巫女ってガラじゃない!!   作:山乃庵

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時の流れはフシギダネ

 速報︰ユウジさんからセキエイリーグ(ワタルさん)に報告された。

 悲報︰通信機越しに二時間正座で(挑戦者来るまで)お叱りを受けた。

 

 

 泣くぞ。

 

 そもそも私悪くないもん。

 予想外な事起きたのが悪いんだもん。

 なんならお叱り受けるのおじいちゃんとおじさん達だけだと思う。

 

 …いや、二人共お兄さんに怒られてたか。

 前に似た光景を見た気がしなくもない。

 

 

 ことの次第は先日のタンカン島の出来事。

 あの後ユウジさんは怒り心頭なギャラドス達をカイリューとエレブーで鎮圧し、スタコラサッサと船まで連れて行ってくれたのだ。

 

 

 え?

 どう鎮圧したのか?

 一言でいうなら、カイリューとエレブーの10万ボルト祭り。

 

 進化したてのギャラドスに、一切の容赦なく4倍ダメージ…

 時々かみなりも打ってたので本当に慈悲はなかった。

 

 ガラガラの特性がいしあたまで良かった…

 ひらいしんだったら目も当てられなかったよ…

 

 

 そもそもの話。

 あんなにもタイミング良くユウジさんが来たのは、船酔いでダウンしてたおじさんが近場にいるリーグ関係者に救援コールを出したからであって。

 曰く、海からあまりにも大量のコイキングが島に向かって来たのを見て、ミドリカワさんの話からもしかしてを想像、そして体調が回復する気配もないから素直にコールしたとのこと。

 

 いやだったら船がダメなことを先に言ってくれ?

 知ってたら無理矢理でもお兄さん連行してたよ?

 

 と言う愚痴は帰りのグロッキー状態なおじさんにネチネチと呟かせていただきましたけどね。

 

 だと言うのにワタルさんからお叱りを受けるなんてとばっちりだと思う…

 いやね。

 時には逃げることも大切だとか、自分の勘を信じることも重要だとか、嫌な予感がしたら相談すること、などなどの小言(あるいは過保護?)と言っても過言じゃないお言葉の数々を貰った訳ですが。

 反論なんてさせてくれる訳もなく…

 

 とりあえずもし次があったら逃げることを約束させられました。

 確かに身の安全は最重要事項だもんなぁ…と理解はしてるんだけどね。

 

 でもそれはそうとして納得できるかは別。

 だってお説教嫌い。

 

 

 それにミニリュウがそろそろ進化しそうだからそっちの相談したかったのに、一切出来ずに通信が終わったし…

 何故か交流が続いてるユウジさんに聞いたよね。

 まぁ、ゲットした時既にカイリューだったそうで撃沈したけど。

 

 

 そんなこんなでしばらくアーシア島から出る時はおじさん&お兄さんの二人体制になった。

 まぁ遠出する時は実質お兄さんしかいないようなもんだけど。

 

 そういえばユウジさんに相談した時に、ボンタン島でサザンクロス(ジムリーダー)に挑戦しようとしてるトレーナー相手に3VS3でバトルしてた件に対して注意された。

 心折れたトレーナーが何名かいたらしく、このままだと4つのジムを踏破したトレーナーすらウィナーズカップに挑戦する前に餌食になるのは困る、とのこと。

 

 いや餌食て。

 そんな言い方しなくても…

 あ…そういえば挑戦者少なくなってきてるらしいね。

 でもそれって確かユウジさんが大半の挑戦者をメタモンだけで倒しちゃうからって理由だった気が…

 

 

 そうして何故かどうしてか。

 

 

 「それじゃフルーラちゃんとバトルすればいいんじゃないかな!」

 

 

 というお兄さんの発言が原因で、対戦することになった訳ですが。

 

 

 「ちなみにユウジさん、私の手持ちポケモンは4体です」

 「そうか。ならわたしも合わせるよ」

 「ちがう、そうじゃない…」

 「ん?」

 「いえ、なんでもないですぅ…」

 

 

 お兄さん、ほんと、許さないかんな…

 

 レベル差考えて、ユウジさんがアニポケ同様のチーム編成だとして、どう足掻いてもゲンガーで詰む。

 そもそもメタモン突破できるか微妙…

 作戦とも言えないけど、ハマって、アタってくれればまぁワンチャン…?

 

 

 「あの、ルールは…」

 「そうだね…君は手持ちの交代制、わたしは交代せずにそのまま対戦しよう。ウィナーズカップと同じルールだ」

 「…はい、わかりました」

 

 

 んー…よし。

 みんな、頑張ろっか。

 

 カタカタと揺れるボールに、口角が釣り上がる。

 

 だって、強い人と戦えるなんて、こんな楽しいことないもんね。

 

 距離を空けて、対峙する。

 最初のポケモンは決まってるので、ボールを構える。

 

 何度も考えた構成、何度も繰り返した、戦い方。

 付け焼き刃のバトルじゃ負けるのなんて当然なのだと既に叩き込まれてるから。

 

 だから。

 

 

 「バトル開始!」

 「行け、メタモン!」

 「松ちゃん任せた!」

 

 

 開始の合図と共に赤い閃光を放ち、飛び出すポケモン。

 ユウジさんが初手メタモンなのは問題ないし、想定通り。

 

 種族的にもレベル的にも先手は向こう。

 だけど、メタモンの技は一つだけ。

 

 

 「メタモン、変身!」

 「トリックルーム!」

 

 

 これで先制逆転。

 

 でもごめん松ちゃん、初手だけど、初手なんだけど!

 

 

 「松ちゃん交代!やっちゃえピー助!」

 「なに?!」

 「チョッケピィイィ!」

 

 

 松ちゃんを戻し、ボールを放れば元気よくやる気に…うん、ヤル気に満ちたピー助が飛び出てきた。

 あの…目、ガンギマリしてません?

 気の所為??

 

 攻撃指示ゼロでの交代にユウジさんは驚いたようだけど、まぁ、うん。

 種族値的な素早さはコッチが速い、けど。

 レベルはコッチが低いんだよなぁ?!

 

 

 「ピー助お願い!ゆびをふる!!」

 「メタモン構えろ!」

 

 

 甘いよユウジさん!

 うちのピー助の強運(ガチ運)舐めんなよ!!

 

 さぁ!本日の効果抜群はー?!

 おーっとこれは!

 あくのはどう?だー!

 

 わーい!2倍弱点!

 

 

 「もっかいゆびをふる!」

 「ピィ!ピィッ!ピイ!」

 「避けろメタモン!メタモン?!」

 

 

 あ、もしかして…ひるんでる?

 そしてピー助の…これはシャドーボール!

 バッチリ当たったね!いえぃ!

 かーらーの!!

 

 

 「ゆびをふる!」

 

 

 決まった10万ボルト!

 ふー!ピー助カッコいー!

 

 そして最後のゆびをふるは!はっぱカッター!

 いえーい!!

 

 どうも地味に特防も下がっていたようで、連続ゆびをふる(効果抜群)をくらったメタモンは、沈んだ。

 

 けど。

 トリックルームでの先制逆転ターンは生憎と終了。

 とりあえずメタモン倒せたのはピー助にマジで感謝。

 と、言うわけで!

 

 

 「次だ、行けイワーク!」

 「松ちゃんお願いしまーす!トリックルーム!」

 「っ」

 

 

 ヒクリ、と。

 ユウジさんの頬が攣ったのを、見た。

 

 

 

 





Q.
ユウジさんがメタモンで反撃しなかったのは何故?

A.
トリックルームしか見てないから。
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