アサルトリリィ MIX BLOOM   作:カッパサン

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今回はオリジナル回です。
何とか出来たと思ってます。
奈々のCHARM、レアスキルが明らかになります。
それではどうぞ。


「7」木葉奈々は狙われる

今日、木葉奈々は今日の週間リリィ新聞を見た。

 

 

 

 

「大勝利、一柳隊!!」

 

百合ヶ丘に突如現れたレストアのギガント級ヒュージ。その性能はこれまで現れたヒュージの中で最強と言えるもので、百合ヶ丘最強のアールヴヘイムも苦戦を強いられました。

 

それもそのはず、このヒュージは2年前、甲州撤退戦で現れた個体で、初代アールヴヘイムも苦戦を強いられた相手だったのでした。

 

しかしそこへ活路を見いだしたのが、結成前の一柳隊と木葉奈々の存在でした!

 

初代アールヴヘイムに所属していた白井夢結様と、夢結様とシュッツエンゲルの契りを交わした期待のリリィ、一柳梨璃さんの活躍はMVP級の活躍でしたが…

 

夢結様をライバルとする凶星のリリィ、木葉奈々さんのルナティックトランサーからのCHARM二刀流の乱舞はアールヴヘイム、レギンレイヴからも驚く程でした!

 

彼女の活躍でヒュージの攻撃はほぼ完封され、最後は一柳隊、初のノインヴェルト戦術によって、ついにギガント級ヒュージは倒されました。

 

ですがこれは一柳隊だけの勝利ではありません。

 

今回のヒュージを倒したのは、他のレギオン…アールヴヘイムとレギンレイヴの協力があったからこその勝利です。

 

学院からも、正式なレギオンとして登録された期待のレギオン…一柳隊。

 

これからの活躍を期待してます!

 

それと、今回の戦いで大活躍した木葉奈々さん。

 

彼女のレアスキルは今だ解明されていません。

 

今後は彼女の秘密について調べていきたいと思っています!

 

 

 

と、書かれていた。

 

写真も、目立つように大きく載せていた。

 

 

奈々「うわあ…面倒な事になったかも…」

 

 

と、面倒くさくその場を後にした奈々。

 

 

 

そしてしばらくして奈々はレギオン専用の施設内のとある部屋の前にやって来た。

 

立て札には…一柳隊・控室と書かれていた。

 

 

奈々「ここかな?」

 

 

奈々はドアを開けた。

 

 

奈々「失礼しまーす」

「いらっしゃい」

 

 

声をかけてきたのは中央の大きなソファーで座っている夢結だった。

 

左側の隣には、梨璃と楓が座っており、雨嘉が座ってる席の横には神琳が座り、二水を除く残りのメンバーも小さなソファーに座ってる。

 

テーブルの上には、お菓子と紅茶の入ったティーポットとティーカップが置いてあった。

 

 

梨璃「ようこそ奈々ちゃん!」

楓「ここが梨璃さんがリーダーを勤める一柳隊の控室ですわ!」

奈々「中々いいね」

梅「まあ、他のレギオンの部屋とたいして変わらないけどな」

 

 

各レギオンの控室には、それぞれ最低限の家具が置かれており、要望があれば、学院の方で用意してくれるらしい。

 

奈々は周りを見てると、テーブルに置かれてるお菓子に目が入った。

 

 

奈々「食べてもいい?」

夢結「どうぞ」

奈々「ありがと!いただき!」

 

 

奈々はお菓子を一口とり、食べた。

 

 

奈々「おお…美味しいねこれ。レモンを加えてさっぱりした味が食べやすくていいね!」

神琳「分かるんですか?それ私が作ったんですのよ」

奈々「美味しいよ神琳ちゃん、味のバランスも中々だよ。いいセンス持ってるね」

 

 

神琳が作ったクッキーは好評だと、奈々は言う。

 

 

神琳「ありがとうございます」

 

 

奈々は続いて紅茶の入ったティーカップを手に取り、ゆっくり飲んだ。

 

 

奈々「うん。この紅茶も、このお菓子と相性抜群だよ。雨嘉ちゃんでしょ、この紅茶」

雨嘉「なんで分かったの?」

奈々「二人とも、いつも一緒にいるからかな?パートナーの事をよく知ってる証拠だよ」

雨嘉「私なんてまだ神琳の事をまだまだだし…」

奈々「それでもある程度は知ってるでしょ?部屋でもいつも一緒だったんだし」

雨嘉「……うん」

 

 

雨嘉を誉めた後、今度は鶴紗の方に目を向く。

 

 

奈々「鶴紗ちゃん、レギオンに入った感想は?」

鶴紗「それ、ここで言うことか?」

奈々「当然。で、感想は?」

鶴紗「………恥ずかしいからいい」

奈々「そういう事ね。ありがと」

鶴紗「どういう事だ?」

ミリアム「鶴紗をからかうのはよしたらどうじゃ?」

奈々「単に聞きたいだけなんだけどなぁ…」

鶴紗「おまえなぁ…」

 

 

そう話してる内に入り口のドアが開き、二水がタブレットを持ってやって来た。

 

 

二水「お待たせしました…あ、奈々さんもういらっしゃたんですか?」

奈々「まあね。所で…そのタブレット、学院から用意されたもの?」

二水「はい。実は今後のアップデートで、奈々さんに関するデータを取り直すと学院から言われまして、奈々さんにその協力をしてほしいのです」

梨璃「データ?」

夢結「きっとそれ、百由からの要望ね」

 

 

現在、百合ヶ丘女学院が保管している奈々に関するデータは、2年前の古いもので、今の奈々のスペックと結構食い違っている。

 

これは、奈々が甲州撤退戦の後…ブルーガードに転校したことで、奈々に関するデータを更新してなかったからである。

 

今回、百由が奈々のデータを更新する理由は、一柳隊結成直前に現れたギガント級ヒュージとの戦いで、無双の如く、圧倒的な強さを披露した奈々の戦いが学院のデータを大きく上回っており、全然噛み合わない事が分かり、再度データの編集を行う必要があったのだ。

 

 

奈々「ごもっともな理由だね…いいよ。すぐ終わるんだし」

ミリアム「ワシも手伝った方が良さそうじゃな。まあ奈々の強さが知りたいのも理由じゃがな」

梨璃「私達も見学していい?」

二水「勿論です!」

夢結「奈々のあの強さ…データではどんな結果が出るのかしら」

楓「私も気になりますわね」

 

 

と、皆も興味深々である。

 

二水の案内で、奈々は自身のデータの再編集に協力することになり、一柳隊も見学に参加することになった。

 

 

 

 

 

 

まず最初に訪れたのは、スキラー数値を調べるための大型スキャナーが置かれた部屋であった。

 

端末の操作は百由が担当。

 

側には、ミリアム、涼がアシスタントを勤めている。

 

奈々は白い服を着ており、大型スキャナーの中でうつ伏せになっていた。

 

別の部屋では、梨璃、夢結、楓、二水、雨嘉、神琳、鶴紗、梅がモニター越しで見ていた。

 

 

百由「さて、始めるわよ奈々さん」

奈々「百由さん、本当に調べるだけですよね?」

百由「当たり前よ。信用しなさいよ」

奈々「過去に百由さん、私の潜在能力を無理矢理引き出すためにくすぐりや電気ショックを私にしたことを忘れたんですか?」

百由「だ、大丈夫よ。今回はないから」

ミリアム「スキャナーを当てるだけじゃから心配せんでいい」

涼「これが奈々の2年前のデータか…」

 

 

涼はタブレットに入ってる2年前の木葉奈々のデータを見つけ、確認した。

 

 

涼「…………え!?」

ミリアム「どうしたのじゃ?」

涼「……スキラー数値が…29!?」

ミリアム「なんじゃと!!」

 

 

二人は2年前の奈々のデータに載ってるスキラー数値が低いことに驚いた。

 

リリィの性能は、スキラー数値に大きく左右され、レアスキルの習得条件にも関わる。

 

 

百由「ああそれ、最初の入学試験の時のデータね?」

涼「最初の入学試験?」

 

 

一方、梨璃達の方でも、奈々の過去の経歴について夢結から聞いていた。

 

 

梨璃「ええっ!?奈々ちゃん入学当時はリリィでは無かったんですか!?」

夢結「ええ。スキラー数値が低くて、学院が奈々を入学するか悩んでいた頃があったのよ。けどそんな奈々の面倒を見たのが当時、高等科だった出雲先生だった。先生は彼女をマディックとして仮入学をさせた後、奈々担当の教導官になって2週間の強化訓練を行ったわ。私と梅も彼女の訓練を見学したことがあったわ」

 

 

スキラー数値が50を越えることで、はじめてCHARMを扱うことができ、リリィと呼ばれるようになるが、逆にスキラー数値が25から49までの少女は、マディックと呼ばれる。

 

当然リリィではないため、ラーシ級のヒュージに決定打を与えることはできない。

 

 

二水「一部の校では、マディックをリリィに育てる制度があったそうです。スキラー数値は上げることが可能なので、マディックからリリィになるのも珍しくありません」

雨嘉「でも、CHARMが使えないんじゃヒュージを相手には…」

二水「それは大丈夫です。マディックにはCHARMが使えない代わりに通常の兵器をマギ戦使用に改造したアンチヒュージウェポンと呼ばれる武器を使って戦います。勿論CHARM程の性能はありませんが…」

梨璃「それでお姉様、奈々ちゃんはどうしたんですか?」

夢結「2週間の強化訓練後、2度の入学試験でスキラー数値が50に達して、奈々は晴れてリリィになり、百合ヶ丘に正式に入学出来たのよ」

神琳「マディックだった奈々さんを2週間でリリィに仕立てるなんて、先生って凄いですわね」

夢結「凄いと言うより、酷かったわ」

梨璃「え?」

夢結「先生は奈々に実戦での戦闘になれるために模擬ヒュージではなくミドル級ヒュージを一人で戦わせていたのよ」

梨璃「ミドル級!?」

楓「何考えてますのあの人は!?」

鶴紗「スパルタじゃないか…」

梅「だけど奈々は疑うことなくミドル級と戦ったよ。結局やられたけどな」

梨璃「えー……」

楓「神経おかしいんじゃありませんの!?」

 

 

出雲の知られざる過去に梨璃は少し青ざめた。

 

 

夢結「私も当時そう思ったわ。けど訓練から1週間後、奈々はミドル級を倒したのよ。そこから先生は、本格的に剣での戦いかたを奈々に教えたわ。彼女が近接攻撃を得意とするのはその影響なのよ」

梨璃「そうだったんですか」

 

 

一方、能力測定機では、奈々を計った後、モニターに奈々の身体能力、マギの保有値とスキラー数値が表示された。

 

 

百由「ふむふむ…身体能力は2年前から大きく上昇したわね。マギの保有…え!?」

ミリアム「百由様どうしたのじゃ?」

百由「……マギの保有値、平均以上…!!?」

ミリアム「なんじゃと!!」

涼「平均以上!?」

百由「これ…天葉の倍はあるわよ…!?」

 

 

現在、百合ヶ丘でマギの保有値が高いリリィはアールヴヘイム隊長の天野天葉と、ローエングリン主将の立原紗癒。

 

そして奈々はその二人の倍の保有値を持っているのだから驚きである。

 

 

百由「スキラー数値は…測定不能…!!?」

ミリアム「測定不能じゃと!?」

涼「壊れてる…わけないか…ちゃんと点検したんだし」

 

 

梨璃達の方でも奈々のデータに驚いた。

 

 

梨璃「そ、測定不能!?」

楓「あり得ませんわ!?」

二水「でも、機械は正常のようですよ!」

夢結「マギの保有値が天葉の倍ぐらいあるなら、ルナティックトランサーを長く使えるのにつじつまが会うわ」

 

 

前回、ギガント級ヒュージを相手に奈々はルナティックトランサーを発動してから撃破まで継続させていた。

 

当然マギの消費もかなりのもので、それだけ奈々のマギの保有値が高い事が分かる。

 

 

神琳「スキラー数値も倍ぐらいありますわね」

雨嘉「身体能力は平均を越えてる…」

鶴紗「こんなスペック…普通はいないぞ」

二水「100以上…これは流石に不味いんじゃないんでしょうか…!」

 

 

 

二水が言うように、スキラー数値が100を超えるのは危険であり、立原紗癒のスキラー数値…98もギリギリの範囲である。

 

 

 

 

しかし、これまでの奈々には何の症状もない。

 

 

百由の独断により、奈々のスキラー数値は95でデータに登録し、本当の数値に関しては保留にすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所換わって、今度は百由専用のラボに奈々や皆を呼んだ。

 

 

奈々「お次はどうするんですか?」

百由「貴女の持ってるCHARMとレアスキルの事を聞きたいの」

奈々「私のCHARMとレアスキル?」

百由「この前のヒュージとの戦いで貴女が披露したルナティックトランサーとCHARMの二刀流の事よ」

 

 

前に現れたギガント級ヒュージとの戦いは百由も見ていた為、奈々の戦いも確認済みである。

 

 

二水「それは私も知りたいです。ルナティックトランサーを使ってCHARMの二刀流…私の推測ではデュアルスキラーかと思うんですが…」

百由「奈々さんが披露したCHARMの二刀流…あれはレアスキルによるものでは無いわ」

二水「えっ?」

百由「理由はこの二本のCHARMよ」

 

 

そう言って百由は奈々から借りた二本のCHARM…カナベラルとブルメリアをテーブルに並べた。

 

 

百由「どうもこの二本は、片方を起動させると、それに連動してもう一本が任意で起動出来るように作られているのよ。まるでこの二本が1つのCHARMとして機能してるようにね」

梨璃「1つのCHARM!?」

二水「確かに、それなら円環の御手が無くても可能ですが、CHARM二本分のマギでは先程の威力は難しいと思いますが…」

 

 

と、二水の疑問に奈々は答えた。

 

 

奈々「実はこれ2本とも、起動に必要なマギの量がCHARMの1・2倍以上も必要なんだ」

ミリアム「1・2倍?なんか普通じゃな」

奈々「その代わり二刀流の時は3倍以上のマギを消費する事になる」

二水「さ、3倍!?」

梨璃「2・4倍じゃなくて!?」

奈々「威力を優先した結果、こうなったんだよ。威力は上がるけど、燃費がね。まあ私は保有値高いから」

夢結「マギの消費を押さえるとか出来ないの?」

奈々「そういう作りじゃないからね。これは…」

楓「二刀流で3倍とか、ピーキー過ぎますわよ!」

奈々「当時は私もそう思った」

百由「確かにそう言われると、円環の御手の方が燃費いいわね」

 

 

円環の御手が通常の1・5倍に対し、奈々が使った二刀流は更にその倍と、必要なマギの量が異常に上がっている。

 

威力はかなり上がるが、あきらかに効率が悪い。

 

 

奈々「まあ、詳しく説明しますよ。まずはこのカナベラル」

 

 

奈々は紅い剣のCHARM、カナベラルを持つ。

 

 

奈々「ご覧の通り、大きめの剣で攻撃に特化した武器で、第1世代のように変形機能は持っていないシンプルな作りになっています。使用してる素材も、マギが入っていなくても固いほどの強度の物を使用しています。攻撃力は高いですが、先程言った通り必要なマギの量が多くて、並のリリィでも結構扱いづらい武器です。あ、ちなみにこれ、ユニークCHARMですよ」

二水「ユニークって…これブルーガードで作ったんですか!?」

奈々「そうだよ」

楓「グランギニョルでも…そんな使いにくいCHARMは作りませんわ」

神琳「なるほど…確かにギガント級を圧倒したあの攻撃力は納得できますわ」

夢結「奈々の高いマギの保有値でないと扱えないCHARMって訳ね」

奈々「もうひとつは短剣のCHARM、ブルメリア」

 

 

奈々は青い短剣のCHARM…ブルメリアを皆に見せた。

 

 

奈々「こっちは見ての通りコンパクトな機体で、起動時にはマギの刃を発生させる特徴を持っています。カナベラル程の威力はないですが、結構強いですよ。このCHARMはマギの刃に触れた相手のマギを吸収することができる機能を備えていますから。その代わり起動時にはカナベラルと同じマギの量を必要とします」

雨嘉「マギを吸収!?」

梅「確かに便利なCHARMだけど、マギの消費が痛いな」

ミリアム「しかし、マギを吸収するというのは重要じゃな」

夢結「ええ。リリィやヒュージにとって、マギは戦闘力を左右する。消耗させれば当然、攻撃も防御も脆くなるから、その吸収能力はかなり重宝するわ」

楓「ですが、二刀流使うのに3倍のマギを使って戦うのはさすがに釣り合いませんわ。それではすぐにマギが無くなってしまいますわ」

奈々「そこで、二刀流で戦う際にはルナティックトランサーを使ってるんだ」

鶴紗「ルナティックトランサーを?」

 

 

ギガント級ヒュージとの戦いで奈々は、ルナティックトランサーを発動してから二刀流を使用していた。

 

 

百由「なるほどね。ルナティックトランサーはヒュージの周辺にある負のマギを体に宿す効果がある。奈々さんはその特性を使って必要なマギを確保してたわけね」

奈々「完全にギガント級限定の戦法ですけどね」

 

 

カナベラル、ブルメリアの二刀流使用とルナティックトランサーをまとう為の必要なマギは異常な量で、普通のリリィではすぐにガス欠になる。

 

だが、高いマギの保有値を持つ奈々と、ブルメリアの吸収能力、ルナティックトランサーで更に吸収したマギを加えれば、そのコストもかなり緩和する。

 

この戦法が使えるのは、ギガント級以上のヒュージ…マギを沢山保有する相手のみに限定される。

 

 

夢結「負のマギを体に宿すだけでも危険なのに、奈々は平気でいたわね」

梅「奈々の精神が強いってことだナ」

梨璃「奈々ちゃん凄いなあ…」

百由「ところで奈々さん、疑問はまだあるわよ」

 

 

百由が奈々に新たな質問を問う。

 

 

百由「貴女の持つレアスキル、ルナティックトランサーじゃないわよね?」

夢結「えっ?」

梨璃「えっ?」

 

 

百由から奈々への質問に梨璃と夢結は理解出来なかった。

 

他の皆も同様だが、百由と一緒だったミリアム、涼は別だった。

 

 

ミリアム「測定機では、レアスキルだけ確認出来なかったからの。結果も測定不能と出てるしな」

涼「多分、データにはないレアスキルだとは思うけど…」

夢結「でも、あの時奈々が使ったのはルナティックトランサーだったわ」

梨璃「私も見ました」

梅「梅達も御間違えるはずないゾ」

 

 

奈々は確かにギガント級との戦いでルナティックトランサーを使っていた。

 

しかし測定機ではルナティックトランサーと認識しなかった。

 

その疑問に、奈々は答えた。

 

 

奈々「……マスカレイド」

梨璃「え?」

奈々「ブルーガードで覚醒した私のレアスキルの名前」

夢結「マスカレイド?」

二水「聞いたことがないレアスキルです」

神琳「効果は何ですの?」

奈々「簡単に言えば、ブーステットリリィが持つブーステットスキル…エンハンスメントとアルケミートレースもどきが使えるレアスキルだよ。ちなみに私はブーステットリリィじゃないよ」

ミリアム「な、なんじゃそれは!?」

鶴紗「ブーステットリリィと同じスキルが使えるレアスキルなのか!?」

奈々「うん」

二水「なるほど、エンハンスメントはサブスキルを一時的にレアスキル化させる効果を持つ…それならサブスキルの狂乱の闇をルナティックトランサーに出来るのも納得がいきます!」

楓「それってつまり、複数のレアスキルが使えるって事じゃないですか!」

奈々「ブルーガードにいたときは、縮地とヘリオスフィア、鷹の目も使ってたかな?」

雨嘉「そんなに!?」

涼「サブスキルの項目には、インビシブルワン、聖域転換、千里眼も入っていたね」

夢結「奈々の単独戦闘に合ったスキル構成ね」

鶴紗「それで、アルケミートレースもどきというのは?」

奈々「本来アルケミートレースは自身の血液を媒介にして擬似CHARMを作る効果だけど、こっちはマギを固体化させて作るようになっています」

二水「マギを固体化?」

奈々「要するに、ビームの剣みたいな物が作れるって訳」

百由「試しにこれでやってみてくれる?」

 

 

百由はマギクリスタルのコアを奈々に渡す。

 

 

奈々「いいですよ。百間は一見にしかずですから」

 

 

そう言って、奈々はレアスキル…マスカレイドをの能力の一部を発動させ、渡されたマギクリスタルのコアに半透明の刃を作り出した。

 

 

梨璃「あっ!」

二水「ちゃんとCHARMになってます!」

涼「まるでビームソードみたいだね」

奈々「ワイヤーや投擲用の武器も作れますが、マギを多く消費しますから、万が一の手段として使わないようにしてるんです。これがアルケミートレースもどきと呼んでる理由です」

 

 

燃費が悪いけど、CHARMを手離してしまった時の保健としては使える能力のようだ。

 

 

百由「話をまとめると、奈々さんは扱いにくい二本のCHARMを高いポテンシャルを持ったレアスキルで、あらゆる状況に対応できる前線に立つアタッカーリリィって訳ね」

梨璃「なんか奈々ちゃんって、最強のリリィって名乗ってそう」

奈々「これでもまだまだだよ。私には夢結さんに勝つって目標があるからね。そして先生に勝って、私は初めて最強のリリィを名乗れるからね」

夢結「そう簡単に勝ちは譲らないわよ。奈々」

 

 

夢結も余裕な笑みで奈々に言う。

 

 

梨璃「やっぱり二人とも凄いなあ…私も頑張らないと…」

楓「それなら私が教えて差し上げますわ!手取り足取り…」

 

 

と言って楓は梨璃に抱きつき、右手をそのままお尻の方へ伸ばすが…

 

奈々に手首を捕まれ、梨璃へのヒップタッチは阻止された。

 

 

奈々「そこのリリィさん、痴漢は犯罪ですよ」

楓「くっ、貴女もスキンシップを邪魔するのですか?」

奈々「何がスキンシップなの?」

百由「随分と仲がよくなったのね」

奈々「そういうことです。ですが…おかしいですね」

 

 

奈々はまだ疑問な表情をしていた。

 

 

楓「何かありますの?」

奈々「マスカレイドに関する情報はブルーガードから全世界に公開してるはずなんですが…」

百由「え?」

 

 

二水はタブレットを操作し、百合ヶ丘のデータベースを確認した。

 

 

二水「あっ!レアスキルのデータが更新されています。えっと…ありました!マスカレイドの名前が載ってます!」

 

 

奈々の言う通り、マスカレイドの名前がデータベースに載っていた。

ミリアム「百由様…この機械のデータ更新がまだ…」

 

 

呆れた視線を百由に向けるミリアムと涼。

 

 

百由「………さて、必要な情報は揃ったし、これからデータをまとめた後、理事長に報告するから失礼するわね。お疲れ様」

奈々「え?…こ、こちらこそお疲れ様です」

 

 

百由は気まずくなったのか、この場から去っていった。

 

 

ミリアム「……逃げたな」

涼「だね」

梨璃「奈々ちゃん、放課後暇かな?」

奈々「他に予定ないけど何か?」

梨璃「私と模擬戦してほしいの」

 

 

梨璃が奈々に模擬戦を誘ってきた。

 

 

奈々「私と?」

梨璃「私、まだまだだけど…奈々ちゃんに私の実力がどこまでやれるかやってみたいの」

 

 

梨璃は奈々との戦いで学べるものがあるかもしれないと思い、模擬戦を申してきたのだろう。

 

 

奈々「いいよ。全力でね?」

梨璃「うん。よろしくお願いね」

楓「くっ、まさかここにお邪魔虫がいたなんて…!」

奈々「お邪魔虫って私かい」

夢結「奈々、もし梨璃に大きな怪我をさせたら…わかってるわね?」

奈々「うおっ!分かってますって!」

 

 

奈々はこの後、梨璃との模擬戦を行った。

 

結果は奈々の圧勝だった。

 

梨璃も夢結から教わった戦い方を生かして奈々に挑んだものの、圧倒的な力の差で敗れた。

 

こうして今日の一日は終わった。

 

 

 

 

 

そして次の日…

 

奈々は掲示板を見ると、新たなリリィ新聞が貼ってあった。

 

近くには多くの生徒で溢れていた。

 

奈々はリリィ新聞を見ると、眉間にシワを寄せていた。

 

 

その内容とは…

 

 

 

 

 

 

「ピーキーガール、木葉奈々!!」

 

 

昨日の記事で紹介した木葉奈々さんはギガント級ヒュージを圧倒させる活躍を見せました。

 

そんな彼女には、尖った性能を持った二本のCHARMがあったのです!

 

高火力を持つ紅き剣のカナベラルと、相手のマギを吸収する蒼き短剣のブルメリア。

 

共に異常なマギの消費を掛け持つこの二本のCHARMですが、彼女は持ち前のレアスキル、マスカレイドの能力でそれらをカバーしました。

 

戦闘技術もそうですが、甲州での戦い…ブルーガードでの強化活動…度重なるヒュージとの戦い…これらの経験も彼女の強さに貢献し、木葉奈々さんの独自の戦闘スタイルを作りあげたんです。

 

そして…マスカレイド。

 

これはエンハンスメントとアルケミートレースのスキルが使えるセットのレアスキルで、まだ全世界で奈々さんしか持っていません。

 

そんな彼女の目標は…孤高のリリィと呼ばれた一柳隊の副隊長、白井夢結様に勝つことらしいです。

 

いつか来る木葉奈々さんと白井夢結様の夢の対決に私も期待しています!

 

 

 

 

 

いつの間にか、この場にいる全ての生徒が奈々を見ていた。

 

 

奈々「ふ……ふ、二水ちゃーーーん何載せてんのーーー!!!!!!!」

 

 

余計なことをされ、奈々は二水に対する怒りをあらわに叫んだ。

 

 

「あーっ!見つけましたわ!」

奈々「え!?」

 

 

奈々は声が聞こえた方へ顔を向けると、そこには桃色の長い髪の子…遠藤亜羅椰がいた。

 

 

奈々「うわ、めんどくさいのが来た!」

亜羅椰「めんどくさいって何ですの!?とにかく、私と勝負しなさい!」

奈々「何で!?前に模擬戦やったじゃん」

亜羅椰「あんなの勝負とは言いませんわ!」

 

 

遅れて壱、樟美、天葉、依奈もやって来た。

 

 

壱「亜羅椰、また厄介事を…」

樟美「亜羅椰ちゃんたら…」

依奈「奈々さん、貴女何をやったの?」

奈々「人をトラブルメーカーみたいに言わないでくださいよ!ただ前に亜羅椰ちゃんから申し込まれた勝負の時に縮地を使ってボディスラムで倒しただけですよ」

天葉「CHARM使ってないの?」

亜羅椰「とにかく、私と勝負しなさい!今度こそあんたを倒して…」

 

 

亜羅椰が話してる間にいつの間にか奈々はいなくなってた。

 

 

亜羅椰「って、いない!?」

天葉「逃げたね」

衣奈「あれがマスカレイド?」

壱「縮地じゃなくて?」

天葉「マスカレイドでインビシブルワンをレアスキル化させたのよ。新聞の内容通り、ほんとに何でもありのレアスキルだね」

 

 

天葉は奈々の強さを評価していた。

 

 

 

 

一方…亜羅椰から逃げ切った奈々は庭にやって来た。

 

後ろを振り向き、亜羅椰が追ってきてないか確認すると、前に振り向き、ホッとした。

 

 

奈々「ふう…上手く逃げ切れたかな…?」

「奈々ちゃん?」

「奈々?」

 

 

目の前にいる梨璃と夢結に声をかけられた。

 

 

奈々「梨璃ちゃん、夢結さん。二人でお散歩ですか?」

夢結「ええ。訓練の後の休憩だけどね」

梨璃「奈々ちゃんはどうしてここに?なんか汗かいてるけど…」

奈々「二水ちゃんが今日出したリリィ新聞のせいで面倒な子に追われてね…」

夢結「予想はしてたけど…面倒な子?」

梨璃「誰なの?」

奈々「実は李組の…」

「お待ちなさい!!」

奈々「!?」

 

 

遠くから逃げ切ったはずの亜羅椰が追っかけてきた。

 

 

奈々「うわ!しつこい!」

 

 

奈々は再び亜羅椰から逃げた。

 

亜羅椰も奈々の後を追っていく。

 

 

亜羅椰「あんた、あの時全力を出してませんでしたわね!」

奈々「別に全力をような勝負じゃないでしょ?」

亜羅椰「何言ってますの!?勝負と言ったら全力の勝負に決まってるでしょ!」

奈々「そんなの亜羅椰ちゃん最初に言ってなかったし」

亜羅椰「言わなくても普通はそうでしょ!」

奈々「知らんがな」

 

 

逃げる奈々はついに訓練場まで来た。

 

結構広いこの場所なら自由に動けるだろうが…

 

この時奈々は1つの誤算を知った。

 

 

亜羅椰「てりゃああああーー!!」

 

 

なんと、亜羅椰が背中に背負っていた愛用のアステリオンを起動させ、ブレイドモードにして奈々に襲いかかってきた。

 

奈々は早く反応し、亜羅椰のアステリオンによる降り下ろしをバックステップで回避した。

 

 

奈々「今のマジの攻撃したよね!?」

亜羅椰「もう一度言いますわ。私と勝負しなさい!」

 

 

亜羅椰は完全にやる気の用である。

 

しかも、会場には数十人程の生徒が集まり、二人を注目していた。

 

今回のリリィ新聞の内容が広まり、奈々の戦いを見たいと言う生徒が増えてきたのだ。

 

更には一柳隊の面々もやって来た。

 

こうなってしまったら、奈々にこの場を避ける術はない。

 

奈々は亜羅椰の方を見ると、真剣な表情をしていた。

 

 

亜羅椰「私にも、プライドがありますの。今度は全力で行きますわ。木葉奈々!貴女も全力で来なさい!」

 

 

彼女の言うことも一理あると感じた奈々は、腰に付けたカナベラルを抜く。

 

 

亜羅椰「やる気になりましたわね」

奈々「亜羅椰ちゃんの言う通りだよ。先程の勝負は勝負するものとして失礼だった。ただ私は自分の話題で周りに色々言われるのが嫌だった…でも、それが君のプライドを傷つけた。本当にごめん。だから……」

 

 

奈々はカナベラルを起動させた。

 

 

奈々「今度は君の要望通り、全力で行く。最初に言っておくけど…CHARM壊れたらごめんね!」

亜羅椰「何を言ってるのか知らないけど、掛かってきなさい!」

奈々「それじゃ遠慮なく!」

 

 

奈々はマスカレイドの能力で縮地を発動させ、即座に亜羅椰の至近距離に着く。

 

 

亜羅椰「早い!?」

 

 

そのまま奈々はカナベラルを降り下ろす。

 

亜羅椰も即座にアステリオンを構えて降り下ろされるカナベラルを受け止める。

 

 

 

 

 

 

 

が、亜羅椰のアステリオンがブレードごと真っ二つに叩き割れてしまった。

 

咄嗟に奈々はアステリオンを割った直後、カナベラルを止めた。

 

 

亜羅椰「…………………え!?」

奈々「………まあこうなるよね…」

 

 

その光景を見た観客の皆はしばらく静寂が続いた。

 

一柳隊…アールヴヘイムも言葉を失う位に…

 

まさにそれは、圧倒的な力の差を見せつけられた瞬間であった。

 

それもそのはず…奈々のカナベラルは常に高い威力で固定されるため、模擬戦に使っていいCHARMではない。

 

コストの低いグングニル、アステリオンといった量産機では、いくらマギを込めても、カナベラルの圧倒的な威力に負けてしまうからだ。

 

楓曰く、ピーキー過ぎるCHARMである。

 

これに対抗できるCHARMといえば、ブリューナグ、ダインスレイフ、グラム、ティルフィング等の高コストの物ぐらいである。

 

ちなみに、梨璃と模擬戦したときは同じグングニルで戦ったとのこと。

 

 

 

 

 

この模擬戦の後、奈々は学院から模擬戦でのカナベラルの使用を禁じられたという…

 

奈々自身は特に問題は無いと言うが、亜羅椰の方は、いつか新しいCHARMでリベンジすると言い、それまで勝負はお預けとなった。

 

この原因を作った二水はこの後、奈々から間接技を受けたのだった…

 

 

 

 

 

 

奈々と亜羅椰との模擬戦から数日経ち…

 

奈々は一柳隊の控え室で一柳隊の面々と一緒にお菓子を食べていた。

 

 

ミリアム「まさかあれほどの威力だったとはのう…」

 

 

あの模擬戦を見たミリアムはその後、自分のニョルニールを更に強化するための改造を度々していたらしい。

 

 

雨嘉「私が奈々と戦ったらCHARM折れてたかも」

二水「私と梨璃さんも同じグングニルですし」

梨璃「あの時の模擬戦は奈々ちゃんも私と同じCHARMだったからね」

神琳「凄いCHARMですわね。奈々さんの」

奈々「私もまさか本当に折れるとは思わなかったから」

楓「CHARMだけでなく、貴女もピーキーですわね」

鶴紗「エンハンスメントとアルケミートレース…どっちも使用に必要なマギが多い…2つの能力をあわせ持ったマスカレイドなら尚更ね」

 

 

奈々のレアスキル、マスカレイドは他のレアスキルよりマギの消費が高い為、奈々程のマギの保有値が無いと続けて使用するのは難しい。

 

夢結が使うルナティックトランサーと奈々が使うマスカレイドからのルナティックトランサー…

 

当然マギの消費量は奈々の方が多いのだ。

 

 

夢結「縮地と鷹の目…これらはマギの消費こそ少ないけど、マスカレイドからの発動を考えると、効率が悪いわね」

奈々「私の今のマギの回復量ならそれくらいは大丈夫ですよ」

梅「梅の専売特許が取られないよう、頑張らないとだナ」

 

 

と、話してる内に扉が開き、出雲が入ってきた。

 

 

出雲「全員揃ってるな」

梨璃「出雲先生!」

楓「先生が来るなんて珍しいですわね」

二水「何か訓練の報告でしょうか?」

出雲「いや、今回私がここに来たのは訓練の話ではない」

奈々「訓練じゃないとすると…もしや…」

出雲「木葉はもうわかったようだな」

夢結「先生…今回はまさか…」

出雲「ああ…」

 

 

 

 

 

 

 

出雲「これより一柳隊…木葉奈々は、下北沢へ遠征に向かう」

 

 

 

 

 

 

 

…………………………………………………………

 

 

 

二水「次回は一柳隊が他校のリリィ達と協同します!」

奈々「このギガント級…いつもと違う…!?」

 

 

 

NEXT 一柳隊は強敵と出会う

 

 

 

 




次の更新も亀更新になるかも知れませんが、
こんな小説でも、最後まで作りたいと思ってます。

次回の話はいよいよ、他校のリリィ達が登場します。
舞台版アサルトリリィを見た人ならわかる内容です。
お楽しみ!!
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