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「…やぁ。遅くなってごめんね」
「あぁ…うーん、そうだなぁ。対照的なバトルで見てて楽しかった、かな」
「そうだよ。んー僕もバトルしてみたかったなぁ」
「え?勿論フルーラちゃんとだよ」
「うぅん…ヒビキくんはねぇ…筋は悪くないんだろうけど、ちょっと空回りしすぎててむしろ心配になったかなぁ…」
「まぁ、将来有望ではあるんだけど…彼を君の後釜にするなら、大変だと思うよ?」
「確かに旅に出て一年で君の所まで上り詰めただけはあるけど…うん」
「年下の女の子から教わるなら、スクールでも真剣に学んでいれば良かったのにね」
「…もうトレーナーズスクールのバトル評価、採点基準を見直す方がいいんじゃないかな?」
「本当にね。うん、わかるよ…」
「…そう。それは楽しみだ」
「でも良かったのかい?セキエイリーグはフルーラちゃんの自由を尊重する方針なんだろう?」
「まぁ、確かに巻き込まれやすい子だとは思うけど…ヒビキくんも大概だろう?」
「君、フルーラちゃんに怒られるよ…?」
「うん、気付いてたよ」
「ヒビキくんはそれ以前の問題だと思うけど…僕のこと知らないみたいだったし」
「え?いいじゃないか君は。だって後は待つだけだろう?」
「君、欲張りすぎやしないかい?」
「んー…早くホウエンにも来てくれないかな」
「大丈夫だよ、流石にスカウトはしないってば」
「もー…僕だって押し付けたりしないよ?それに選ぶならホウエンの子を、ね…」
「ん?あー…それはまぁ、その…牽制されちゃったからね」
「聞くかい?」
「ほら、僕って顔がいいだろう?」
「いや、自慢じゃなくて…それに君も大概だろう?もう…」
「それでね、まぁ、見惚れてくれたんだよ」
「だから自慢じゃ…からかってるね?怒るよ??」
「まぁ報告は聞いたんだろう?今年は勢揃いだったこと…そう、すごいプレッシャーだったよ」
「見定められた感じがね、ひしひしと…もちろん海の方に」
「そしたら最後、帰る直前に…そう、それだよ!」
「僕のこと見てフンッどうだって感じでさ…」
「愛されてるなぁって僕としては微笑ましかったんだけど」
「あぁ、フルーラちゃんは照れてたっていうより幸せすぎてどうしよう…っていうように見えたかな」
「ふふ…うん、そうだね。だから愛されてるんだと思うよ」
「かの有名な巫女様がどうだったのかは知らないけど、フルーラちゃんは顕著だよね」
「エスパータイプ特化型のトレーナーは珍しいし、勘がいいのはバトルでも優位に立てる素地になる。それに頭の回転も早いし…でもちょっと苦労しそうだよね、主に周りや君の所為で」
「あははっ!まぁいいんじゃないかな?怒ってはなかったし」
「リーグの方針はともかく、君が大変なのは一応分かってるつもりだからね」
「えぇー…それとこれは別だろう?僕は石の為なら宇宙にでも行けるよ??」
「はいはい。そういうとこ、君も自重した方がいいと思うよ」
「それじゃ。僕もそろそろ帰らないとカゲツ達に怒られそうだし…」
「うん。またね、ワタルくん」
思ったより長くなった通話を終え、ポケナビをしまいながらふと、あの子達に連絡先を渡したもののきっと連絡は来ないんだろうなと思ってちょっと寂しくなる。
明るく行動的でありながら礼儀正しく思慮深い彼女のことだから、きっと
それまでは気長に待つとしよう。
僕のところに来てくれるみたいなのだから、その時が今からとても楽しみだ。
「んー…それにしても…」
思い返すは、美しき海の化身。
あそこまで愛されて、もはや執着に近いとも見えたのに…
ただただ慈しみ優しく見守るに留まっているのは、選ばれし巫女だからなのか…
それとも伝説の、神と崇められるポケモンだからなのか…
……なら。
もし、そうなら。
「ホウエンにも居ないかなぁ。伝説のポケモンに慈しまれ愛される子」
まぁ、見つからなかったから、見に来たんだけど。
アテが無くなった訳じゃないし、協力してくれる存在はいるから、まだ余裕はある。
けど、
「あの子に頼りっぱなしなのは、いけないよね」
思い浮かぶ黒髪の子。
好戦的な赤い目の子。
…どことなく、先程まで一緒にいた少女に似てる気がするのは気の所為か、それとも、そう思いたいだけか。
まぁ、それはともかく。
なんであれ、収穫がゼロでなかったことを喜ぼう。
自分には必要ないから、使えないからと。
そしてきっと役に立つからと、受け取った
ソレの価値が分からない訳がないのに、笑って差し出されたものだから、思わず発狂するところだったなんて知らないだろう。
せめてものお返しにと選んだモノも、どうも琴線に触れてしまったようで物しか受け取って貰えなかったのはまだ腑に落ちない。
まぁ、本命のモノに気付いたらトレーナーよりも小さなバトル狂が喜ぶのだろうけれど…
…あれ。
僕、フルーラちゃんのポケモン進化させすぎじゃ…?
まぁいいか、うん。
それにしても別れ際の言葉から、いったいどこまで察しているのかと末恐ろしいとも思うけど。
あそこまでポケモンに愛され、そして愛する少女を畏れる必要なんて無いのだと、自慢の
まぁ、エスパータイプに好かれるっていうのに、ほんのちょっと嫉妬してみたり。
なんてね。
「じゃあ、またね。フルーラちゃん」
だから僕は、彼女の旅が良きものであると願おう。
そして同行する彼が、より良きトレーナーになることも願う。
なぜなら多くのトレーナーをより良き方へ導くのも、僕の…チャンピオンの仕事なのだから。
餞別は実はただのお返しだった。
っていう話。
なおヒビキくんのは意図的でも言葉悪いこと言った謝罪的な意味合い。
前の話にどう入れようか考えて、結局分けたけど、ちょっと話の進み次第で消すかもしれないです…
うまくかけない…