はい、負けました。
もうね、手も足も出なくはなかったけども!
ふっつーーに!負けました!!
…いや泣いていい?
ハクリューさん強すぎん??
流石にカイリューは出さないよって言ってたけどハクリューでも強いってば。
タイプ相性的に若干の有利とれるのプテラとリザードンしかいないんだけどなぁー!
まぁ素早さ的に負ける気しかしないけどっ!!
てか!レベル的に!無理っ!!
ボコボコにされて意気消沈、とはならなかったのはバトルが始まる前から負け確と察していたからな訳で。
でも悔しくないのかって言われればそんな訳ねーだろって感じで。
げんきのかたまりを頂いたので遠慮なく松ちゃんに使わせて貰った。
回復して元気な姿になったのは良かったけども、まぁ気分は上がらない。
松ちゃんも負けたことにちょっと不貞腐れてる気がするし…
うーん。
やっぱ素早さの対策しないといけないよなぁ…
いやでも初手りゅうのまいはズルいってか酷いと思うの。
はぁあぁああぁぁと大きく息を吐いて、松ちゃんをぎゅううぅうっと抱き締める。
うん。
よし、切り替えよう。
時間は有限。
ワタルさんは当然として、私だって暇じゃないし。
そんなこんなで帰宅してみたらなんとびっくり、例のリーグスタッフさんが客間にいた。
しかも結構くつろいでらっしゃる。
「こんにちはフルーラちゃん、お邪魔してるよ」
「フルーラ、おかえりなさい。ワタルさんもどうぞお掛け下さい。お茶をお持ちしますね」
「ありがとう」
え、いや、どゆこと?
なんでお姉ちゃん歓迎ムードなの??
てかなんで黒スーツ???
困惑極まる私のことはスルーされて、流れるままに説明諸々を聞かされる。
宣言通り、一週間で諸々を片付けたらしい、その内容を。
手始めに戻って早々にリーグ本部内の内通者と思わしき人物達を割り出したそうな。
幾数名をお縄にかけ、幾数名を引き抜き、そこから後ろにある組織の特定やその解体に向けての計画やら突き止めていたら、他の地方にもその組織が根付いてると発覚。
思った以上に厄介な事態になっていると分かったので、ワタルさんはリーグの権限だけでなくポケモンGメンとしての伝手をフル活用。
しかし全てを解決しようにも、内通者だった者がそれなりの地位に居たりした為に、人員配置やらに手間がかかる事態になったのだとか。
そこで、内通者と思わしき、引き抜いた人員を使うことにした。
彼らは犯罪組織からのスパイではなかったものの、リーグの情報を漏らしていた人物。
その内の一人が、今目の前にいるこの人。
そしてその正体は、なんと。
「国際警察からポケモンリーグ本部の監査に来てました、コードネームは8230。仲間からはハニーとかニーサンとか呼ばれてるよ」
「そんな訳で例の組織の解体に国際警察の手を借りれることになってね、諸外地方は任せることになったから思ったよりスムーズに終わりそうなんだ」
「あはは…そういう訳です」
いや、どういう訳だよ。
って言うかなんでそんな話を私にしてるの?
物凄く嫌ーな予感がするんだけど。
逃げれる気もない…ていうか罠に引っ掛かってもう逃げれないような。
そんな感じ。
え、なんだ。
巻き込まれる感じ??
なにに??
「巫女殿はリーグ本部、ポケモンGメン、国際警察のどれに保護されたいかな?」
「おぅん??」
いやどゆこと???
詳しく説明を聞くと、どうも犯罪組織からその他の犯罪組織へと私の情報諸々が行き渡っているのだとか。
海神に親しい存在として、名前や容姿といったモノが既に知れ渡っているのだと。
だから要人警護という名目で人員を着けることが望ましく、その為の人員をどこが受け持つのか、という話。
本当はできたら保護という形でリーグ本部で身柄を預かるのが望ましいのだが、それは保護者ないし長老達一派が許可しないので難しい。
唯一の有り難い事と言えばこの島にいる限り、周囲のポケモン達がフルーラを守ることに協力的であることか。
なによりこの一週間でフルーラ自身がポケモントレーナーとしてバトルの才能があることを知れたことが大きいのだと。
ワタル自身、バトルしてみて最低限身を守る強さはあると判断したらしい。
この一週間、ひたすらバトル漬けだった理由を知ってちょっとしょっぱい気持ちになった。
「…私が決めていいんですか?」
「そうだね。まぁ実際はリーグもGメンも国際警察も人員を派遣すると思うから、あまり深く考えなくていいよ」
「いやそれ聞いた意味…」
「責任の代表を決める必要がある、ってだけだからね」
いやそれを言うか…
にしても、うん。
この際お兄さんが国際警察だとかそういうことは置いておいて、だ。
護衛としてリーグ、Gメン、国際警察のどれかを選べと言われても正直困る。
今まで通りじゃダメなのか、と聞いても多分ダメだから言ってるんだろうし…
ふむ。
「ちなみにですけど、いつまで、ですか?」
この人員がつく期間は、終わりがくるのか、否か。
もし終わりが来るというのなら、それはいつなのか。
それを聞いてからでも、いいだろう。
「そうだね…」
面白い、と言わんばかりのその表情をみて、あっなんか間違えたかな?と思った。
罠にハマった予感は、その実、自ら嵌りにいったようなモノだったみたいで。
逃げられないっていうよりも、逃げれる気がしないっていうよりも、これは…
「君が旅に出るまで、かな」
特大の餌を出されて、否定なんて出来る訳がなく。
一週間前から、きっと手の平の上だったのだ。