アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

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結構掛かりましたが、ついに過去編ラストです。
今回はアニメ三話にちょっとアレンジが入ってます。
それでもよろしければどうぞ!


「5」白井夢結は受け入れる

 

訓練明けの次の日の朝…いつものように出雲は校門を通り、校舎内の廊下を歩いてた。

 

すると、掲示板の所に1、2年生達が集まって何かを見ていた。

 

その場には、楓、ミリアム、アールヴヘイムの面子もいた。

 

 

 

 

楓「はああ…なんて羨ましい~!」

ミリアム「ほう…」

天葉「まさかあの子が夢結にね…」

樟美「亜羅椰ちゃんも狙ってるよね?」

亜羅椰「敵ではないわ。あの孤高のリリィと呼ばれた夢結様があの子と結ぶなんてありえないもの」

壱「だといいけどね…」

出雲「ちょっと見せてくれ」

 

 

 

 

出雲は掲示板の方を見た。

 

そこに載っていた物は…

 

 

 

 

 

「週刊リリィ新聞」

 

 

発行者の名前は、二川二水と載っていた。

 

特に大きい記事にして載ってるのが…

 

新入生リリィ、一柳梨璃…孤高のリリィ、白井夢結様に大胆告白!

 

その内容は…

 

 

 

出雲の訓練中に襲ってきたヒュージの群れを退き、校舎に帰る中、梨璃が夢結に「私と…シュッツエンゲルの契りを結んでください!」と言った事も書かれていた。

 

 

 

他にも…

 

如月出雲、新CHARMでヒュージ達を撃退!

 

王雨嘉と一柳梨璃、白井夢結様と吉村・T・梅様のピンチを救う!

 

とか言った内容も書かれていた。

 

 

 

 

これが出た時点で、梨璃の事を知らない者はいないだろう。

 

ちなみに廊下の先には…

 

 

 

 

 

 

二水「号外!号外!週刊リリィ新聞ですよー!」

 

 

 

二水が発行した新聞の束を左手に持ち、生徒達に配っていた。

 

 

 

 

出雲「二川…やってくれたな…しかし、一柳も人気者になったものだ…」

「ちょっとちょっとちょーっとぉ!!?」

 

 

 

後から梨璃がやって来て、身体を張って掲示板の新聞を隠す。

 

 

 

 

梨璃「なんなのこれー!!?」

二水「週刊リリィ新聞です!」

梨璃「リリィ新聞!?」

ミリアム「ラージ級を倒した事より、告白を一面に持ってくるとは中々のセンスじゃのう」

梨璃「これ聞いてたの?」

二水「ええ、私感動しました!」

出雲「ヌーベル、グロビウス、二川」

 

 

 

 

出雲が梨璃達の元にやって来た。

 

 

 

 

楓「あ、先生ごきげんよう」

梨璃「ご、ごきげんよう…」

出雲「朝っぱらから騒がしいと思ったら二川の仕業とはな…」

二水「捏造は一切してませんよ」

出雲「そっちじゃない。私は人のプライベートをな…」

 

 

 

 

と、話す内に他の生徒が出雲に気付いた。

 

 

 

 

「あっ、如月出雲先生!」

「一人でラージ級を2体倒すなんて素晴らしいです!」

「流石戦神と呼ばれるだけありますね!」

 

 

 

 

次々と出雲の元に生徒達が集まって来ていく。

 

 

「今度ご一緒に付き合って頂けますか?」

「お昼、紅茶はどうですか?」

「私の、お姉さまになって下さい!」

 

 

 

生徒達の勢いに出雲は溜め息を付く。

 

 

 

 

出雲「やれやれ………」

 

 

 

 

結局チャイムが鳴るまでの間、出雲は生徒達に足止めを食らうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数時間後…

 

もうすぐ昼休みを迎える直後、ヒュージ襲来の鐘の音が鳴り、出雲は梨璃、二水、楓を誘い、校舎の屋上へ向かった。

 

何故か屋上にはパラソルを指したテーブルがあり、お菓子と紅茶まで付いていた。

 

そこには、夢結の姿もあった。

 

 

 

 

梨璃「先生、ここで何をするんですか?」

出雲「リリィの戦いというのをここで見てもらう。今回の班はトップレギオンのアールヴヘイムだ」

梨璃「トップレギオン?アールヴヘイム?」

 

 

 

 

初めて聞く用語に困惑する梨璃。

 

 

 

 

出雲「…そういえばまだレギオンについて話してなかったな。レギオンというのは9人一組で構成されたリリィの戦闘単位…要するにリリィのチームだ。戦いにとって数で攻めるのは戦闘の基本だが、レギオンはそれ以上の働きをしてくれる。それを見て…」

二水「そして!アールヴヘイムは伝説のレギオンと呼ばれた初代の名を引き継いだ百合ヶ丘最強のレギオン!!ぶふぉぁ!!」

 

 

いきなりアールヴヘイムについて力説し、興奮のあまり鼻血を撒き散らしそうになる二水。

 

 

 

 

梨璃「わわ、二水ちゃん!?」

楓「ちょっと!鼻血を飛ばさないで下さる!?」

二水「す、すみまへぬ…」

出雲「………来るぞ」

 

 

 

 

出雲がそう言うと、遠くの海から何かが映った。

 

 

 

 

二水「ヒュージです!」

 

 

 

 

ティッシュで鼻血を拭き取った二水が鷹の目を使って遠くの海からヒュージの姿を確認した。

 

 

 

楓「噂の鷹の目ですわね」

 

 

 

 

更に突然大地が揺れだし、遠くに建てられた防衛軍の基地から無数のミサイルが放たれ、海の中のヒュージを捉えるが、バリアによって防がれてしまった。

 

バリアに着弾し、爆発してもヒュージの体には触れておらず、ダメージはなかった。

 

 

 

 

梨璃「な、何!?」

出雲「防衛軍からの攻撃だ。だが近代兵器ではラージ級以上のヒュージに痛手を与えることができない」

 

 

 

 

一方ミサイルを受けたヒュージは梨璃達のいる学院の方向へ進んできた。

 

 

 

 

梨璃「気のせいか、こっちに向かってませんか!?」

夢結「百合ヶ丘女学院は、リリィの養成機関であると同時に、ヒュージ迎撃の最前線よ」

 

 

 

 

夢結が説明に入ってきた。

 

 

 

 

梨璃「そうか!ヒュージの襲来をここに集中させて、周りの被害を抑えるんですね!」

夢結「そして、多くのリリィが集まるここは、ヒュージにとっても見逃せない場所に移るでしょうね」

出雲「そろそろアールヴヘイムが動く。彼らの戦いをよく見ておけ」

梨璃「はい」

 

 

 

 

梨璃、二水、楓はヒュージのいる方向へ視点を戻すと、百合ヶ丘の制服を着た9人のリリィがCHARMを持って、まだ上陸していないヒュージの元へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

天葉「遅れないでよ!皆ー!」

 

 

 

天葉が樟美を含む他7名と共にヒュージに向かっていた。

 

 

 

 

2年生 アールヴヘイム サブリーダー 渡邉茜(わたなべ あかね)

 

1年生 アールヴヘイム 高須賀月詩(たかすが つくし)

 

1年生 アールヴヘイム 金箱弥宙(かなばこ みそら)

 

1年生 アールヴヘイム 森辰姫(もり たつき)

 

 

 

 

亜羅椰と壱は丁度いい高台で待機していた。

 

 

 

 

壱「新人相手にスパルタじゃありません?天葉様」

亜羅椰「そんなに意地悪されたら惚れちゃいます」

 

 

 

 

亜羅椰の言葉に移動中の樟美が反応し、注意する。

 

 

 

 

樟美「天葉様は私のだから!」

「無駄口叩くな。ほら行くよ!」

 

 

 

 

薄紫のロングの少女が注意する。

 

 

 

 

 

 

 

2年生 アールヴヘイム 番匠谷依奈(ばんしょうや えな)

 

 

 

 

 

亜羅椰が特殊な弾を自分のCHARM、アステリオンに装填した。

 

 

 

 

亜羅椰「ノインヴェルト戦術…一番槍は私が行かせてもらいます!」

 

 

 

亜羅椰のアステリオンから魔法の弾が放たれた。

 

 

 

 

 

 

梨璃「あれは…!」

出雲「魔法球…マギスフィアとも呼ばれている。今アールヴヘイムが行っているのは、ノインヴェルト戦術だ」

梨璃「ノインヴェルト戦術?」

出雲「放たれたマギスフィアを9人以上のリリィ達がパス回しをしながらマギスフィアの威力を高め、最後の一人が高めたマギスフィアを敵にぶつけるリリィ達の必殺攻撃だ」

二水「その代わり!その威力と引き換えにリリィのマギとCHARMを激しく消耗させる、文字通り諸刃の剣です!」

 

 

 

 

話に二水が割り込んできた。

 

 

 

 

出雲「二川…まあいい。ノインヴェルトの使用ば、マギを消耗だけでなくCHARMが破損することもある。消耗したマギは休めば回復するが、戦場でのCHARMの破損はリリィの生死に直結する」

 

 

 

 

と話してる内にマギスフィアが最後の一人、天葉に飛んでいった。

 

 

天葉「これでどうだぁ!!」

 

 

天葉は8人分のマギが込められたマギスフィアを水中にいるヒュージに向けて自分のCHARM、グラムで叩き撃った。

 

 

撃たれたマギスフィアは水中にいるヒュージに直撃し、爆散した。

 

 

 

 

 

出雲「………倒したな」

梨璃「わかるんですか?」

出雲「マギの反応が消えたのがわかる。それよりどうだ?アールヴヘイムのノインヴェルト戦術は?」

梨璃「は、はい。凄かったです…それしか思い付かなかったので…」

二水「私はアールヴヘイムの活躍が見れて良かったです!しかもノインヴェルト戦術まで見れるなんて、むぐっ!?」

 

 

出雲が鼻血を警戒したのか、二水の鼻を左手で抑えた。

 

 

 

出雲「興奮はいいが、鼻血は押さえておけよ」

二水「は、はい、わかひわひた…」

楓「流石アールヴヘイムと言っておきますわ」

 

 

 

楓の感想が終わった次に出雲は夢結の方へ目を向けたが、そこに夢結の姿はなかった。

 

同じく梨璃は夢結の事が気になっていた。

 

 

 

 

出雲「ところで一柳、お前は昨日訓練の後に白井とシュッツエンゲルの契りを交わそうとしたな。どうなったんだ?」

梨璃「……それが…」

 

 

 

梨璃は出雲に昨日の事について話した。

 

 

 

 

昨日の訓練を終えた後、梨璃は夢結にシュッツエンゲルの契りを交わすことをお願いするが…結果、断られてしまったとのことであった。

 

 

出雲「なるほどな…今のアイツならそう答えるな」

梨璃「私、2年前にリリィに助けられたと話しました。そのリリィが夢結様だったんです。私がリリィとしての道を選んだのも、夢結様のお陰でもあるんです」

出雲「それで、お前はもう一度白井にシュッツエンゲルの契りを結ぼうと考えてるのか?」

梨璃「はい。あの時夢結様は、断る際に…「私は憧れるような者じゃないと…貴女が後悔するだけよ」と…言ってました」

出雲「アイツ…そう言ってたのか…」

梨璃「初めて出会った時の夢結様が何故変わってしまったのか…私は知りたい…そして今度は私が夢結様を守りたいんです」

出雲「守りたい…か…お前にそれだけの力があるのか?」

梨璃「今はありません…でも、私は夢結様を救いたいんです!」

 

 

引く気のない梨璃の決意に出雲は……

 

 

 

 

 

 

出雲「一柳…放課後、CHARMを持って訓練室にこい」

梨璃「えっ!?」

出雲「お前の決意…私に示してみろ」

 

 

そう言って出雲はその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後、梨璃は愛用のグングニルを持って訓練室にやって来た。

 

楓、二水も梨璃に付いてきた。

 

そして訓練室にはすでに出雲が黒鉄を起動させて待っていた。

 

 

出雲「来たか、一柳」

梨璃「あの、先生…先程の言葉はどういう…」

 

 

梨璃が話してる間に出雲は黒鉄を梨璃に向けた。

 

 

梨璃「!?」

出雲「お前はこれから私と一対一で模擬戦をやってもらう。一度でも私を仰け反らせたらお前の勝ちだ。白井の横で一緒に戦うなら、これくらいはやってみせろ」

梨璃「は…はい!」

 

 

梨璃はすぐにグングニルを起動させて両手で構えた。

 

出雲も黒鉄を構え直す。

 

 

 

楓「待ってください!梨璃さんはまだ初心者ですわよ!」

出雲「知ってる」

二水「それなら少し手加減したほうが…」

出雲「甘く見るな!!」

 

 

出雲は甘く見た二水に黒鉄を向ける。

 

 

 

出雲「戦場では生きるか死ぬかのどちらかだ。生半端な実力と判断を持つようでは、やられるだけだ。白井もまた度重なる戦場で戦い、生き延びてきた」

二水「!?」

楓「それはそうですが…」

 

 

納得のいかない楓。

 

 

出雲「始めるぞ。どこからでもこい」

梨璃「………」

 

 

梨璃がグングニルを構えたまま出雲の動きを警戒していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲「誘いには乗らんか…ではこっちから行くぞ」

 

 

出雲が先に動き、一瞬で梨璃の近くまで来た。

 

 

梨璃「!?」

 

 

突然の接近に対応出来ない梨璃に対し、出雲は黒鉄の横凪ぎで梨璃をグングニルごと押し返す。

 

仰け反り、後退した梨璃だが、出雲の重い一撃で痺れてしまう。

 

 

 

 

梨璃「くうっ!!」

出雲「これが実戦ならお前はやられていたぞ。立て」

梨璃「……はい!」

 

 

梨璃は体勢を直したが、出雲はすぐに接近し、梨璃にもう一度黒鉄の重い一撃を当てた。

 

梨璃はグングニルで防御したが、重い一撃に耐えられず、また仰け反ってしまい、今度は立てないほどの痺れを受け、膝をついてしまう。

 

 

二水「ああっ!」

楓「梨璃さん!」

出雲「立て。この程度、耐えて見せろ」

梨璃「は………はい…!」

 

 

再び構える梨璃だが、痺れてて思うように動けない。

 

しかし相手は待ってくれない。

 

出雲は梨璃にもう一度重い一撃を浴びせた。

 

 

梨璃「きゃあっ!!?」

 

 

梨璃も3撃目の一撃に耐えられず、後ろに飛ばされてしまい、倒れてしまう。

 

 

梨璃「うう…」

出雲「立て。それとももう終わりか?それでは…」

楓「随分と手荒いことを…!」

 

 

 

 

放っておけないのか、楓がジョワユーズを展開させ、梨璃の前に現れた。

 

 

二水「楓さん!?」

出雲「ヌーベル…何の真似だ?」

楓「梨璃さんを放ってはおけませんわ。私にマゾっ気があれば堪らないでしょうね」

出雲「何が言いたい?」

 

 

 

 

 

楓「出雲先生…戦神と呼ばれた貴女の噂には唯一語られなかった事実があります。2年前に貴女はレギオンを結成した後、訓練を行った事がありました。しかしその訓練は、大量に発生したヒュージの討伐でした。もはや実戦に向かうようなものですわ。初めてヒュージを目の辺りにした仲間のリリィ達は恐怖で戦えず、全員逃げてしまわれました。この訓練が原因でレギオンの仲間達はリリィを辞めて百合ヶ丘から出ていった…卒業まで貴女はレギオン結成を禁じられてしまった。間違っていませんね?」

二水「楓さん、それは…!」

 

 

楓が話した語られなかった過去について出雲は…

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲「お前の言う通り、私は2年前に結成したレギオンのリリィ達をヒュージ退治に連れてった。そしてリリィ達は学院から出ていった」

楓「わかっていらっしゃるなら、先程の梨璃さんへの容赦のない指導は間違いだとわかるはずですわ!」

出雲「甘い!!」

楓「!?」

 

 

出雲の渇に楓と二水は怯む。

 

 

出雲「そんな甘ったれたことでリリィとして戦って行けると思うな。もしリリィの一人が逃げたせいで仲間の命を失った時はどう責任取るんだ?」

楓「そ…それとこれとは…!」

出雲「同じだ。例え完璧な作戦でも、一人欠けてしまえば簡単に崩される。無数の柱で支えた家も、一本取ってしまえば簡単に崩れ落ちるようにな」

 

 

 

出雲の正論に言い返せない楓。

 

しかし楓はその場を引かない。

 

 

 

出雲「もし解っているのなら、退いてもらおうか?」

楓「いえ、退きません。やるのであれば…私がお相手して差し上げます!」

 

 

そう言って楓はジョワユーズを構える。

 

 

 

出雲「代わりに相手するのは構わん。だが勝ったところで、一柳の為にはならんぞ?」

 

 

出雲は黒鉄を楓に向ける。

 

 

楓「勝手なことを言わないでくださいまし!私は梨璃さんが辛く傷つくのを見たくないだけですわ!」

出雲「それが理由なら…もはや言うことはないな…一瞬で倒す…!」

 

 

二人がにらみ合いつつ、武器を構えるが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待って…ください!」

 

 

グングニルを拾った梨璃が出雲の前に出た。

 

 

楓「梨璃さん!?」

二水「梨璃さん!?」

出雲(先程の3連撃を受けてもまだ動けるとは…)

梨璃「良いんです。私、私…皆より遅れてるから……やらなくちゃいけないんです。だから先生…続けさせて下さい!」

 

 

梨璃は再びグングニルを構えた。

楓も梨璃のやる気に水を指さないように下がる。

 

 

 

出雲「……フッ…いい目をしている。いいだろう…気が済むまで相手をしてやる」

梨璃「……お願いします!」

 

 

 

その後も梨璃は出雲の一撃を何度も受け続けるものの、結局出雲に一撃を与えられず、今日の模擬戦は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

二日目の放課後、再び模擬戦を挑む梨璃だったが、結果は昨日と変わらず、全敗だった。

 

 

 

 

出雲「今日の模擬戦はここまでだ」

梨璃「はぁ……はぁ……」

 

 

今回も体力の限界なのか、梨璃は大の字で倒れたまま疲れはてていた。

 

そこへ出雲はこう言った。

 

 

 

 

 

 

出雲「一柳、明日は体を休めておけ」

梨璃「え?」

出雲「体調管理もまたリリィの仕事だ。模擬戦は明後日行う」

 

 

 

そう言って出雲は訓練室から出ていった。

 

 

 

 

二水「出雲先生…実は優しかったり?」

楓「ただの気まぐれではなくて?」

 

 

 

 

 

 

 

 

休みを挟んでの四日目…3度目の模擬戦を挑む梨璃。

 

今回も惨敗であった。

 

そんな梨璃を思う出雲は…

 

 

 

 

出雲(今回の一柳…動きが見違えているが…まだまだだな)

 

 

そんな風に考える出雲。

 

そして訓練室の端っこには二人の模擬戦を観戦していた夢結がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜……出雲は理事長の許可をもらい、夜の見回りを行っていた。

 

と、出雲は何かを目にした。

 

何と訓練室の扉から明かりが漏れていた。

 

 

出雲(こんな時間に練習か?いい心がけだが…)

 

 

出雲は扉のすき間を除いてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと訓練室には、梨璃が夢結から訓練を受けていた。

 

 

 

夢結「ヒュージとは、通常の生物がマギによって怪物化したものよ。マギという超常な力に操られているヒュージには、同じマギを使うリリィだけが対抗出来る」

 

 

そう言って夢結はブリューナグを構える。

 

 

夢結「マギを宿さないCHARMなど、それはただの刃物よ。このブリューナグも」

梨璃「は、はい!」

 

 

梨璃もグングニルを構える。

 

 

夢結「もっと集中なさい。そうすればCHARMは重く、強靭になる」

梨璃「……!」

 

 

梨璃はグングニルにマギを集中させ、夢結からの攻撃に備えた。

 

 

その様子を見た出雲は少し微笑むと、その場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、七日目にして5回目の模擬戦が行われた。

 

今回のギャラリーは楓と二水だけでなく、雨嘉と神琳、梅と夢結、ミリアムと涼の姿もあった。

 

梨璃と出雲の模擬戦に興味を持ち始め、やって来たのだ。

 

 

二水「今日でもう七日目…」

楓「あのスパルタ教師の模擬戦に付いていける人なんて、梨璃さん以外いませんわ」

 

 

そして中央に立つ出雲と梨璃。

 

 

出雲「私の勝負にここまで付いてくるとは、流石だな。一柳」

梨璃「い、いえ!?私なんてまだまだですよ」

出雲「フッ…まあいいさ。では始めようか」

 

 

 

出雲は黒鉄を構える。

 

そして梨璃もグングニルを構えた。

 

 

 

 

しかし梨璃の構え方がいつもと違っていた。

 

出雲はその型に覚えがあった。

 

 

 

出雲(あの構え…なるほどな、乗ってやろう)

 

 

 

出雲は梨璃の構えに警戒することもなく、正面から攻めた。

 

対し梨璃は出雲の重い一撃をあえて受け流した。

 

 

出雲「!?」

 

 

攻撃を受け流されてしまい、出雲はそのまま後ろに流される。

 

 

梨璃(マギを…集中…!)

 

 

その隙を逃さないと、梨璃が出雲の後ろに回り、マギを込めたグングニルの一撃を降り下ろした。

 

しかし出雲も簡単にはやらせない。

 

すぐに体勢を立て直し、梨璃の一撃を黒鉄で受け止める。

 

ところが、梨璃が降り下ろした一撃は重く、受け流しからのリカバリーをした出雲に、攻撃を踏ん張る力はなく、後ろに弾かれてしまい、仰け反ってしまった。

 

 

 

 

 

勝負ありである。

 

 

二水「やりました!」

楓「ようやくマギが入りましたわね!」

 

 

ギャラリーの方も驚きを隠せなかった。

 

 

ミリアム「出雲先生が体勢を崩したぞ!」

涼「確実にカウンターが決まったね」

雨嘉「梨璃、すごい…」

神琳「見事な一撃でしたわ」

夢結「………」

梅「夢結が教えたお陰だナ」

 

 

 

一方出雲は梨璃の急な成長ぶりと、攻撃を防がれたこたに驚く。

 

 

出雲「………」

梨璃「あの……先生…?」

 

 

梨璃が声をかけるものの、出雲は反応しない。

 

 

 

 

 

 

しかし出雲急に笑い出した。

 

 

梨璃「せ、先生!?」

出雲「まさか攻撃を受け流すとはな…見事な戦い方だったぞ。一柳」

梨璃「あ、ありがとうございます」

出雲「お前を見てると、アイツを思い出すな」

梨璃「アイツ?」

出雲「2年前、この百合ヶ丘に補欠合格で入った生徒がいてな、その子が私の言うアイツだ。ある日私はアイツから強くしてほしいと頼まれたことがあってな、それで私は要望通り、模擬戦を行ったんだ。当事のアイツは全然弱かった。しかし何度も倒れはその度に立ちあがり、また倒れては立ちあがり、諦める事ははなかった。今のお前のようにな。アイツが私から一本取ったときも1週間後だったからな」

梨璃「そうだったんですか…」

出雲「とにかく、マギの扱いもだいぶ物に出来たな。これなら背中を預けられ…」

 

 

と、話してる間に鐘の音が訓練室に響き渡った。

 

 

梨璃「!?」

出雲「ヒュージがやって来たか…」

 

 

出雲は黒鉄をしまい、訓練室にいるリリィ達に告げる。

 

 

出雲「ここにいる全員でヒュージ討伐に向かうぞ!」

 

 

出雲は今いる全員でヒュージ討伐に向かうことを告げる。

 

 

夢結「待ってください」

 

 

突然夢結が止めた。

 

 

出雲「何だ白井」

夢結「その前に、梨璃さんの身だしなみを整えておきたいのです…百合ヶ丘女学院のリリィたる者、戦いの場にこんな乱れた格好で立っては示しが付きませんので」

 

 

 

梨璃の身だしなみは少し乱れていた。

 

 

 

出雲「……20分後に現場に集合。しっかり整えておけ」

 

 

 

 

そう言い残し、出雲はその場を出ていき、現場えと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後……現場にたどり着いた出雲と後から来た梨璃、楓、二水、ミリアム、涼、雨嘉、神琳、梅、夢結は廃虚となった街の海の向こうに見えるヒュージを目撃した。

 

肉眼では小さな岩山がこっちに来るぐらいしか確認できない。

 

 

 

 

楓「上陸までは、まだ少し余裕がありそうですわね」

梨璃「先生、今回はここにいる全員ですか?」

出雲「当たり前だ。ヒュージの種類は山ほどある。どんな攻撃をしてくるかわからない。対処しやすくするには多い方がいい。それにお前達は経験済みのリリィだ。ここからは実戦経験を地道に積んでいく」

二水「私もですか!?」

出雲「お前には鷹の目を使って状況を報告する役目がある。いいな?」

二水「は、はい!!」

出雲「王、天の秤目でヒュージの姿を私に教えてくれ」

雨嘉「え?」

神琳「なるほど…天の秤目ならヒュージに気付かれる事もなく遠くから観察が出来ますわね…雨嘉さん、お願いしますわ」

雨嘉「うん、わかった」

 

 

 

雨嘉はレアスキル、天の秤目を使い、海の向こうのヒュージの姿を調べた。

 

 

 

出雲「どうだ?」

雨嘉「はい。大きさからしてラージ級だと思います。ただ…何かいびつな形をしていて…」

出雲「いびつな形だと?」

涼「まさかそのヒュージは…」

楓「さて、やりますわよ梨璃さん!」

梨璃「うん、頑張ろう」

 

 

 

出撃に張り切る梨璃だが、出雲に止められる。

 

 

 

出雲「いや、ここは私と白井、吉村で行く」

梨璃「えっ!?」

楓「どういうことですの!?」

出雲「王に天の秤目で調べたところ、レストアの可能性が高い」

「ふぅーん。レストアね」

 

 

 

梨璃の後ろに百由が現れた。

 

 

 

梨璃「百由様?レストアとは一体…」

百由「損傷を受けながらも生き残ったヒュージがネストに戻って修復された個体。それを私達はレストアード。レストアと呼んでるの。何度かの戦闘を生き延びた手合いだから、手強いわよ」

涼「特にレストアにやられたリリィ達も少なくないからね」

ミリアム「最近は出現率が上がっていると聞くのう」

出雲「相手がレストアである以上、恐らく一筋縄ではいかんだろう。それに取り巻きが後から奇襲してくる事も想定するなら…1年生組は警戒しつつ後方を維持。後の状況判断はヌーベルに一任する」

楓「わかりましたわ」

出雲「行くぞ、吉村、白井」

 

 

 

出雲は梅、夢結の二人を連れてヒュージの討伐に向かった。

 

一方ヒュージも、出雲達の接近に気付き、大きく飛び上がった。

 

その姿はスペースシャトルのような翼が付いた巨大な球体であった。

 

ヒュージは出雲達を潰そうとするが、簡単にかわされる。

 

そこからヒュージは前の片足で振り払うが、これを出雲達は散開してかわす。

 

更にヒュージは背中から無数の球体ミサイルを発射し、出雲達を狙うが、出雲は黒鉄で斬り壊し、夢結と梅はかわしていった。

 

 

 

 

梨璃「・・・凄い。夢結様、そしてお二人も…」

ミリアム「じゃが、夢結様ちょっと危なっかしいのう」

百由「憖テクニックが抜群だから、突っ込み過ぎるのよねぇ」

 

 

 

 

夢結はヒュージの体を登り、上からブリューナグで殻に攻撃した。

 

すると殻に付けた傷後から小さな光が見えた。

 

 

 

 

夢結「あれは………っ!?」

 

 

よそ見したのか、ミサイルが夢結に向かってきた。

 

しかし出雲が入り、ミサイルを黒鉄で斬り、破壊した。

 

遅れて梅も合流する。

 

 

出雲「何よそ見してる!私が前に…!?」

 

 

出雲の指示を無視して夢結は再びヒュージに向かう。

 

 

梅「夢結!」

出雲「あの馬鹿者が…!」

夢結「はああああ!!」

 

 

 

夢結が真上から殻に向けてブリューナグでの渾身の降り下ろしを仕掛けるが、ミサイルがブリューナグに付着した。

 

しかし夢結は構わずブリューナグでミサイルごと殻にぶつけ、殻を破壊した。

 

破壊したヒュージの殻の中は、無数のCHARMが刺さっていた。

 

アステリオン、ティルフィング、グングニル、ブリューナグ…折れてはいないものの、コアは砕けており、ただの刃物と化していた。

 

出雲、梅もその光景を目にした。

 

 

出雲「このボロボロのCHARMはまさか…!」

梅「此奴、どれだけのリリィを…!?」

出雲「……CHARMはリリィの体の一部のようなもの…戦場でCHARMを手放す事は…!?」

 

 

出雲の脳裏に何かが浮かび、夢結の方を見た。

 

この光景を見た夢結は息があれ始めていた。

 

不味いと感じた出雲は夢結に声をかける。

 

 

 

出雲「白井、早く下がれ!」

 

 

呼び掛けるも、夢結は聞いていない。

 

それどころか、夢結の髪が少しずつ白くなっていくのが見えた。

 

そんな夢結の元へ梅が駆けつける。

 

 

梅「もういい!下がれ夢結!」

出雲「駄目だ吉村!」

 

 

出雲が梅を呼び止める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方夢結の髪の色は完全に白くなり、瞳の色は赤く光っていた。

 

 

 

 

夢結「うわあああああああ!!!!」

 

 

夢結が大きな悲鳴を上げ、自身の中にあるマギを暴走させた。

 

梅はその暴走したマギが起こす衝撃波で飛ばされるも、体勢を立て直した。

 

 

出雲「大丈夫か?」

梅「ああ…先生…あれは…!」

出雲「間違いない……」

 

 

 

出雲は夢結の変わり様を見て解った。

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲「レアスキル…ルナティックトランサーだ。完全暴走状態のな…!」

 

 

出雲はなぜ夢結がルナティックトランサーを発動させたのか解った。

 

 

 

 

 

 

 

夢結は2年前、甲州撤退戦でヒュージと戦っていた。

 

しかしその戦いで夢結は自分のシュッツエンゲルを失ってしまった。

 

ルナティックトランサーを持つ夢結には疑いをかけられたこともあったが、証拠が不十分だった為疑いは晴れた。

 

しかし夢結自身はルナティックトランサーの影響なのか、記憶が曖昧な状態だった。

 

あの戦い以来、夢結はルナティックトランサーを封印し、他から距離を取るようになってしまった。

 

 

今回夢結はヒュージの背中に刺さった主を失った無数のCHARMを見たことで過去の悲劇を思い出してしまい、それがトリガーとなり、ルナティックトランサーを発動してしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢結「ウワアーー!!!」

 

 

 

突然暴走した夢結がブリューナグを持ったまま出雲達に襲いかかった。

 

すぐに出雲が黒鉄で夢結のブリューナグを受け止める。

 

 

梅「夢結!」

出雲「やはりこうなるか…いい加減使いこなせばいいものを…!」

 

 

ルナティックトランサーによるトランス状態は自身の能力を脅威的に上げるが、精神が不安定になり、敵味方関係なく襲いかかる危険性を持っている。

 

大きなメリットがあると同時に、大きなデメリットも兼ね備えてるのだ。

 

その為ガーデンによってはルナティックトランサー持ちのリリィを差別することもある。

 

 

出雲「マギが空になって、ルナティックトランサーが解除されればいいが…」

 

 

そう言ってる内に再び無数のミサイルが夢結と伊豆に向かって飛んできた。

 

 

出雲は夢結から離れ、ミサイルをかわす。

 

対し夢結はブリューナグの一降りで残りのミサイルを全て破壊した。

 

しかし夢結の呼吸は荒く、非常に危険な状態であった。

 

 

 

出雲「流石にそうは行かないな」

 

 

夢結を気絶させるしかないと、出雲は黒鉄を構え直し、覚悟を決めるが…

 

 

「夢結様ーー!!!」

 

 

突然夢結の異変に気付いた梨璃がやって来た。

 

 

 

出雲「一柳!?」

夢結「ウワアーー!!!」

 

 

 

夢結が梨璃に攻撃してきたが、梨璃はグングニルで受け止める。

 

すると、グングニルとブリューナグの接触部分にマギが収束し始める。

 

 

出雲「これは…!?」

梨璃「す、すみません!」

夢結「見ないで…」

梨璃「え!?」

 

 

 

 

マギが弾かれ、梨璃は飛ばされるも、後からやって来た楓に助けられる。

 

梅、百由、他のリリィ達も合流する。

 

 

 

 

楓「梨璃さん!何をなさいますの!?」

梅「バカかお前は!」

出雲「危ない奴だ、なにも考えずに突っ込んできた訳じゃないが…一体なんだ?」

梨璃「……私、今、夢結様を感じました」

涼「感じた?」

楓「何を仰いますの!?」

百由「マギだわ。CHARMを通じて、梨璃さんのマギと夢結のマギが触れ合って……」

 

 

百由の説明に出雲は納得した。

 

 

 

確かに梨璃と夢結の間には、通常より密度の濃いマギが出来ていた。

 

 

楓「そんなCHARMの使い方、聞いた事ありませんわ」

ミリアム「じゃがありえるのう!」

梨璃「私、前に夢結様に助けて貰った事があるんです!今度は、私が夢結様を助けなくちゃ!」

出雲「………やれるのか?一柳」

 

 

出雲が梨璃に夢結を止められるか確認する。

 

対して決意を持った梨璃の答えは…

 

 

 

 

 

 

 

梨璃「……………はい!!」

出雲「……一緒に来い。白井の所まで連れてってやる」

梨璃「はい。よろしくお願いします!」

出雲「残りの者はヒュージを遠距離から迎撃しろ。その間に白井を助け出す」

 

 

出雲は梨璃を連れて夢結の元へ再び飛翔する。

 

 

ミリアム「正気かお主ら!!」

楓「もう…後でお背中流させて頂きますわよ!」

梅「しょうがないな!」

涼「僕も行こう!」

 

 

楓、梅、涼も後を追う。

 

 

神琳「参りますか?雨嘉さん」

雨嘉「うん!梨璃と先生を援護しよう」

 

 

雨嘉、神琳も一緒に向かう。

 

 

百由「私もCHARM持って来れば良かったかな?」

ミリアム「ううぅぅ……わしも行けば良いんじゃろうが!!!」

 

 

百由を残し、ミリアムも皆の元へ向かった。

 

楓、涼がミサイルを切り払い、梅はタンキエムを変形させ、シューティングモードでミサイルを迎撃する。

 

雨嘉、神琳は楓達がこぼしたミサイルを狙撃して撃破していく。

 

そして出雲と梨璃は再び夢結の元へ来た。

 

 

出雲「白井をヒュージから離す。その後は任せるぞ!」

梨璃「はい!」

夢結「!?」

 

 

出雲が重い一撃を夢結に浴びせ、遠くへ飛ばした。

 

同時に梨璃が夢結を追う。

 

 

梨璃「夢結様ー!!!私に、身嗜みは何時もきちんとしなさいって言ってたじゃないですかー!!」

夢結「!?」

梨璃「夢結様!!!私を見て下さーーーーい!!!!」

夢結「ウワアアアーー!!!」

 

 

夢結は仰け反ったにもかかわらず、すぐに体勢を立て直し、ブリューナグで攻撃するが、梨璃はグングニルで受け止めた。

 

 

すると再び二つのCHARMからマギが集り、それは圧縮したマギの球体へと変わっていった。

 

 

 

 

出雲「マギスフィアか…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢結「がっかりしたでしょ…梨璃…」

梨璃「!?」

夢結「これが私よ…憎しみに飲まれた…醜く浅ましい…ただの化け物!!」

梨璃「それでも!夢結様は夢結様です!私の憧れ、私の大切な人です!!!」

夢結「!!」

梨璃「夢結様ーーー!!」

 

 

 

梨璃はそのまま夢結に抱き付く。

 

すると自然に夢結の髪の色が元の黒へと戻っていった。

 

 

出雲「ルナティックトランサーが解除された…!」

 

 

ルナティックトランサーが解除されたことで夢結はかつての落ち着きを取り戻した。

 

一方出雲はレストアの相手をし、ミサイルを破壊していた。

 

本来なら他のリリィがミサイルを迎撃するはずだが、このタイミングだ取り巻きのスモール級が数十体現れたのだ。

 

その為皆は取り巻きの撃破に集中しなきゃ行けないためレストアと戦ってるのは出雲だけである。

 

しかし出雲の顔に焦りはなく、余裕があった。

 

 

 

出雲「さて、そろそろか?」

 

 

 

出雲はレストアを相手にしながら誰かを待っていた。

 

そしてその誰かが来た。

 

 

梨璃「先生!」

夢結「ここは私達が!」

 

 

梨璃と夢結がマギの力で空を自在に飛びながら二人でマギスフィアを互いのCHARMで運んでレストアの頭上にやって来た。

 

よく見ると、レストアの背中には大きな傷口があった。

 

出雲が黒鉄で切った後である。

 

 

夢結「梨璃、行くわよ。一緒に…!」

梨璃「はい!」

 

 

二人はそのまま急降下し、マギスフィアを下に向けた。

 

 

 

 

梨璃 夢結「はああああーーー!!!」

 

 

二人のマギスフィアがレストアの傷口に直撃し、レストアは爆散した。

 

爆発と同時に無数のCHARMの残骸が飛び散った。

 

レストアヒュージは、梨璃、夢結の手によって討伐された。

 

取り巻きのスモール級も全て片付き、他の皆も梨璃達の元へ向かっていた。

 

 

梅「やったな…夢結…!」

出雲「やっと一歩踏み出せたな…」

 

 

二人は心が少し開いた夢結に安心感を感じた。

 

 

 

 

 

 

しかし出雲はけじめを付けるために気を引き閉めた。

 

一方レストアを討伐した梨璃と夢結は出雲達の元へ来た。

 

 

夢結「先生…私は……っ!?」

 

 

夢結が出雲に謝罪の言葉を言おうとする前に、出雲は夢結の頬に平手打ちをした。

 

 

梨璃「!?」

梅「先生!?」

 

 

対し夢結は叩かれた頬を押さえ、後悔の表情を見せる。

 

そんな夢結に出雲はこう答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲「少しは仲間に頼れ。あんな無茶はもうするな。いいな?」

 

 

そういい残し、出雲はその場を去っていった。

 

そんな出雲の言葉を聞き、夢結は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢結「…………はい!!」

 

 

感謝の返事と共に礼をした。

 

他の皆が梨璃達と合流し、皆は強敵に勝った喜びを上げていた。

 

その声を聞いた出雲は、僅かながら笑みを浮かべたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュージ討伐から数分後…梨璃と夢結は、百合ヶ丘から少し離れた丘の上の墓地にやって来た。

 

二人が訪れたのは、とある人物の墓だった。

 

その墓には、川添美鈴(かわぞえ みすず)と名前が彫られていた。

 

 

 

 

 

夢結「ソメイヨシノの花を咲かせるには、冬の寒さが必要なの。昔は春の訪れと共に咲いて、季節の変わり目を告げたと言うけれど、冬と春の境目が曖昧になった今、何時咲いたら良いか、戸惑っているようね」

梨璃「…?」

夢結「ん?」

 

 

 

 

夢結が手に持ってるペンダントを梨璃が見ていたのを気付き、夢結はペンダントの蓋をスライドさせた。

 

そこには、飴色のショートカットの少女が写った写真が露になった。

 

 

梨璃「この方が、夢結様のシュッツエンゲル…?」

夢結「そう。私のお姉様…」

梨璃「川添…美鈴様…」

 

 

夢結は、美鈴の墓に語りかけた。

 

 

 

 

 

 

夢結「お姉様…見ていてくれてますか?お姉様が亡くなってから…私は自分を責めてばかりいました。お姉様の最後を思い出そうとして、自分の戦い方を…忘れてしまっていました」

梨璃「夢結様…?」

夢結「でも…今やっと、私に笑いかけてくれたお姉様の姿を、思い出すことができました。そうしたら…このままではいけないと、私も…お姉様の笑顔の先にいた私に戻らないといけないと、そう思うことができました。そうさせてくれたのは…」

 

 

そう言って、夢結は梨璃に視線を向けた。

 

 

梨璃「夢結…様…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢結「私…白井夢結は、一柳梨璃をシルトとし、シュッツエンゲルの契りを結ぶことを…ここに誓います」

 

 

 

そう言って夢結は梨璃を抱き締めた。

 

 

梨璃「え!?」

夢結「梨璃…これからも、よろしく頼むわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢結からシュッツエンゲルの契りを誘われて、梨璃は笑顔になり、涙目になった。

 

 

梨璃「はい!お姉様!!」

 

 

夢結を姉と呼び、梨璃もその契りを結んだ。

 

この時より、一柳梨璃と白井夢結のシュッツエンゲルが誕生したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、ある少女が空気を読まずに二人の姿をカメラで激写していたのだ。

 

 

二水「いいです!とってもいい写真が取れました!これで明日のリリィ新聞の一面は決まりです!」

梨璃「ふ、二水ちゃん!?」

 

 

二水を追うように楓、梅もやって来た。

 

 

楓「梨璃さん本当に良かったですわね~!私嬉しくて涙が…!」

梨璃「楓さん!?ってまた手がお尻に!?」

 

 

相変わらずスキンシップという名のセクハラをする楓。

 

 

梅「良かったな。夢結!」

夢結「…ええ」

 

 

その様子を遠くから見た出雲は、その場を立ち去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲(川添…見ているか?お前のシルトはシュッツエンゲルになったぞ。お前が白井を導いてくれたように、今度は白井が新たなシルトを導いていくだろう。どうか…見守ってくれ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜………

 

出雲は学院の屋上で黒鉄を構え、何度も素振りをしていた。

 

自分の型を磨くためにやってるらしい。

 

 

そこへ、夢結がやって来た。

 

 

夢結「また素振りですか?先生」

出雲「白井か…寝付けないのか?」

夢結「そんなところです」

 

 

出雲は素振りを止め、近くのテーブルに置いてある紅茶の入ったティーカップに手を取る。

 

 

夢結「梨璃に模擬戦をしたのは、私の為ですか?」

出雲「一柳の為だ。彼女を見てると、アイツのことを思い出してな…」

 

 

出雲の言うアイツ…夢結は解った。

 

 

 

 

 

 

夢結「木葉…奈々…」

出雲「ブルーガードに入らせてからもう2年経つな」

夢結「甲州撤退戦の後…あの子には申し訳ないことを言ってしまったわ」

出雲「大したことで無かろう。アイツの事だ。その程度で気にする人間じゃない」

夢結「それはそうですが…」

出雲「アイツが帰ってきても、普通通りでいい。アイツの事を思うならな」

 

 

そう言って紅茶を飲み干すと、再び中央に立ち、黒鉄を構える。

 

 

 

 

 

出雲「久しぶりに一戦交えるか?」

夢結「?」

出雲「CHARM…持参してるんだろ?」

 

 

出雲の言う通り、夢結の背中にはブリューナグが背負っていた。

 

 

夢結「やはりお見通しですね…」

 

 

夢結はブリューナグを抜き、構えた。

 

 

出雲「私相手にどこまてやれるか試してやろう」

夢結「私を甘く見ないでください」

 

 

そして二人は模擬戦を始めたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

出雲の回想はここで終わった。

 

 

 

 

奈々「それで、勝負はどうでした?」

夢結「私の惨敗だったわ。一本とれたのは一度だけだったわ」

出雲「これでも鍛えてるからな。今度は木葉、お前がやるか?」

奈々「遠慮しておきますよ。まずは夢結さんに勝たないと」

夢結「私を踏み台にするつもり?」

奈々「何言ってるんですか、私にとって夢結さんはライバルですよ?元々私の目標は、夢結さんに勝つことですから」

夢結「……そうだったわね」

出雲「2年前、白井に負けてからそう言ってたな」

 

 

夢結は席を立ち、奈々に顔を向ける。

 

 

夢結「奈々、久しぶりに訓練に付き合ってもらえるかしら?」

奈々「いいですよ。私もそうしようと思いましたし」

 

 

奈々も席を立つ。

 

 

出雲「私はしばらくゆっくりしている。後でお前達の訓練を見に来る」

夢結「はい。先に行ってるわよ」

 

 

と言って夢結は訓練室に向かうため、その場を出る。

 

 

奈々「2年間の成果を見せてあげますよ!」

 

 

奈々も夢結の後を追った。

 

一人残った出雲は、空を眺めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出雲「………いい後継者が出来たな…川添よ」

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………………

 

 

二水「次回はあのヒュージとの再戦です!」

奈々「あの時の借りを返す!」

 

 

 

next 木葉奈々は手の内を明かす

 

 

 

 

 

 




木葉奈々、2話ぶりの登場ですwww

次の話は舞台版の安藤鶴紗の話とアニメ6話の内容になります。

お楽しみに!
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