アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

3 / 18
今回のお話は、アニメ4話の最初の後、1話の時間軸に入ります。

その間、奈々ちゃんはお休みです!
ごめんチャイ!


League of Gardens
「3」一柳梨璃は出会う


百合ヶ丘女学院 理事長室

 

 

中央の机には、理事長と書かれた札が置かれ、席には歳を取った男性が座っていた。

 

 

百合ヶ丘女学院 理事長代理 高松咬月(たかまつ こうげつ)

 

 

目の前のソファーには百合ヶ丘の制服を着た奈々が座っていた。

 

ちなみに奈々の制服は上着の代わりに黒のベストを着ている。

 

これは奈々からの要望で、学院は承諾してくれた。

 

 

高松「君が帰ってきた…と言うことは…」

奈々「はい。ブルーガードでの強化期間を終えてきました。2年前の悲劇を生み出さない為に」

高松「甲州撤退戦か…」

 

 

甲州撤退戦…

 

2年前に起きた、山梨県に大量発生したヒュージと戦った事件。

 

その戦いで、奈々は仲間を一人失った。

 

力不足を感じた奈々は、スカウトしてきたブルーガードに入り、様々な特訓をこなしていった。

 

全ては、あの時の悲劇を生み出さない為である。

 

 

奈々「それで、私の入るクラスの事ですが…」

高松「うむ。君のクラスは椿組となっている。初めて接触した3人との印象も良いと如月君からの要望だ」

奈々「それは私からお願いしたい所でした。ありがとうございます」

高松「礼は彼女に言ってほしい。木葉君、良き学院生活を期待してる」

奈々「はい。失礼いたしました」

 

 

 

奈々は高松理事長代理に礼を言いつつ、理事長室から出ていった。

 

 

そしてそのままカフェテラスにやって来た。

 

席には、紅茶を飲んでる夢結とテーブルに寄っ掛かってる梨璃の姿があった。

 

 

奈々「夢結さん、席空いていますか?

夢結「ええ。構わないわ」

 

 

奈々は夢結と梨璃の横の席に座った。

 

 

奈々「こうして夢結さんといるのも2年ぶりですね」

夢結「……私に言うことがあるんじゃないの?」

奈々「?」

夢結「何故私と先生に連絡しなかったの?帰ってくるなら連絡しても良かったのに」

奈々「あの時の夢結さんのままじゃ余計言えませんよ」

夢結「………確かにそうね。奈々、結構見違えたわね」

奈々「それなら夢結さんだって、シュッツエンゲルになるなんて、ビックリしましたよ」

夢結「梨璃のお陰よ」

 

 

夢結は優しい表情で奈々と話している。

 

 

奈々「で、肝心の梨璃ちゃんはというと…」

 

 

奈々は梨璃の方へ顔を向けた。

 

 

梨璃「えーへーへー…」

 

 

テーブルに寄っ掛かってる梨璃は、幸せな顔で弛んでいた。

 

 

奈々「完全に弛んでいる……」

夢結「梨璃。あなたそろそろ講義でしょ?予習は?」

梨璃「分かってはいるんですけど、今こうしてお姉様のお顔を見ていられるのが幸せで幸せで〜」

 

 

この完全に弛んでいる梨璃を見て奈々はカチンときて、梨璃の両肩を揺さぶった。

 

 

奈々「って、なーに弛んでるの!リリィなんだからもうちょっとシャキッとしなさいよ!!」

梨璃「そ、そんなこと、い、言われたって~…!」

 

 

奈々に揺さぶられても、梨璃は弛んだままである。

 

 

夢結(まさか、シュッツエンゲルになった途端にここまで弛むとは、迂闊だったわ…)

 

 

夢結は梨璃の変わり様に悩む。

 

と、そこへ二人の少女が通ってきた。

 

 

3年生 ロザリンデ・フリーデグンデ・フォン・オットー

 

銀色の長い髪が特徴。

 

 

3年生 田村那岐(たむら なぎ)

 

飴色の長い髪に黒いリボンを結んでいる。

 

 

那岐「あら、ごきげんよう」

ロザリンデ「ごきげんよう、奈々さん、「ゆり」さん」

 

 

梨璃と夢結にユリと呼んで通りすぎていった。

 

 

梨璃「え?あ、あはは……ごきげんよう」

奈々「ごきげんよう」

夢結「はて、ユリさん?誰かと間違えたのかしら…」

奈々「いや、あれは二人に言ってますよ。恐らく」

夢結「え?」

梨璃「ああそれ、カップルネームです」

夢結「カップルネーム?」

梨璃「これです!」

 

 

そう言って梨璃はカバンから新聞を取り出した。

 

タイトルには、リリィ新聞と書かれている。

 

作ってるのは二川二水。

 

内容にはこう書かれていた。

 

 

『号外』異色のシュッツエンゲル誕生!

 

その下には、夢結と梨璃の写真が左右に写され、真ん中には夢結×梨璃と印刷されている。

 

 

これを見て、奈々と夢結は言葉を失う。

 

 

梨璃「週間リリィ新聞の号外です。ほら、横に並べると、ユ・リ。って読めるんですよ。あはは、やだなぁ~ここまですることないのに~二水ちゃんったら~」

奈々「ふ、二水ちゃん…」

 

 

いつの間にか周りには、沢山の生徒が集まっていた。

 

みんなからユリ様とか言われまくっていた。

 

これに対し夢結の怒りが爆発しそうな事に危機感を感じた奈々。

 

 

奈々「ちょっとみなさん、これ以上夢結さんをからかうのは…」

夢結「!!!」

 

 

怒りが頂点に達し、髪の色が白く、目の色が紅くなった。

 

 

奈々「っておいー!!??」

梨璃「お、お姉様ー!!!??」

 

 

このあと、奈々と駆けつけた出雲によって夢結のルナティックトランサーは静まり、被害は出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

奈々「全く…あの状況でルナティックトランサー発動とか、洒落になりませんよ…」

夢結「ご、ごめんなさい…」

奈々「梨璃ちゃんも少し自重して」

梨璃「ご、ごめんなさい…」

 

 

梨璃と夢結は反省した。

 

 

出雲「夢結が時々暴走するのは日常茶飯事だ。気にするな」

 

 

出雲も奈々達と同じテーブルの席に座っていた。

 

 

夢結「先生…ルナティックトランサーを日常茶飯事と捉えるのはどうかと…」

出雲「それより問題は一柳だな。弛んでばかりいるのは良くない。だから一柳、お前に課題を与える」

梨璃「課題?」

 

出雲「お前を含めた9人で「レギオン」を作れ」

 

奈々「レギオン!」

梨璃「わかりました!……えっ、レギオンって、何でしたっけ?」

 

 

思わぬボケに二水が奈々達の所でずっこける。

 

 

梨璃「ふ、二水ちゃん?」

二水「ご、ごきげんよう…ははは…」

奈々「いつの間に…!」

出雲「二川、この馬鹿者にレギオンについて説明しろ」

二水「は、はい!」

 

 

二水が立ちあがり、レギオンに関して説明する。

 

 

二水「レギオンとは、基本的に9人1組で構成される、リリィの戦闘単位のことです!」

奈々「団体ならレアスキルによる恩師も受けれるから個人で戦うより戦闘が安定する。ラージ級以上の敵を相手にするならレギオンは重要だからね」

 

 

二水に合わせて奈々が繋げて説明した。

 

 

出雲「その通りだ。特にギガント級のヒュージはレギオンでないと倒すのは難しい。分かったか一柳」

梨璃「ええ、まあ…」

 

 

まだ完全に理解出来てない梨璃。

 

 

夢結「所で二水さん…」

二水「あ、はい!」

夢結「お祝い…ありがとうございます」

 

 

怖い笑顔で二水に圧をかける夢結。

 

 

二水「ど、どういたしまして……」

 

 

流石の二水も後退する。

 

 

奈々「自業自得だね…」

梨璃「でも、どうして私がレギオンを?」

出雲「最初に言ったぞ?お前は弛んでると。だから課題を与えた。せっかく白井とシュッツエンゲルの契りを結んだんだからリリィらしい所を見せたらどうだ?」

梨璃「わかりました!私、精一杯頑張ります!」

 

 

梨璃がやる気になったのか、席を立つ。

 

 

出雲「おお、やる気のようだな一柳」

梨璃「はい。何たってお姉様のレギオンを作るんですから」

 

 

梨璃の言葉に紅茶を飲んでた夢結が吹いてしまう。

 

 

出雲「……そうきたか」

二水「私もお手伝いしますね!」

梨璃「ありがとう。頑張るよ!」

二水「では早速勧誘でーす!」

梨璃「あ、待ってよ!二水ちゃん!」

 

 

と言って梨璃と二水は走っていった。

 

 

奈々「早!?」

夢結「わ、私の…?」

出雲「失敗も経験の内だが、あの梨璃なら簡単に達成できるだろう」

夢結「何故そう思えるんですか?」

出雲「勘だ」

 

 

レギオンの話を終え、今度は奈々が話しかける。

 

 

奈々「所で夢結さん、梨璃ちゃんとはどういう流れでシュッツエンゲルになったんですか?」

夢結「それ、答えなきゃ駄目なの?」

出雲「知らなくて当然か…丁度いい機会だ。お前に話しておこう。長いぞ?」

奈々「構いませんよ。梨璃ちゃんと出会ってからの話でいいですから」

出雲「白井もいいか?」

夢結「そうですね、構いません」

出雲「分かった。それでは話そう」

 

 

そう言って出雲は話す。

 

彼女が百合ヶ丘女学院の入学式当日の頃の話を……

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

 

とある駅で、スーツを着た一人の女性が電車を待っていた。

 

 

女性の名は如月出雲。

 

3年前に百合ヶ丘女学院に入学し、リリィとして活躍した者である。

 

そんな彼女が今日から教導官兼教師として、自分の学んだ経験と知識を新米リリィ達に伝える為に、百合ヶ丘女学院へ向かっている途中であった。

 

暫くして次の電車が止まり、出雲はその電車に入り、席に座った。

 

扉は締まり、電車は動き始めた。

 

 

電車は海岸の方へと走り出していた。

 

と、そこへ出雲は海の先に何かを見つけた。

 

 

それはまるで、海を吸い上げて渦を作った竜巻のようであった。

 

 

出雲「ヒュージネスト…か…」

 

 

ヒュージネスト

 

ヒュージの親玉的存在であるアルトラ級が作り出したもので、そこからヒュージを生み出し、他の地域を侵略して来る。

 

 

出雲「いつかはあの渦を消したい所だな…ん?」

 

 

出雲の近くに桃色の髪の一人の少女がやって来た。

 

黒い制服を着てる所、百合ヶ丘女学院の生徒だろう。

 

背中には、大きなアタッシュケースを背負っていた。

 

 

少女は声をかけてきた。

 

 

「あの…空いてますか?」

出雲「ご覧の通りがらがらだ。構わんさ」

「は、はい。ありがとうございます」

 

 

少女は出雲と向い合わせで座った。

 

 

出雲「お前、百合ヶ丘の入学生か?」

 

 

出雲が少女に声をかける。

 

 

「はい。貴女もですか?」

出雲「ああ。今日から教師を勤めるものだ。私は如月出雲だ」

「私は一柳梨璃です」

出雲「ふっ、宜しくな」

梨璃「こちらこそ!」

 

 

そう話してる内に電車は目的地の駅に止まり、出雲と梨璃は降りていった。

 

 

そのあと二人は百合ヶ丘に向けて徒歩で進んでいた。

 

 

出雲「お前は分かっているのか?」

梨璃「?」

出雲「百合ヶ丘に入るということは、リリィになることだ。リリィはヒュージと戦う使命を背負う事になる。分かっているか?」

 

 

出雲の質問に梨璃は少し戸惑いつつ、今のリリィになる気持ちを伝えた。

 

 

梨璃「私、2年前にリリィに助けてもらったんです。その時私は、助けてくれたリリィに憧れを抱いたんです」

出雲「………そうか」

梨璃「あのお方のようなリリィになってみんなを守りたいと…だから私は、そのリリィの通う百合ヶ丘女学院に入ろうと決めたんです」

出雲「なるほどな」

梨璃「まぁ、補欠合格ですけど」

出雲「どのような形であれ合格は合格だ。もし私がお前の担任になったら一人前のリリィにさせるため、しっかり叩き込んでやろう」

梨璃「お、お手柔らかに…」

 

 

そして二人は百合ヶ丘女学院の校門前までやって来た。

 

梨璃が進もうとした瞬間、1台の豪華な車が梨璃の前に止まった。

 

そして車のドアが開き、そこから黒い制服を着た茶色のウェーブがかかった髪の少女が出てきた。

 

見るからにお嬢様を思わせる外見である。

 

 

「ドア位自分で開けます。今日からは自分の面倒は自分で見なくてはならないんですから…あら?」

 

 

そしてその少女は出雲に目があった。

 

 

「ごきげんよう」

出雲「ごきげんよう」

梨璃「え?」

「貴女方、もう帰って宜しくてよ」

出雲「は?」

「私、付き人は必要無いと申し上げたんですのよ」

出雲「誰が付き人だ。私は教師だ。それにこの子は…」

梨璃「私は、百合ヶ丘の新入生です!」

 

 

梨璃と目があった瞬間、その少女は心に何かが撃たれたような快感を受ける。

 

 

(何何何ー!?このキラキラした瞳、さくらんぼのような唇…可愛い…可愛いすぎますわー!女の子の可憐さを全て合わせた方が今ここにー!)

梨璃「?」

 

 

快感を受けた少女は梨璃に近づく。

 

 

「貴女、お名前は?」

梨璃「は、はい。一柳梨璃です。よろしくお願いします」

 

 

梨璃の言葉を聞いた少女は再び快感を受ける。

 

 

 

(ああ…声までも可愛い…ああああ…!!)

 

 

出雲「お前はまさか、グランギニョルの総帥の娘か?」

 

 

出雲の質問に少女は正気に戻り、質問に答える。

 

 

「ええ。私は楓・J・ヌーベルと申しますわ」

梨璃「グランギニョル?」

出雲「有名なCHARMメーカーで、彼女はその総帥の娘だ。更に彼女は中等部時代、鎌倉府の5台ガーデンの一つ、聖メルクリウスインターナショナルスクールで大きな成果を残した優秀なリリィでもある」

 

 

その話を聞いた梨璃は憧れの眼差しで楓の手を握る。

 

 

梨璃「凄いですね!」

 

 

 

楓に三度目の快感が襲った。

 

 

楓(この憧れの眼差し…まっすぐに突き刺さる…私もう…やられてしまいましたわ……)

 

 

そう感じつつ梨璃に対する目の色を帰る楓。

 

 

楓「梨璃さん、人目見たときから、貴女に運命を感じましてよ」

梨璃「運命!?」

楓「きっと私達は、赤い糸で結ばれていますのよ」

梨璃「赤い糸?」

楓「照れているのね…可愛い方、顔が赤いわー」

 

 

と言って梨璃のお尻を触ろうとする楓。

 

しかし出雲によって阻止される。

 

 

出雲「セクハラは御法度だぞ」

楓「セクハラではございませんわ。私の手が長いだけですもの」

出雲「そんな下手な言い訳を…早く行くぞ」

 

 

楓を加えた出雲と梨璃は校門を通っていった。

 

 

と、そこへ…

 

 

「あーーーっ!!?楓・J・ヌーベルさんと如月出雲様!?」

 

 

目の前に梨璃より背の低い少女が楓と出雲を見て興奮していた。

 

 

「一人は有名CHARMメーカーグランギニョルの総帥の娘にして優秀なリリィ!もう一人は百合ヶ丘で戦神と呼ばれた最強のリリィ!」

 

 

そう力説してる内に二人の少女がやって来た。

 

一人はライトブラウンのロングヘアで、後ろ髪の一部を黒いリボンで纏めている少女。

 

 

1年生 郭神琳(くぉ しぇんりん)

 

 

もう一人は黒髪のストレートヘアで左側にシュシュも付けた緑の瞳の少女。

 

 

1年生 王雨嘉(わん ゆーじあ)

 

 

「ああ!台北出身の留学生で中等部時代から高い実力を発揮されている郭神琳さんと!優秀な姉と妹を持ったアイスランド出身の王雨嘉さん!ああやっぱり百合ヶ丘に入学できてよかったー!こんなに素晴らしいリリィ達に出会えるなんてー!!ぶふぉ!!?」

 

 

興奮していた為か、少女は鼻血を出してしまう。

 

 

梨璃「ど、どうしたの!?」

「ずびばぜん、興奮して鼻血が…」

 

 

鼻を指で詰まんで鼻血を押さえる少女。

 

 

楓「なんですの貴女は…」

「私、有名なリリィに会うと興奮して鼻血を出してしまうんでふ…」

出雲「大丈夫なのか?」

「はい、いつもの事ですから…所で貴女は?」

 

 

鼻血は止まったようだ。

 

 

梨璃「私、一柳梨璃っていいます」

「一柳さんですね。私は二川二水です。よろしくお願いします」

梨璃「梨璃でいいよ。こちらこそよろしくね。二水ちゃん」

二水「はい。梨璃さん」

出雲「あいさつは終わったな。早く行くぞ」

楓「行きましょう梨璃さん…とそこのちびっ子」

二水「ちびっ子!?」

梨璃「う、うん」

 

 

四人は校門を通ったあと校舎にたどり着く。

 

しかしそこで沢山の生徒が集まっていた。

 

 

梨璃「?」

二水「なんでしょう、揉め事でしょうか?」

出雲「私が先に見てくる」

 

 

梨璃達を残し、出雲は生徒の集まりへ向かう。

 

生徒達が見ていたのは、背中に武器らしき物を背負った小悪魔っぽい桃色のロングの1年生が、黒く長い髪の少女を睨んでいた。

 

 

「中等部以来お久し振りです、夢結様」

 

 

アールヴヘイム 1年生 遠藤亜羅椰(えんどう あらや)

 

 

夢結「何かご用ですか?遠藤さん」

亜羅椰「亜羅椰と読んで頂けませんか?そして入学のお祝いに、CHARMを交えて頂きたいんです」

 

 

夢結を前に少し前に進む亜羅椰。

 

その光景を見た出雲は…

 

 

出雲「遠藤亜羅椰…またアイツか…」

 

 

遅れて梨璃達もやって来て、夢結が亜羅椰に絡まれてるのを目撃した。

 

 

梨璃「やっと着いた…と思ったら、何ですか?あれ」

楓「大方、血の気の多いリリィが上級生に絡んでいるんですわ」

梨璃「そんな!リリィ同士CHARMを向け合うなんて!」

出雲「リリィと言っても、16〜7の小娘だ。こういうこともある」

梨璃「こういうこともって…ん?」

 

 

梨璃は視界に映る黒い髪の少女に目が入った。

 

 

梨璃「あの人は…」

出雲「一柳、あの子が気になるのか?」

二水「あの人は白井夢結様。どのレギオンにも属さない孤高のリリィです!」

出雲「詳しいな」

二水「防衛省発行の官報をチェックしていればこの位。あ、あっちの方は遠藤亜羅椰さん!中等部時代からその名を馳せる実力派です!」

 

 

梨璃が夢結を見てる間、他では…

 

 

「亜羅椰の奴、夢結様に何やってるのよ!」

 

 

と、緑髪のロングの少女が言う。

 

 

アールヴヘイム 1年生 田中壱(たなか いち)

 

 

「喧嘩やってるんだよね?いっちゃん」

 

 

灰色の長い髪の少女が隣の金髪のショートヘアーの少女にくっつきつつ目の前の状況を見ていた。

 

 

アールヴヘイム 1年生 江川樟美(えがわ くすみ)

 

 

壱「止めます?天葉様」

 

 

壱がどうするか天葉と呼ぶ上級生の金髪少女に聞く。

 

 

アールヴヘイム 2年生 天野天葉(あまの そらは)

 

 

天葉「私は興味あるかなぁ?」

壱「じゃあ見てますか」

 

 

という流れで話は纏まる。

 

代わって夢結と亜羅椰の方は…

 

 

夢結「お退きなさい。時間の無駄よ」

亜羅椰「なら、その気になって貰います」

 

 

と言って亜羅椰は右手に着けた文字が掘ってあるリングを左手に持ち変えた武器に触れさせた。

 

するとリングの文字が光り、片刃の武器は変形し、斧状の武器に変わった。

 

 

出雲(アステリオン…3つの形態を持つ汎用性の高い武器か…)

梨璃「変形した…!?」

出雲「あれが決戦兵器「CHARM」だ。リリィの武器であり、ヒュージに対抗できる……ん?」

 

 

出雲が話してる内に梨璃は飛び出して行った。

 

 

出雲「人の話を聞かないとはな…」

 

 

一方夢結と亜羅椰は…

 

 

夢結「手加減はしないわよ」

亜羅椰「あら怖〜い。ゾクゾクしちゃ〜う」

 

 

二人が戦いを始めようとする次の瞬間、梨璃がいつの間にか二人の間に入っていた。

 

 

梨璃「駄目ですよ!リリィ同士で戦うなんて!」

 

 

一方出雲達は…

 

 

楓「り、梨璃さん!?」

二水「梨璃さん何時の間に!?うっ!」

 

 

二水の頭に灰色のツインテールが乗っかった。

 

二水の横には、灰色のツインテールの少女がいた。

 

 

1年生 ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス

 

 

ミリアム「なかなかすばしっこい奴じゃな。じゃが、一歩間違えれば切られ兼ねんぞ」

二水「(ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス!?)ぶふぉ!?」

 

 

興奮してまた鼻血を出す二水。

 

 

ミリアム「うおっ!?」

出雲「ティッシュだ。それで鼻血を止めろ」

二水「あ、はい!」

 

 

一方楓は梨璃の元へやって来た。

 

 

楓「梨璃さん、危ないですわよ!」

梨璃「だけど…」

亜羅椰「あなた達邪魔よ!」

夢結「良いわ。面倒だから、3人纏めていらっしゃい」

梨璃「私も!?」

楓「私は梨璃さんが危ないから止めに来ただけですわ」

亜羅椰「もう!私だけ見ていて下さい夢結様!!」

 

 

そんなやり取りをしてるその時、百合ヶ丘女学院の鐘がなった。

 

 

出雲「この鐘の音は…!」

 

 

皆は鐘の音に気付く中、出雲は今の鐘の音が何を意味するのか分かった。

 

 

「何をなさっているんですか、あなた達!」

 

 

 

後ろ髪を止めたダークブラウン色の髪の少女がやって来た。

 

左手には亜羅椰と同じCHARMを持っていた。

 

 

生徒会 3年生 出江史房(いずえ しのぶ)

 

 

出雲「先程の鐘…何かあったのか?」

史房「出雲先生!?はい。先程、校内の研究施設から2体の生体標本のヒュージが逃走したとの報告がありました」

出雲「ヒュージの特長は?」

史房「四足歩行型で、周囲の環境に擬態すると報告があります」

出雲「処理はどうする?捕獲か?それとも退治か?」

史房「出来れば捕獲で…って出雲先生も手伝ってくれるんですか?」

出雲「久しぶりに暴れたくてな…任せてくれ」

史房「しかし、CHARMが…」

 

 

そう言う史房だが、出雲は鞄から小型の斧状の武器を取り出した。

 

 

 

出雲「グングニル・カービンだが、これで十分だ」

史房「でも流石に一人は…」

出雲「ならば、ここは私が決めていいか?」

史房「え?構いませんが…」

夢結「私は一人で十分です」

 

 

勝手に先に行く夢結。

 

 

出雲「単独行動は許さん。団体で行動しろ」

 

 

出雲が夢結を止める。

 

 

夢結「必要ありません。仲間等、足手まといです」

出雲「団体で行動出来ないような者には任せられんと言っているんだ。私と行動してもらうぞ」

夢結「………わかりました」

出雲「さて……」

 

 

出雲は周りにいる生徒から連れていく者を探す。

 

 

彼女は梨璃と楓を指差した。

 

 

出雲「ヌーベル、一緒に来い」

楓「よろしいのですか?」

出雲「お前はリリィとして実力がある。たよりにしてるぞ」

楓「お任せください」

 

 

楓は協力に入る。

 

 

史房「実戦経験の無いものは体育館へ」

亜羅椰「ちょっと、私の勝負~!」

壱「行くよー、亜羅椰」

 

 

天葉、樟美を追うかのように壱は亜羅椰を連れて体育館へ向かう。

 

他の生徒達も次々とこの場を離れ、体育館へと向かった。

 

 

出雲「さて…行くか」

梨璃「私も連れてってください!」

 

 

残った梨璃が出雲にお供したいと申してきた。

 

 

楓「梨璃さん!?」

出雲「二川には言ったのか?」

梨璃「先に行っててと言ってきました。私も…お役に立ちたいんです!」

 

 

梨璃の意思は固いことを出雲は感じた。

 

 

出雲「白井もいいな?」

 

 

出雲に言われ、夢結は梨璃に顔を向けて…

 

 

夢結「…いらっしゃい」

 

 

夢結は迎えるように梨璃の同行を承諾した。

 

 

梨璃「…………はい!」

出雲「決まりだな。残りの生徒を頼むぞ」

史房「はい。お気をつけて…」

 

 

 

 

史房をその場に残し、三人は出雲と一緒に逃げたヒュージの処理に向かった。

 

 

 

 

 

 

探索を開始してから数分後…出雲、夢結、楓、梨璃の四人は危険区域となってしまった隣町にたどり着き、逃げたヒュージを探していた。

 

四人ともCHARMを右手に持って常に警戒している。

 

梨璃のCHARMはグングニル。

 

CHARMメーカー、ユグドラシルで作られた汎用性の高い武器で、梨璃のような初心者でも扱いやすく作られている。各パーツのコストが低く、替えが効く。

 

 

夢結のCHARMはブリューナグ。

 

ケルティックデール社が作った攻撃特化の武器で、形状がグングニルに近い。

 

防御にもマギを回してるグングニルと異なり、こっちはマギを全て攻撃に回してる為、防御面に不安がある。

 

頑丈な分、使用してる部品はかなりの値な為、一部のガーデンしか運用が許可されていない。

 

 

楓のCHARMはジョワユーズ

 

自分の父の会社、グランギニョル社で作られた高級実験機である。

 

ハサミのような形状で、他のCHARMとデザインが異なる。

 

 

出雲のCHARMはグングニル・カービン。

 

元のグングニルを簡略化した使いやすさを意識した量産型であり、カスタマイズもしやすい。しかし性能はグングニルより劣る。

 

 

 

 

 

彼女達がしばらく進んでいくと、廃虚となった街並を目撃した。

 

電信柱は傾き、何年も使っていない無人のバスはボロボロに、ほとんどの建物はえぐりとられたり、茂に覆われ、道はボロボロ…前にあった町の活気は何一つ感じられない。

 

しかし、ここも今は動物達の住み処と化している。

 

 

梨璃「凄い…これ、ヒュージと戦った後ですか?」

出雲「そうだ。リリィとヒュージが戦った爪痕だ」

楓「学院自体が海から襲来するヒュージを積極的に誘引し、地形を利用した天然な要塞になるので、周囲の市街地に被害が及ぶ事を防いでいるのですわ」

 

 

更に探索し、今度は切通しと呼ばれる場所に着く。

 

 

楓「はぁ…何なんですの?この道は」

夢結「切通しと言って、1000年程昔に作られた通路よ」

楓「はぁ…歴史の勉強になりますわね」

 

 

 

 

探索から数時間経過し、彼女達はベンチがある草原に着く。

 

三人が辺りを探索してるのに対し、楓は疲れてベンチで休んでいる。

 

 

楓「はぁ…入学式の前から草臥れ果てましたわ…」

出雲「この程度で根を上げるとは情けないぞ」

楓「そう言いますけど…」

出雲「ほら、一柳を見ろ」

 

 

出雲に言われ、梨璃の方を見た楓。

 

梨璃はまだ懸命に周りを見渡し、探索をしていた。

 

 

出雲「新米にしては中々根性のある子だ。お前も少しは見習っ…て?」

 

 

いつの間にかベンチにいた楓がいなくなり、梨璃と一緒に探索をしていた。

 

 

楓「梨璃さん、二人で探索をしましょう!」

出雲「……やれやれ」

 

 

楓は心配いらないだろうという所で探索を再会する出雲。

 

その時、何かの気配を察知した。

 

 

出雲「……この負のマギの気配は…!」

梨璃「何も出ませんね。もうちょっと奥まで行きますか?」

楓「そうですわね…」

 

 

二人は気付いていない。

 

そして、梨璃の後ろの岩の穴から刃のような足が現れた。

 

それに気付き、出雲が動く。

 

 

出雲「一柳、ヌーベル、伏せろ!」

梨璃「え?」

楓「何ですの?」

出雲「早く伏せろ!!」

 

 

咄嗟に出雲はグングニル・カービンのグリップを持ち変え、岩の穴から出てきた刃のような足に向けてトリガーを引き、放たれた無数の光弾を浴びせる。

 

一方梨璃は楓の背中を押して一緒に伏せた為被害はなかった。

 

光弾を受けた刃のような足は一旦引っ込んだ。

 

 

夢結「一柳さん!」

 

 

夢結と出雲は梨璃と楓の元へ駆けつけた。

 

 

梨璃「今のは…!」

出雲「ヒュージだ。すぐにCHARMを構えろ」

 

 

出雲の指示に三人はCHARMを待機状態から武器の形態に変形させる。

 

 

楓のジョワユーズは刃の部分が二つに開き、中から機銃が出てきた。

 

シューティングモードに変えたジョワユーズで楓は梨璃の前に立つ。

 

 

楓「梨璃さんを襲うヒュージは私が退治しますわ!」

梨璃「わ、私も…」

 

 

梨璃は持ってるグングニルを起動させようとするが、反応しなかった。

 

待機状態から変形しなかったのだ。

 

 

梨璃「動かない!?」

楓「えっ!?」

 

 

出雲は梨璃がCHARMを起動できないのに気付き、梨璃の元へ来る。

 

 

出雲「一柳、CHARMとの契約はまだ済んでいないのか?」

梨璃「は、はい…」

出雲「CHARMは契約をして、初めて使えるようになる。CHARMと一緒に配布されたマニュアルに載ってた筈だが、見ていないのか?」

梨璃「うう…ご免なさい…」

出雲「見ていないとはな…困った子だ」

楓「仕方ありませんわ。梨璃さんはまだ初心者ですから」

出雲「いや、そこは自重すべきだろ…」

 

 

呆れたのか、出雲は左手で頭を抱える。

 

 

夢結「先生…少しの間、周りの警戒をお願い出来ますか?」

出雲「?……分かった。ヌーベル、ヒュージを二人に近づかせるな」

楓「は、はい」

 

 

出雲と楓は2手に別れ、周囲の警戒を行った。

 

 

梨璃「ゆ、夢結様?」

夢結「CHARMの契約…略式だけど、今してしまいましょう。CHARMを持って」

梨璃「はい」

 

 

梨璃はグングニルを右手に持った。

 

夢結はグングニルを持った梨璃の右手に自分の右手を添えた。

 

すると、梨璃が付けてたリングが光だした。

 

 

梨璃「っ!!」

夢結「略式と言う事になっているけど、これが本来の形なの。指輪を通じて、あなたのマギがCHARMに流れ込んでいるわ」

梨璃「マギが…」

 

 

略式の契約を行っている二人を見守る楓。

 

そしてすぐに周囲の警戒に切り換える。

 

 

楓「先生、梨璃さん達を守りますわよ!」

出雲「さっきそう言ったんだが、やる気が出たならいいさ」

 

 

出雲も警戒体制に入った。

 

その時、楓が敵の気配に気付く。

 

 

楓「来ましたわ!」

 

 

楓が上を向くと、先程のヒュージが現れた。

 

外見は、球体の体に足となる4つの刃が付いた姿である。

 

急降下してくるヒュージを、楓はジョワユーズを構えて、落ちたヒュージを受け止めた。

 

ところが、徐々に押されていき、楓の足下はクレーターが出来ていく。

 

しかしそこへ出雲が現れ、グングニル・カービンでヒュージを叩き飛ばした。

 

追撃を仕掛けるため、楓はジョワユーズをブレイドモードに切り換え、攻め立てる。

 

しかしヒュージは刃の足の上部分を分離させ、鞭のように振るいながら楓の連撃を全て受け止める。

 

 

出雲「厄介な奴だ」

 

 

出雲も接近し、至近距離で持ち変えたグングニル・カービンの光弾をヒュージに浴びせる。

 

そこに楓が連携で仕掛けるが、ヒュージは飛び上がり、白いガスを撒いた。

 

 

楓「ガス!?」

 

 

ヒュージが放ったガスは梨璃と夢結の方にも及んでいた。

 

 

夢結「大丈夫、ただの目眩ましよ」

 

 

周囲はガスで覆われ、視界は悪くなった。

 

 

楓「これじゃ、私のカッコいいところを梨璃さんにお見せできないんですってば!」

 

 

視界が悪くてヒュージの攻撃を避けることしか出来ない楓と出雲。

 

 

出雲「下手に動くと相手の思うつぼだ。慎重に行動…」

楓「いいえ、ここは攻めて行きますわ!」

 

 

と言って楓が動く。

 

 

出雲「おい!慎重に行動しろ!」

 

 

代わって梨璃と夢結はまだ契約の真っ最中である。

 

基礎的な準備を終え、夢結は手を離す。

 

 

夢結「CHARMが起動するまで、手を離さないで」

梨璃「は、はい…夢結様…いつまで?」

夢結「その時になればわかるわ」

出雲「二人とも後ろだ!」

 

 

二人の後ろにヒュージが現れた。

 

すぐにCHARMを構える夢結だが…

 

 

梨璃「待ってください!」

 

 

何かに気付いたのか、梨璃が夢結の腕を掴み、そのまま一緒に伏せる。

 

 

夢結「え!?」

 

 

何とヒュージが二人をすぐに襲わず、飛び上がった。

 

更にヒュージがいた後ろから楓がジョワユーズを向けて突っ込んできた。

 

 

楓「り、梨璃さん!?」

 

 

楓の攻撃は、梨璃の咄嗟の対応により当たらなかった。

 

しかし先程飛び上がったヒュージが今度は上から二人を襲うが…

 

 

出雲「姑息な真似をする…!」

 

 

出雲が現れ、グングニル・カービンで降下するヒュージを受け止め、そのまま上空に弾き返した。

 

更にそれをフルスイングで周りを振るうと、周囲の煙幕が振り払われた。

 

 

視界がよくなった所で楓が合流してきた。

 

 

楓「申し訳ありません、梨璃さん、夢結様!」

出雲「人の話を聞かないからだ」

夢結「あのヒュージ、私達の合い打ちを狙ったわ」

 

 

夢結はヒュージの先程の行動を理解した。

 

もし、梨璃が気付かなかったら楓と夢結が同士討ちにあっていただろう。

 

 

楓「まさか、ヒュージがそんな知恵を?」

出雲「一柳、よく気付いたな」

梨璃「あはは、田舎者なもんで視力には自信あります」

 

 

そう話してる内に地響きが起きた。

 

 

梨璃「な、何!?」

出雲「ヒュージだ。白井の方から来るぞ!」

 

 

出雲の指示に合わせ、夢結は大きな剣、ブリューナグを構える。

 

すると、夢結の側にヒュージが現れた。

 

出現の瞬間に合わせ、夢結はブリューナグで大きく降り下ろす。

 

直撃はしたものの、まだ倒れない。

 

すかさずヒュージは反撃に応じ、夢結を空中に打ち上げ、連続で仕掛けるが、夢結は一つ一つの攻撃を受け流してはかわしていく。

 

しかし、隙を見せた夢結にヒュージは無数の触手を伸ばして夢結を巻き付き、拘束した。

 

 

梨璃「夢結様!」

出雲「まだそんなかくし球があったか…!」

 

 

出雲は夢結を助けにグングニル・カービンを構えるが、ヒュージがそれを逃さず、残った触手による連続攻撃による妨害に阻まれでしまう。

 

夢結を拘束している触手に攻撃しても他の触手に防がれ、触手からの攻撃も出雲の反応の早さで防がれる。

 

お互い手一杯である。

 

 

楓「先生!」

梨璃(何とか…しないと…!)

 

 

この場をどうにかしたい梨璃。

 

その時、梨璃が握っていたグングニルが動き始め、マギクリスタルにルーンの模様が浮かび上がった。

 

 

梨璃「CHARMが…!」

 

 

梨璃のグングニルはそのまま変形し、ブレイドモードへと変えていった。

 

梨璃がグングニルを使えるようになったことを楓は、梨璃の側によった。

 

同時に気付いた出雲は二人に指示を伝える。

 

 

出雲「触手を斬れ!」

 

 

出雲の指示を聞いた梨璃と楓は…

 

 

楓「梨璃さん、一撃で決めますわよ!」

梨璃「うん!」

 

 

二人はCHARMを構え、夢結を捕らえてる触手に向かって突撃した。

 

 

梨璃「やああああっ!!」

楓「やああああっ!!」

 

 

二人の一撃で、夢結を拘束していた触手が全て斬られ、夢結は脱出した。

 

同時に出雲への攻撃も緩くなり、出雲は咄嗟に残りの触手をアックスモードに切り換えたグングニル・カービンで切り裂いた。

 

 

出雲「白井、同時に行くぞ!」

 

 

伝え、出雲は夢結と一緒に更に形状が変化しそうなヒュージを十文字に切り裂いた。

 

ヒュージは動かなくなり、青い液体を撒き散らしながら近くの崖に倒れた。

 

ぶつかったことで崖が崩れ落石が発生し、楓に襲いかかる…

 

 

梨璃「楓さん!」

 

 

危機を察知した梨璃が楓を安全なほら穴に押し飛ばした。

 

しかし落石と青い液体は梨璃の頭上に落ちていく。

 

 

夢結「梨璃!」

 

 

夢結がすぐさま梨璃を覆い隠すかのように庇う。

 

しかし、謎のバリアが二人を落石と液体を弾き返した。

 

 

梨璃「!?」

夢結「これは…!」

 

 

バリアは出雲が張っていたものだった。

 

 

出雲「大丈夫か二人とも」

梨璃「今のは…」

夢結「レアスキル…ヘリオスフィア」

梨璃「レアスキル?」

出雲「リリィにはマギ以外にも、所有する力…スキルが存在する。リリィが覚醒することで使えるようになる強力な力はレアスキルと呼んでいる。今使ったヘリオスフィアもそのレアスキルの一つだ」

梨璃「レアスキル…」

夢結「ありがとうございます」

出雲「お前達は仲間だ。助けて当然の事。それよりヌーベルの救助をしなくていいのか?」

梨璃「え…ああっ!?」

 

 

楓が飛ばされたほら穴は落石で塞がれ、ヒュージの液体による被害はなかった。

 

 

出雲「ヌーベルを救出したら、お前達二人は検疫を済ませておけ。ヘリオスフィアを張ったとはいえ、液体を少しは浴びてしまっているからな」

 

 

出雲の言う通り、二人の体には少しだけ青い液体を浴びていた。

 

四人は学院に戻った直後、梨璃と夢結を検疫室に連れていき、出雲は一人で理事長室に向かった。

 

 

出雲は理事長代理の高松咬月に今回の件について説明した。

 

 

高松「報告ご苦労だった。今回手伝ったリリィ達の為に入学式の時間はずらしておこう」

出雲「ありがとうございます。それと、クラス割りについてですが…」

高松「それなら既に決めておいた。これをみてほしい」

 

 

と、高松は各クラスごとに生徒の名前が載った紙を出雲に渡した。

 

 

高松「君の担当するクラスは椿組だ」

 

 

高松から出雲の担当するクラスを聞き、出雲は椿組の生徒リストを見た。

 

そこには、一柳梨璃、二川二水、楓・J・ヌーベルの名前が載っていた。

 

更に出雲は、ある生徒の名前に目を向けた。

 

郭神琳、王雨嘉、安藤鶴紗(あんどう たづさ)の三名の名前である。

 

他のクラスの生徒の名前も見てみると、ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスと神楽月涼(かぐらづき りょう)の名前にも目が行った。

 

 

高松「気になった生徒はいたかね?」

出雲「ええ。どれも教えがいがある生徒ですよ」

高松「気になった生徒は見つかったか?」

出雲「はい。椿組の一柳です。彼女はリリィになったばかりですが、着眼点が良く、反応の早さも中々のものです。しっかり訓練すれば白井と並ぶほど強くなるはずです」

高松「彼女を高く評価しているのだね」

出雲「そこで今度、彼女を含む特定の生徒を厳選して訓練を行いたいと思います。他の生徒の実力も見てみたいので、それで今後の方針を固めていこうと思います」

高松「君の指導は大きく評価している。彼女がどのように化けるか、期待しているよ」

出雲「はい。それでは…」

 

 

出雲は生徒のクラス表をバインダーにしまうと、高松に礼をした後に部屋を出ていった。

 

 

理事長室を出た出雲は…

 

 

出雲「訓練が楽しみだな…」

 

 

と、期待しながら廊下を歩いていった………

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

 

 

二水「次回は皆で共同訓練です!」

楓「誰ですのあの子?」

 

 

 

 

 

next 王雨嘉は勇気を出す

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

次回からのキャラ設定

 

 

安藤鶴紗

 

舞台版よりアニメ版の方がキャラが濃いのでそっちで行きます。

 

やべぇキャラが気に入ったので…

 

 

 

郭神琳 王雨嘉

 

アニメと舞台、どちらも大きな変化は無さそう。

 

現状維持で行きます。

 

 

 

吉村・Thi・梅(よしむら てぃ まい)

 

舞台版の方がしっかりしているけど、こちらはアニメ基準で行きます。

 

うっかり舞台版の設定で書いたりするかも…

 

 

 

ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウス

 

舞台版のだとバカっぽく感じるためアニメ基準で行きます。

 

舞台版の「これは妄想ではない!わしの頭の中の物語じゃ」は笑えるwww

 

 

 

次回の新キャラ

 

神楽月涼

 

舞台版ミリアムの代理。少々キザな性格で楓をライバル視してる子。

 

ミリアム同様工廠科に所属し、CHARMの整備もこなす。

 

 

 

 

 

 

 




次回の内容はアニメ2話の一部と舞台版の最初の訓練のシーンを書いていこうと思います。

一柳隊結成前のメンバーが全員揃います!

お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。