巫女ってガラじゃない!!   作:山乃庵

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上手くいく保証はない

 本日は晴天なり。とてもとても良い日和なり。

 そわそわと浮足立ってるのを隠してるつもりなお姉ちゃんを尻目に、私はテンション低めの草臥れモード。

 

 そして今日は私の誕生日。

 一応めでたく8歳になります。

 

 いやね?別にね?

 誕生日祝ってくれるのは正直言って嬉しいよ??

 普段食べれないケーキとか、わざわざ他の島から買って来てくれたの知ってるし。

 でもね?でも、だよ?

 

 去年までは普通だったのに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というのを聞いた瞬間、私の表情はストンと抜け落ちた。

 

 おい、こちとら情報規制中の身だぞ。

 分かってんのか?おぉん??

 

 事態を知ったおじさんスタッフさんは慌ててどっかに連絡とってたし、一緒に過ごしてる内に諸々察してしまったグリーンさんは頬が引き攣ってたし、仲良くなった観光客(変装中の例のお兄さん)も何か慌ただしく帰ってったりと、てんやわんやしてた。

 

 だってそんな祭事(大事故)が行われるだなんて私は知らなかったもんね。

 

 

 突発的な犯行…?

 いいえ、これは計画的犯行。

 

 なんとなく、なんか様子がおかしい気がする…

 と、自分の勘を信じて()()()()()()()()とコンタクトをとって大正解。

 彼らから教えて貰ったおかげで無事、普通の、例年通りの、平凡な誕生日を迎えることが出来そうなので。

 

 自己防衛本能とでも言うのか、なんとなくする予感の的中率が上がってきてるのは気の所為だと思いたい今日この頃。

 危険予知…あるいは虫の知らせ的な…?

 …私がポケモンならむしのさざめきぶっぱしてるけどね。

 ほんと、マジでおこ。

 

 

 なおMVPは間違いなく松ちゃん。

 間に入って通訳してくれたので、過不足ない意思疎通が出来たことは本気で感謝。

 

 ご褒美に好物の渋味きのみを…ウイの実とか捧げた。

 普段はカゴの実なんだけど、ご褒美だもの、硬さ的に食べやすいのを、ね。

 いつもは砕いたり蒸したりしてるので…

 ちなみにだけど砕くのはめちゃくちゃ重労働だからオススメしない。

 

 

 そんなことがあって、だからまぁ、うん。

 疲れた。

 誕生日当日だけど、もう気力ないんだよ。

 

 グリーンさんなんて昨日の別れ際に肩ポンしてきたんだよ?

 あんなにお疲れさんって言外に伝わることある…?

 

 忙しなくアッチコッチ動いてたおじさんスタッフに代わって護衛もどきをしてくれたのは優しさか哀れみか…

 

 

 んで、なんで長老達がそんなトチ狂った(頭おかしい)こと計画したか。

 はい、理由はこちら。

 

 例の巫女が存命の時やってたから。

 ただし巫女は(旅に出てるので)不在。

 

 いやだから本当に待ってくれ?

 昔やってたからって何で今やろうと思った??

 リーグ本部から直々に釘刺されたの知ってんだかんな???

 

 これ以上掘り下げると胃痛がお友達になるから強制終了。

 精神汚染は(考え)ないことが一番の対処法ってね。

 

 

 そんなこんなでめでたく自宅で過ごしてる訳だけど、例年とは違うメンツがいるのはご愛嬌。

 お世話になってるので招待したので、これは正規なお客様。

 いっぱい食べて英気を養って下さい。

 

 

 「これ誕生日会ってか慰労会じゃね?」

 「思っても言わない配慮しないとダメだよグリーンくん」

 「おじさんとグリーンさんは料理もケーキも要らないんですね分かりました」

 「まぁアレだ!誕生日おめでとう!」

 「めでたく今日を迎えれて良かったねフルーラちゃん」

 「まぁお疲れ様でしたとは思ってるので間違ってないんですけどね」

 「おいコラ」

 「おやおや」

 

 

 テンポの良い気軽なやり取りに口が緩むのをジュースを飲むことで誤魔化す。

 

 思ったよりもグリーンさんの滞在は延びていて、それに伴って、まぁそれなりに仲良くなれたのが嬉しくて。

 あとおじさんスタッフさんのノリが良いから楽しい。

 

 いつまでこの島にいるのかは分からないけど、面倒見が良いのか気分転換という名目でバトルしてくれるし、島じゃ詳しく教わらないポケモンの知識とか説明してくれるし。

 正直、有り難すぎてもう少し居て欲しい。

 

 

 「ふふっ楽しそうねフルーラ。でも今日はあのお兄さん居ないのね」

 「あー…うん、先約があるんだって」

 「そうなの?残念ね」

 「そだね」

 

 

 お姉ちゃんの言う通り、例のお兄さんは不在。

 だけど一応島にはいるので、とりあえずお仕事頑張ってくださいとだけ言っとく。

 

 テーブルに並ぶちょっと豪華な料理と、いつもよりちょっと大きめのケーキと、ジュースにきのみや果物などなど。

 

 …うん、あとで差し入れでも持ってこう。

 

 

 そして両親とお姉ちゃん、おじさんとグリーンさんを交えての食事風景は見慣れないけども、存外会話が詰まるようなことはなくて一安心。

 まぁおじさんはリーグスタッフだからと両親と顔合わせ時より結構仲良くやってたし、グリーンさんは…

 …外面が良いんだよね。

 

 あと顔面偏差値高めだからお母さんのテンションが…うん。

 お父さんが微妙な表情してるのはスルーで。

 

 

 そんなこんなで慰労会改め誕生日会は終了。

 

 グリーンさん達を見送って、片付けの手伝いをえっさほいさと終わらせる。

 残り物だけど差し入れはお任せしました。

 

 

 お腹いっぱいだし、ケーキも食べれてとても満足。

 甘味が食べれる幸せよ…!

 果物も美味しいけど物寂しくなるんだよね…

 

 そして松ちゃんはまだヨロギのみを抱えて食べてるけど、それ松ちゃん用だからね?落ち着いて食え?

 加工してないきのみは松ちゃん用だから…特に渋味のやつ。

 

 そんなもぐもぐ咀嚼している松ちゃんの隣には、楕円のタマゴが2つある。

 

 1つはだいたい半年前にワタルさんから()()()()()()()()として貰ったタマゴ。

 そろそろ孵ると思うのだけど、こんだけ時間掛かるってまさかこの子…と戦々恐々してる。

 

 そしてもう1つはさっきグリーンさんから自信満々()()()()()()()()()()()()、と貰ったタマゴ。

 何が生まれるか楽しみにしとけよ、と言って帰って行ったのだけど…なんとなく予想ついてるんだよね。

 

 

 だってこのタマゴ、ゲームでよく見る柄じゃなくて、青と赤の三角模様なんだもん!

 

 

 「どう見てもアニメトゲピーのタマゴやん…?」

 

 

 ちょっとまぁリアルで見るとこんな感じか、と思うものの、この柄は間違いなく、そうだとしか言えない。

 

 そして、そう。

 あの言葉。

 

 

 「私にピッタリってことで、多分素早さ低めの子を選んでくれたんだろうけどさぁ…」

 

 

 そう、確かに、トリックルームを主軸にしたバトルをするのに、手持ちメンバーは素早さ低めを欲していたから、とても嬉しい。

 

 でも、だけど。

 進化しても素早さは低い、このポケモン…

 トリックルームを使って活躍すること間違いないポケモンだけど…

 

 でもさ、トゲピーが進化したトゲチック、その最終進化のトゲキッス。

 

 

 私的にはとても馴染み深く有名な、二つ名がある。

 

 

 「やるでしょ、まひるみトゲキッス」

 

 

 そう、その名も、白い悪魔!

 

 

 グリーンさん、私、貴方の期待に応えれるよう、全力で育てますね…!

 

 

 

 

 

 

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