巫女ってガラじゃない!!   作:山乃庵

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やる気がもくもく、希望がむくむく

 「ゔぅー…ん…」

 「はよ決めぇや…」

 「んー…いやぁ、あのね?決めてはいるんだけど、解せないっていうか、モヤモヤするっていうか、納得いかないっていうかもう何というか…」

 

 

 むしろコレはわざとなのではと思ってたり。   

 

 おっと、ポケセンにて腕を組んで云々唸ってるもんだからちょっと視線集まって来てるね?

 失礼。

 仕方ないから様子見に徹しててくれたヒビキくんを連れて外にでる。

 というかそのまま次の町へゴー。

 

 はてさて、そんな訳でセキチクシティでの目的は達成したので次に向かうはグレンタウン。

 で、そのまま21番水道渡ってマサラタウンに行って、ニビ、ハナダ、ヤマブキ、タマムシ…そして最後にトキワという感じ、かな。

 

 というのも私、自転車持ってないので18番道路…もとい、サイクリングロード入れないし渡れないというね。

 

 

 まぁ本心で言うならアニメのようにレンタルして、で、タマムシシティ経由してヤマブキジムに挑戦したかったんだけども…

 あと本当に当初の予定だとクチバシティからヤマブキシティ、シオンタウン経由でセキチクシティ、という理想があったんだけど…

 

 その計画はおじゃんになった。

 というのも、

 

 

 どう経由して旅の計画立ててもヤマブキジムの休日と被るから。

 

 

 え?

 どうして知ってるのかって??

 それはポケモンセンターに各ジムの公休(点検の為休みとか)が掲示板とかに張り出されてるから。

 なんならパソコン使って各ジムのイベントとかも検索出来たりする(ハナダジムの水中ショーの開催日とか)。

 

 ちなみに休暇日が決まってる理由は有給消化の為らしい。

 どうしてその日に有給を使うの…しかも長期…

 こまめに消化しようよ…

 改装やら設備点検諸々も何でその日にしたの…

 

 …いや、リーグからの仕事が過多すぎて休み取れなかった可能性もあるか。

 業者さんの都合でそうなったのかもしれないし…

 

 まぁ、ともかく。

 今出発してタマムシシティ経由のヤマブキシティだとしても、休みならジム挑戦は出来ないという。

 タマムシシティかヤマブキシティで一週間近く滞在すれば良いのだけど、長期滞在は私の都合上宜しくない。

 

 と言う訳で。

 

 

 「今から17番水道突っ切ってグレンタウンに向かいます」

 「いやまぁ、それはいいんだけどよ…お前どうすんの?」

 「え、なにが?」

 「なにがって、この先海だぜ?ヤドキングに乗せてもらうのか?それともトゲキッスで飛ぶのか?」

 「あっそういう…」

 

 

 なるほど?

 なみのり要員がちゃんといるのか心配してくれた訳ね?

 

 ちなみにアニメだとポケモンに直接ライドしてるなみのりだけど、ポケモンにより安全性に欠けるのでトレーナー間で一番オーソドックスなのはゲームでいうルビサファのアレみたいな感じ。

 つまり、ポケモンに引いてもらうのだ。

 注釈で言うならサーフボードでもないからね!

 だから当然、なみのり()を覚えてなくても問題ない。

 

 ちなみにヒビキくんが乗る発言してるのは、自身のなみのり要員がギャラドスだから。

 頭を出して泳げるので、そこに乗せてもらえば濡れる心配はないらしく、しかも意外と揺れは少ないらしい。

 

 …ちなみにこのギャラドスだけど、間違いなく()()ギャラドスである。

 だってそう…赤いのだ。

 とても、目立ちます…

 

 …まぁ、いいんだけど。

 

 で、だ。

 別に松ちゃんに頼んでもいいし、なんなら椿さんだってみずタイプじゃないけど引いてくれるだろう。

 けど、まぁ…なんだ。

 

 

 「あのねヒビキくん。海って、繋がってるんだよ」

 「は?」

 「海はね、壁とかないから…自由に行き来できるの…」

 「?う、ん??」

 「だからね、来ちゃってるんだ…」

 「なにが???」

 

 

 なにって…

 うちの海神様だよ。

 

 どうしてこうなったんだろ…(遠い目)

 

 

 そんな訳でやってきました、海岸沿いをちょっと歩いて人気の無い場所。

 岩(いわくだきで砕くやつ?)がいい感じに死角を作ってくれているけど、多分場所によっては普通に見えると思う。

 

 でも今日も美しく神々しい姿でとても心が満たされます…

 

 案の定、目をかっ開いてカチンッと固まったヒビキくん。

 を、尻目に顔を寄せての挨拶の様に流れるようにされたチークキス…

 

 はわ、はわわ…

 だからどこでこのファンサ覚えたんでしゅか…

 ひぇぇ…いっぱいちゅき…

 

 あと、チラッと視線向けてたのヒビキくんじゃなくて腰にあるボールホルスターですね…?

 つまり、見てたのはあの子…

 なんとなく来てくれた理由を察してはいたけど、あの…その子既に松ちゃんからお灸を据えられてるので…

 オーバーキルだと思います…

 

 盛大な牽制に、なんというか、うん。

 言葉もないよね…

 

 そして恐れ多いので直接乗るなんて出来ません。

 勘弁してください。

 私サトシくんみたいな精神持ってないので…

 ()の時なら喜んでただろうけども幼少期より信仰してる海神様に乗るなんてムリィ…

 

 あぁああぁ…!

 残念そうに羽(?)をたたむの申し訳なさすぎて心が痛いぃいい…!

 でもでもでも!

 ほんとに!そんな!!

 

 推しに乗るなんて無理ーーーーー!!!!

 

 だって興奮のあまり発狂して鼻血出す自信しかないもん!!

 もしくはキャパオーバーで気絶する!!!

 

 

 渋々といった感じで小船を引いてくださる海神様。

 その横にて赤いのに顔色が悪いギャラドスにライドするヒビキくん…

 ほんと、なんか、ごめんね…

 

 そして道中の会話は当然のことながら海神と、私の関係やら諸々の事情について。

 今まで詳しく話して無かったから、人気のなく、盗聴の危険性もない海上での秘密の会話である。

 

 視線もないから私にとってはストレスフリーの環境だけど、ヒビキくんにとっては緊張感ハンパないことこの上ないんだろうな、と。

 やっぱごめんね…ギャラドスもごめん…

 

 その中で私が誰から諸々の知識を教えられていたのかも伝えたし、グリーンさんとの関係も教えた。

 …冷静になってみると未来のバトルレジェンドと一緒に勉強した仲って字面がヤバいね??

 

 道中は海神の御威光様々で、野生のポケモンに襲われる事も無く、そしておそらく近寄って来ようとしたトレーナーを波で追いやったり、そのトレーナーの相棒だろうポケモンに離れてもらったりとして本当に何も起こらなかった。

 

 小船から見えるルギアの頭部。

 雰囲気からも感じ取れるのは心配されてることと愛されている確信。

 ほぼ間違いなく、純度100%の好意。

 受け取ることに全く忌諱する必要はなく、むしろ安心すら出来る感情。

 

 うーん…優越感じゃなくて、こう…

 なんだろ、満足感…?

 近くに居るってだけでホッとするんだもん…

 ありのままを受け入れてくれる…みたいな。

 

 ともかく、

 

 

 「だからとっても強いけど意味なく襲いかかって来たりしないから大丈夫だよ?」

 「あー…まぁ、お前にとっちゃそうなんだろうけどよ…」

 「…ネイティオのトレーナーだからって、それで怒ることもしないってば」

 「ほんとか…?」

 「もし怒ってたら出合い頭にエアロブラストだと思う」

 「ひぇっ」

 

 

 仰け反るヒビキくんに、ちょっと愉快だと笑ったルギア。

 

 うーん。

 こういうとこあるから恐れ多くても怖いという感情が沸かないんだろうなぁ…

 …まぁ、察しなければそうなるのも仕方ない、か。

 

 それにまぁ、なんていうか…

 

 

 「そうは言ってもヒビキくんだって大概でしょ?」

 「、へ?」

 「ルギアじゃないけど、伝説のポケモンと接触してるんじゃないの?」

 「?!?!!」

 「いや驚きすぎ…」

 

 

 体反りすぎて落ちるよ?

 ギャラドスめっちゃわたわたしてるよ??

 

 けどまぁほんと、ヒビキくんって…

 

 

 「裏表ないって言うか、嘘つけない素直なとこが気に入られてる感じかなぁ…」

 

 

 こう、見てて面白いみたいな。

 飽きないっていうか、何やらかすか楽しみ、みたいな。

 

 …え、おもちゃ??

 

 

 「あっ…否定されない…」

 「えっ何か言ったか?!なぁ?!てか何で知ってんの?!俺そんなこと何も言ってねぇよな!?なぁ?!!」

 

 

 動揺して騒音になってるヒビキくんは、ルギアからの愛玩具認定を知ったらどうなるのか…

 いや、言わないけど…

 これから認識変わるかもしれないし。

 それに他の伝説の方々の判定は違うだろうし…?

 

 けど、まぁ、なんだ。

 

 

 「頑張ってね!ヒビキくん!応援だけはしとくよ!」

 「何が?!ねぇ何応援されてんの俺?!それ大丈夫なヤツか!?なぁってば!!!」

 

 

 穏やかな海の上。

 

 故郷とは少し違うけれど涼しい潮風を感じながら。

 

 私はヒビキくんにニッコリ笑っておいた。

 

 

 だって、恐らく出会っているであろうホウオウってさ。

 

 

 心正しきトレーナーの前にしかその姿を現さないって、いうもんね。

 

 

 

 

 

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