巫女ってガラじゃない!!   作:山乃庵

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握手しよう!

 ぷにぷにぷにぷに…

 

 もちもちもちもち…ふにふにふにふに…

 

 ぷにゅぷにゅぷにゅぷにゅ…

 

 もにもにもにもに…

 

 むにゅむにゅむにゅむにゅ…

 

 

 「いい加減にしぃや」

 

 

 べしっ!

 

 

 「あぃたっ!」

 

 

 無心で松ちゃんを堪能してたらチョップ食らっちゃった。

 抱き着いて全身で魅惑のもちぷにに触れるとかこれが天国…とか思ってたのに、残念。

 けどまぁ松ちゃんが止めろというなら止めますとも。

 

 さて、

 

 

 「モンスターボールも買ったし、回復薬系も補充したし、食料品も買ったでしょ…で、ヒビキくんはまだ?」

 「まだやな」

 「えぇー…もう待ちくたびれたよ…」

 

 

 次の町に行く為にそれぞれ必要なモノを買うために一旦別れ、そして待ち合わせをしているのだが…遅くない?

 あー…暇つぶしできるゲームとか欲しいなぁ…

 

 お昼すぎのこの時間、日差しがとてもキツイので早く来て欲しいのだけど…

 

 

 「松ちゃん、暑かったらボール戻っていいよ?」

 「平気やで」

 「……松ちゃん紳士ぃ…」

 「せやろ?」

 「すきぃー…」

 

 

 語彙力溶けてきた…

 でもわざわざ日陰作ってくれてるんだよ?

 こんなん惚れるしかなくない??

 

 ちなみに今の格好はキャップ帽にパーカー、ハーフパンツの少年風スタイル。

 これから歩いたりするので動き易さ重視の変装をしてる。

 

 

 予定としては次はセキチクシティに行きたいので、11番道路前に居るんだけど、まぁ通る人からの視線が…ね。

 ヤドキングってカントー地方で…っていうかそもそも通信進化だから個体数少ない珍しいポケモンってのもあって視線が集まるのよねー…

 

 でもバトル仕掛けて来ないのは松ちゃんのレベルが高いことが分かるから…かな。

 カントーのトレーナーはガチ勢が多いから…

 あとクチバシティって他地方のトレーナーもちらほらいるから目が肥えてるんだろうなぁ…と。

 

 そんなことを考えつつ、ため息を一つ。

 

 私はこれからヒビキくんと旅をする訳で、それを思うとちょっと気が重いなぁ…と思わなくない。

 

 一緒に旅をする間、私はヒビキくんにタイプ相性や特性、他にも有効的な変化技などを教えることとなっており、その代わりに野営の手伝いなどをしてもらうことになってる。

 これはヒビキくんからお願いされたので了承した。

 

 努力する気があるなら多少の手伝いくらいしてやんよ、未来のチャンピオンさん。

 でもまぁリーグの思惑に巻き込まれてることを知らないって、幸せなことだよなぁ…なんてね。

 

 裏事情としてはリーグの過保護が発動している訳だけど、そんなの関係なくヒビキくんにはみっちり教え込む予定なので安心してほしい。

 まぁ一人旅より誰か居てくれる方が楽しそうだしいいんだけど…

 

 

 「無駄に敵作ってそうなんだよなぁ…」

 「あー…せやなぁ…」

 

 

 思い込みがちょっと(?)激しく、バトルの腕っぷし()強く、なかなかに生意気というか…うん。

 これは一部の人から怒りを買う。

 

 かといって性格矯正する気はないし、あまりにも目に余るって言うならオレンジ諸島のジムチャレンジをして貰ってポケモンと一心同体…一蓮托生(?)な生活を身に叩き込むかんな。

 田舎舐めるなよ…

 ポケモンセンターのありがたみを思い知ればいいんだ…

 

 

 「ええっと…フルーラちゃん、だよね…?」

 「あっダイゴさん!遅いですよ!」

 「えっ!はっ?えっ?!」

 「ヒビキくんは何驚いてるの…」

 

 

 声をかけられ顔を上げればダイゴさんとヒビキくんがいたので文句を一言。

 なおヒビキくんは目を見開いて驚き固まってるのだけど何かあった…?

 

 

 「え…おま…おとこ…?や、でも、さっきまでスカート…えっ??」

 「ヤドキングが居たから分かったけど、フルーラちゃん大分雰囲気違うから合ってるか少し不安だったんだよ」

 「…あ、そういうことですか」

 

 

 何を混乱してるのかと思ったらそういうことね。

 

 あー…松ちゃんが頑なにボールに入ろうとしなかったのはこれを予想してたからもあるな…

 やだ…やっぱ松ちゃん紳士じゃん…すきっ!

 

 

 「ヒビキくん」

 「お、おう」

 「私は地元の諸事情で変装して身元を隠さないといけないんだ。とある人達に私の存在がバレるととても面倒なことになるし、なんなら巻き込むこともあるかもしれない」

 「…ん」

 「だからコロコロ()()()()()と思うけど気にしないでね!」

 「ん?うん??」

 「宜しくね!」

 「お、おう」

 

 

 勢いで押し切ったけどいいよね!

 どうせ巻き込んだとしても逃げたりやり返すのは慣れたもんだろうしね!

 

 ダイゴさんのちょっと大丈夫?みたいな顔なんて知らなーい!

 松ちゃんのちょっと呆れ顔は…まぁちょっと思うことはあるけど大丈夫大丈夫。

 

 

 さて。

 

 

 「次の町はセキチクシティ。ここから11番道路を通って行く予定だけど、問題ない?」

 「ん。元々その予定だし、それでいいぜ」

 「おっけ。ダイゴさんはここでお別れ…で良かったですか?」

 「うん。もう少し居てもいいんだけど、やらないといけないこともできたしね」

 「?そうなんですか。私が言うのもなんか違うという気がしますが、うーん…なんとかなると思うので、頑張って下さい」

 「ん、ふふ…うん、ありがとう」

 

 

 穏やかに笑うダイゴさん、あいも変わらずこの顔面は得だよなぁ…不快にならないんだもん。

 

 それにしても、やらないといけないこと…ね。

 おそらく来年10歳になるだろう主人公達と、天災の人災…うぅん、大変だ。

 

 

 そして簡単に別れの挨拶だけで済まそうと思ったけど、ダイゴさんから餞別にって貰った袋。

 なんか背筋がムズムズしたので目の前で確認して見たらさ、中に何個か包装されてたモノが入っててさ。

 

 そのパッケージに、ポケナビって書いてあったんだが。

 

 かねもちこわい…

 思わず問い詰めたらニッコリ笑って通信費は気にしないでいいよって言われた…こわい…

 

 というかこれカントー対応してんの…?

 あっ、ちゃんとしてるね…?

 わぁダイゴさんの連絡先しか入ってない新品のポケナビ…

 

 あまりにも恐れ多いというか常識が来いなモノだったので通信費は自分で払うことをどうにかこうにか説得した私を褒めてくれ…!

 ポケナビの通信費はトレーナーカードで落とすからぁ…!

 

 最後は泣き落としに近かったけど気にしてらんないよね!!

 

 なおヒビキくんは餞別といって最新機器である高価なポケナビをポンと渡すダイゴさんにどん引いてた。

 彼はお小遣い管理をお母上に任せてるとても庶民的な男の子なのである…

 

 

 まぁそれはそうとして携帯通信機器は有り難いんで遠慮なく使わせて貰うよ!

 ついでにヒビキくんの連絡先も登録しておく。

 

 ちなみにヒビキくんは気付いてないけど、君、リュックにさ、小さな袋括り付けられてるんだけど…

 多分それダイゴさんからの餞別っていうか…うん、私は何も見てないよ。

 

 この御曹司、実は貢ぎ癖あったりするんじゃ…

 まぁいいか。

 

 

 「それじゃ、またいつかお会いしましょう!」

 「うん、またねフルーラちゃん。ヒビキくんも」

 「あっはい!」

 「次に会うときはダイゴさんと全力でバトルできるように鍛えておきますね!」

 「ふふっ、楽しみにしてるよ」

 

 

 そんな会話して別れたけど、多分早くても2年後なので気長に待ってて欲しい。

 なんならはがねに対応できるほのお系ポケモンを捕まえるまでは凸らないけど。

 

 

 とまあ、そんな感じでクチバシティを出て、ひたすら歩いて、バトルすることなく夜を迎えた。

 

 大通りの道から少し森に寄って、野宿。

 

 テキパキとテント立てて寝床を整えるヒビキくん、伊達に一年旅してたわけじゃないのだなぁ、と少し関心。

 一緒に作った晩御飯はシチュー。

 パンは既製品のを軽く炙って、カリカリに。

 手持ちの子達にもフーズときのみを出して、一緒に食べる。

 

 存外穏やかに旅を進めれそうで、ちょっとだけ一安心。

 

 

 そんなこんなで晩御飯の片付けを終え、ミニテーブルに置かれたのは袋が2つ。

 

 テントを組み立てる時になってやっとヒビキくんはリュックに括り付けられてた小袋に気付いたらしく、中をみて大量の疑問符を飛ばしていたので、彼にはポケモンの道具の解説も必要なんだなぁ…と。

 

 やること増えてちょっと気が遠くなった。

 

 ちなみにこれは多分さらさらいわ。

 バンギラスに持たせればいいと思うよ…!

 

 効果の説明したら目を輝かせてた。

 うーん。

 先が思いやられるぜ…

 

 そういえば、と。

 ポケナビのインパクト強すぎて他のモノ見てなかったなと思って、改めてダイゴさんから貰った袋の中身を確認しているのだけども。

 

 丁寧に包装された手の平に収まるそれ。

 

 

 光り輝く、石。

 

 

 首を傾げるヒビキくんには悪いけど、ちょっとほんとマジであの人どうしたの。

 

 

 「ひ、ひかりのいし…!」

 

 

 思わず震える声に、反応したのは、そう、ウチのバーサーカー。

 

 ギランッ、と目が光って。

 そして。

 ビュンっと飛びかかってきた。

 

 

 飛びかかって、きた。

 

 

 「ちょまーーー!ピー助ステイッ!!ピー助ぇええぇえぇええぇぇ!!!!」

 「チョピィイィィイィイイィィ!!!!」

 

 

 ガツンっと。

 

 全力でタックルしてきたピー助を受け止めれる訳もなく。

 

 私の手から吹っ飛んだソレに、更に、文字通り飛び付いたピー助は。

 

 

 「ピーィ!チョッケピーィィ!!」

 「おうん…」

 

 

 それはとてもとても上機嫌な、トゲキッスになった。

 

 

 進化、嬉しいのに、素直に喜べない…

 

 一人で爆笑してるヒビキくん…許さない…

 

 トゲチックからトゲキッスになったことで、大きくなったのに…

 

 私を乗せて飛ぶこともできる大きさだって言うのに…

 

 

 いたずら小僧にしか見えないんだよなぁ…!

 

 

 

 

 

 

 

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