アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

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どうにか今年中には間に合いました!
今回から新章です。
流れはアニメの11話後半から12話前半の範囲になっています。
後、この章に限り前章の自己紹介を引き継ぎます。
それではどうぞ!


1.7 一部のキャラの文章を修正しました。


The lost bloom
「13」リリィ達は戦う


 

 

 

「えっと…君が百合ヶ丘からやって来た子なの?」

 

 

 

青色のミニスカ海軍服を着た青い髪のロングの少女が迎えてきた。

 

 

 

 

「はい。今日からブルーガードに研修にやって来ました。木葉奈々です!」

 

 

 

 

同じく青色のミニスカ海軍服を着た赤茶色のショートヘヤーの少女、奈々が敬意を表して挨拶した。

 

 

 

 

「そんなに固くなくていいよ。私と同い年だし、だよねお姉ちゃん」

 

 

 

 

赤い髪のツインテールの少女が気を使う。

 

 

 

 

「そういうことよ。私は桜田加奈(さくらだ かな)。ブルーガード第4部隊の隊長で中三よ」

「妹の桜田理亜(さくらだ りあ)だよ。よろしくね。奈々ちゃん」

 

 

 

 

と、理亜が奈々の方へ手を差し伸べる。

 

 

 

 

奈々「うん。こちらこそよろしく。加奈さん、理亜ちゃん」

 

 

 

と、右手で加奈の左手…左手で理亜の右手を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「はぁ…はぁ…また負けたぁー」

 

 

 

 

青と白のラインの壁模様の訓練ホール。

 

そこで奈々は練習用のCHARM…ヨートゥンシュベルトを使って加奈と模擬戦を行ったが…連戦連敗だった。

 

ちなみに奈々は青一色のミニスカ海軍服を着ている。

 

 

 

 

 

加奈「筋は通っているわ。けど私相手じゃまだ届かないよ」

奈々「言ってくれますよ加奈さん……」

 

 

 

 

と、話してる内に理亜がジュースの入った紙コップ3個を円形のトレイに乗せてやって来た。

 

 

 

理亜「お疲れ様。はいお姉ちゃん。そして奈々ちゃんも」

加奈「ありがとう」

奈々「悪いね。ありがとう」

 

 

 

トレイからジュースを貰う二人。

 

そして理亜も空いてる右手で残ったジュースを取って飲む。

 

 

 

 

理亜「お姉ちゃん、奈々ちゃんの調子はどう?」

加奈「うん、みるみる上達してるよ。マギの保有値もどんどん上がってる。驚いたよ」

奈々「そんなに驚くものなんですか?」

加奈「マギの保有値はロールプレイングで言うMPの最大値みたいなものなのよ。ヒュージとの戦いでは常にマギを消費する。長く戦うにはマギの保有値が重要になってくるわ」

奈々「つまり、私は今マギの保有値が多いと?」

加奈「最初の頃はマギの保有値が平均の半分ぐらいしか無かったけど、今は平均並に上がってるわ」

奈々「おお!」

理亜「後、咲樹さんから次のヒュージ討伐任務に奈々ちゃんを入れるって言ってたよ」

奈々「マジで!?」

加奈「咲樹さんも奈々ちゃんの実力を認めているしね。こないだのヒュージの襲撃なんか、攻撃を全て弾いてみんなを守ってくれてたし」

奈々「放っておけなかったので、つい体が動いて…」

加奈「ふふっ、任務でも期待してるよ」

奈々「任せてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な………奈々…………奈々!」

奈々「あ………!」

 

 

 

 

奈々は気が付いた。

 

奈々の視界には雲に覆われた空が見えた。

 

動きたいが、身体中から痛みが走り、とても動けない。

 

体はボロボロで、海軍服もあちこちが切れていた。

 

 

 

頭だけ動かし、身の回りを見ると、自分が使ってたCHARMがそこにあったが、破損していて機能はしていない。

 

 

 

側には、同じく服もボロボロの綾瀬の姿があった。

 

 

 

綾瀬「気が付いたね。君の方がダメージ酷かったから応急措置をしておいたよ」

奈々「…綾瀬…ちゃん…第4部隊のみんなは…?」

綾瀬「………」

 

 

 

 

奈々の質問に綾瀬は険しい表情で、奈々に告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綾瀬「…………君が所属してた第4部隊は…壊滅したよ」

奈々「……!!?」

綾瀬「君の頑張りで取り巻きのヒュージが全滅し、優勢になってた矢先…突然現れた謎のギガント級の奇襲にあったと連絡があった。救助に駆けつけた頃にはギガント級が去った後だった。その場に生き残ったのは僅か3人…君と加奈さん、理亜だけだった」

奈々「加奈さんは…理亜ちゃんは…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

綾瀬はゆっくりと口を開く…

 

 

 

 

綾瀬「……………君以上に酷く、意識が…戻らないんだ…!」

奈々「………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

傷を癒し、普通に歩けるほど回復した奈々は加奈、理亜がいる病室へやって来た。

 

 

 

 

そこには白いベッドが2つあり、それぞれ加奈と理亜が呼吸器やチューブ等で繋がれたまま眠っていた。

 

機械に表示された心拍数は安定しているが、二人は目を覚まさない。

 

他の部隊が駆けつけた頃には、第4部隊は3人しか残っておらず、加奈と理亜だけは意識不明の重体を負っていた。

 

 

 

 

いつ目を覚ますかわからない程の眠りについた二人を見つめる奈々は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涙を流していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「………加奈さん……理亜ちゃん……ごめんなさい………私が……もっと強かったら………みんなを守れるぐらいの強さがあったら………結局………私は……守れなかった…………私は………まだ弱かった………まだ……未熟だった………ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……!」

 

 

 

 

 

と、何度も謝罪の言葉を言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

奈々は目を覚ました。

 

 

 

 

彼女が起きた場所は、百合ヶ丘女学院の地下の謹部屋であった。

 

明りはなく、あるのは座れる場所とベッドのみ。

 

服は病人が着ている白い服に着替えられていた。

 

 

 

 

 

奈々「…またあの頃の夢か………私……相当参ってるな…」

 

 

 

 

海上に現れた大型ヒュージの戦いの後、各リリィ達が結梨が生存してるか捜索にあたったが、結局結梨の姿は無かった。

 

やがて政府からは結梨の死亡が決定され、次の日には結梨の葬式が行われた。

 

しかし彼女、木葉奈々は学園から1週間の謹慎処分を受けて、葬式に出れなかった。

 

 

仮に行けるとしても、彼女に葬式に行く勇気は無い。

 

行くのが怖かったのだ。

 

行ってしまえば、結梨の死を認めてしまうからだ。

 

それを彼女は恐れていた。

 

 

 

 

 

 

 

今や、彼女の中には罪悪感が溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「…………また………守れなかった…!」

 

 

 

 

奈々は、結梨を救えなかった事を後悔していた。

 

 

 

 

ただ後悔してもなにも変わらない…

 

 

 

その事は自身も分かっている筈なのに…

 

 

 

罪悪感が、巨大な重りのように彼女に掛けていく。

 

 

 

そして、ただ時間が過ぎていく…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

 

 

 

 

ドアが開き、史房が現れた。

 

 

 

史房「相当参ってますね」

奈々「史房さん、謹慎解除までは後4日ありますよ?」

史房「そうじゃないわ。今日は貴女にこれを渡しに来たのよ」

 

 

 

 

そう言って史房が用意したのはタブレット端末だった。

 

 

 

 

奈々「ビデオレター……ですか?」

史房「それについては後で貴女が確かめて」

 

 

 

史房からタブレットを受けとると、史房はその場から去っていく……

 

 

そして入り口の手前で止まり、振り向かないまま奈々に告げた。

 

 

 

 

 

 

 

史房「………………ありがとう」

奈々「えっ?」

史房「貴女と結梨さんのお陰でこの百合ヶ丘は守られました。被害も、最小限に留めることが出来ました」

奈々「…………でも私は…結梨ちゃんを…」

史房「わかってます。私も同じです……いえ、みんな同じ気持ちです」

奈々「え?」

史房「私も悔しかったんです…もし奈々さん程の強さがあったら、あのヒュージに立ち向かえたかもしれないと…私達を守るために一人で向かっていく貴女を見ることしか出来なかった自分が悔しいと」

 

 

 

 

そう言われて、奈々は史房の方を見つめた。

 

 

 

史房「貴女には…まだ守るものがあります。それを忘れないで…」

 

 

 

そう言って史房は部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

奈々「史房さん………」

 

 

 

 

 

史房の励ましを受けて、奈々は少し元気を取り戻した。

 

 

 

そして、渡されたタブレットに目を向き、電源を入れると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い髪の少女と青い髪の少女が

 

 

 

 

悶えながらテーブルに寄っ掛かるように倒れていた。

 

 

 

 

奈々「え!?」

 

 

 

 

テーブルの周りにはスープやサラダ、パスタが置かれていたが、どれも危ない香りが漂っていた。

 

スープは緑色で、何故かピチャッという音がたまに聞こえた。

 

サラダは萎びてて、新鮮さが微塵も感じられない。

 

パスタは麺もソースも紫色で、見てるだけで目がいたくなる。

 

 

 

 

 

「うう……」

「助けて………」

 

奈々「え、加奈さん、理亜ちゃん!!?」

 

 

 

 

奈々にとってはとんでもない再開となり、感動とは程遠かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後……………

 

 

 

奈々「加奈さん……理亜ちゃん……目を覚まして本当に良かったです!」

加奈「目が覚めたのは奈々ちゃんが百合ヶ丘に向かってから1週間頃だったからね」

 

 

 

 

 

ブルーガード 第4部隊 隊長 桜田加奈(さくらだ かな)

 

 

 

 

 

理亜「そこから復帰に向けてのリハビリに励んでいたんだ」

 

 

 

 

 

ブルーガード 第4部隊 副隊長 桜田理亜(さくらだ りあ)

 

 

 

 

奈々「いや、あれはリハビリってレベルで納まるものじゃ……」

 

 

 

 

奈々自身も大ケガからの回復…その後の復帰として、リハビリを受けたのだが、過酷なものだった為、完全復帰に時間がかかった。

 

 

 

 

 

加奈「奈々ちゃんの百合ヶ丘での活躍はこっちにも伝わってるわ。大活躍だったわね!」

奈々「え、ええ…まあ…」

理亜「ん、奈々ちゃん?」

加奈「羽切悪いわね…」

奈々「………最後、しくじってしまって…」

加奈「………鎌倉の海付近で現れた大型ヒュージの件ね」

奈々「皆を守るために戦ったけど…仲間を一人失ってしまった…」

理亜「奈々ちゃん、それは…」

加奈「その代わり、君は百合ヶ丘を救った。それは確かよ。第4部隊にいた頃、君は頑張って一人で取り巻きのヒュージ達を倒してくれた。こちらの戦況も良くなった。これは間違ってないもの。私と理亜がここにいるのは君のお陰なのよ」

奈々「加奈さん…」

加奈「だから奈々ちゃん。君はまだ残ってる大切なものを守ればいいのよ。それが失った者への償いになると思う。きっと第4部隊の皆はそう望んでるよ」

理亜「私達も応援してるから。元気出して」

 

 

 

 

加奈と理亜の励ましで奈々は更に元気が出た。

 

 

 

 

奈々「ありがとうございます。加奈さん、理亜ちゃん。元気が出ました」

加奈「そう?それじゃあ更なる元気付けに私の心暖まるダジャレを………」

 

 

 

 

加奈が喋ってる途中で奈々はタブレットの電源を落とした。

 

 

 

 

 

奈々「充分です」

 

 

 

 

 

加奈のダジャレは、背筋が冷えるほど寒い。

 

奈々はそれを過去に一度実感していた。

 

 

 

 

 

 

と、思ってる内に、ドア越しから誰かの声が聞こえた。

 

 

 

 

「奈々ちゃん、いる?」

奈々「?梨璃ちゃん?」

 

 

 

奈々はドア越しから梨璃の声を聞くと、ドアの近くまで来き、梨璃がいることを確認した。

 

 

 

 

 

梨璃「奈々ちゃん…ごめんね…私のせいでこんなところに…」

奈々「そんなの気にしてないよ。梨璃ちゃんはどうしてここに?」

 

 

 

 

奈々の質問に梨璃は黙り混む。

 

 

 

扉越しで梨璃の姿は見えないが、気持ちは伝わっている。

 

 

 

 

 

 

 

無理もない…

 

 

結梨という大切な家族を失ったのだから…

 

 

 

 

 

しかも奈々自身が結梨と一緒にいるにも関わらず、守れなかったのだから……

 

 

 

 

 

例えそれで梨璃から嫌われても仕方がないと、奈々は覚悟していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし彼女は意外な言葉を言った。

 

 

 

 

 

 

 

梨璃「ありがとう」

 

 

 

奈々「え?」

 

 

 

 

梨璃のお礼の言葉に困惑する奈々。

 

 

 

 

 

梨璃「私と結梨ちゃんを映画館に連れてったのって、政府から守るためだったんだね」

奈々「……」

梨璃「結梨ちゃんを守ってくれて、ありがとう」

奈々「…………でも私は、結梨ちゃんを救えなかった…」

梨璃「それでも奈々ちゃんは最後まで結梨ちゃんを助けようした。それは私も知ってるよ」

 

 

 

 

そう話した梨璃は、次に自身のこれからを奈々に話した。

 

 

 

 

梨璃「私、強くなるよ。もう誰にも結梨ちゃんみたいな事になって欲しくない。仲間が居なくなって、悲しい思いをするリリィも居て欲しくないから…!」

奈々「…!」

 

 

 

梨璃のその決意の言葉は、リリィとしての使命感を感じさせた。

 

 

 

 

 

 

奈々(同じだ……あの時の私と……)

 

 

 

奈々はブルーガード時代に仲間を失い、その後、これ以上犠牲を生ませないという決意を誓ったあの頃の自分が、今の梨璃と重なるように見えた。

 

 

 

奈々(ははは…こんな梨璃ちゃんを知ったら、流石の私も何もせずにはいかないね…!)

 

 

 

 

奈々は決意を改めた。

 

 

 

 

梨璃「奈々ちゃん?」

奈々「私ももう一度守るよ。この百合ヶ丘の皆をね。梨璃ちゃんがやる気になったのに私が落ち込んでるわけにはいかないからね」

梨璃「奈々ちゃん…」

 

 

 

梨璃も今の奈々の声で安心した様子。

 

 

 

 

奈々「お互い強くなろう!」

梨璃「うん!…あ、そうだった!」

 

 

 

梨璃が何かを思い出した。

 

 

 

奈々「どうしたの?」

梨璃「奈々ちゃん、この前は断られたけど、改めて言うね」

 

 

 

 

そして梨璃は奈々にあることを言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨璃「奈々ちゃん…私達のレギオンに入ってくれる?」

 

 

 

梨璃が奈々を一柳隊に入ってくれるよう頼んで勧誘きたのだ。

 

 

奈々もこれには驚いた。

 

 

 

 

奈々の答えは……

 

 

 

 

 

 

奈々「謹慎が解けたら考えておくよ」

梨璃「わかった。待ってるからね!」

 

 

 

そう言って梨璃は去っていった。

 

 

 

 

そして奈々はこれからのためにも準備を始める。

 

 

 

奈々「さて、謹慎解除まで後4日…頑張りますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして謹慎中の奈々は残り4日間の間、基礎体力を付けるために腕立て伏せや腹筋運動、等の基礎トレーニングを行い続けた。

 

部屋で出来る事といえばこれぐらいしかない。

 

とはいえ、基礎体力を上げることはリリィとしての長期戦闘に大きく貢献する為、やる価値はある。

 

これはブルーガード時代で習った知識である。

 

時々、部屋に入っていく史房や梨璃達一柳隊も、トレーニングをする奈々に少し驚く。

 

 

奈々がトレーニングしている事は百合ヶ丘中に広がり、それが火種になったのか、各リリィ…レギオンも訓練に精を尽くすようになった。

 

百合ヶ丘中に広がった結梨の死は、全リリィに大きな決意を作った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして謹慎最終日………

 

 

奈々の謹慎解除まで後三時間となった。

 

 

奈々は自身が着ていた青のラインが入った特別使用の制服に着替えた。

 

 

 

 

奈々「一柳隊の入隊はどうするかな…私の場合、基本単独だしな…ノインヴェルトも私のマギが強すぎてマギスフィア壊れるから参加はできないし…出来ることといえば…ヘリオスフィアで皆の防御力を底上げするぐらいか…うーん」

 

 

 

奈々は、主に一対一での戦いを得意とする。

 

ラージ級以上のヒュージを相手にするときにその有り余る力を発揮する。

 

 

唯一の弱点といえば、使えるCHARMが限られているぐらいである。

 

奈々のマギは他のリリィより濃く、一般のCHARMでは耐えきれず、壊れてしまうからだ。

 

コストの高い部品を使ったブリューナグやティルフィングならある程度は耐えられるが、基本奈々が使えるのは強度に優れているメタルスキンが使われているCHARM…カナベラル&ブルメリアとツインフェザーの2つのみとなっている。

 

 

 

 

もう1つは、奈々の能力がノインヴェルト戦術に向いていない事である。

 

ノインヴェルト戦術は生成したマギスフィアをパス回しをしながら威力を高め、最後の一人がヒュージに向かって放つ必殺攻撃である。

 

威力が高く、ギガント級以上の相手には必要不可欠な方法だが、奈々のマギとは相性が悪い。

 

奈々のマギをマギスフィアに流し込むとマギスフィアの膜が耐えきれず、壊れてしまうからだ。

 

例えるなら、水が入った風船に熱湯を入れると膨張して割れるといったところ。

 

リリィのマギが水で、奈々のマギが熱湯である。

 

その為マギスフィアに触れている時間も限られている。

 

 

 

 

奈々はリリィとしての能力が高い代わりに、連携に組みづらい難点がある事。

 

奈々にとって、レギオンとのコンビネーションは大きな仮題となる。

 

 

 

 

と、考えてる所…突然ドアが開いた。

 

現れたのはアステリオンを背負った史房だった。

 

右手には大きなケースを持っていた。

 

 

 

 

奈々「史房さん?謹慎解除までまだ三時間ありますよ。どうしたんですか?」

史房「緊急事態です。理事長代理から各生徒に避難命令が下されました」

奈々「避難?ヒュージの襲撃とは違うんですか?」

史房「分かりません。それと、理事長代理により、奈々さんの謹慎は今回特別に解除します」

奈々「いいの?」

史房「今回は事態が事態なので仕方ありません。それとこちらを…」

 

 

 

 

史房は大きなケースを奈々に渡した。

 

受け取った奈々は、ケースを開けてみた。

 

 

 

 

奈々「!?」

 

 

 

 

ケースの中身は、修理が完了したカナベラルとブルメリアが入っていた。

 

見た奈々は驚いた。

 

 

 

 

奈々「史房さんこれって…!」

史房「ええ、貴女のCHARMよ。綾瀬さんから貴女に渡すよう頼まれてね。メテオメタルで出来ているから壊れる心配は無いわ。後、貴女のマギでもノインヴェルト戦術にも対応できる機能も備わってるわ」

奈々「ホントに!?」

 

 

 

 

もしそうなら、奈々もノインヴェルト戦術に参加できるという事である。

 

奈々にとってはうれしい機能である。

 

 

 

 

史房「生徒達は現在、避難区域に移動中です。奈々も早く…」

奈々「………詳しく教えてもらいますか?」

 

 

 

 

と、史房は奈々と一緒に避難を始める。

 

同時に史房から避難命令を出した理由を聞いた。

 

 

 

 

 

奈々「ヒュージネストから3つの物体が飛んできた!?」

史房「ええ。しかもその軌道は地球を一周して、この百合ヶ丘女学院の近くに落ちるそうよ」

奈々「ヒュージネスト…海上のヒュージにマギを大量に消費したばかりなのに、負荷も大きいにも関わらずまだ仕掛けるか」

 

 

 

 

そう話してる内に二人はもうすぐ生徒達と合流する。

 

 

 

 

その時、突然大爆発が起きた。

 

 

 

史房「今の爆音は…!」

奈々「百合ヶ丘の方だ…この気配は…ヒュージ…?」

 

 

 

奈々は爆音の正体がヒュージだと分かった。

 

さらに………

 

 

 

 

 

史房「…あれは…………!?」

 

 

 

 

落下地点から3つの黒い球体が空へと浮かび、それぞれが黒い帯のようなエネルギーに継がれていき、それらは黒い円形の空間を作り、大きく拡大し始めた。

 

その空間は百合ヶ丘だけでなく、離れた廃虚まで拡がっていった。

 

 

 

 

 

空は、紫色の風景へと変わっていった。

 

 

 

 

奈々「これは結界か…!」

史房「…………えっ!?」

奈々「どうしました?」

史房「CHARMが…機能しない…!」

奈々「!?」

史房「マギも…出せない…!」

奈々「………あの結界のせいか…!」

 

 

 

 

百合ヶ丘全域を覆った黒い結界は、マギの流れを止める効果があったようだ。

 

CHARMは動かない…マギによる身体強化も出来ない。

 

これでは今のリリィは普通の少女と変わらない。

 

あれがヒュージだとしても、こちらにはもう戦う術がない。

 

 

 

 

奈々もカナベラルにマギを入れてみるが、なにも起こらない。

 

 

 

 

奈々「なら…!」

 

 

 

 

 

奈々は再びカナベラルにマギを入れてみた。

 

 

 

 

 

 

すると、カナベラルが起動した。

 

 

 

 

史房「CHARMが…どうして…!?」

奈々「マギの質を変えてみたんですよ。チャンネルの周波数を変えるように。基本中の基本ですよ。レアスキルは封じられたままですけどね」

史房「いや、そんな芸道、他のリリィには出来ません!」

奈々「ブルーガードで覚えた基礎なんですけどね…」

史房「………ブルーガードが最強のリリィ部隊だという事がよく分かりました」

 

 

 

 

奈々のずば抜けた強さに関しては触れないでおこうと思った史房だった。

 

 

 

 

奈々「とにかく、戦えるのは私だけのようですし、このまま黒い物体の元へ向かいます。皆には史房さんから伝えてくださいね」

史房「待って!マギが使えるからって、一人で行くのは危険よ!」

奈々「あれを放っておく方がよっぽど危険ですよ。あれがヒュージなら…何か仕掛けてくる前にこちらから仕掛ける。それしか手はありません」

史房「でも!」

奈々「行ってきます!」

 

 

 

 

そう言って奈々は史房を置いて黒い物体の元へ跳んでいった。

 

 

 

 

史房「奈々さん!」

 

 

 

 

呼び止めるにも声は届かず、史房はただ見届けるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方奈々は、目の前に見える黒い物体を発見した。

 

 

 

3つの黒い物体の下には大きなクレーターが出来上がっており、それぞれが黒い帯のようなエネルギーで繋がって、その頭上には巨体な黒のエネルギー体が生成され、その中から巨大な赤いヒュージを生み出した。

 

大きさからして、ギガント級を思わせるサイズである。

 

体から下の部分は西洋の騎士が使うランスのような形をしており、頭部分は海上に現れたヒュージの頭に似ていた。

 

頭上には4つの三日月型のエネルギー体が天使の輪を思わせる配置に並び、浮いていた。

 

本体の身体には3枚の巨大なブレードの翼がくっついていた。

 

 

 

3つの黒い物体はヒュージにマギを全て吸われ、動かなくなっていた。

 

そして巨体な黒のエネルギー体は消えてなくなり、ギガント級のヒュージが姿を現した。

 

 

 

奈々「あれが結界を作った犯人か…見た限りギガント級か…!」

 

 

 

 

奈々はその赤いヒュージに向かって前進する。

 

 

 

と、ここで奈々はヒュージに近づくに連れて、何かの感情が流れてるのを感じ取った。

 

 

 

 

 

奈々「この狂気に満ちた何か…ルナティックトランサーのものに似てる…」

 

 

 

 

仮に結界を破っても、この狂気に触れたら普通のリリィは敵味方区別なく暴れてしまうだろう。

 

 

戦えるのは自分だけだと再確認した奈々。

 

 

そして、右手に持ったカナベラルを強く握る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「さて、1週間ぶりの戦闘なんだ。私のリハビリに付き合ってもらうよ!」

 

 

 

奈々はヒュージを前に戦闘体制に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私も戦うよ!」

奈々「!?」

 

 

 

 

遠くから声が聞こえ、梨璃がグングニルを持って奈々の元へ跳んできた。

 

花の髪飾りは新品の物に取り替えていた。

 

 

 

 

奈々「り、梨璃ちゃん、戦えるの!?というか、何ともないの!?」

梨璃「うん。このヒュージから凄い敵意と憎しみを感じるの」

奈々「やっぱりか…私も同じ答えだよ。あと、それ新しい髪飾り?」

梨璃「うん。楓さんが作ってくれたの」

奈々「あの子も中々器用だな…」

 

 

 

 

 

彼女…梨璃のグングニルは起動している。

 

CHARMが起動してる所を見ると、マギは問題なく使えるようである。

 

レアスキル…カリスマのお陰なのか…

 

それなら他のカリスマ持ちのリリィがこっちに来ている筈である。

 

いないということは、この結界でカリスマも使えなくなってるという事である。

 

しかし何故同じカリスマ持ちの梨璃だけは何ともないのか…

 

 

 

考えてもしょうがないので、今は目の前のヒュージを倒すことに集中する事にした。

 

 

と、ここで梨璃が奈々のCHARMに気が付く。

 

 

 

 

 

梨璃「CHARM、もう直ったの?」

奈々「ようやくね。でもこの結界の中だと威力がね。マギインテンシティも意味をなさないし」

 

 

 

 

マギインテンシティはマギの強度の事をいい、これが高いとノインヴェルト戦術の時に作るマギスフィアが更に強くなるのだ。

 

ヒュージのサイズが大きければその分浴びるマギも多くなる。

 

奈々のCHARM…カナベラルとブルメリアは、他のCHARMよりマギの消費が多く、その分威力も高い。

 

マギインテンシティが高い時にそのCHARMは効果を発揮する。

 

 

しかし、ヒュージが放った結界のせいでマギが拾えなくなり、カナベラルは本来の性能を発揮できないでいた。

 

更にはレアスキル、サブスキルが封じられてる。

 

リリィにとってレアスキルとサブスキルはヒュージの戦いに大きく影響する為、これが封じられることはまさに致命的である。

 

 

なのでこのままではヒュージを倒せない。

 

まずはこの結界を何とかしなければならない。

 

 

 

 

しかしヒュージはまだこちらに気付いていない。

 

 

相手が向いてる先は百合ヶ丘女学院の方である。

 

 

 

そうはさせないと、梨璃はグングニルのシューティングモードで弾を放つも、弾き返されてしまう。

 

 

 

 

奈々「射撃じゃ効果が薄いか…」

 

 

 

 

それだけ相手の防御力が高いのがよく分かった奈々。

 

 

 

 

梨璃「ちょっと!…じゃなくて、コラー

!!そこのヒュージ!あなたの相手は私達よ!他の誰にも手出しはさせないんだから!」

奈々「それとも、あんたじゃ私達に勝てないの?」

 

 

 

 

と、ヒュージを挑発する二人。

 

 

すると、ヒュージがマギの弾幕を放ってきた。

 

 

 

奈々「散開!」

梨璃「!」

 

 

 

梨璃と奈々は左右に別れて飛び、弾幕をかわした。

 

 

 

梨璃「今は出来るだけ時間を稼がないと!」

奈々「確かに、現場このまま攻撃しても無駄にマギを消耗する。とりあえずアイツのマギを消耗させる!」

 

 

 

 

マギは高ければその分攻撃力や防御力に影響する。

 

 

マギが減っていけば攻撃力と防御力が落ちるため、このタイミングがヒュージを倒すチャンスでもある。

 

 

その為には、このヒュージの攻撃を長時間耐えなければならない。

 

ヒュージの弾幕をかわし続ける二人。

 

 

 

 

しかしヒュージの攻撃は弾幕だけではなかった。

 

 

なんと、左右に浮遊する翼を飛ばしてきたのだ。

 

 

 

奈々「そうきたか…!」

 

 

 

この手の攻撃は想定済みで、奈々は大きくかわす。

 

 

梨璃も向かってくる翼に対応し、大きく避けた。

 

 

 

二人は問題なく敵の攻撃を回避しているが、次第にヒュージは前進し始め、百合ヶ丘に向かっていた。

 

 

 

 

奈々「くっ、私達は眼中にないのか!」

 

 

 

少し不味くなってきた…

 

先程の翼をもし百合ヶ丘に飛ばしてきたら今度は避けるわけには行かない。

 

とはいえ、今の奈々があの翼を受け止め続けたらこちらのマギが大きく消耗してしまう。

 

しかし、奈々にそんな選択をする余裕は納った。

 

 

 

 

奈々は真っ先に駆け付け、百合ヶ丘の前に立った。

 

 

 

 

梨璃「奈々ちゃん!?」

奈々「百合ヶ丘には、何一つ触れさせはしない!」

 

 

 

そう告げる奈々を前に、ヒュージは再び無数の弾幕をばら蒔いてきた。

 

 

 

対し、奈々はカナベラルに加え、左手で腰につけたブルメリアを抜き、弾幕を次々と弾き返していった。

 

校舎には被害は無いものの、二刀流となればその分マギの消費が早まるか、そんなことを考えてる余裕はない。

 

 

ところがヒュージは弾幕を撃ちながら、翼の1つを奈々に向けて射出した。

 

 

 

奈々「な!?」

 

 

 

レアスキルを封じられてる今の奈々は弾幕を防ぐだけで手一杯で、ブレードを受け止める程の余裕がない。

 

止めないと、校舎が破壊される。

 

 

 

 

しかしそこへ梨璃が割り込んできた。

 

 

 

 

梨璃「学園はやらせない!」

奈々「駄目だ!逃げて!」

 

 

 

 

射出された翼が梨璃に迫ってきた。

 

 

 

 

 

すると、奈々が弾き返していた弾幕が止んだ。

 

すぐに梨璃の前に周り、その巨大な翼を奈々はブルメリアをしまい、カナベラルを両手で持ったまま受け止め、横に弾き飛ばした。

 

 

 

 

 

しかしそこへ、もう片方の翼が飛んできた。

 

 

 

奈々「やば!?」

 

 

 

奈々は回避したいが、動作が間に合わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「情けないわよ。奈々」

奈々「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、声と共に現れたのは、巨大な剣を持った白い髪の少女…夢結だった。

 

夢結は巨大な翼を大剣のCHARMで弾き返していた。

 

 

 

 

奈々「ゆ、夢結さん!?」

梨璃「お姉様!」

 

 

 

 

夢結は奈々と梨璃の方を向いた。

 

髪は白く、瞳の色は赤く光っているが、表情は普段の夢結と同じであった。

 

 

 

 

夢結「梨璃、無茶はしないでって前に言ったはずよ。それと奈々、私のライバルはこの程度で苦戦するの?」

奈々「言ってくれますね…というか、ルナティックトランサー問題なく使えるんですか?マギも溢れてるようですが…」

 

 

 

本来、結界のせいでマギは使えないはずなのに、夢結の体にはマギが溢れていた。

 

 

 

夢結「この子のお陰よ」

 

 

 

 

夢結は持ってた剣を二人に見せた。

 

 

 

 

奈々「それは…!」

梨璃「ダインスレイフ!」

 

 

 

 

夢結が持ってたCHARMは、前に戦ったヒュージ…ドンノロッシェンの体内に刺さっていた、2年前に行方不明になった夢結のダインスレイフだった。

 

回収後…工廠科に預けられたのを夢結が持ち出してきたようだ。

 

ボロボロだった機体は修理され、新品同様になっていた。

 

 

夢結がマギ、レアスキルを使えるのは、今持ってるダインスレイフのお陰であることは間違いないだろう。

 

しかしダインスレイフには元々そんな機能は持っていない。

 

恐らく、ドンノロッシェンの体内に刺さっていたときにこの結界に対する耐性が付加されたのだろうか…

 

 

 

 

と、考えてる余裕はない。

 

 

 

夢結「梨璃、後ろは任せたわ。奈々、やれるわね?」

梨璃「はい、お姉様!」

奈々「誰に言ってるんですか?当然ですよ!」

夢結「ふふ、行くわよ!」

 

 

 

 

夢結と奈々が前進し、その後ろを梨璃が追うようにヒュージに向かっていく。

 

 

 

対し、ヒュージは再び翼を夢結達に向けて飛ばすが、夢結のダインスレイフに再び弾き返される。

 

もうひとつの翼も飛ばすが、こっちは奈々がカナベラルで弾き返していた。

 

 

次にヒュージは弾幕をばら蒔いてきた。

 

これも問題なく夢結と奈々が全て弾き返していった。

 

 

 

 

奈々「弾幕がまだ激しい…」

夢結「これじゃ先に私達のマギが尽きるわね…早く突破口を見つけないと…」

 

 

 

そういってる内に後ろから飛ばした翼が戻ってきて、梨璃に狙いを定めた。

 

 

 

梨璃「!?」

夢結「梨璃!」

奈々「夢結さんここは任せてください!梨璃ちゃんを!」

夢結「ええ。お願い!」

 

 

 

弾幕を奈々に任せ、梨璃の方へ向かう夢結。

 

 

 

 

夢結「梨璃!避けて!」

梨璃「はい!」

 

 

 

夢結の呼び掛けで梨璃は横に離れ、夢結は向かってきた翼を弾き返すも、今度は夢結が弾き飛ばされる。

 

 

すると、ヒュージは夢結に狙いを定め、マギのビームを放とうとした。

 

 

 

奈々「まずい!!」

 

 

 

 

奈々は弾幕を防ぐだけで手一杯。援護には迎えない。

 

 

 

 

夢結(避けられない…!?)

梨璃「お姉様ー!!」

 

 

 

 

必死で夢結の元へ向かう梨璃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梨璃(もう誰にも結梨ちゃんみたいな事になってほしくない…もう誰にも悲しませたくない…!!)

 

 

 

 

 

突然梨璃にとてつもないマギの光が放たれた。

 

光はヒュージの溜めたマギを浄化し、結界をも中和していった。

 

そして空は日の光に照らされた。

 

 

 

 

 

夢結「結界が晴れた……これは…!?」

奈々「カリスマのレベルじゃない……この力は…!」

夢結「梨璃!」

 

 

 

 

夢結と奈々は梨璃の元へ駆け付けた。

 

 

 

 

梨璃「お姉様、怪我はありませんでしたか?」

夢結「ええ。貴女のお陰……って梨璃、その髪の色!」

梨璃「色?」

奈々「マイ手鏡」

 

 

 

 

奈々は金属製の手鏡を梨璃の方に向けた。

 

 

 

 

梨璃「…………ええーっ!!!??」

 

 

 

 

 

梨璃は驚愕した。

 

 

それもそのはず。

 

 

 

 

 

なんと、梨璃の髪の色が薄紫色に変化していたのだ。

 

 

 

 

梨璃「色が変わってる……!」

夢結「神宿り…いや、それじゃあマギの色が違う…」

奈々「ラプラス……!」

夢結「え?」

 

 

 

奈々が聞き慣れない名前を二人の前で出した。

 

 

 

奈々「カリスマの上位スキル…それがラプラス」

夢結「上位スキル!?」

梨璃「奈々ちゃん、カリスマはレアスキルじゃなかったの?」

奈々「まだ解明はされてないけど、カリスマはサブスキルだったんだよ」

夢結「初耳よ奈々、何故貴女がそのレアスキルを知ってるの?」

奈々「ブルーガードにいた時にラプラスに関する資料があって、かつて一人のリリィがラプラスを使って仲間と共にアルトラ級を倒したという記録が残っていたんです」

夢結「アルトラ級を?」

梨璃「じゃあ私のレアスキルって…!」

奈々「ラプラスの可能性が高いよ。その輝きはカリスマの比じゃないもの」

 

 

 

 

そう言って奈々は晴れた空を見る奈々。

 

 

 

 

夢結「結界が晴れたのは、ラプラスの力によるものなのね」

奈々「そういうことです。結界もかなり弱まったし、これなら私もレアスキルが使える。今ならヒュージの力も少し弱まってる筈です」

夢結「そう言うけど、ラプラスがあるからって私達だけで勝負になるの?」

奈々「結界が弱まっても、近付けば普通のリリィが暴走する効果が残ってますからね。大丈夫ですよ。こっちには梨璃ちゃんのラプラス…カナベラルとブルメリア、それにダインスレイフもあります。それに一柳隊も流石に黙ってないでしょ」

梨璃「うん。みんなも今ごろやっつける方法を考えてる筈」

奈々「それ、もうやってるみたい」

梨璃「?」

 

 

 

 

 

すると、何かが発射された音が周りに響いた。

 

銃声の音である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BGM 君の手を離さない~BOUQUET ver.~

 

 

 

 

なんと、遠くからマギスフィアが飛んできた。

 

 

 

 

梨璃 夢結「マギスフィア!」

奈々「あれは雨嘉ちゃんが撃ったのか?それにあんな遠くから…梨璃ちゃん、ノインヴェルトの弾を誰かに渡したとか?」

梨璃「うん、万が一の為に楓さんに渡しておいたの」

 

 

 

 

梨璃はヒュージと出会う前に、ノインヴェルトの弾を楓に渡したらしい。

 

今ノインヴェルトを行っているのは梨璃、夢結を除く一柳隊のようだ。

 

 

 

 

梨璃(みんな…気付いてくれたんだ…!)

夢結「軍隊連鎖超距離射撃(レイドチェイン・オーバーレンジ・ブースト)…あれを行ってるの!?」

奈々「確か接近が不可能なヒュージに対抗する戦術だったような…」

 

 

 

 

と考えている内にマギスフィアはヒュージの横を通りすぎていき、反対の森に向かい、再び跳ね返った。

 

 

 

二水「はわわわわ!すみませーーん!お願いしますーー!!」

 

 

 

 

遠くから二水の声が響いた。

 

 

 

 

奈々「さっきパスしたのは二水ちゃん!?」

 

 

 

 

そして跳ね返ったマギスフィアの先は…

 

 

 

 

楓「いいえ、良いパスですわよ!」

 

 

 

 

 

反対側から飛んで現れた楓がジョワユーズでマギスフィアをパスして打ち返した。

 

この様子を見た3人は…

 

 

 

 

 

奈々「活路が見えてきましたね!」

夢結「今のうちにヒュージの気を逸らすわよ!」

梨璃「はい!」

 

 

 

 

夢結のルナティックトランサーは継続しており、梨璃のラプラスの力で安定かつ強化されている。

 

奈々はマスカレイドを使い、ヘリオスフィアを発動した。

 

 

 

 

梨璃「奈々ちゃん?」

奈々「梨璃ちゃんのお陰でヘリオスフィアの効果も上がってるからね。今ならヒュージの弾幕を防げる!」

夢結「頼もしいわね…行くわよ!」

 

 

 

奈々達が飛び出し、ヒュージに向かっていく。

 

ヒュージも向かっていく3人に対し、弾幕をばら蒔くが、奈々の強化されたヘリオスフィアによって弾かれてしまう。

 

夢結と梨璃はお互いのCHARMをシューティングモードに変形させ、射撃でヒュージのマギを少しでも削らせていく。

 

奈々はヒュージの身体の上に着地し、直接頭部の宝石部分をカナベラルで攻撃し、何度も傷を付けていく。

 

 

結界が弱まり、マギインテンシティの高さで威力が底上げされたカナベラルの一撃でも、痛手には程遠い。

 

それだけヒュージのマギが多いのだ。

 

 

 

 

 

しかしヒュージのマギは次第に削られている。

 

そしてヒュージの狙いは奈々達に向けられている。

 

その間に一柳隊はノインヴェルトを着実に進めていく。

 

 

 

 

 

梅「何かいつもより調子良いな〜!」

 

 

 

飛翔した梅がタンキエムでマギスフィアを受け止め、ミリアムに飛ばした。

 

 

 

 

ミリアム「ワシは絶好調じゃ!」

 

 

 

 

今度は高く跳んだミリアムがニョルニールで受け止め、次のパス相手である鶴紗に飛ばした。

 

 

 

 

鶴紗「いつもより体が軽い…!」

 

 

 

 

同じく跳んだ鶴紗がティルフィングで受け止め、神琳に向けて飛ばした。

 

 

 

 

神琳「夢結様、梨璃さん!」

 

 

 

 

神琳がマソレリックでマギスフィア受け止め、奈々達の方へパスした。

 

マギスフィアを確認すると、夢結は一旦ルナティックトランサーを解除する。

 

 

 

 

梨璃「マギスフィアが来ました!」

夢結「分かってるわ!梨璃、私がパスするから、フィニッシュは貴女が!」

奈々「ん?ヒュージが…!」

 

 

 

 

 

奈々がヒュージの動きに気付いた。

 

 

なんと、ヒュージにくっついている三枚の翼が分離し、合計9枚の翼になり、その1つが飛んでくるマギスフィアを受け流すように取る。

 

 

 

 

夢結「嘘!?」

神琳「何ですって!?」

 

 

 

 

そのマギスフィアは円状に並んだ9枚の翼に流れていくかのようにヒュージの周りを回っていった。

 

そしてマギスフィアも、ヒュージのマギを吸収したせいなのか、黒く染まっていく。

 

 

 

 

楓「マギスフィアが横取りされた…!?」

 

 

 

 

 

一方奈々達の方も………

 

 

 

 

奈々「ノインヴェルトのマネとは小癪な事をするなぁ、あのヒュージ…!」

夢結「失敗だわ!」

奈々「いや、好都合!この際ヒュージのマギも利用しましょう。二人は下がって……」

梨璃「私行きます!」

 

 

 

 

奈々の話を聞かずに梨璃は取られたマギスフィアを取り返しにヒュージの翼に向かう。

 

それを見た夢結も梨璃を追っていく。

 

 

 

 

奈々「って、二人とも無視!?」

 

 

 

奈々は先行した二人を追う。

 

 

 

 

夢結「梨璃!たまには私の言う事を聞いたらどうなの!?あなたは!」

梨璃「た、たまには!?」

 

 

 

 

シューティングモードによる範囲攻撃でヒュージを妨害する二人。

 

 

 

 

夢結「シュッツエンゲルなのよ、私は!なのに梨璃は私の言う事を何時も聞かなくて!」

梨璃「ええっ!?お姉様は私の事をそんな風に思ってたんですか!?」

 

 

 

 

今まで言えなかった愚痴を梨璃に暴露する夢結。

 

そう言いながらいい連携を取る。

 

 

 

 

夢結「そうでしょ!?あなたは何時も気が付けば置いてけ堀にして!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢結「自分より、他人の事に一生懸命で…!」

 

 

 

と、笑顔で言う夢結。

 

そんな梨璃だからこそ夢結は梨璃とシュッツエンゲルの契りを結んだのかも知れない。

 

 

 

 

奈々「昔の夢結さんに戻ってきましたね…!」

 

 

 

 

と、感心する奈々は縮地を使って真っ先にマギスフィアをカナベラルでキャッチした。

 

 

 

 

奈々「よし!」

夢結「駄目よ!マギを吸いすぎている。チャームが侵食する…!」

奈々「そんなことはわかってますよ!」

 

 

 

 

 

そう言って奈々は腰に着けたブルメリアを抜き、マギスフィアに当てた。

 

 

すると、黒く染まってたマギスフィアが綺麗な色に浄化された。

 

梨璃のラプラス…奈々のブルメリアの浄化機能とヘリオスフィアの浄化効果を駆使すれば、

マギスフィアの浄化は可能である。

 

 

 

 

梨璃「マギスフィアが…!」

奈々「この程度のなら大したこと…って!?」

 

 

 

と、話してる内に3枚の翼が奈々に襲いかかった。

 

体をひねくらせて避けるものの、マギスフィアを遠くへ弾いてしまう。

 

 

 

奈々「ヤバ!急いで回収…!」

「マギスフィアはこちらに任せて。ヒュージを頼む」

 

 

 

 

遠くから綾瀬の声が大きく聞こえてきた

 

 

 

 

 

奈々「綾瀬ちゃん!?」

 

 

 

 

一方遠くの場所では、綾瀬がイージスをもって他のリリィ達に指示を出していた。

 

 

 

綾瀬「各自、二人同時にパスして!10回パスしたら3人!更に10回パスしたら4人と、人数を増やしながらパスしてくれ!」

天葉「了解!行くよ、樟美!」

樟美「はい、天葉お姉様!」

 

 

 

 

こぼしたマギスフィアを最初に駆けつけたのは天葉と樟美である。

 

グラムと白雪でマギスフィアを受け止め、気合いを入れて次の者達へパスする。

 

 

 

 

依奈「壱!亜羅椰!」

亜里奈「かなりのマギが溜まっていますよ。気を付けて!」

 

 

 

次は衣奈と亜里奈が小剣のミミング、アステリオンでマギスフィアを受け止め、壱、亜羅椰の方へパスした。

 

 

 

 

壱「望む所!」

亜羅椰「後は頼むわよ!」

 

 

 

アロンダイト、マルミアドワーズでマギスフィアを受け止める壱と亜羅椰。

 

 

 

壱 亜羅椰「皆!!」

 

 

 

 

次のリリィ達へパスする二人。

 

 

 

 

 

次第に他のリリィ達も現れては、マギスフィアをパスしていく。

 

 

アールヴヘイムだけでなく、レギンレイヴ…エイル…サングリーズル…ローエングリン等、百合ヶ丘の全レギオン、全リリィが参加してきた。

 

 

 

梨璃「マギスフィアが…まだ…!」

夢結「皆が繋いでくれているんだわ!」

 

 

 

この状況を逃さないかのように、ヒュージが9枚の翼を他のリリィ達へ飛ばしてきた。

 

 

 

奈々「邪魔するなぁー!!」

 

 

 

奈々はルナティックトランサーを発動し、補助としてインビシブルワンも発動。

 

身体強化と高速化による高速攻撃で、翼を次々と叩き割っていく。

 

 

ノインヴェルトをヒュージが行ったことで、防御力は激減し、カナベラルで壊せるほど脆くなっていたのだ。

 

 

 

 

 

閑「行っけーーー!!!」

 

 

 

エイルのリリィ達が…

 

 

 

汐里「ヤァッ!!」

 

 

 

レギンレイヴのリリィ達が…

 

 

 

 

史房「仕方無いわね!!」

 

 

 

 

3人の生徒会長のリリィも…

 

 

 

 

百由「あははははは!!」

涼「はっ!!」

 

 

 

 

アーセナル達も…

 

 

 

 

広夢「それ!!」

 

 

 

 

ローエングリンのリリィ達も…

 

 

 

 

那岐「いくよ、ロザ!」

ロザリンデ「ええ!」

 

 

 

ロザリンデと那岐が…

 

 

 

 

茜「合わせて!!」

月詩「うん、あかねえ!」

弥宙「奈々だけにいいかっこはさせない!」

辰姫「私達アールヴヘイムをなめないで!」

 

 

 

 

残りのアールヴヘイムメンバーが…

 

 

すべてのリリィ達がマギスフィアを次々とパスしていく。

 

 

 

 

そして同時に、CHARMも壊れていく…

 

 

 

そしてマギスフィアは綾瀬の方に向かい、綾瀬はイージスでマギスフィアを受け止めた。

 

防御に特化したイージスなら今のマギスフィアを問題なく受け止められる。

 

 

 

 

 

綾瀬「梨璃、夢結様、受け取って!」

 

 

 

綾瀬は梨璃達に向けてマギスフィアをパスした。

 

 

 

 

奈々「夢結さん、マギスフィアが来ました!」

夢結「こっちも確認したわ」

 

 

 

 

ダインスレイフを梨璃と一緒に構え、フィニッシュの体制に入る夢結。

 

 

 

 

しかし、そこへヒュージの翼が再びマギスフィアを狙いに来た。

 

 

 

 

奈々「全部壊したのに再生はやっ!やらせるか!!」

 

 

 

 

すぐに奈々はマギスフィアを狙うヒュージの9つの翼に向かい、カナベラルとブルメリアによる連撃で壊していくが、最後の翼がマギスフィアに触れた直後に破壊したことで、マギスフィアはまた遠くへ弾いてしまう。

 

 

 

 

奈々「しまった!」

楓「ここはわたくし達にお任せあれ!」

 

 

 

 

マギスフィアの着地地点に一柳隊の7人が駆けつける。

 

 

鶴紗「私達も!」

梅「もう一度!」

神琳「CHARMを限界まで!」

雨嘉「全ての力を!」

楓「夢結様と梨璃さんに!」

二水「繋げます!!」

ミリアム「頼むぞ!ワシの!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ジョワユーズ!!」

「グングニル!!」

「ニョルニール!!」

「アステリオン!!」

「マソレリック!!」

「ティルフィング!!」

「タンキエム!!」

 

 

 

7人のCHARMがマギスフィアをキャッチし、そのまま力一杯、空にいる奈々の方へ飛ばした。

 

 

 

しかし、限界が来たのか、7人のCHARMが破損してしまった。

 

 

 

奈々「皆のCHARMが…!?」

楓「奈々さん!失敗したら承知しませんわよ!」

奈々「うん!この時を逃さない!」

 

 

 

マギスフィアの元へ向かう奈々。

 

 

しかしここで再び再生したヒュージの翼が立ちはだかる。

 

 

 

 

奈々「ほんとに再生早いな!!」

 

 

 

 

しかし、突然その翼が一刀両断され、爆散した。

 

なんと、そこには黒鉄を持ったスーツ姿の女性…如月出雲の姿があった。

 

 

 

 

 

奈々「先生!」

出雲「話は後だ。マギスフィアを取れ!」

奈々「はい!」

 

 

 

 

奈々は空に浮いたマギスフィアをキャッチした。

 

いや、正確にはカナベラルから発するマギのネットでマギスフィアをキャッチしたのだ。

 

 

 

そして最後にパスするのは……

 

 

 

 

 

奈々「夢結さん!梨璃ちゃん!行きますよ!!」

夢結「ええ!」

梨璃「お願い!」

 

 

 

 

奈々は夢結と梨璃の方へキャッチしたマギスフィアを発射した。

 

 

そして奈々はカナベラルとブルメリアを合体させ、合体剣カナリアにした。

 

 

 

 

 

奈々「解き放て!カナリア!!」

梨璃 夢結「はあああああー!!!」

 

 

 

そして夢結と梨璃も飛び、飛んでくる百合ヶ丘全リリィのマギがこもったマギスフィアをダインスレイフに取り込ませ、虹色の光を放ったままヒュージに向かって突進する。

 

 

ヒュージも危機を感じたのか、再び再生した無数の翼を夢結と梨璃に飛ばしていく。

 

 

 

 

奈々「最後まで往生際が悪いよ!!」

 

 

 

 

カナリアを構えた奈々は加速し、再び再生した無数の翼を意図も簡単に破壊していく。

 

 

 

 

奈々「いい加減に消えろぉ!!!」

 

 

 

 

 

そしてそのままヒュージに向かって、強烈な横一閃を決め、ヒュージの上と下を分ける。

 

更に夢結と梨璃のダインスレイフによる一刀両断によってヒュージは更に左右に別れた。

 

 

 

 

 

 

ヒュージは絶命し、大爆発を起こした。

 

 

その爆発の規模は大きく、近くの岩や土等かえぐり飛ばされていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆風で近くの湖に飛ばされた梨璃、夢結、奈々は消滅したヒュージのいた場所を見届けた。

 

梨璃の髪の色は元の桃色に戻っていた。

 

 

 

 

夢結「やったわね…梨璃」

梨璃「はい。お姉様」

奈々「久しぶりに疲れた…」

 

 

 

奈々は湖の上で大の字になったまま動けないでいた。

 

 

 

 

夢結「奈々は相変わらず無茶をするわね」

奈々「今回はまだましな方ですよ。それに、カナリアの調子は良かったですし」

 

 

 

同じくこちらに流れたカナリアを見る奈々。

 

 

損傷はなく、刃溢れもなかった。

 

 

 

 

 

夢結「今回は壊れなかったみたいね」

奈々「メテオメタルで出来てますからね。今回のは」

梨璃「そのメテオメタル、私達のCHARMにも使えないかな?」

奈々「オススメしないよ」

夢結「?」

奈々「メテオメタルとメタルスキンは元々、キャバリアや戦艦のフレームに使われる金属で、CHARMに使っていい物じゃない。強度は優れてるけど、その分重い。同じ質量でグングニルを作ったら、多分持てないと思う。マギを込めても、一般のリリィじゃただ振り回すぐらいしか出来ないよ」

夢結「そんなものを貴女は今まで使ってきたのね…」

「「木葉、一柳、白井、応答しろ」」

 

 

 

出雲の声が聞こえてきた。

 

 

奈々の内ポケットに入ってる携帯からである。

 

奈々が戦闘を行う際には、携帯に入ってる無線アプリを常に起動しているのだ。

 

 

 

奈々「こちら木葉。遠くへ飛ばされましたが、夢結さん、梨璃ちゃん、共に無事です」

出雲「「わかった。ヘリを向かわせておく。お前達はその場で待っていろ」」

奈々「了解」

 

 

 

と、通信が切れた。

 

 

 

戦いが終わったことで、力を抜く奈々。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「…………………夢結さん、梨璃ちゃん、私は流木じゃないんだけど…」

 

 

 

いつの間にか、奈々の体に夢結と梨璃が乗っかっていた。

 

 

 

梨璃「ごめんね奈々ちゃん。流石に疲れたから」

夢結「まさか、私と梨璃をこのまま溺れさせるつもり?」

奈々「分かりましたよ。どうぞ好きなように」

 

 

 

 

 

ヘリが到着するまでの約30分間…奈々は夢結と梨璃の浮き袋になっていた。

 

 

 

 

 

 

その後…大型ヒュージの爆発によって天然の温泉が吹き出し、急遽の突貫工事で露天風呂が完成した。

 

 

梨璃は工廠科の方でレアスキルの再確認が行われた後に夢結と一緒に露天風呂へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方奈々は露天風呂には行かず、工廠科の方へ向かった。

 

 

 

工廠科の工房へ入ると、涼と綾瀬が破損したCHARMの修理をやっていた。

 

先程戦ったヒュージ…オートケプヒンを倒した時の代償は大きく、奈々、夢結、梨璃、綾瀬、涼、出雲を除く全てのリリィのCHARMが破損し、戦える戦力は限られてしまった。

 

 

夢結が持ってたブリューナグは梨璃が壊してしまった模様。

 

 

 

今ヒュージが来たら、残った5人で対処するしかない。

 

 

 

奈々「今のとこ順調?」

綾瀬「うん。一柳隊のCHARMを先に直してるところだよ」

 

 

 

 

今、綾瀬と涼が優先して直してるのは一柳隊のCHARMである。

 

こちらは損傷が軽く、真っ先に修理が終えるようだ。

 

 

 

 

涼「あの楓がジョワユーズの修理を僕に任せるなんて思わなかったけど、任された以上は責任もって直さないとね」

奈々「認めてるんだろうね。涼ちゃんの腕を」

綾瀬「奈々、君がここに来たのは他に理由があるんだよね?」

奈々「察しがいいね」

 

 

 

 

奈々は本題に移る。

 

 

 

 

奈々「梨璃ちゃんのレアスキル鑑定はどうなったの?」

綾瀬「…………ラプラスに関する反応は無かったよ。マギも平均値のまま。カリスマは本来以上の効果を出せるみたい」

奈々「そうか…」

 

 

 

 

 

ではオートケブヒンとの戦いで放ったあの力は何だったのだろうか…

 

ラプラスに関する謎が増えたと、奈々は思った。

 

 

 

 

 

 

と、ここで奈々が隣に立て掛けたダインスレイフを見つける。

 

 

 

奈々「ダインスレイフはもう終わったの?」

綾瀬「その必要はないよ。ほとんど損傷なしだったからね。それにこの年に現れた特殊なヒュージはこれの影響があったからね」

 

 

 

 

 

 

 

2年前…甲州撤退戦で、命を落とす前の美鈴は最後にこのダインスレイフを持っていた。

 

美鈴が命を落としてからそのダインスレイフはヒュージの体内に取り込まれたのち、ヒュージネストに運ばれ、様々な影響を及ぼした。

 

 

 

 

CHARMの力を使うドンノロッシェン。

 

 

 

ヒュージネストからマギを供給し、強力なビームを放ったハレボレボッツ。

 

 

 

 

そして擬似的なノインヴェルトを再現したオートケプヒン。

 

 

 

 

 

これらはダインスレイフから手にいれた力なのかもしれない。

 

 

 

 

しかしまだひとつ、謎があった。

 

 

それは、オートケプヒンが何故百合ヶ丘を狙いに向かったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「…………もしかして…!」

綾瀬「私も同じ答えだと思ったよ。後で理事長代理に聞いてみたら?」

奈々「そうしてみるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜…梨璃と夢結がとある重要な話の後、理事長室から帰っていった後に奈々が入ってきた。

 

 

 

 

 

奈々「失礼します理事長代理。話があります」

「話?」

 

 

 

灰色のロングの少女もそこにいた。

 

 

 

 

百合ヶ丘女学院 2年生 エイル 隊長 秦祀(はた まつり)

 

 

 

 

咬月「木葉君か…話とは?」

眞悠理「その顔だと、かなり重要な話みたいですね」

奈々「今回のヒュージについてですが、敵は百合ヶ丘を狙いにやって来ました。まるで…何かに引き寄せられているように…」

史房「何かに?」

咬月「本題を聞こうか」

 

 

 

 

 

咬月の質問に奈々は本題を答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々「ありますね?マギリアクターがここに」

 

 

 

 

 

マギリアクターという単語に生徒会と皎月は驚く。

 

 

 

 

 

 

 

咬月「………その答えにたどり着くまでの理由を聞かせてもらおう」

奈々「はい。まずはマギリアクターについてですが、あれはヒュージを素材に扱う研究機関…マテリアルが作った永久機関装置です。その名の通り、マギを生み出す動力で、リリィ以外の者でもマギを扱う事ができます。小型のキャバリアならリリィでなくても動かすことができます。そしてこのマギリアクターには…ヒュージの核が使われています。といっても、全ての核が対応してるわけではありません。マギリアクターに使う核は、ギガント級の物でないと出力が足りないと、情報にありました。そんな便利なマギリアクターですが、実は危険すぎる余り、封印した型が存在します」

史房「封印した型?」

奈々「それが、ヴァーテクス。アルトラ級ヒュージの核を使った試作型マギリアクターです」

眞悠理「アルトラ級!?」

史房「何故危険と?」

奈々「アルトラ級ヒュージの核を使ったマギリアクターは他のマギリアクターよりも高出力で、それひとつで大型のキャバリアを動かせるほどの力を持っています。しかしアルトラ級の核は手に入れる事自体が難しく、三機しか作られていません。その中でもヴァーテクスは三機の中でも強力で、それ1つで戦艦を動かせるほどの力を持っています。ですが制御ができず、他のマギと干渉して暴走の危険性があることから失敗作として研究所の地下へ強固に封印されました。しかしある日、謎の集団がマテリアル社の研究所を攻撃しました。研究員、研究所のスタッフ達は皆殺され、ほとんどのマギリアクター…そして地下に封印されていたヴァーテクスも奪われました」

祀「酷い……」

奈々「ヴァーテクスに限らず、残りの二機もマギに干渉して起動する事がありますが、ヴァーテクスと違って反応するだけで安定性もいいです。襲われる前のマテリアルはこの2つの強力なマギリアクターを信用できる2つのガーデンに渡しました。その1つはブルーガードの拠点艦、クジラ船です。そしてそのもう1つが…」

咬月「百合ヶ丘という訳か…」

史房「それで百合ヶ丘にマギリアクターがあるその理由は?」

奈々「先程マギリアクターには他のマギに反応すると言いました。そして今回現れたヒュージは百合ヶ丘に向かって進みました。恐らく百合ヶ丘内に仲間がいると思っての行動だと。恐らくヒュージの高すぎるマギに反応し、稼動し始めたことでヒュージはそれに気づいたのかも知れません。リアクターにはヒュージの核を使ってますから」

 

 

 

 

奈々の話を聞き、咬月は…

 

 

 

 

 

咬月「うむ…君の予想通りだ。この百合ヶ丘の地下には、マテリアル社から受け取ったマギリアクター…フローラルハートが保管されている。あのヒュージのマギによって稼動し始めた以外は今も眠ったままだ」

奈々「そうでしたか…だとしたら、まずいですね」

祀「まずい?」

奈々「マテリアル社の研究所を襲撃した謎の集団…もうご存じの筈です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咬月「…………サンスベリア」

眞悠理「サンスベリア!?」

 

 

 

 

そう。マテリアル社を襲撃した集団はサンスベリアだったのだ。

 

 

 

 

奈々「ブルーガードにいた頃の私は、サンスベリアの活動目的の一部を聞かされています。その彼らの目的の1つが、アルトラ級ヒュージの核を使ったマギリアクターを手に入れる事です。前にクジラ船を襲ったこともありましたが、追い払うことが出来ました」

祀「相手はマギリアクターで何をするつもりなの…?」

奈々「わかりません…ただサンスベリアが人工ヒュージを所持してるとすれば、ヴァーテクスとの関係が大きいことは間違いありません」

咬月「それは私も同じ事を考えた」

奈々「稼動したマギリアクターの反応は強く広範囲にも及びます。超高性能マギレーダーを搭載したサンスベリアの戦艦なら探知されます。そして今頃サンスベリアにも伝わってる筈です。もう少ししたら、この百合ヶ丘を襲いにやって来ると思います」

祀「明日にはアルトラ級ヒュージの討伐に夢結さんと梨璃さんが向かうこの時に限って…」

史房「CHARMはまだ全て使えない。もし来られたら…」

眞悠理「間違いなく、壊滅しますね…百合ヶ丘が…」

咬月「………」

奈々「壊滅なんてさせません…」

 

 

 

 

 

奈々の言葉に咬月以外の者が驚く。

 

 

 

 

 

奈々「もう犠牲は生ませません………そのために私はここに戻ってきたんです…!」

 

 

 

 

奈々の顔には決意に満ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、百合ヶ丘から遠く離れた海の向こうでは移動する基地が待機していた。

 

 

その内部では、鎌倉周辺の地図が表示されたスクリーンテーブルを見るように複数の人間が囲んでいた。

 

サンスベリアの隊員達である。

 

 

 

「先程、マギリアクターの反応がレーダーに察知されました。ここです」

 

 

 

隊員の一人が鎌倉周辺の地図のとある場所に指を指す。

 

 

 

 

「百合ヶ丘女学院…先程大型ヒュージが現れて戦闘が起きた場所か」

「マギリアクターの反応はここで発見しました」

「百合ヶ丘は確かガーデンの中でも名門校でしたね」

「そこにあることは分かったが、問題はどうやって攻略するかだ。その百合ヶ丘は優秀なリリィが揃っている。一筋縄ではいかんだろうな」

「その心配は無い」

 

 

 

 

その場に、体がサイボーグのゴツい男性が入ってきた。

 

その姿は巨大な黒き鎧を来た男であり、身長は3メートル以上ある。

 

 

 

 

「ボルドー司令!」

ボルドー「百合ヶ丘は大型ヒュージとの戦闘でCHARMのほとんどを失ってるとの情報があった。そして今回その戦いに参加したリリィも明日任務の為に出るそうだ」

「それじゃあ今百合ヶ丘はハリボテ状態と?」

「しかしこの移動基地ではここから百合ヶ丘までは約2日かかりますが…」

ボルドー「CHARMの修理もすぐには終わらない。2日ほどかかっても問題はない。つくまでの間にヒュージの準備を済ませろ」

「わかりました。ただちに百合ヶ丘に向けて移動を開始いたします」

ボルドー「うむ。ギガント級の用意もな」

 

 

 

 

会議が終わり、隊員達は持ち場に戻っていった。

 

 

 

 

 

そして残ったボルドーと、突然現れた紫色長い髪の少女。

 

 

 

ボルドー「今、戻ってきたのか?」

「うん…疲れたからね。これから任務?」

ボルドー「ああ。百合ヶ丘に向けてこの基地を動かす。2日後、百合ヶ丘にあるマギリアクターを手に入れる。帰ってきたばかりですまないが、君にも出てもらう」

「いいよ。退屈してたところだし。CHARMの用意もお願い」

ボルドー「わかった。特注の物を用意しよう。期待しているぞ。双葉真里(ふたば まり)」

 

 

 

 

 

 

 

 

サンスベリア ラピュセル 双葉真里(ふたば まり)

 

 

 

 

 

真里「うん…任せて」

 

 

 

 

表情が余り変わってないが、真里は微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………

 

 

 

 

一柳隊「次回!Sacred world!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ついにオリジナルの敵の大将が現れました。

そして次回の話はオリジナル回です!
下北沢遠征の時よりもバトルシーンをふんだんに入れたいと思ってます。
そして次回のサブタイトルの名前ですが、あるシーンを次回の話に入れようと考えています。
どんな展開になるのか予想しながら次回の話を待っててくれたら嬉しいです。いつ投稿できるか分かりませんが、納得のいく話にしたいと思ってます。

それでは次回をお楽しみ!
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