が裏切ることは無いかもしれないが、グランギニョル総帥が彼女に命を下したら……

 

 

 

 

 

 

奈々(…………………GEHENA…あんたの思い通りには行かないぞ…!)

 

 

 

 

結梨と百合ヶ丘女学院を救うため、奈々は早速行動に移った。

 

 

 

 

………………………………………………………

 

 

 

 

 

二水「大変です!奈々さんが他校のレギオンと戦ってます!!」

夢結「そのレギオンってまさか…!」

 

 

 

next 木葉奈々の孤独な戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………

 

登場人物紹介

 

 

高野亜理奈(たかの ありな)

 

放送部を担当する生徒で、藤組の1年生。

 

普段は落ち着いた様子で冷静なところがあるが、実況を演じる際にはハイテンションになる。

 

第三世代CHARM…トリグラフのカスタマイズ機を扱い、中距離戦闘を得意する。

 

雨嘉程ではないが、レアスキル…天の秤目を扱い、遠距離射撃もこなせる。

 

イメージ声優は藤村歩。性格を例えるなら東方アールグレイラジオの射命丸文見たいな感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

塔ノ木綾瀬(とうのき あやせ)

 

 

クジラ船で生まれたブルーガード所属の一級アーセナル。

 

彼女の作るCHARMはとても強力で、他社のCHARMは長期戦を意識し、全て強度重視にカスタマイズされている。

 

普段はのんびりした性格だが、戦闘になると冷静に対処しながら戦う。

 

彼女の専用CHARMはカイトシールドに似たイージス。

 

トップクラスの防御能力を持ち、ギガント級の攻撃にも耐えられる。

 

 

イメージ声優は五十嵐 裕美。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は同会社のリズムゲームネタを入れてみました。

また、大喜利ネタは自分なりに再現出来たと思ってます。

そして…白髪夢結(しらがゆゆ)(笑)。皆はどうでしたか?

次の話も完成まで長くなりますが、待っててくれるなら嬉しいです。

それでは次回を楽しみに!

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