やる事があると、時間が経つのはとても早い。
去年ならひたすらバトルして過ごしたあっという間の一週間。
それが今年は何故か、グリーンさんと一緒にジムリーダーとしてバトルするノウハウを叩き込まれた。
いやなんで?
1人教えるのも2人教えるのも変わらないよって笑ってたけど、私ジムリーダー目指してませんけど。
おじさんがスパルタなのは去年から知ってることだから拒否したのに、グリーンさんに道連れにされた。
だからなんで??
挑戦者が規定レベルに到達して無かった場合のルールの変更可能域に合わせたバトルとか、ジムバッヂの最低認定基準をバトル中にどう見極めるのかとか。
いつ活用するのか分からないバトルの仕方をみっちり教え込まれた。
ほんとなんで???
あとマイルドにはなったけど未だに煽ってるってことは最早アレは素だったってことでFA?
もしくは煽ってないと死んじゃう病気だったりします??
それに対してグリーンさんは受け流す…っていうか最早聞いてないという対応に切り替えてスルーしてた。
っぉぃ。
あと巻き込まれないようにしてるのか、ここ数日遠目でしか姿を見れてないお兄さんはギルティ。
全力バトルじゃないからかヤル気半減なベビちゃん達は周辺にいる野生のポケモン達にメンチを切って回り、松ちゃんはそれを止めるのに大忙し。
うちの赤ちゃん達はバーサーカー????
なんでそんなにバトルしたいの???
家の中だと普通なのになんで??
松ちゃん顔色悪いよ大丈夫?
とまぁ、そんな感じで一週間があっという間に過ぎた。
まじで怒涛だった。
今までおじさんがグリーンさんに教えてた事はイージーモードで、それが唐突にベリーハードモードになった感覚。
なんだろ、基礎となるお話しを聞き流してただけの存在が応用・発展問題を解く、みたいな難易度ヘルモード。
もうね、頭パンクしそう。
知恵熱出そうだったもん。
ケロっとしてるグリーンさんはちゃんと基礎が出来てるのもあるんだろうけど、そもそも地頭が違うんだろうね。
それはそうと巻き込んだのは許さないかんな。
そんなこんなで一週間で叩き込まれ、詰め込まれたグリーンさんは晴れて合格。
だがしかし、ジムリーダーになるにはリーグに顔を出して免許やらなんやらの手続きがあるのだそうで。
まぁ確かにそりゃそうだ。
業務やらバトルやらを教わったから今日からジムリーダーです、な訳がないものね。
そんな訳でこれからセキエイリーグに行って諸々やることがあるらしい。
引き継ぎって大変だね。
そしてこれからお見送りだというのに、別れ時ですら煽るの何故?
グリーンさんもこれで最後だからと言わんばかりにキレ返すの止めない??
お兄さんは地味に距離とろうとするな、もしバトル始まったら道連れじゃ。
けどまぁ、このままだと本当に大戦争勃発しそうなので。
「ピー助、ゆびをふr「「すみませんでした」」…わぁ息ぴったりですね」
「フルーラちゃん、それ脅しって言うんだよ」
「やだなぁお兄さん。何が出るか分からない技で脅しも何もないですよ」
「………ウン、ソダネ」
9割方効果抜群出すけど何が出るかは本当に分からないんだもん、嘘言ってないよ。
あっ、ピー助はトゲチックの名前です。
…トゲチックの、名前です。
産まれて1ヶ月経ってないのに進化しました。
なつき度進化って、ふっしぎー。
トテトテ歩く姿からパタパタ自由に飛び回る戦闘狂になり、より広範囲のポケモン達にケンカを売りつけるようになった。
勝率?
…効果抜群って、凄いよね(遠い目)
飛び回り防止策としてボール外に出してる時は抱きしめてるけど、その所為かいつでも
こわい。
だから今は、しなくていいよ。
グリーンさんが行ってからバトルしたげるから。
今は、攻撃、しなくて、いいの。
わかった?
はてさて。
「グリーンさんに餞別…というか、お世話になったお礼に、コレ…どうぞ」
「ん?おう、サンキュ……羽根?」
「とってもキレイでしょ?」
「あぁ。こう…太陽に照らすと銀色に見えるし…なんのポケモンの羽根なんだ?」
「ルギアです」
「は?」
「ルギアです」
「っはぁ?!おまっなんつーもんを!つかこれどうやって、」
「…てへ?」
おじさんとグリーンさんが休憩してる時に海辺で遊んでたら、ひょっこり顔だしたルギアがくれたとは言えないので笑っておく。
…そのルギアが、祭りが余りにも早く終わっちゃったから顔出せなくてちょっといじけてたっぽいことも言わないでおく。
私は空気を読める、いい子なので。
「グリーンさんに海神の加護がありますように…どうぞこれからも頑張って下さいね!」
とりあえずニッコリ笑って誤魔化すにつきる。
なんとも言えない顔をしつつも受け取ってくれたので、よしとする。
おじさんからも、お兄さんからも、ちょっとしたプレゼントを受け取るグリーンさんを見つつ、飛び立つ予定のピジョットに近寄る。
「ふふ。ねぇピジョット、お願いがあるんだけど…いいかな?」
「ピジョォ?」
「向こうに付いたらコレ、グリーンさんに渡してほしいの」
「ピジョッ」
「んふふ、いい子いい子」
お日様の暖かさをもった翼に頬を付けて深呼吸。
鳥吸いはやさぐれた精神に効きますので。
サッと離れて、シレっとおじさん達に混じって。
そうして颯爽と飛び立ったグリーンさんとピジョットを見送った。
「ところでフルーラちゃん、ピジョットに何渡してたの?」
「えっ知りたいです?」
「うん、気になるからね」
「んー…。ほら、おじさんはグリーンさんにタマゴあげてたじゃないですか」
「あぁ、バンギラスのことかい?」
「そです」
「それと関係があるのかな?」
「まぁ、はい」
なんでこの島にあったのか、見つけた時は何度も頬を抓ったりしたけど。
都合が良すぎるというか、なんというか、そういう気になることはすごくあったけど。
でも、私が持っていても意味が無さそうだったから。
だから、渡した。
「んふふ。ピジョットのがあったら良かったんですけど、見つけたのはバンギラスのだったので」
「??」
「いつかとっても役に立つ、かもしれない石、ですよ!」
「石?」
「はい!今はただの、とってもキレイな石、ですけどね!」
いつか進化した姿がみたいなぁ!
なんて、ね。