ギターを持った少年   作:真仁

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再戦

デイブレイクタウンへと通ずる廃道、そこに或人達“仮面ライダー”の姿はあった。元々封鎖されている地域という事もあり辺りには人気は無い。そしてデイブレイクタウンへとまっすぐ続くトンネルの入り口が通る者全てを飲み込むかのようにそこにあった。

「この先にジローが・・・」

「行こう!ゼロワン!」

迅が先陣を切って進もうとしたその時、彼の足下で火花が散りその足を止める。

「迅⁉︎」

「だ、大丈夫だよ滅・・・、今のは・・・?」

迅を攻撃したモノがトンネルの奥からゆっくりと姿を現す。

「グレイサイキング!」

「ゴールドウルフ!」

「イエロージャガー!」

「レッドコンドル!」

「サソリブラウン!」

5体のロボットが名乗りを上げながら或人達の前に姿を現した。

「なんだコイツら・・・?新手のマギアか?」

「いや違う・・・さっき見たデータにあった姿と1000%一致している・・・。アレは、ダークの破壊ロボットだ!」

5体のダークロボットは動物のような唸り声と機械の駆動音が入り混じった不快な音の撒き散らしながらゆっくりと或人達に迫ってくる。

「社長!ここは俺達に任せろ!」

「不破さん⁉︎」

「お前はジローの元へ急げ」

「滅・・・、わかった!必ずジローを助けてみせる!」

或人はライズフォンを操作し、ライズホッパーを呼び出す。上空から投下されたライズホッパーがトンネルの天井を突き抜けて落着、その際の衝撃でダークロボット達が怯んだ一瞬の隙を突き或人はライズホッパーに搭乗しその場を走り抜ける。ダークロボット達は或人を逃すまいと追いかけようとする。

「どこ見てやがる!」

「お前達の相手は・・・僕達だ!」

その場に残った不破達は各々のベルトを装着し、プログライズキーを起動する。

『Barrett!』

『Dash!』

『Poison!』

『Inferno wing!』

『Break horn!』

 

「変身!」

 

プログライズキーを装填したベルトを操作し、仮面ライダーに変身する。

『shooting wolf!』

『rushing cheater!』

『sting scorpion!』

『burning falcon!』

『"Presented by ZAIA.!』

 

並び立つ五人の仮面ライダー、バルカン、バルキリー、滅、迅、サウザー。或人を追撃しようとしていたダークロボット達もその姿を見て標的を変更、各々と同じモチーフを持つライダーに向かって襲いかかる。

「いくぞ!」

『おお!』

バルカンの掛け声を合図にライダー達もダークロボットを迎え撃つ。

 

 

 

 

 

不破達にダークロボットを任せて奥へと進む或人、ライズホッパーの走行音にまぎれて後ろからは爆発音や鈍い金属音が微かに聞こえてくる。

「始まった・・・!」

仲間達を信じ或人は振り向かずに前へと進む。やがて開けたホールのような廃墟へと出た或人、そこには一つの黒い影が頭部の電子頭脳を怪しく光らせながら待っていた。

「お前は・・・アークハカイダーか」

「そうだ、会うのは初めてだな、仮面ライダーゼロワン、飛電或人」

「今度はお前が足止めをするって訳か」

「いいや、お前の相手は俺じゃない。コイツのが相応しいだろう・・・来い!」

アークハカイダーに命令されて現れたのは・・・

「ジロー!」

「・・・・・」

或人の声にも反応せずただ人形のように無機質な顔と成り果てたジローが現れる。

「ハカイダー・・・ジローに何をした!」

「何をしたも何も、簡単な話さ。コイツは悪意に負けた、服従回路に負けてただのロボットになったのさ」

「そんな・・・!」

「ジロー、今度こそお前の本当の力で飛電或人を破壊しろ!命令だ!」

「・・・・・」

命令を受けたジローは自らの両肩に手を乗せる。

「チェンジ・スイッチオン」

小さな声で淡々と呟くと同時にジローの身体が光に包まれ、或人たまらず顔を覆う。光に包まれたジローの外皮が剥がれ落ちて中から透明なカバーに覆われた機械のボディが露わになる。

やがて、光が収まり、或人が再び顔を上げると、そこにはジローではなく半身が青、もう半身が赤の左右非対称のロボットが立っていた。そして或人は先程飛電インテリジェンスでみた記録映像でジローの変身したその姿を知っていた。

「・・・これが、ジローの戦闘形態・・・キカイダー・・・⁉︎」

「・・・・・」

記録映像とは違い、赤く発光する目をしたキカイダーはゆっくりと或人に向かっていく。或人はすかさずゼロワンドライバーを装着、普通のプログライズキーより大型の銀色のキーを取り出す。

『Everybody jump!』

ゼロワンドライバーにキーを認証しカバーを展開、ドライバーにそのまま挿し込む。

『プログライズ!』

「変身!」

キーを挿し込んだ際にドライバーからはみ出している後部レリーフを折り畳みオーソライザーを覆うように被せる。

『メタルライズ!』

『Secret material! 飛電メタル! メタルクラスタホッパー! 』

銀色の小型バッタの大群が一度大型のバッタの姿にまとまった後、或人の身体を覆い尽くすように群がり銀色のアーマーへと変化する。

『"It's High Quality."』

変身が完了し、全身銀色のアーマーを纏ったゼロワンが姿を現す。

その名も仮面ライダーゼロワン メタルクラスタホッパー。

良心回路のデータを利用し、新たなプログライズキーの作成するにはゼロツープログライズキー内に格納されている人工知能ゼアが必要不可欠な今、現状で或人が自由に変身可能であるライダーにしてゼロワンの最強形態である。右手にはバッタの意匠を象った黄色の剣、“プログライズホッパーブレード”を携えている。

「いくぞ・・・ジロー!」

プログライズホッパーブレードを構えて、キカイダーに向かっていくゼロワン。対するキカイダーは戦闘態勢も取らず、ダラン、力無く両手を下ろしたままであった。しかし次の瞬間・・・

「ッ⁉︎ガアッ・・・⁉︎」

激しい閃光と共にゼロワンは後方へ大きく吹き飛ばされていた。地面に叩きつけられたゼロワン、その右肩のアーマーは黒煙を上げながら無惨にも破壊されていた。

「そんな・・・メタルクラスタの装甲が・・・⁉︎」

飛電メタルで構成されたメタルクラスタホッパーの装甲強度はゼロワンの各形態の中でも最も頑強な物、それがこうもあっさりと破壊されてしまった事実に或人は驚愕する。

「今、何をされたんだ・・・?」

そんな或人の問いの答えはすぐに返ってきた。キカイダーの赤く光る目から稲妻の様な閃光が放たれる。それはキカイダーに搭載された最強兵器“破壊光線”(ブラスター)だった。文字通り全てを破壊しうる威力を持ったそれをゼロワンはとっさに装甲の一部を小型バッタ型の形態“クラスターセル”に変化させ、それを用いて前方の空間に障壁を形成する。しかし閃光は障壁を破壊し貫通、ゼロワンの胸部に命中し再びゼロワンは吹き飛ばされた。

飛電メタル製の障壁を挟んだ事もあり胸部の損傷は軽微であったが障壁の形成に使われた分のクラスターセルが破壊された為、メタルクラスタホッパーの装甲は所々欠損していた。プログライズホッパーブレードを支えにしてなんとか立ち上がるゼロワン、防戦に回れば圧倒的に不利になると判断し、攻撃に専念する。

「うおおおおっ!」

プログライズホッパーブレードを構えて前方に踏み出すゼロワン、対するキカイダーは再び“破壊光線”を放つ。ゼロワンはクラスターセルを利用し、命中寸前に前方にクラスターセルで小型の障壁を形成、更に表面を鏡面の様に調整しながら微妙に角度を変える事で“破壊光線”をいなす様にして回避していく。それを何回も繰り返しながら突撃、徐々に距離を詰めていく。全身の装甲はみるみる内に無くなっていくがそれでもゼロワンは進撃を止めずついにキカイダーの目前に迫る。至近距離からも再度“破壊光線”が放たれるがゼロワンの右頬を掠めながらも回避、ゼロワンは渾身の力を込めてプログライズホッパーブレードをキカイダーに叩きつけた。

「ッ⁉︎・・・グ・・・⁉︎」

プログライズホッパーブレードを叩きつけられられたキカイダーの動きが一瞬鈍る。その隙を逃さず、ゼロワンは斬りつけたままプログライズホッパーブレードをトリガーを操作する。

『フィニッシュライズ!』

「これで・・・どうだぁぁっ!」

『プログライジングストラッシュ!』

それまでの突撃戦法でクラスターセルを殆ど失っていた為、ブレードの刃にはクラスターセルは纏われていないものの、強力なエネルギーを纏い、キカイダーに必殺技を叩き込む。

「グウ・・・ァァァ・・・ッ⁉︎」

攻撃を受けたキカイダーは損傷は軽微だったが赤く発光する目が明滅し苦しむ。

「貴様・・・何をした?」

ゼロワンとキカイダーの戦闘を高みの見物を決め込んでいたアークハカイダーもキカイダーの異常を察知し或人に問い詰める。

「別に・・・ただ、良心を・・・善意を叩き込んだだけさ・・・」

クラスターセルを殆ど失い満身創痍の状態になりながらもゼロワンはその手にしたプログライズホッパーブレードを見ながらそう言った。

プログライズホッパーブレードはかつて天津垓の策略により自身で制御不能なメタルクラスタホッパーに強制変身させられ暴走した際の対処用に先代イズを中心としたヒューマギアの善意を結集して作られたアイテムである。その副次効果としてマギアとして暴走させられたヒューマギアを元に戻す事も可能になるなど悪意を打ち消す善意の鑑とも言うべきアイテムであった。その為、或人は悪意に汚染された今のジローに対して再び彼の良心を取り戻させる為に、このプログライズホッパーブレードの効果に掛けたのだった。

「完全に、とはいかなかったみたいだけどね・・・」

「なるほどな、ソイツは確かに厄介な武器だ・・・な!」

いい終わるより早くアークハカイダーは手にしたショットでプログライズホッパーブレードを狙撃、ゼロワンの右手から弾かれてしまう。

「うっ⁉︎」

「隙だらけだ!」

アークハカイダーの銃撃がゼロワンにも浴びせられる。クラスターセルを失った今のメタルクラスタホッパーは防御力は皆無であり攻撃を受けたゼロワンは大ダメージを受け変身を解除されてしまう。

「クゥ・・・ウゥゥ・・・」

「或人社長!」

ダメージにより膝をつく或人、そこへイズが猛スピードで駆けつける。

「或人社長、良心回路のデータを持ったプログライズキーが完成しました。これもお返しします」

イズはヒューマギアプログライズキーに似た透明のプログライズキーとゼロツープログライズキーを或人に差し出す。

「イズ、ありがとう・・・ッ⁉︎危ない!」

咄嗟に或人はイズを突き飛ばす。眼前をアークハカイダーの銃撃が飛び、良心回路のデータが入ったプログライズキーに命中、破壊する。

「プログライズキーが⁉︎」

ゼロツープログライズキーは辛うじて命中を避けていたが反動で飛ばされてしまいキカイダーの足下に転がる。

「ちょうどいい、キカイダー!そのプログライズキーも破壊しろ!命令だ!」

「ウ・・・⁉︎ウゥゥ・・・⁉︎」

いまだに目が赤と黄色の明滅を繰り返すキカイダーは苦悶の声を上げながらもゆっくりと足を上げ、ゼロツープログライズキーに狙いを定める。

「いけません!ジロー!」

イズがキカイダーに駆け寄り動きを止めようとする。しかし先回りしたアークハカイダーに阻まれそのまま捕まってしまう。

「イズ⁉︎」

「記録によると・・・お前はこのヒューマギアが破壊された事がキッカケで悪意に負けたらしいな、飛電或人。・・・面白い、このヒューマギアは預からせて貰うぞ」

「何・・・⁉︎お前、イズをどうする気だ!」

「さてな、知りたかったらさっさとその出来損ないの機械を破壊してくるをだな」

そう言うとアークハカイダーはイズを掴んだまま闇の中へと消えていった。

「イズゥゥゥゥッ⁉︎」

アークハカイダーの後を追おうとする或人、しかし、キカイダーが再び動き出し、或人の首を鷲掴みにする。

「グッ⁉︎が・・・は・・・」

或人は手を振り解こうとする。が、キカイダーの手にさほど力が入っていないのに気づく。

「キカイダー・・・?いや、ジロー・・・お前はまだ・・・!」

或人は咄嗟に所持していたゼロツードライバーを取り出すと、それを自らではなくキカイダーの腰に装着した。

 

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